涼宮ハルヒの憂鬱 第14話
最終回。これほどのクオリティーの作品が終わってしまうのはやはり残念ですが、何事も始まりがあれば終わりもあるということでしょう。一クール(13話)よりも一話ぶん多かったことを感謝しておきましょうか。来週から火曜日は何をすればいいのやら。
今回のOPはカットされ、クレジットが流れながら本編が始まります。ラストにOPを持ってくるというお定まりの演出でしょう。冒頭ではなぜかやたらとクローズアップされ、過剰な萌えを振りまいてくれました。
もちろんキョンじゃなくてね。さすがにここまで幼いとストライクゾーンから外れています。せめて千年の時を超えて意思とカタチを持つようになった魔道書くらいには成長してほしいものです。はいそこ、真性ペドとか言わないで。
体育の授業が終わって教室に戻ってきたキョンの目に飛び込んできたのはブルマー。
もとい体操服のハルヒでした。
暑いし掃除をするには動きやすいしどうせ部室で着替えるし、という理由だそうです。本音は単にキョンに注目されたかったからでは? ハルヒの話は飛んで、朝比奈さんに次はどんなコスプレをさせるか、という話題に移ります。バニーにメイドと来て、次は猫ミミ、ナース服、女王様と列挙していきます。体操服が除外されている点に着目してしまうのは深読みのしすぎでしょうか。
いつものようにハルヒよりも一足先に部活に着いたキョンは、朝比奈さんの目を盗みつつ「mikuru」フォルダを開きます。目的は胸元の星型のホクロを確認するため。食い入るように視ていたせいで背後の朝比奈さんがお茶を差し出すまで気づきませんでした。慌ててフォルダを閉じたものの一足遅く。
「あ。これ、なんです?」
(ぐぁっ! ぬかったぁ!!)
キョンもその性格にふさわしい捻くれた名前を付けておけばよかったのに。
自分の名前が付けられたフォルダに朝比奈さんは興味を抱き、キョンに後ろから身体を凭れかけながら中身を確認しようとします。
「こんなに巨乳でベビーフェイスな私と仲良しだなんて超ラッキーでしょ?」
「ラ……ラッキー……つーかあの……
む……胸があたって……るんですけど……」
「あててんのよですー」
冷めた視線を送る長門の小さな胸にはどんな感情が渦巻いているのやら。
第三者がいるにもかかわらず、なおもじゃれ合う二人に冷や水が浴びせかけられます。
「なにやってんのアンタたち」
不条理魔人ハルヒ様の到着です。朝比奈さんを怯えさせるような不機嫌オーラを発しながらハルヒはキョンに問い質します。
「アンタ、メイド萌えだったの」
誰がどう見ても朝比奈さんのほうからキョンにアプローチを仕掛けていたと思うでしょうに、ハルヒだけはそう受け取りません。
部室について早々ハルヒは着替えを始めると宣言します。クラスの男子の前なら平然と着替えを始めるのに、今回はキョンを部室から追い出します。ハルヒにとってキョンはカボチャどもとは違うのです。
部室に入ると、そこにはウサギさんがいました。朝比奈さんの分だけでなく、メイド服がもう一着あったらハルヒはどちらを着たでしょうか。
キョンが家に帰って床に着き、目を覚ますとそこは学校でした。叩き起こしたのはハルヒ。ざっと周囲を確認して自分たちが閉鎖空間に閉じ込められていることを悟ります。キョンと違って予備知識を持たないハルヒは珍しく不安に打ちひしがれます。
「怖いなら、いっそ腕に縋り付いてくれよ。そっちのほうが、気分が出る」
「バカ」
そんなハルヒもそのうち持ち前の行動力を発揮し、教室にキョンを残して探検に出掛けます。ハルヒの不在を見計らったかのように登場した古泉は赤いシルエット姿でした。今回の閉鎖空間は通常のものとは違い、仲間の超能力者たちに力を借りてさえ不完全な姿でしか侵入できなかったからです。
古泉の説明によれば、ハルヒはついに現実世界に愛想をつかして新しい世界を創造することに決めたとのこと。つまり世界崩壊の危機。キョンが朝比奈さんといちゃついていた(とハルヒが認識した)のが大きかったのでしょう。
全く恐るべきジェラシーストーム。ベルダンディーさえ足元にも及びません。しっとマスクもハルヒを知ったら血涙を流しながら彼女をしっと団の名誉会長に任命するでしょう。
なお現実世界の視点からすればハルヒとキョンのほうが存在しないことになっています。つまり今回の閉鎖空間は新しい世界のタマゴ。
「俺がここにいるのはどういうわけだ」
「本当に、お判りでないんですか? あなたは涼宮さんに選ばれたのですよ」
新しい世界のアダムとイヴとして産んで増やして地に満ちるのがキョンとハルヒの仕事になりそうです。が、内心はどうあれキョンは古泉に元の世界に戻るための方法を訊きます。ハルヒが望めば、という可能性の低そうな方法がその返答でした。そして古泉が力を失って元の世界に戻るとき、長門がパソコンの電源を入れるように言っていたことをキョンに教えます。キョンがその指示に従うと、ディスプレイには長門の助言が。
Sleeping beauty。前回の朝比奈さん(大)もキョンに白雪姫の言葉を残しました。
長門とのか細いチャットが途切れ、ついに世界の破壊者である神人が姿を現しました。ちょうど教室に戻ってきたハルヒの「キョン! なんか出た!」という声には隠しようのない期待が含まれていました。今までハルヒが待ち望みながら決して現れることのなかった怪異であり、それ以上に自分の無意識の破壊衝動であることを感覚的に理解していたからです。
放っておいたら全ては手遅れになるとキョンはハルヒの手を取って教室から駆け出します。神人が校舎を破壊する様を見ながらもハルヒは喜びを隠し切れません。全てが終わった後、彼女が望むような世界が自分を待っていることを心で確信しているのでしょう。
「どうしてだろう。今ちょっと楽しいな」
「SOS団はどうするんだ。お前が作った団体だろう。ほったらかしかよ!?」
「いいのよもう。だってほら、私自身がとっても面白そうな体験をしてるんだし、もう不思議なことを探す必要もないわ」
おそらく世界は全て自分の望むとおりになるという全能感にハルヒは浸っていたのでしょうが、そんな彼女にキョンは「俺は戻りたい」と宣言します。結局、キョンは今までの生活を、おそらく今までよりもずっと刺激的で自分の願望もハルヒによってたやすく叶うだろう新しい世界よりも、今までの生活こそを選んだのです。
望むと望まざるに関わらず、世界すら変革できる力を持った女にキョンは愛されてしまいました。今や世界の命運は彼の双肩に委ねられたのです。キョンには気負いも自覚もあまりありませんが、いいかげんモラトリアムやってる場合ではなくなったのです。
キョンさえいれば充分なハルヒと、ハルヒとSOS団や周りのみんなをひっくるめて大事な存在と認めたキョン。二人の主張は平行線をたどり、ついにキョンは実力行使に打って出ます。
賛美歌のようなコーラスが流れ、神人が全てを破壊しようとする中、キョンはハルヒに告白します。
「俺、実はポニーテール萌えなんだ」
「なに?」
「いつだったか、お前のポニーテールは反則的に似合っていたぞ」
世界を救うにしてはずいぶんマニアックなセリフでした。呆れるハルヒの肩を抱き、キョンは。
目覚めてみると、ベッドから転げ落ちていました。夢オチかよ!
実際にはハルヒが力技で強引に閉鎖空間を否定したわけですけど。ハルヒとしては「キョンにキスされたなら元の世界に戻るのも悪くないかな」と考えたのではなく、「キョンにキスされるなんて絶対にありえない! というかこんなヘンな世界は夢! そうに決まってる!」と新しい世界の可能性を自分から否定してしまったのでしょう。
翌日、登校したキョンを待っていたのは髪型をポニーテールに変えたハルヒでした。
「ハルヒ」
「なに?」
「似合ってるぞ」
番外。
これぞ絶対領域。
「また、朝倉みたいのに俺は襲われたりするのか?」
「大丈夫」
「私がさせない」
こりゃ第二期「涼宮ハルヒの消失」をやらなきゃ嘘ってもんですよ。
- [2006/07/04 18:27]
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涼宮ハルヒの憂鬱 第13話
今回はついにストーリーの本筋に移行しました。クライマックスまであと一歩。
女子と肩を並べて下校する、という夢が叶ったキョンですが、相手がハルヒなので喜びを感じるような余裕はありません。
キョンとハルヒは朝倉涼子のマンションを訪れます。朝倉はもはや日本どころか地球上に存在しないのですが、ハルヒはそんなことを知らないしキョンも教えるわけにはいきません。おかげでハルヒとキョンのテンションは正反対。ま、いつものことといえばいつものことですが。ハルヒは持ち前の行動力と傍若無人な振舞いでオートロックを攻略します。
「なんとぉ!」
えーと、シーブック?
「抵抗するなよ、いっちゃえよ……そらみろ!」
さてマンションに不法侵入できたはいいものの、朝倉の部屋のカギは開けられませんでした。するとハルヒは目標を変えてマンションの管理人から朝倉について訊ねます。キョンも驚くくらいの常識的な口の利き方でしたが、そのぶん閉鎖空間での神人の破壊っぷりはひどくなりそうだ。管理人のじいさんが知っている限りの情報は引き出せたのですが、肝心の転居先については不明なままなでした。あと管理人のキョンへの忠告、
「その娘さんは今にきっと美人になるで、取り逃がすんでないよ」
は人生経験から導き出された審美眼なのでしょう。基本的に同感ですが、それまで宇宙が持つかどうか。
不満が残るハルヒにキョンは
「俺、もう帰っていいか?」
と空気の読めないことを言い出します。そんなキョンにハルヒは、宇宙人や未来人や超能力者のような尋常ではない存在をこれほどまでに捜し求める理由について語り出します。
彼女は小学六年生のときにナイターを観戦に行ったのですが、球場から出てくる観客の数に圧倒されます。しかもその群集もまた、日本の人口から数えれば二千分の一に過ぎなかったのです。自分が特別な存在ではなく、彼女のクラスもまた日本ではありふれたものだということを自覚したのです。
たいていの人間はそこで折り合いをつけ、世界に合わせて自分を変えていくものです。しかしハルヒにはそれが我慢ならなかった。本来なら世界としては何の支障も無く運営されていくはずだったのですが、幸か不幸かハルヒには自分ではなく世界の方を改変してしまう力を秘めていました。
そして三年前。ハルヒは“待ってるだけの女じゃないことを世間に訴え”、そして全てが始まりました。しかしハルヒ本人はそれと知らず、砂嵐のような精神状態で中学生活の三年間を送ることになったのです。
第10話で長門と朝比奈さんがそれぞれ宇宙人と未来人であることが客観的に証明されましたが、今回は古泉の番でした。彼は超能力者だと自らを評しましたが、限定された状況でしか発揮できないとはいえ確かにキョンは古泉の超能力を目の当たりにしました。まあ根性の悪い見方をすれば、上記の三人が普通人ではないというのはあくまでキョン(=視聴者視点)の認識に過ぎないわけであって、純粋に客観的に証明されたわけではないんですよね。その辺を活用して大どんでん返しをやらかしたら……まあ原作小説はともかくアニメには関係の無い話題ですね。
第4話にも古泉の口から語られた閉鎖空間と、そこで暴れる謎の巨人「神人」。
なんだか巨神兵とダイダラボッチのハーフみたいです。
なお閉鎖空間は夜と区別が付きませんし、「神人」も一見した限りではずいぶんのっぺりして現実感がありません。もっともそれは手抜きではなく、ハルヒの不安定な精神状態という非日常を表現しているのだと好意的に解釈できます。実際のところちゃんと動いていますし、なにより京アニが今まで積み重ねてきた実績がそう思わせてくれます。作り手と受け取り側の関係は決して一方通行ではないのです。デモンベインもこれくらい信頼させてほしい。
あと古泉バトルモード。
ノベルだと古泉の体そのものが変化して球形になるのかと思っていましたが、アニメだと球状のバリアーを張り巡らせるようです。
それにしてもキョンは古泉には冷淡だ。まあ美男子と仲良くできるほど寛容な精神を持ち合わせた男は少数派ということでしょう。
あとEDのテロップですが。

ハルヒの名前は彼女の精神状態を象徴するかのように単独表記。SOS団のメンバーからも外れています。
こういう芸の細かさが京アニの縁の下を支えているのでしょう。朝比奈さんの出番がゼロでEDでも無視されていたのは関係ないでしょうが。
- [2006/06/27 19:48]
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涼宮ハルヒの憂鬱 第12話

「なぜ第一話?」と一瞬ビデオ録画が失敗したかと思わせる冒頭ですが、音質の違いから映画として上映されていることが判ります。
今回は文化祭。SOS団による自主制作映画『朝比奈ミクルの大冒険』の編集を徹夜作業で終えたキョンは、友人二人と連れ立って学園を回りました。キョンのクラスの出し物は校内アンケートなので好き勝手に移動できたのですが、他のSOS団のメンバーはそれぞれのクラスで勤めを果たしていました。
長門のクラスは占い。
未来予測と区別が付いていなさそうだ。秒単位で未来を告げられるのは怖すぎる……。
古泉のクラスは劇。
ちなみに演目は「ローゼンクランツとギルデンスターンは死んだ」です。シェイクスピアの四大悲劇の一つ『ハムレット』で主人公のニセ手紙の策略にかかってあえなく処刑(しかも肝心のシーンすらなく、「ローゼンクランツとギルデンスターンは死んだ」の一言で済まされてしまいます)された脇役二人に視点を移した映画です。
朝比奈さんのクラスはコスプレ喫茶。
ウェイトレスだと料理をひっくり返してしまいそうだから、という理由でモギリ役に任命されています。その判断は正しい。
肝心のハルヒは怪我人の代役としてバニーガールでバンドのヴォーカルを務めます。
何気に長門も出演しています。先週、キーボードのタッチを習得するために五日を必要としたことには目を瞑っておきましょう。
なお、今回のMVPは。
乳揺れの偉い人。
ではなくて。
DMC(デトロイト・メタル・シティ)と資本主義の豚。
「体育館が濡れてるぞー」
「クラウザーさん、なんてテクニシャンなんだ〜〜」
「体育館のヤツ、イキやがったな」
「やはりクラウザーさんが体育館をはらませてENOZが出来たってのは本当だったのか……」
「しかし体育館があんなに感じるなんて……完全に女の顔になってたな」
- [2006/06/20 21:17]
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涼宮ハルヒの憂鬱 第5話
「私は宇宙人」
「私、実は未来人なんです」
「僕は超能力者だったんですよ」
とまあ、ハルヒが待望していた人材が実は三人もSOS団に在籍することになりました。もっともそうとは知らないハルヒは当の本人たちを目の前にして
「SOS団の活動内容! それは!
宇宙人や未来人や超能力者を探し出して一緒に遊ぶことよ!」
と宣言します。
「あのさ、涼宮。お前『しあわせの青い鳥』って話知ってるか?」
というキョンの突っ込み、ごもっとも。
なおハルヒの正体は何なのかというと、宇宙人と未来人と超能力者の解釈を信頼して総合的に判断すると、無意識的に世界そのものを書き換える創造神のような異能の持ち主であるらしい。そして長門たち三人は、そんな万能の力を持つに等しいハルヒを監視するために派遣されたエージェントだったのです。もっとも古泉に言わせれば、ハルヒが望んだからこそ三人がやって来たというふうに、因果が逆転するわけですが。そして肝心なのが、ハルヒはその力を自覚していないという点です。ある意味ペガーナ神話に酷似しています。
「まだこの世がはじまらない前の、深い深い霧のなかで"宿命"と"偶然"とが賽をふって勝負をきめたことがあった」
という冒頭で始まるこのモダンクラシックは、アイルランドの作家ロード・ダンセイニによって生み出されました。世界は全能神のうたかたの夢に過ぎず、彼が目覚めたときに終末が訪れるというのが大まかな世界観です。ラヴクラフトのクトゥルー神話に大きな影響を与えたことでも知られています。つまりデモンベインの系統樹を遡ればその根源の一つとしてペガーナに到達するのです。
『涼宮ハルヒの憂鬱』をペガーナ神話に当てはめてみると、マアナ=ユウド=スウシャイは当然ハルヒでしょう。鼓手スカアルは、切り札ジョン=スミスを持つキョンと世界を修復する古泉を併せたあたりでしょうか。
今回で気になったシーンとか。
エヴァ風……? まあハルヒの世界観はセカイ系でもありますけど。
この画像群は長門の自己紹介の場面です。小説とは違って、視覚に大きく訴える媒体であるアニメはこういうメリハリの利いた演出を施す必要があるのです。スタッフも大変だ。あと、この時の長門のセリフだけだと彼女の妄想に付き合わされているだけだという印象もなくはない。
も一つ長門。
図書館で本を読んでいた長門ですが貸し出しの手続きができず、キョンに手伝ってもらいます。この時のキョンへの感情が第四巻『涼宮ハルヒの消失』に繋がるんですよね。
そして炸裂するハルヒのツンデレ!
休日にSOS団を班分けしてアヤシゲなナニカを探すことになったのですが、キョンはハルヒではなく朝比奈さんとペアを組むことになりました。そのときのハルヒの表情。
「キョン。判ってる!? デートじゃないのよ! 真面目にやるのよ、いい!?」
「マジ、デートじゃないのよ! 遊んでたら殺すわよ!? フン!」
その後、午後から再び班分けし直したのですが、今度もハルヒはキョンと一緒になれませんでした。
ハルヒの能力もキョンについてだけは影響が及ばないケースが多い。無意識的に遠慮でもしているんでしょうか。
しかしこうして見ると、ハルヒはツンデレというよりもツツツンツンツンツツンデレくらいではないでしょうか。
- [2006/06/17 22:32]
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涼宮ハルヒの憂鬱 第11話
それなんてスペオペ? という疑問から始まる今回のハルヒは、先週の予告どおりガンダムでした。もっともGガンよりは宇宙世紀に近かったんですけど。全体にパロディ満載の回でした。
「全艦、戦闘配置!」
「アイアイ、マム」
フルメタ? ちなみに「アイアイ、マム」とは米軍での女性の上官に対する返答です。男性の場合はたぶん誰でも一度は耳にしたことがある「アイアイ、サー」。
OPが終わると恒例のSOS団のアジトにカメラが移ります。
朝比奈さんが淹れてくれるお茶の銘柄は雁音(かりがね)。玉露の茎ばかりを集めた茎葉のことです。そーいえばSOS団の活動費ってどうやって捻出してるんだ? そんな疑問もどこ吹く風。SOS団に珍しく、本当に珍しく来客が訪れます。実態はむしろ道場破りでしたが。彼らは第三話でハルヒに煮え湯を飲まされた被害者(……だよなあ)のコンピュータ研究会の面々でした。彼らは自作のゲームを差し出してSOS団に勝負を挑みます。
ヤマトか。何もかも、みな懐かしい……。
コンピ研はこの勝負で賭けを持ちかけます。SOS団が勝ったらコンピ研が団員の数だけパソコンを提供し、負けたら以前に強奪したパソコンを返却すること。なおハルヒがオプションとして長門を進呈することを決定しました。ずいぶんとSOS団に分のいい条件です。その強気の理由は後でわかるのですが。
一週間の練習期間、リーダーのハルヒは突撃を命令してはCPUに惨敗を喫してばかりでした。ハルヒらしいといえばらしいが、まるでクレーシーの戦いでイングランドの長弓兵に突撃を敢行してはハリネズミにされたフランス騎士のようだ。
宇宙空間のはずなのになぜか二次元で戦闘が行われたり、一個艦隊が一万五千隻などという超オーバースペックな編成を採っていたりすることからこのゲームの元ネタは銀河英雄伝説でしょう。田中芳樹も架空戦記だけ書いていればいいのに、なにを好き好んでどーんに匹敵する電波な社会評論を発信したがるのでしょうか。
長門はさりげなくやる気を見せています。しかし最初は光学式マウスを持ち上げてグルグル回すほどの初心者でした。
長門のレベルでは原始的すぎて帰って扱いが難しいのでしょう。キーボードのタッチも最初は右手の人差し指だけで操作していたのですが、少しずつ慣れていきます。
決戦当日。ハルヒが東郷平八郎よろしく演説をかまします。
「本日、天気晴朗なれども波高し。皇国の興廃、この一戦にあり」
元ネタは日本海海戦の報告文から。正確には「敵艦見ユトノ警報ニ接シ、聯合艦隊ハ直ニ出撃、之ヲ撃滅セントス。本日、天気晴朗ナレドモ浪高シ」と、連合艦隊の旗艦・三笠に掲げたZ旗信号「皇国の興廃、此の一戦に在り。各員一層奮励努力せよ」から。なお起草者は「智謀湧くがごとし」と称えられた作戦主任参謀・秋山真之中佐(当時)です。『坂の上の雲』の主人公の一人として有名。
もっともSOS団宇宙軍はとてもバルチック艦隊を撃滅できそうにない戦いぶりでした。劣勢の中、ハルヒが採った作戦とは!
「じゃあ、ガン(ピー)ム発進させなさい!」
「いきまーす」
「無理!」
連邦の白い奴! モザイク処理を施しても一目で分かります。
キョンが敗北を覚悟した瞬間、長門の活躍によって形勢は一気に逆転します。つーか長門の技術は種キラを超えています。
コンピ研が戦局を有利に進めていたのはSOS団の技量が足りなかったばかりではなく、向こうが索敵モードをOFF、つまり相手が丸見えで戦っていたせいでした。部長もデスラー総統のコスプレまでして強気になれるわけだ。ちなみに原作だとさらにワープまで使っています。
「堕ちろカトンボ!」
「コ、コンピュータ研に栄光あれー!!」
もー、なにがなんだか。
とにかく先週に引き続いて長門が大活躍でした。長門強化月間?
次回予告。
「予告なんて下らないわ。あたしの歌を聞けぇ!」
「ボ、ボンバー!!」
マクロス7……。パロディに始まり、パロディに終わった回でした。
- [2006/06/13 17:28]
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