今週のジャンプ一コマレビュー 2009年52号
「すぎたんだよー。お前のすぎたんだよー。
今帰ったよー開けておくれー」
「本当かー。本当に本物のすぎたんかー。
本当のすぎたんならこれができるハズです。
すぎたん節ー」

「どんな奴だろうと俺の人生計画を邪魔する奴は
どんな奴だろうと許さねぇ!!!!」
「うわー超すぎたーん。やっぱりすぎたんだーッ」
「はっはっはっはー」
というわけで三年の時をへだててすぎたんがジャンプ本誌に帰って来ました。今回の読み切り「SWOT」にはすぎたんの三年間の修行の成果がさまざまな点にあらわれています。特に画力の上達ぶりがすさまじい。『斬』のころとくらべると十のものが二十くらいにレベルアップしています。ジャンプの連載陣の画力の最低レベルが五十前後であることはこのさい目を瞑っておきましょう。
他にもキャラの立て方、ストーリーの運び方、主人公シュージンのツンデレ具合など、いろいろな面で長足の進歩を遂げています。それなのにすぎたん節は少しばかりマイルドになっているとはいえ相変らず健在でした。世界観の変更点も武器が日本刀から鈍器に変ったくらいのものです。やっぱりすぎたんは俺たちのすぎたんのままなのでした。わっほう。
『トリコ』の謎の覆面男の正体はノッキングマスター次郎だった! ……のか? ノッキングの腕やリーゼントはたしかに次郎のもののようですが、それにしては体格がスリムに過ぎるし酔っぱらってもいません。次郎の関係者であることは間違いないでしょうが、個人的には本人ではなくその弟子あたりではないかとにらんでいます。第六十七話でさりげなく語られた、セツ婆の厨房に一人いるスタッフはたぶん彼のことでしょう。次郎はセツ婆と結婚してはいないようなので次郎の息子とか孫とかの線は除外してもいいと思います。
今週の『ぬらりひょんの孫』はこの漫画の悪いところが噴出した回でした。雪女も羽衣狐も登場していない時点で『ぬら孫』の魅力の97%が減じているのはさておくとして、ストーリーの構成がダメのダメダメ。椎橋先生はキャラクターの魅力を絵以外で表現するのがとことん下手な漫画家です。
遠野のアマゾンライダー沼河童の雨造は前回で妖怪世界にくわしいキャラという性格づけがなされました。だから当然ここで首無の強さと凄みを読者に語るべきところなのに、この後なにも言わない。なんのために出てきたんだお前わ。
首無に追いつめられ、真の能力を解放してしまうイタク。椎橋先生としては「首無は強い、でもイタクも強い」ということを表現したいのでしょうが、読者からすれば首無が本気になってもイタクを倒しきれなかったせいであまり強いように思えず、おかげで首無と互角っぽいイタクの株まで平均化され、結果として首無とイタクがどんぐりの背比べをやっているように見えてしまいます。漫画のキャラの強さなんてドラゴンボールの戦闘力みたいに数値化するのでなければ相対的に表現するしかないものなので、適当なキャラを噛ませ犬にしてケレン味たっぷりにブッ飛ばすのが一番わかりやすい見せ方なのに。
第三のキャラ・鴆のお出まし。おかげで首無とイタクの印象がさらに弱まりました。お前は宝船の底に隠れたたまでいて、奴良組がピンチになってはじめてタイミングよく出てきた方が万倍よかったよ。
というわけで今回のストーリーをリファインすると、雨造は男塾の雷電のごとく常州の弦殺師の過去についてハッタリ100%の蘊蓄を傾け、イタクは『鋼の錬金術師』第十巻のホムンクルスコンビのように手も足も出せずにやられながらも切り札を隠し持つことで読者の興味を次に繋げ、鴆はそもそも出て来ない。こうすればそれぞれのキャラの個性や能力や強さがわかりやすく表現できると愚考する次第です。
というか今のジャンプで一番好きな漫画をなぜここまで駄目出しせにゃならんのだ。
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- [2009/11/22 23:18]
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今週のジャンプ一コマレビュー 2009年51号
新連載第二弾は『ぼくのわたしの勇者学』の麻生周一によるギャグ漫画『新世紀アイドル伝説 彼方セブンチェンジ』です。なにが七変化なのかは不明。
この漫画を読んでパッと目についたのは設定の妙です。お笑い芸人が志望なのに顔の良さだけを評価されてアイドルの道を歩まされる主人公と、アイドルとしてのイメージをブチ壊しにする言動ばかりとる主人公に頭を悩まされるマネージャー。両者のギャップが面白い。
ギャグ漫画は面白さをキャラクターの個性に依存している作品が多いので今回の新連載は目新しくて有望株だと思ったんですよ最初の十ページくらいまでは。それだけに本編のギャグが上等な料理にハチミツをぶちまけるがごとき代物だったことが残念でなりません。普通、つまらない漫画は読み飛ばすので、笑えないギャグ漫画を読むことが譬えようのないほどの苦痛だったことを久しぶりに思い知りました。あ、笑えないギャグ漫画で思い出しましたが『わじマニア』が終りました。
『トリコ』では簡単ルート(ただしゾンゲ様主観)を進んだゾンゲ様一行が大陸のボス(またもやゾンゲ様主観)に早くも出くわしてしまいました。
ガウチかよ!
まぁ捕獲レベル5のガララワニ、しかもその赤ん坊をメインディッシュに据えるゾンゲ様からすればレベル13のガウチの群れなんて悪夢の具現化に見えても仕方のないことなのでしょう。しかしトリコたち直進ルート組は美食會に追われる立場だし、別ルート組はレベル17のアイスジャガーに襲われたので、ゾンゲ様は無意識的な危機回避能力だけならトリコ以上のものを持っています。たぶんトリコがゾンゲ様と組んだらどんな過酷なミッションでも一度もピンチに陥らず漫画としての面白さが皆無になってしまうくらいたやすく達成してしまうに違いない。『トリコ』世界のバランスブレイカー、その名はゾンゲ。
ポコペンポコペンダーレガツツイタポコペンポコペンダーレガツツイタ……
しかし産れたのは卵でもなければ魔族でもなかった。口から巨大な虫が出て来るというのは確かに気色悪いけれど、インパクトではピッコロ大魔王の方が上ですな。
今回の『ぬらりひょんの孫』の表紙は雪女が飾りました。あとリクオ夜バージョンも描かれていましたが雪女とリクオがいっしょにいる絵を見ていると嫉妬の炎でうっかり焼身自殺してしまうおそれがあるのでリクオのところはカットしました。
ちなみに本編は視点が京都から宝船に移りました。えーい、奴良組はいいっ! 雪女を映せ! 雪女の萌えっぷりをっ!!
『PSYЯEN -サイレン-』ではグラナと弥勒の超常バトルが繰り広げられました。


セクシーコマンドー外伝 すごいよ!! グラナさん。
グラナのあの腕の動かし方は彼がセクシーメイトであることの何よりの証拠です。
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- [2009/11/18 01:35]
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今週のジャンプ一コマレビュー 2009年50号
今期ふたつめの打ち切りは予想通り『鍵人-カギジン-』でした。これで田中靖規先生も『AKABOSHI』の天野洋一先生と同様に、二回連続で連載の短期打ち切りを食らったことになります。二人とも後がない。
ところで天野先生と田中先生の場合だと、五十歩百歩のレベルだとしてもどちらかといえば前者の方が再起の可能性は高いと思います。天野先生には絵という強力なセールスポイントがあるけれど田中先生はこれといってわかりやすい武器を持ちあわせていないので。『鍵人』は小ぢんまりと完成してしまっていて、次回作の伸びしろが残されているようには見えないんです。個人的には『鍵人』の方が『AKABOSHI』よりも好きだったのですが。
とにかく田中先生、半年間の連載お疲れ様でした。上記の俺の無責任で傲慢な書き飛ばし予想を嘲うかのような傑作をひっさげてジャンプに帰って来られることを望みます。
松本直也先生の新連載『ねこわっぱ!』は半年前にジャンプに掲載された読み切りが装いを新たにして連載に昇格した作品です。第一印象はアラレちゃん。幼女が主人公なのに元気印でかぼちゃパンツで萌え度ゼロで、いわゆる大きなお友達の支持を作者が最初から諦めているところが好印象でした。少年漫画らしい少年漫画なので、ぜひとも連載が長続きしてほしい。……って似たようなことを『賢い犬リリエンタール』のときにも書いてたな。リリエンタールの掲載順が目をおおわんばかりのヤヴァさなのはどうにかならんもんでしょうか。
『ONE PIECE』では白ひげの格が落ちるどころかストップ高にまで昇りつめました。白ひげは間違いなくジャンプ史上に残る大物キャラです。前回のレビューのコメント覧でネタバレ気味に指摘されてはいたのですがまさかこれほどとは。
白ひげを貫いたスクアードの凶刃はセンゴクと赤犬の仕込みによるものでした。センゴクはスクアードが白ひげに拾われる以前に海賊王ロジャーによって仲間たちを全滅させられていた過去に目をつけ、エースがロジャーの息子であることを赤犬を通じて事前に知らせて不信の種を播き、海軍が新世界の海賊だけを狙い撃ちにすることで裏切りの花を咲かせたのです。
白ひげは信頼していたスクアードに深手を負わされたのに、背後の陰謀を悟ってスクアードを赦します。しかも卑劣といっていいほどの寝返り工作で義理の息子の心を曇らされたのに、謀略の主のセンゴクを罵るどころか逆に賞賛するほどの度量の大きさを示しました。そして傘下の海賊たちの疑念を晴すため、そして劣勢になればいつでも逃げられるように氷の壁を破壊し、自分の命が長くないことを見切りながらも参戦するのでした。
しかし白ひげも大物ですがセンゴクも負けていません。おそらくスクアードが白ひげを刺すように仕向けたのもセンゴクにとっては白ひげを倒すための幾重もの罠のひとつがうまく発動したのに過ぎなくて、劇中では描かれていなくても第二第三の策が仕込まれていたことでしょう。
何よりすごいのが、海軍側はまだ切り札を出していないことです。パシフィスタ二十体の投入も、スクアードの反逆も、“世間には刺激の強すぎる惨劇”のいわば前座で、白ひげ海賊団を崩壊させるための決定的な策ではありません。真打はまだ控えているのです。何やらかすつもりだセンゴク。
ワンピでは蜘蛛のスクアードが目立っていましたが、『ぬらりひょんの孫』では蜘蛛の妖怪が出てきました。
妖怪・土蜘蛛! 『古事記』に名を残すほどに古い妖怪が封印から解き放たれて羽衣狐と行動をともにすることになりました。羽衣狐の正体が金毛九尾の狐なのだとしたら土蜘蛛よりも長く生きてはいますが、日本の妖怪としては土蜘蛛の方が先輩です。羽衣狐にタメ口きくのも不自然ではありません。
ところで土蜘蛛がキセルを吹かしているコマで思い出したのですが、日本ではじめてタバコを吸った女性は淀君であると伝えられています(あくまで伝説)。そして最初に禁煙令を発布したのは豊臣秀吉だとか。淀君が禁煙中でイライラして情緒不安定な心につけこまれて先代の羽衣狐に憑依されたのだとしたら面白い。
え? やや子? 俺あの夜、避妊に失敗してたんだ。
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- [2009/11/10 23:16]
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今週のジャンプ一コマレビュー 2009年49号
前回に書いたように『AKABOSHI』が約半年の連載に終止符を打ちました。つーか編集部に打たされました。最後の最後で生辰綱強奪の面子とか盧俊義・燕青の主従とか楊志とか李逵とか、作中で未登場だった『水滸伝』の有名な登場人物たちをザラザラッと出していたのが作者のものすっごく未練タラタラな心情を表現していてステッキーでした。
この作品の敗因を考えるに、少なくない数の登場人物が遼の鉄騎兵の馬蹄に踏みにじられて全滅してしまえと願わせるほどに不愉快な性格をしていたことが第一に挙げられるでしょう。次に、原作があらゆる意味で巨大すぎました。登場人物が数百人にのぼる有名古典作品を新人がリファインして描くのは荷が勝ちすぎると編集部は危ぶまなかったのでしょうか。さらに絵がゴチャゴチャして見づらかった。ラノベの挿絵みたいにときおり見かけるくらいならまだしも、二十ページ近くの漫画で描かれたのでは読む方が疲れてしまいます。天野先生にはいい意味での手の抜き方を会得してほしい。
屍に鞭打つようなことばかり書いていても非建設的なだけなので長所も書いておきましょう。天野先生の魅力は絵にあります。個人的にはそれほど好きな絵柄ではないものの、ネットの評判を見るとわりと高評価でした。いい原作がつけば化ける可能性を秘めています。ジャンプ編集部は今回の連載で天野先生にポスト藤崎竜たらんことを期待したのでしょうが、はっきりいって第二の小畑健を目指した方がいいと思います。
『ONE PIECE』ではまさかまさかの裏切りが白ひげの体を貫きました。
サブタイトルにも出て来た大渦蜘蛛スクアードの行動は、さてどのような動機に基づくものなのか。彼が本気で裏切ったのだとすれば白ひげは部下を心服させられなかったわけなので貫目が下がって嫌な気分です。しかし白ひげ海賊団を守るためにあえて自分が嫌われ役を買って出て白ひげとエースを切り捨てたのだと考えると、それはそれでアリとも思えます。ドフラミンゴに操られているという線は、彼の能力の効果範囲が白ひげに悟られないほどに広いものだとすると強力すぎるので除外します。クロコダイルと戦っている上に他者を操るような器用な真似ができるとは考えにくいし。ラストの見開きで驚いていたのは白ひげ海賊団やルフィたちで海軍のキャラは出ていなかったのでセンゴクの仕込みだったと考えるのが順当のような気がします。
『ぬらりひょんの孫』ではゆらの召喚した“破軍”が子孫のピンチなのに戦ってくれません。助け船の答えを出してくれたのは生前も死後もいいとこ取りの秀元でした。“破軍”は術師の力を限界まで増幅するものだったのです。
上の画像はイメージであって実在の作品・キャラクター・どこぞの漫画を描かない漫画家などとはいっさい関係ありません。
四百年間ずっと羽衣狐に思われていた……だと……? それがたとえ負の感情だとしても、なんと妬ましいことか……! きっと初代ぬらりひょんは秀元よりももっと強烈に思われているに違いない。それが彼の孫で若いころの彼に瓜二つのリクオと出会い、憎さあまって可愛さ百倍、くるっと反転して恋愛感情に発展したら俺はリクオへの殺意を抑えこめる自信がありません。
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- [2009/11/05 00:30]
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今週のジャンプ一コマレビュー 2009年48号
ネットのフライング情報によれば『AKABOSHI』が次回で最終回を迎えることが決定したようです。これで天野洋一先生は『OVER TIME』に続いて二回連続で短期打ち切りを食らったことになります。いやまいったね、ははは。
入れ替りに二本の新連載が始まるようなので『AKABOSHI』の他にもう一つの不人気漫画が切られるのでしょう。おそらく連載順のドンケツ御三家から選ばれるのでしょうが、だとすれば『鍵人』がアウトになる可能性が高い。『めだかボックス』は原作に人気ラノベ作家を講談社から引っ張ってきての連載なので、編集部としてはアンケート結果が低迷していてもなかなか切るわけにはいかないはずです。たぶん『タカヤ』くらいは連載が続くんじゃないでしょうか。
『ONE PIECE』ではルフィが鷹の目のミホークを前にして主人公にあるまじき卑劣な振舞をやってのけました。
人間バリアー! まさに外道!
『トリコ』のセンチュリースープ獲得の依頼人カーネル氏は本人が極寒の地アイスヘルまで出張ってきたのではありませんでした。本人そっくりの遠隔操作ロボを動かしているのか、あるいは立体映像装置を使ってその場にいるように見せかけているのか。
どちらにしてもカーネル氏が苦労もせずに利益だけを貪ろうとする、少年漫画的な意味でのゲスな企業家のフラグが立ったのは残念でした。この手のステレオタイプの金持には正直なところ飽きが来ているので、カーネル氏は金持なりの矜恃と信念を持ってセンチュリースープ獲得に邁進していてほしい。
ツンドラドラゴンをツンデレドラゴンと読み間違えた人は手を挙げなさい。はーい。
『ぬらりひょんの孫』はセンターカラー。ジャンプ編集部の『ぬら孫』への扱いが目に見えてよくなってきています。あ、カラーには雪女も羽衣狐も描かれていなかったのでキャプ画像は貼りません。面倒くさい。
破軍発動! 秀元がガイコツの死神たちに導かれて昇天しているように見えるのは目の錯覚です。第六十五幕を読み返してみると、四百年前に花開院の先祖が破軍で召喚されたときはみんなガイコツ姿だったので別に間違ってはいないのです。違和感の原因は一人だけ生前の姿をとどめいている秀元です。陰陽師としての力が別格だからでしょうか。
『保健室の死神』が『To LOVEる』の後釜に座らんとして『あねどきっ』に白い手袋を投げつけました。
四人の美人姉……だと……? しかも『あねどきっ』みたいなあねもどきではなくて正真正銘の姉……だと……?
もうこうなったらいっそのことストーリーを第一部完みたいな感じで適当なところで切り上げて、その次の回から『保健室の死神 -夜明けの炎刃王-』とタイトルを変えて妹尾家を中心にしたコメディとして仕切り直したらいいと思います。そして作中もっとも読者人気の高くなった姉は弟と実は血が繋がっていなかったという新事実が発覚してめでたく結ばれる、と。ちょうど四姉妹の名前に四神を採用したので都合よく打ち切りフラグが立っていることですし(ぉ
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- [2009/10/27 23:16]
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