『Kanon』第14話「ひびわれた協奏曲〜concerto〜」
前回とは対照的にアットホームな朝食の場面から舞台は始まります。ストーリーは今回で完全に舞ルートに突入したので名雪の出番は序盤にしかありません。
「くー」
「ちなみににんじんだってちゃんと食べられるよ」
序盤だけでも充分すぎるほどの破壊力を示していますがね。
しかし祐一は名雪には一顧だにせず、夕べの舞の言葉を訝りながら黙々とトーストを口に運びます。何て枯れ果てた男なのでしょう。コヤツの精神年齢は推定128歳です。しかし秋子さんの謎ジャムには当然のように反応しました。
おねむー名雪も一瞬で覚醒し、二人連れ立って食卓を後にするのでした。秋子さんに新たな犠牲として目を着けられたあゆあゆを残して。
人間は悲しい生き物です。萌えよりも恐怖に強く反応してしまう悲しい生き物なのです。
さて登校中に名雪は女の子を可愛く見せる小道具を祐一に手渡します。
ウサミミモード♪
ウサミミモードでぇ〜す♪
女の子が可愛くなるのに限界なんてないんだね。
男の子が可愛くなるにも限界なんてないんだね。
まぁハヤテ関連について語り出したら話が進まないのでKanonレビューに戻ります。ウサミミヘアバンドを手に取った祐一は一瞬、過去の映像がフラッシュバックします。
これまた七年前に祐一が泣かせた幼女なのでしょう。真琴に続いて被害者がまた一人登場したわけです。天はそのとき一体どこを見ていたんだ!? Quo Vadis!!(主よ、何処に行き給ふか)
全世界の真面目なクリスチャンに喧嘩を売っていると誤解されても仕方のないような絶叫はさておき、昼休みに祐一がいつものように屋上へ続く階段の踊り場を訪れるとそこには舞しかいませんでした。日直の仕事で来るのが遅れている佐祐理さんを待つまでの暇つぶしに二人はしりとりを始めます。
「じゃ、りんご」
「ゴリラさん」
「……」
「もう一回」
「じゃ、リス」
「酢こんぶ」
「ブタ」
「鯛」
「イビキ」
「キリンさん」
「……」
「キリン」
「言い直しても“ん”が付いてるだろ!」
舞は動物になると、さん付けしてしまうのですぐに終わってしまうのでした。そこでゲブ神のスタンドを持つンドゥールの出番だ! チャドの首都ンジャメナでも可。通常ならば相手の救済措置にしかならないのですが、コミュニケーションを取るのが難しいヒロインとのフラグを立てるためには有効なのです。(舞だけだ)
昼食を済ませた祐一は懲りずに木刀を振り回しますが、舞に相手になってもらうと当然ながら歯が立たずに御尻百叩きの刑に処せられます。
やはり天は見ていた……!!(言ってることがさっきと真逆だぞ)
間の悪いことに、そんな二人の下へ佐祐理さんがやって来てしまいます。最初はチャンバラごっこかと思っていたのですが舞たちが真剣なのを知って自分も本気になると言い出します。そして舞もまた本気で佐祐理さんを退けるのでした。無論、佐祐理さんのことを心から心配しての仕打ちです。
放課後、祐一は佐祐理さんに誘われて喫茶店で昼休みの一件について語り合います。佐祐理さんは舞や祐一が黙っている以上、自分も何も訊かない方がいいと深追いを止めてくれました。そして佐祐理さんはかつて自分には弟がいたことを語り出します。この件についてはあえて語りません。その二つの眼で観るべし。そして魂を震わすのだ。
辛い過去を経験したせいで佐祐理さんは自分の一人称に名前を使用するようになりました。主観的な物の見方ができなくなり、自然に笑うこともできなくなったのです。そんな彼女が再び笑えるようになったのは、舞のおかげでした。その理由が那辺にあるのかは佐祐理さん本人にもわからないのですが、それでも舞と一緒にいたいと望んだのです。
そして佐祐理さんはこの作品の根本について語り出します。
「この曲の名前、ご存知ですか?
カノンです。パッヘルベルのカノン。
同じ旋律を何度も繰り返しながら、少しずつ豊かに、美しく和音が響き合うようになっていくんです。
そんなふうに、一見違いのない毎日を送りながら、でも、少しずつ変わっていけたらいいですよね」
なおこの部分はアニメのオリジナルです。本来は独立していた佐祐理さんの過去話を舞ルートに自然に絡めつつ、ゲームでさえ明示されなかったタイトルの意味をしっかりと挟むこの技量。このまま行けば、このアニメは原作を超えます。全く、称賛の念しか思い浮かびません。
しかし終盤はゆっくりと破滅へと近づいていきます。祐一と舞と佐祐理さんは三人が三人とも自分よりも他の二人を思いやっていたせいで、自分では最善と思っていた行動が結果的には最悪の行動になってしまうのでした。そして、祐一と舞が目にしたのは、二人が最も見たくない結末でした。
一命を取り留めた佐祐理さんのためにも、二人は今夜のうちに全てのケリを着けることを誓い合うのでした。
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- [2007/01/05 23:32]
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『Kanon』第13話「あぶなげな三重奏〜trio〜」
祐一や舞たちの未来を暗示するかのような赤信号を待つ間、路面電車が通り過ぎる。
こんな真冬の北国でアイスクリームの広告なんぞを見せ付けられて誰が喜ぶって言うんでしょうか。あ、栞か。
青信号になって横断歩道を渡りかける祐一たちの横を北川が駆け抜けていきました。先日の舞踏会の実行委員として、例の一件で生徒会室に呼び出しを喰らったのです。生徒会長は舞を退学にすると息巻いているそうです。そして再び信号は赤へと変わりました。さすがに芸が細かい。
所変わって生徒会室には一足先に佐祐理さんが到着していて舞を弁護していました。一時は風向きが変わりかけますが、この男のせいで再び舞が悪役であることを印象付けられてしまいます。
Kanonにおいて唯一といっていいほどに貴重(?)な悪役、久瀬。30年前のイヤミなテンプレ生徒会長を見ているようで腹が立つより先に微笑ましくなってしまいます。しかし佐祐理さんをいたぶるのは許せんので笑顔を浮かべながらリボルビング・バンカーをディスプレイに向かって打つべし! 撃つべし! 討つべし!
……話が逸れたので軌道修正。舞が長剣を振り回していた理由を突っ込まれて、魔物について何も知らされていない佐祐理さんは口ごもってしまいます。そこに現れたるは相沢祐一、主人公としての面目躍如。
「その訳なら、俺が知ってるぜ!」
しかし祐一が生徒会室の入り口の前に着いてから結構な時間が経っているわけでして。何ということでしょう! こやつは佐祐理さんが孤軍奮闘している様を冷静に観察しつつ、自分が出てくる最高のタイミングを見計らっていたわけなのです! 唾棄すべき主人公! 排斥すべき主人公! 降板すべき主人公! というわけで俺と替われ祐一。
……またもや話が逸れました。とにかく祐一ですが、舞はアトラクションとして剣の舞をやっていたのだと小学生でも思いつきそうな言い訳を始めます。もちろん久瀬はそんな捏造には引っかからずに逆襲。何て使えない主人公なのでしょう。もういいからお前は部屋に引きこもってハチャトリアン聴いてろ。
そんな役立たずここに眠るをフォローしてくれたのは北川でした。祐一に口裏を合わせてくれ、ひとまず舞が退学処分を受けるのは免れました。めでたしめでたし。学校に長剣を持ち込んでいる時点で銃刀法違反だという点については武士の情けで目を瞑っておきましょう。
さて脇役よりも役に立たない主人公ですが、授業中に中庭の人影に気付きます。
祐一が注目すべきはおねむー名雪しかないと思ってしまう俺は罪人なのでしょうか? 主に栞ファンにとって。
休み時間、いつものように栞との地道なフラグ立て。栞シナリオはどうにも取って付けたような印象が拭えません。メインルートに組み込みづらいんでしょう。が、とにかく祐一は堅実に栞の好感度+ヒロイン情報を獲得していきます。今回は栞の香里との不可思議な関係が仄めかされ、またいつか遊びに行く約束を交わします。
そして二人を校舎の窓から感情を押し殺した目で見つめる香里。
舞ルートと栞ルートを同時に消化しているかのようなペースです。二人のヒロインのアニメでの結末やいかに。
放課後では祐一が三国一の役立たずの汚名を返上すべく舞のサポートをすると決心し、木刀を振り回し始めました。「野犬かイノシシくらい出てきてくれりゃあ、いい実践訓練になるのに」と身の程知らずな呟きを洩らすと期待通りに、
犬さんの投げつけたバケツを顔面で受け止め、
イノシシさんの投げつけた消火器を叩き伏せて消化剤をブチ撒けてしまいます。夜中の魔物との戦闘でも舞の足を引っ張るだけで終わりました。
祐一よ。汚名は返上するものであって挽回するものじゃないんだぞ?(そこまで言うか)
翌日、祐一は佐祐理さんに誘われて舞の誕生日プレゼントを買いに商店街に繰り出します。万能に無能な祐一ですが、ギャルゲーの主人公としてヒロインへのプレゼント選びについてだけは失敗するわけにはいきません。そしてこの町で一番大きなぬいぐるみを舞に贈ることにしました。
大きいことはいいことだ。ということにしておきましょう。色の白いは七難隠す、アリクイの大きいは七転八倒。転倒するな。
しかし佐祐理さんは気に入ったようです。
「きゅぴーん」
佐祐理さんならセクシーコマンドーも美麗な格闘技に一変します。
とまあ俺はさゆりんスキーなんだなとつくづく思い知らされた回でした。名雪の出番が多いものだからついついそちらに流されてしまいますが、注目度が上がれば勝算は五分と五分!
四分六分に下がったかな?
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- [2006/12/29 23:12]
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『Kanon』第12話「異形の円舞曲〜waltz〜」
舞ルート第二回。大体そんな内容でした。もっとも完全には一本化しておらず、あゆあゆや栞のフラグも回収していました。
さて今後のペース配分についてちょっと考察してみました。
第01〜06話……………序盤
第07〜10話……………真琴ルート
第11〜12話(+α)……舞ルート
この計算式のままで行くとすれば一人のヒロインのルートを四話で消化するわけでして、全体としては6+4×5=26。おお。きっかり2クール26話で大団円を迎えることになります。ここまで杓子定規に話が運ぶかどうかは少し疑わしくもありますが、まぁ伏線を未消化のままグダグダなラストを見せ付けられることはないでしょう。一安心。
アバンではひとりぼっちのロリあゆでしたが、OPが終わるとショタ祐一が傍にいました。ゲームセンターの店先のUFOキャッチャーでOPにも登場した重要アイテムの天使人形をあゆが欲しがります。
ショタ祐一は「一度に二つ三つは当たり前だ」などと大言壮語を弄しておきながら、大枚二千円を注ぎ込んだ挙句ボウズに終わりました。これが高校生バージョンだったらザマミロ&スカッとサワヤカの笑いがこみ上げてきてしょーがねぇ所なのですが相手は小学生なので残念ながらそんな気分にはなれません。年齢のおかげで命拾いしたな……
「ゴメンね。ボクのせいで」
「あやまるのはこっちだ。プレゼントするって約束したのに」
「ボクはいいよ。祐一くん、がんばってくれたもん」
おのれっ! たとえ年端もいかない子供とはいえ、やはり彼奴は相沢祐一! 全世界の男子にとって永遠の怨敵なり!!
そんな天誅を加えるべき天然ジゴロはようやく目を覚まし、高校生としての意識に戻りました。部屋から出るとこちらも七年前から成長……した? しましたよね? そんな幼児体型あゆあゆと鉢合わせします。二人で馬鹿を言い合ってベランダに出ました。
「なんでそんな場所にいるの?」
「俺は高所恐怖症なんだ」
「へぇ〜、実はボクも高い所が苦手なんだよ」
「そうなのか?」
「ベランダくらいは大丈夫だけどね」
この何気ない遣り取りが実は二人にとってとてつもなく重要な伏線だったとはお天道様でも気づくまい。というわけでKanonをすでにプレイしている読者は太陽よりも偉いのです。そして調子に乗ってロウで固めた鳥の羽根、両手に持って飛び立って墜落死します。さよなら名工ダイダロス、こんにちは冥王ハーデス。
自分で何を言っているのか判らなくなりつつもレビュー続行。あゆあゆは話を替えてなゆなゆ礼賛を始めます。表層的な印象だけだと名雪は綺麗で優しくてすごく素敵な女性らしいです。いつか名雪のようになれるかなと遠い目をしたあゆに祐一は自分たちと同い年だと教え、あゆを爆沈轟沈大撃沈。
さておき、つまりあゆの目には名雪は祐一よりも年上に映ったわけです。思うに彼女の親友である香里のおばさん臭いのを通り越しておばあさん臭い性格に感化されて名雪も上辺だけなら落ち着いた雰囲気を纏うようになったのでしょう。
で、明け方にあゆは名雪の内面の一端を目の当たりにします。
「けろぴーは、ここ」
「そしてわたしは、ここ」
はい、人間の美しさは内面が全てです。
名雪は陸上部のミーティングで一足先に学校に向かい、祐一は一人で登校します。そういうわけで本妻の居ぬ間に愛人二人とフラグを立てます。
天誅よりもむしろ人誅を加えてやりたいです。その後、約束していた夕方の舞踏会について語ってから二人と別れ、休み時間にはもはや消化試合としか思えない栞とのフラグ立てに勤しみます。
が、今回からは毛色が変わってきました。校舎に入るとショートカットの一年生に呼び止められ、栞が一学期の始業式からずっと休んでいること、苗字が美坂ということを教えられます。ダブルヒロイン同時攻略指令発動か!? 佐祐理さんを加えるとトリプル。天だろうが人だろうが構わない。誅すべし、相沢祐一!
男友達の北川は ↓ これほどまでに和ませてくれるというのに。
「これで会場の視線を独り占めだぜぇ」
確かに別の意味で独り占めできるわな、と心の中で呟いていたら。
「確かに独り占めにはできそうね。いろんな意味で」
何てこったい! 香里と同じ感想を抱いてしまうとは、俺はそこまで精神的に老けてしまっていたのか!(ヒデェ)
祐一は下校時に栞について香里に訊きますが、自分は一人っ子だと冷たく斬り捨てられるのでした。その後、昼飯時に佐祐理さんからタキシードを手渡されて前半終了。
帰宅してから舞踏会までの暇つぶしにTVを観ているうちにうたた寝してしまい、今回二度目の回想シーンに突入します。そこでショタ祐一は三つ編み時代のなゆなゆから千円という大金をせしめ、UFOキャッチャーで例の人形をゲットするのでした。もちろんプレゼントする相手は名雪ではなくあゆ。
ギャンブルにうつつを抜かし、なおかつ愛人に貢ぐために本妻から金を毟り取る男、その名は相沢祐一。彼はダメ亭主でありダメ男でありダメ人間でありダメ霊長類でありダメ生物であり(ry
まことにもって末恐ろしいお子ちゃまです。きっと将来はその天性のジゴロテクニックを十全に活かして本命キープを問わず恋愛フラグ立てに青春の日々を費やすことでしょう(現在進行形で費やしています)。
とにかく舞踏会会場。北川は本当にあの衣装に身を包んで実行委員としての責務をノリノリで果たしますが周囲からは完全に無視されてしまいました。なんて無関心な生徒たちなんでしょう。それこそ『正義(ジャスティス)』のスタンドに操られた死人たちに匹敵しています。幽鬼どもと競演する祐一たちは明日の太陽を拝むことができるのか!? 無理矢理ホラーにするな。
そんなこんなで祐一はドレスアップした舞とダンスを始めます。
生徒たちの彼女への好感度も期待通り上がっていくのですが、最悪に間が悪いことに魔物が出現。見えない力で佐祐理さんを気絶させたことで舞は逆上してしまい、会場で剣を振り回して何もかもがご破算に。加えて生徒会長の久世に問題視されてしまうのでした。
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- [2006/12/22 23:24]
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『Kanon』第11話「光と影の間奏曲〜intermezzo〜」
アバンでのあゆあゆモノローグが復活しました。先週で真琴ルートが終焉を迎えたのでヒロイン入れ食いパートに復帰。祐一もギャルゲー主人公としての務めを果たすべく、今回から真琴のことなどすっかり忘れて色欲天魔王モードを発動させることでしょう。腹斬って詫びろ!
「秋子さん。この部屋は、ずっとこのままにしておいてもらえませんか?」
「だよね。真琴がいつ戻って来てもいいように」
「ええ。私もそのつもり」
俺が腹斬って詫びます。
真琴の過去をきれいさっぱり切り捨てて第二のルートに向かうのではなく、辛い過去を背負いながらも新しい触れ合いを描いていこうという京都アニメーションの真摯なスタンスに脱帽しました。『AIR』もそうでしたが、アニメという分岐の存在しない一本道メディアでオムニバス形式のアドベンチャーゲームを再現するのに、矛盾を来たさず整合性を持たせる姿勢と手腕は見事の一言です。この調子ならラストはあゆと結ばれてハッピーエンド、という単純な締めくくりでは無さそうで期待できます。
京アニへの称賛はこのへんにしておいて、本編のレビューに移ります。
通学中、祐一が真琴のことを覚えていたことから、名雪は祐一に昔のことを思い出したのかと明らかに思い出してほしい口振りで訊いてきます。ここで七年前のヒロインたちへの所業を全て思い出してしまったらストーリーを一から再構成しなくてはならないので真琴のことを除いた記憶はまだ曖昧なままでした。祐一くんに死神の祝福を!
名雪と放課後に一緒に帰る約束をした後、教室に着いた祐一は北川とアホなやり取りを交わします。香里にも呆れられますが、それだけに楽しそうだったり。休み時間には以前のサイクルに従って栞の好感度を上げておきます。五人+αのヒロインの中で栞との絡みが一番ルーチンワークくさいのはなぜでしょうか。アニメだとメインヒロインでは栞だけ真琴との接点が一切ないのも痛い。アニメスタッフの方々のキャラへの愛にも限度があるということでしょうか。
さて昼休み、祐一はやはり舞とのフラグ立てに屋上へ続く階段へと足を運びます。しかし二人の姿は見えず、廊下で舞の噂話を聞きつけて職員室へと急ぎます。職員室の前には佐祐理さんが頼りなげに佇んでいました。舞は魔物との戦いで窓ガラスを割ってしまい、教師に叱られていたのでした。
その後、三人は昼食を取りますがお互いがお互いの弁当を勧めあって無限ループ。
食い物で遊ぶな。
ついでに放課後でも祐一と名雪の会話はまたもや無限ループ。
「今日は一緒に帰るんだから」
「誰が」
「祐一が」
「誰と」
「私と」
「どうして」
「約束したからだよ」
「誰が」
以下、北川のツッコミが入るまでひたすらじゃれ合います。祐一くんに貧乏神の祝福を!
帰り掛けの廊下で祐一は隣の名雪に“ゴリラっぽい女の子でも可愛く見せる方法”を訊ねます。
↓ゴリラっぽい女の子(祐一談)
舞がゴリラっぽいというのなら三次元世界の女どもはどいつもこいつもアウストラロピテクス以下じゃい!
あ、舞が手にしているのは舞踏会のパンフレットです。祐一の発案で舞がドレスを着てダンスを踊ることになりました。二番目の攻略ヒロインは舞のようです。原作でのエンディングは卒業式だったので、アニメではどう一段落つけるつもりなのでしょう。
なお祐一は今度も名雪のことを忘れていました。
「うそつき」
俺もなゆなゆに「うそつき」って詰られたいです。
煩悩はさておきたくないのですがさておき、下校途中で祐一は名雪へのお詫びにイチゴサンデーを奢ります。水瀬名雪にとってイチゴサンデーとはすでに通貨と同じ価値を有しています。例えば七年前のトラウマものの過去を許してもらうレートは七イチゴサンデー。
その後、祐一は久しぶりに、名雪は初めてあゆとご対面。名雪とあゆはすっかり意気投合し、あゆは水瀬家にお呼ばれすることになります。
ぴろが帰って来ていました。やっぱり真琴ルートは断絶したわけではなかったのだと感銘を受けていたら森羅万象を爆破するほどの隠し玉が待ち構えていました。
猫の姿を肉眼で確認。これより突貫します!
「こんなに可愛くて下級生にも人気者の私と同居してるなんてラッキーだおー?」
「ラ……ラッキー……つーかあの……
む……胸があたってるんですけど……」
「あててんだおー」
祐一くんに禍つ神の祝福を!
まぁ、そんなこんなであゆは水瀬家にお泊りすることに。真琴がいなくなって寂しさを抱えている名雪や秋子さんは大喜びでした。
「それに私、あゆちゃんと絶対いいお友達になれそうな気がするの」
恋敵と書いて“とも”と読む関係になりそうな気がしまふ。
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- [2006/12/15 23:55]
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『Kanon』第10話「丘の上の鎮魂歌〜requiem〜」
もはや満足に言葉を喋ることもできなくなった真琴。彼女は祐一を除いた全ての人間、名雪や秋子さんにさえ心のどこかで壁を作って気を許しません。祐一は真琴にせめてものことをしてやろうと、真琴と会ってくれるようにと美汐に再び頼むのでした。祐一の説明から真琴に残された時間を知ったせいか、美汐も今度は承諾してくれました。
「……お名前は?」
最初は祐一の肩にすがるばかりの真琴でしたが、祐一に促されておっかなびっくり美汐に近づきます。そして真琴はつっかえつっかえ、どうにか自分と祐一の名前を口にしたのでした。
嬉しさのあまり飛び付いてきた真琴を抱きしめながら、祐一は美汐に感謝の視線を向けます。しかし、これから起こるであろう悲劇を全て体験している美汐の返答は残酷なものでした。
「一時的なものです。すぐに、また忘れてしまうでしょう」
そして次に高熱を発して眠ったときが、そのときだと教えられます。
祐一は真琴のやりたかったことを叶えてやろうと、できるだけのことをしてやることにします。
水瀬家の二人と一緒に外食に行き、四人でプリクラを撮り、真冬の花火を楽しみました。
何もかもを忘れての楽しいひと時。しかし終末は仮借なく到来するのでした。
熱を出した真琴のそばで祐一は一晩中寄り添います。夜が明け、真琴はひとまず小康を取り戻します。しかし次がないことを知っている祐一は、真琴のために大好きだった少女漫画を読んでやります。そして祐一は真琴が最後に呟いた願いを叶えるために、二人で外出することに。秋子さんは祐一たちに明るく振る舞いながら見送ってくれます。しかし二人の姿が見えなくなると、肩を震わせて嗚咽するのでした。
秋子さんもまた、全てを理解していたのでしょう。
水瀬家の前では美汐が待っていました。彼女は真琴に最後のお別れを告げ、美汐に呼ばれた名雪も真琴と対の雪達磨を作ってから去って行きます。
ものみの丘で祐一は真琴と一緒に肉まんを食べ、穏やかに時を過ごしていくうちに陽は沈んでいきます。そして祐一は真琴にヴェールを手渡し。
真琴の最後の望みを叶えようとするのでした。
「私、相沢祐一と沢渡真琴は、病めるときも、健やかなるときも、富めるときも、貧しきときも、いつもそばにいることを誓います。
これから先、いつまでも……な。真琴」
真琴は仔狐のまま独りでいれば喜びも悲しみも知らず、感情を覚えることもなく生きていけたはずでした。しかし彼女は祐一と逢ってしまった。そのことが真琴にとって幸福だったのか不幸だったのかはもはや知るすべはありません。しかしとにかく真琴は人の温もりを知り、そして相手の都合で一方的に奪われました。そして孤独は何よりも辛いと真琴は思うようになったのです。思慕と憎悪という真琴の祐一への相反する想いは純粋でした。自らの命を擲ってでも再び祐一のそばで温もりを感じたいと願ったのでした。
二人だけの結婚式を挙げた後も、祐一は本当に全てが報われたのか、自己満足に終始しただけではないかという疑いを拭えません。しかし祐一は自分でできるだけのことをしました。真琴のために、そして真琴を好きでいる自分のために結婚式を挙げ、彼女を家族として迎えたのです。人としての温もりを真琴に与え、今度こそは永遠に離れないように。しかし二人の運命を暗示するかのように、真琴の手の中のヴェールは風に飛ばされてしまいます。
泣きじゃくる真琴をなだめるために祐一は彼女を後ろから抱きしめます。そして真琴の好きな鈴の音を交互に鳴らすのでした。
そして、夢は終わりを告げました。
後日、復学した祐一は美汐に訊ねられます。
「もし、奇跡を起こせたら……相沢さんなら、何をお願いしますか?」
舞い降りる雪が桜の花びらに変わり、春の訪れとともにものみの丘ではぴろが姿を現します。そして、その傍らでうたた寝をしているのは。
奇跡は、起こったのでしょうか。
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- [2006/12/08 20:46]
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