空から女の子が降ってきた 第一作「世評」
【降臨賞】空から女の子が降ってくるオリジナルの創作小説・漫画を募集します。 条件は「空から女の子が降ってくること」です。要約すると「空から女の子が降ってくる」としか言いようのない話であれば、それ以外の点は自由です。 http://q.hatena.ne.jp/1231366704 |
面白そうな企画だったので参加することにしました。一晩考えて五つばかり話が思い浮かびました。投稿制限ってありましたっけ。
ともあれ第一作「世評」です。
ジェイ氏はホラ吹きとして知られる紳士だった。昼になると三つ揃いを一分の隙もなく着こなしてステッキを提げて散歩に出かけた。すれ違う人たちへの挨拶も完璧だった。そしてカフェに着くといつも決まった席に座って幻想的な話を周りの客に語って聞かせた。誰もジェイ氏の言うことを信じなかった。ある人は臆面もなく笑い、ある人は公然と侮辱した。そんな場合、ジェイ氏は顔色を全く変えずに話を続けるのだった。
その日は空から女の子が降ってくる話をした。帰り道、ジェイ氏が何の気なしに顔を上げると空に人影が浮かんでいるのを認めた。ゆっくりと地面に降りて来ていた。目を凝らしてみると少女のようだった。ジェイ氏は少女の降下地点へと歩き出した。
着いてみると少女はすでに地面に降り立っていてあどけない笑みを浮かべていた。ジェイ氏は非の打ち所のない礼儀作法でコミュニケーションを試みた。残念ながら言葉は通じなかった。ジェイ氏は身振り手振りで自分の後をついて来るように指示した。少女はうなずいた。そしてジェイ氏は少女を自宅まで案内して納屋の裏に連れて行って猟銃を持ち出して射殺した。
ジェイ氏はスコップを使って墓穴を掘りながら憤懣やるかたない口振りで呟いた。
「彼女のような不見識な女性が実在したと知られては、私の世評は地に堕ちる」
- [2009/01/10 18:09]
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