Wizardryのごとく! 第十三話
「地道に経験値稼ぎを続けた私たちはとうとうマスターレベルに到達した」
「早い! 早いよシュレッダーさん!」
「悲しいけどコレ、戦争なのよね……って太蔵の方かい!」
「でもガンダムシリーズって、何であんなに登場人物の名前がみんなヘンなのかな? とくに富野作品」
「種は割と普通ですけど」
「作品としての面白さのほうが普通になって欲しいですね」
「ハヤテ、それは言わない約束だ」
「“マ”一文字がファーストネームの骨董大好き核マニアはさすがに悲惨ですよね」
「あの大佐の名前、手塚治虫『バンパイア』の間久部六郎から採ったのでしょうか?」
「単純にシェイクスピアの『マクベス』からじゃないかしら?」
「お前ら、本当に無駄話しかできないんだな」
「あ、ワタル君だ」
「む。ここはギルガメッシュの酒場なのか」
「そーよーん」
「あ、お姉ちゃん。いたんだ」
「いたんだ、はないでしょ。このゲームだと二軍のキャラは酒場で管を巻くくらいしかすることがないんだもん」
「おかげでこっちはいい迷惑だよ。エールもウィスキーもブランデーもラムも卸した先から飲み干されちまうんだから」
「お姉ちゃん……いいかげん酒量を抑えたほうがいいわよ」
「ふーんだ。このハイエルフのディードリット雪路をパーティーに加えないヒナたちが悪いんだもん」
「まんまHUMANでしょうに。というか、このゲームにハイエルフなんていないわよ」
「そういえばお嬢さま、ディードリットの中の人って男性だったんですよね」
「うむ。割と有名なトリビアだな」
「……中の人って、どういう意味かな?」
「では教育してやるか」
「えーと、ナギ? 黒騎士エルンスト・フォン・バウアー太尉のパロディは構いませんが、そのうち“俺のケツをなめろ!”なんてアブノーマルなプレイをハヤテ君に強制したりしないでくださいね」
「情無用ファイア!」
「あべし!」
「うーん、マリアさんのネタキャラ化は歯止めが掛かりませんね」
「さてハトハトの一斉射撃によって魔女のバアさんは滅んだ」
「またひどいことを……」
「ディードリットの中の人についてだが、もともとロードス島戦記はコンプティーク誌においてテーブルトークRPGを紹介するためのリプレイ記事として掲載された。ルールは最古のテーブルトークRPG、D&D(ダンジョンズ・アンド・ドラゴンズ)を使用している。版権の問題で現在の角川スニーカー文庫から出版されているのはグループSNE独自のルール「ロードス島戦記RPG」による新しいリプレイだがな。さておき、最初のリプレイでディードリットを演じたプレイヤーの性別が男性だったわけだ」
「へー」
「ちなみに中の人の正体は“と学会”会長の山本弘氏です」
「それは意外だ!!」
「心の底からどうでもいいムダ知識だな」
「あのー皆さん、ちょっと見てください」
「あ、サキさん」
「へえ。三種の神器が手に入っていたんだ」
「Wizardryにも草薙の剣とかが登場するんですか?」
「あ、三種の神器ってのはただの通称よ。村正と手裏剣、君主の聖衣を総称してそう呼ぶの。極端な話、Wizマニアはボスの討伐そっちのけで三種の神器を集めるのに血道をあげているくらいだから。あ、今回のは一番下のSHURIKEN、つまり手裏剣ね」
「そんな強力なアイテムなら、クリアも目前ですね!」
「そうもいかん。手裏剣は忍者専用の武器だが、忍者は悪の戒律でないと就くことができない。私たちは善のパーティー盗賊の短刀というアイテムを使用すれば中立の盗賊でも転職は可能だが、私たちは持っていないしそもそも前衛の三人は外せないから意味がない」
「ってことは、手裏剣は宝の持ち腐れってことですか」
「もったいない話だがな」
- [2006/07/16 19:24]
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