保険 アリコ Moon of Samurai 今週のジャンプ一コマレビュー 2018年30号

今週のジャンプ一コマレビュー 2018年30号 

・『総合時間事業会社代表取締役社長専属秘書田中誠司』

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 総合時間事業会社代表取締役社長専属秘書田中誠司は夏の連続新連載の第一弾で、一昨年の金未来杯受賞作特別国家公務員改造者対策課田中誠司が連載に昇格したものです。総合時間事業会社代表取締役社長専属秘書田中誠司は総合時間事業会社の代表取締役社長の専属秘書の田中誠司が主人公で、二十年後に総合時間事業会社という時間を扱う会社の代表取締役社長になる少年を守るべく時間移動し、総合時間事業会社代表取締役社長専属秘書田中誠司はもういいや。とにかくタイトルがクソ長い漫画であることはイヤというほどわかっていただけたと思います。
 登場人物は悪役をのぞけばみないいヤツばかりで、ストーリーはダブル主人公を紹介して悪党をブッ倒して漫画の大目的を説明するという過不足のないつくりでした。ラストの三人の人間世界宝というハッタリもベネ。金未来杯のときのイヤな感じがきれいさっぱりなくなっていたのが非常に好印象です。いろんなところで『ターミネーター』を聯想してしまうのは御愛敬。
 しかし問題がひとつあって、絵が雑でした。作者にとっては記念すべき初連載の第一話なのにていねいなところが見あたりません。金未来杯の同期の芥見下々先生よりも連載開始が四ヶ月ちかくおそかったので準備期間も長かったろうにどうしてこうなった。編集との人間関係やアシスタント体制はうまくいっているのだろうかとよけいな心配をしていまいます。


・『鬼滅の刃』

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 前回ラストで玄弥がかかえていたのは不死川兄弟の母親で、鬼に変えられて実の子どもを食い殺したところを実弥にとめられ、朝日をあびて死んだのでした。その顛末を知らない玄弥に実弥は母親を殺したと罵倒されたのです。しかし実弥もまた真夜中に狼のごとき動きで家族をおそう化物が母親であることに気づくはずもなく、ただ必死に玄弥を守ろうとしただけのことでした。
 とにかくこのような暗黒の過去を背負ってしまったがゆえに、不死川実弥は。

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 くったくのない笑顔をうかべる少年から……

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 知性も理性も全くなさそうな男になりはてたのでした(ぉ
 ところで上のキャプ画像で不死川実弥が憎まれ口をたたいているのは十中八九弟を殺しあいの世界にまきこむまいという兄心のゆえでしょうね。人は鬼にも鬼殺隊にもかかわらずに生きてゆければそれにこしたことはないのです。
 ところで玄弥はその異常な生命力から人と鬼のハーフかなにかかと見ていたけれど、両親がともに人であることが判明したので、その異能が後天的なものであることが知れました。まえに玄弥は岩柱といっしょにいたし、喜怒哀楽の鬼どもと戦っているときにお経をとなえていたので、岩柱直伝の秘術がなんかでしょうか。
 つーか玄弥、子どものころからあんなモヒカンカットだったのか。ロックだぜぇ。


・『呪術廻戦』

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「どんな女がタイプだ。
 因みに俺は身長と尻がデカイ女がタイプです」


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「足の太い女がタイプです」

 なんという自然で巧妙な性癖曝露なんだ!!


・『紅葉の棋節』

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 持病のせいで常時発情しているように見えてキモかったキャラの顔からななめ線と汗が消えてずいぶん見られるツラになりました。まえに根性のわるかったキャラが前回豹変したことといい今回といい、里庄先生が読者の意見に耳をかたむけるタイプであるのはまちがいなさそうです。
 しかしその結果、漫画から毒がうすくなったのはいいのだけれど、その代償として毒にも薬にもならない漫画になってしまったこともたしかです。ヒロイン以外はとりたてて魅力がみあたらない漫画なので、このままだと連載がおわててすぐにジャンプ読者の頭のなかから忘却されることでしょう。『Sporting Salt』や『U19』みたいに短期で打切られても読者の脳裏からずっと去ることがないような強烈なインパクトはいまのところのぞめません。そういう爪あとの残しかたが作者にとって歓迎すべき事態なのかどうかはまた別問題ですけどね!


・『火ノ丸相撲』

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「横綱は……相撲と奥様……どちらをより愛していますか……?」

 すごいこと聞くなあレイナ。一歩まちがえれば怒鳴りつけられても文句はいえないセリフです。さいわい奥さんは大人だし刃皇はレイナの内心を察してくれたのでことなきをえました。あとレイナが失礼なことを口走ったと自覚したのも大きい。高校時代に生徒会副会長として猫をかぶりながらも内面ではワガママいっぱいのヤンキー娘だったころとくらべると人としてずいぶん成長しました。
 そしてそんなレイナをなぐさめ、火ノ丸のほうがまちがっていると断言する刃皇はちかごろのジャンプではめずらしいくらいにりっぱな大人しています。

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「女の子を泣かす様な悪い男は懲らしめてやらないとねぇ……!!」

 そしてうまい唐揚げの下ごしらえに彰平は泣かしてやらないとねぇ……!!

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「……火ノ丸に刃皇を救ってくれと頼んだはずが、どうして逆になっちまった……
 ……てめぇが死ぬ理由に俺を使ってんじゃねぇよ……火ノ丸……」


 『みどりのマキバオー』でマキバオーとモーリアローとのやりとりを思い出しました。だれかのためにやっているはずが、いつのまにかやっていることがだれかのせいにすりかわっているという。
 火ノ丸は小さな体のうえに大ケガもし、横綱になるという夢がはたせそうにない。そこへ駿海師匠が余命いくばくもないことを知り、死ぬまえに自分が刃皇をやぶって優勝すると約束した。しかしいまの自分の力量ではまともにやっても成功はおぼつかないから勝負のたびに命のすべてをかける。もしその結果、前のめりにたおれてもしかたがない。自分が横綱になれなくなってもあきらめるしかない。これは師匠との約束を守るためなのだから……
 火ノ丸が意識的にこういう男らしくないすりかえ作業をやっているとは思えません。しかし内心おいつめられた結果、こういう考えに支配されたとしても無理はないことだし、すくなくとも駿海師匠はそう見ているのでしょう。


・『ジガ -ZIGA-』

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 命令者ちゃんが言ったとおり死期が一瞬のびただけだった……!
 というわけで全十四話という微妙に中途はんぱな話数で打切られました。コウの母親が実は怪物だったという新事実の曝露にはおどろかされたし、ランダやシュラアのデザインはなかなか秀逸だったし、怪物どうしのバトルも迫力があったし、命令者ちゃんもかわいかったしで、これらの長所が発揮される後半部分をもうちょっとはやく描けていれば短期打切りはまぬかれたかもしれません。
 ……といいたいところだけれど、それならそれで、それまでろくに描写されなかった主人公やポッと出のキャラが戦ったり漫画の設定をベラベラしゃべったりしたところで感情移入はできないだろうなと考えなおしました。おもしろい内容をさきに描かなかったことはさておくとして、つまらない――といったら語弊があるので溜め回のような地味な話でもアンケートが壊滅的になるようなことをふせげたらよかったのです。結局この漫画の敗因は作者の単純な力不足によるものだという身もフタもない結論におちつきました。
 佐野ロクロウ、肥田野健太郎両先生おつかれさまでした。うえにも書いたとおり後半の内容はよかったので、さらなるレベルアップをはたした新連載をひっさげてジャンプに帰ってこられることを期待します。


・『ROBOT×LASERBEAM』

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 オレはようやくのぼりはじめたばかりだからよ。このはてしなく遠いゴルフ坂をよ……
 一年余の低空飛行つづきの連載のはてにとうとう力つきました。大会のために新キャラを出すだけ出してほとんど消化できず、ラストは全米オープンに飛ぶという、典型的な打切り最終回。藤巻先生の前作『黒子のバスケ』ではキセキの世代をきっちり描ききり、続篇としてアメリカチームとの試合までやってしまったのとは雲泥の差です。
 キャラの立てかたはさすがのひとことだったけれど、それがゴルフという題材とうまくかみあわなかったという印象でした。ゴルフというスポーツはボールを打って歩いて打って歩いてのくりかえしで、選手どうしのからみが描きにくいのでせっかくのキャラの魅力がスポイルされていた感じです。
 ともあれ藤巻先生おつかれさまでした。三作目はスポーツをやるにせよファンタジーをやるにせよ、キャラどうしのかけあいが楽しめるものがよかろうかと愚考します。あと主人公は死んだ目のキャラじゃないといいなあ。



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コメント

火ノ丸が優勝は無理じゃないかな
草薙か童子切が刃皇を負かす展開の方がありそう

大体尻がでかい女の足は太い(断言)

案の定ロボとジガが逝ったか、まぁお疲れ様、ジガは単行本の追加エピローグが気になるな
呪術廻戦とアクタージュとノアはこれで当分は安泰か、まぁ注目株としてペアで押されてる前者2作と比べるとノアは怪しいが

刃皇は機嫌コロコロ変わるけど、今回は素直に格好良かったし応援したくなるわ
ラスボスとしての魅力に満ち溢れている

多分あれだよ、玄弥の頭は髪が伸びやすい部分と伸びにくい部分があるんだよ

ジガは主人公に感情移入できるだけの情報はちゃんと描写していたと思います
と言うか序盤の四話は全部そのために費やしていました
それこそ情報量からしてみれば巻き展開と言ってもいいぐらいには……

だからこそ命令者ちゃんが流行ってる傍らでは作品の内容も結構語られてましたし
(あの主人公を仮にも落ち着かせたランダの手腕とか、天城が実は命令者じゃないかとか)
もし連載が保っていればブームがある程度続く地力は割とあったと思います

ただそのせいで序盤の殆どが単なる溜め回になってしまい
それ故に序盤の殆どで仰るとおりアンケ対策が出来ていなかった
その遅れこそが最大の敗因だと思います

>>3
ノアズはキャンペーンからハブられてる分安泰とは言い難いかと

>ジガ
>個人的には2~4話以外はずっと面白かったんだけど、ジャンプシステムにおいてはその2~4話こそが重要なんだよな

久しぶりに終わるには惜しいと思った打ち切り作品だ

ジガ。
実際、序盤でスタートダッシュかけないと、読者に早々に切られちゃうからなあ…。
なまじ可能性のありそうな作品だっただけに残念です。

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