保険 アリコ Moon of Samurai 今週のジャンプ一コマレビュー 2017年13号

今週のジャンプ一コマレビュー 2017年13号 

・『腹ペコのマリー』

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 『べるぜバブ』の田村隆平先生がかえってきました。主人公がカンフー使いで巨乳美少女に変身するあたりが『らんま1/2』や『天使な小生意気』を彷彿とさせて、あいかわらずどことなくサンデーっぽい。
 さて読みおえての第一印象はというと、いい意味で富士鷹ジュビロのいう「子どもがラーメン屋でひまつぶしに読む漫画」です。とにかく読みやすい。安定感が抜群です。主要キャラの顔見せや世界観の描写や次回へのヒキをキッチリこなしていました。第一話の完成度でいえば『ぼくたちは勉強ができない』もみごとだったけれど、あちらは説明という感じだったのに対し、こちらは漫画としての描写です。

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 ところでマリー・テレーズ・シャルロットという王女様は実在の人物です。マリー・アントワネットの娘というのもホント。しかし漫画ではフランス革命で少女のころに命を落したような描きぶりだったけれど実際には七十歳以上の長寿をまっとうしました。まあこれくらいのことは今どきネットでちょちょいと検索すればわかることなので田村先生もワザとやっているのでしょう。主人公に憑依した金髪碧眼巨乳美少女が実はマリー・テレーズ本人ではないという伏線か、あるいはフランス最後の王女という肩書が重要なのであって史実はどうでもいいというのか。


・『ブラッククローバー』

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「な……何コレ……!?」

 そいつはこっちのセリフだぜ姐さん。堂々たる下書き掲載にはこっちのほうがビックリしました。まあ田畠先生が冨樫病に罹患したというよりはアニメ放映間近でいろいろいそがしくなってペン入れするのにさける時間がすくなくなったというのでしょう。ともあれ田畠先生には葦原先生みたいにならないようご自愛ねがいたい。

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 あ、でもうえの画像のシーンは女王の狂気を表現するための演出に見えるので下書きなのがかえって功を奏しています。田畠先生も時間が足りないなりにせいいっぱい手をつくしているのでしょう。


・『鬼滅の刃』

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 あててんのか……? と気になるしのぶさんと炭治郎の距離です。
 それはさておき炭治郎が善逸と伊之助に全集中の呼吸のやりかたを懇切叮嚀におそわってもなかなか修得できないものだからしのぶさんがかわって教授することにしました。しのぶさんはふたりの師匠でもなければ直接の上司でもないのでふたりを鍛えあげなければならない義務はないのだろうけれど、蝶屋敷に滞在している縁と、あと炭治郎の仲間なのですこしは骨を折ろうという気になったのでしょう。炭治郎モテモテだな。たぶん恋愛感情はもたれていないのだろうけれど。

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 しのぶさんのたくみな操縦、もとい教え方のおかげで善逸と伊之助は全集中の呼吸を九日でマスターしました。炭治郎の三分の一ちかくの短さです。やっぱりもってうまれた才能だけでいえば炭治郎はふたりの仲間にはおよばないんですね。
 なお炭治郎は人に教えるのが激烈にヘタだとのことです。天才肌の人間が人に教えるのはヘタだというのはありふれた設定だけれど炭治郎は努力家肌なのにヘタなのか。主人公を甘やかさない漫画です。炭治郎は話がはじまってすぐに家族のほとんどを惨殺され、たったひとり生きのびた妹は鬼にされたのだから、なにを今さらという感じですが。

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 おまわりさん助けてください!
 自分が鍛えた刀を戦いのさなかに折られたからってひょっとこのお面のまま出刃庖丁を両手ににぎりしめて炭治郎めがけて突進してくる鋼鐵塚さんじゅうななさい。十七歳でなくてマジモンの三十七歳です。対話の相手が人ではなく火か鋼という生活をずっとつづけてきたからこんな性格になったんだろうなあ。

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(誰だ?)

 知らんよ。
 でもつぎのページで鬼舞辻無惨の擬態した姿だと知れました。まえに自分の正体を炭治郎に知られ、炭治郎を殺すために放った刺客も始末されたので、鬼滅隊の追跡をのがれるために姿をかえたのでしょう。鬼舞辻の容姿について炭治郎がまとめた情報を手がかりに鬼滅隊の隊員が調査した結果、月彦と称していた男は蒸発し、その妻子は殺されたという報告がお館さまのもとにもたらされるのでしょう。
 さて女の姿の鬼舞辻は累が殺されたことにおかんむりで、なぜ下弦の鬼は弱いのかと部下をといつめます。いや累が殺されたのは家族ごっこのために自分の力をほかの鬼に分けあたえて弱体化したのがいちばんの原因じゃないんですかね。そしてそれを黙認していた鬼舞辻にも責任の一端はある……けれどそんなことを部下が口にするどころか心に思うだけでも即死確実です。鬼舞辻は読心術の使い手でもあります(対象は鬼限定かもしれないけれど)。鬼殺隊もたいがいブラックだけれど鬼の群にくらべたらはるかにマシやでぇ。


・『U19』

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 某所でのひろいものコラ画像です。この漫画の未来をあまりにも的確に表現していたので貼ってみました。『オレゴラッソ』担当のキャラだけぜんぜん手をくわえられていないのが笑えます。


・『ぼくたちは勉強ができない』

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 第三のヒロイン投入です。ジャンプの新連載は四話目くらいまでは連載まえに用意されているそうなので、作者がはやくもテコ入れしたというのではなく既定路線での登場なのでしょう。ダブルヒロインが人気を得られなかったときのための保険かと思われます。
 で、その保険がなかなか悪くなかった。ダブルヒロインがいまのところ設定の説明からふみだしていない感があるのに対し、こちらはキャラが活き活きしています。中学時代は主人公を苗字でよんでいたのに恋に落ちてからはしたの名前でよぶようになったあたり、作者がこまかいところに気をつかっているのがわかります。
 でも二つ名の「白銀の漆黒人魚姫」というのは白銀なのか漆黒なのかわからないためにアホっぽいのがかわいそうなので別のよび名にかえてやるべきだと思いました、まる。


・『火ノ丸相撲』

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 チヒロとなにやら因縁のありそうな男は、ただ単にチヒロの実の兄貴というだけでした。しいたげられた記憶しかないそうです。でもむこうはべつにチヒロをいじめていたわけでは断じてなくてふつうに弟と遊んでいただけなのでしょう。てーかチヒロのほうが生れるのが早かったら絶対ににたようなことをしていたはずです。にたもの兄弟。

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 でもアタマの悪さは兄貴のほうが上かな……
 蛍の準決勝の立合いが気にいったからと丸パクリ。しかしマネしたのは最後の一手だけで、そこにいたるまでの積みかさねを完全に抛棄してのケツ見せです。栄大のホケツに過程をスッ飛ばしすぎだといわれるのももっともです。
 ところでうえのシーンを見て『はじめの一歩』の鷹村が青木のよそ見をマネたシーンを思いだしたひとは俺のほかにもきっといるはずだ……


・『斉木楠雄のψ難』

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 『パイナップルARMY』……『YAWARA!』『20世紀少年』で知られる浦沢直樹氏の出世作で、アメリカ海兵隊あがりの主人公が戦闘インストラクターとしてさまざまな危険な仕事に関与するという漫画です。戦争映画や特殊部隊を描いた作品が好きな方には無条件でおすすめできます。基本的に一話完結であるうえに原作者がべつにいるので浦沢氏の悪癖の伏線ブン投げ最終回でないのもポイント高し。

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 『チョコレート・ディスコ』
 オレのこの能力の「スタンド名」だ。
 『チョコレート・ディスコ』
 ただのそれしか言わない。以上で終わりだ。それだけ。



・『オレゴラッソ』

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 ジャンプのサッカー漫画のジンクスには勝てなかったよ……
 というわけで全十二話での打切りです。はじめのうちはわりと期待していたけれどそのうちに読まなくなりました。たぶん無意識につまらんと思っていたのでしょう。
 ところで最終回の内容についてだけれど、これはひどい。タイトルは超スゴイゴールであるのに最後のページの見ひらきはフヌケたようなニヤケづらでした。ゴールきめろよ。こんなことなら先週号で七年後にキングクリムゾンされたところで終っててよかったよ。実際のところ今回はまるまる自由に描けたはずなのに、ここで作者渾身のド派手な活躍シーンを描いていたら読者に次回作への期待をつなげられたはずなのに、作者はせっかくのチャンスを自分からドブに投げすてました。おそらく読者がなにを漫画に期待しているのかがわからなかったのでしょう。
 馬上先生の次回作にはあんまり期待できないなあ。



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コメント

ヒロアカも下書き掲載でしたね、今週。

流石は長期連載経験者という感じの1話だった。これからに期待。
あと勉強の新ヒロイン可愛かった。

炭治郎は作者公認で「いい人止まり」タイプだからなあ

大丈夫かよジャンプ…

編集部はワートリ作者を潰したことを全く反省してないだろ

ジャンプは他の3誌みたいにグラビア表紙を多めにする訳にはいかないからなあ。

ろういやここの管理人ヒロアカの幼なじみがクズなのは失敗だとか言ってたけどこないだの人気投票1位という結果についてはどう思ってるんだろう

・腹ペコのマリー
さすがアニメ化もした連載経験者です。べるぜバブの時からとにかく読みやすい漫画を描く人です。
新連載6つの内、いくつ生き残れるか分かりませんが、田村先生は大丈夫と言えるだけの安心感がありました。

・鬼滅の刃
バトルにドラマ(心理描写)にギャグと本当にバランスが良いです。
鋼鐵塚さんが包丁持って突っ込むシーンがわかりやすいですが、
インパクトのある1コマが描けるというのは、大きな長所ですね。

・U19
2話目ラストにして、能力に目覚めた主人公が3話目で活躍…と思ったらまさかの不完全燃焼…。
ジャンプでは、1話目などとにかく早い段階で主人公に見せ場を作って、読者を惹き付けないと厳しいです。
新連載でストーリー展開が遅いのは、致命傷になりかねません。

・オレゴラッソ
バディストライクという打ち切り野球漫画がありますが、
最終回で色々好き放題やりまくったおかげで話題になりました。
面白いかはさておき、読者に爪痕を残す・インパクトを与える・覚えてもらう、という意味では成功といえます。
それを踏まえると、オレゴラッソはおとなしい最終回でした。次に繋げるために、
何かもう少し派手なことをして印象に残した方が良かったのではないかと思います。

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