今週のジャンプ一コマレビュー 2017年02・03号
・『デモンズプラン』
なんか対戦車砲がでてきました。この漫画の世界の技術レベルは前近代のものだと勝手に思いこんでいたけれどちがうようです。砲腔にライフリングがほどこされているのを見ると第二次大戦前後というところでしょうか。もっともこの漫画の悪い意味でのいいかげんさを考えるとそこまで厳密な世界設定はなされていない気がしますが。
つーかそもそも対戦車砲撃ってなんじゃ。砲撃の名前がGH-3なんかい。いやもちろん砲と砲撃との区別もつかない作者と編集者による手ちがいなのでしょうが。こういう細部の杜撰さが気になる漫画は打切りの危険信号がともっています。おもしろい漫画ならこういうところは読みとばせるし気にもなりません。
おまけに敵キャラが体から大量の武器をだすところは先週号の『歪のアマルガム』とおなじであったり、ヒロインが兄弟のために危ない橋をわたるところは『ゾンビパウダー』ににていたりと、打切り漫画を聯想させる要素が目だちます。起死回生の一手は……あるのかなあ。
・『オレゴラッソ』
ジャンプのスポーツ漫画はだいたい第三話か第四話くらいで練習試合がはじまるのがテンプレです。その試合相手は主人公がスポーツの経験者であるばあいは他校の部、ズブのしろうとのばあいはおなじ学校の先輩であるケースが多い。そして後者のほうが打切り確率も高いような気がします。つきぬけパターンを忠実になぞるこの漫画の明日はどっちだ。
ところでマネージャーのマッチアップ相手とおぼしきモジャ毛の先輩ちょっとチャドににてますね。もしこの漫画が長つづきしたらいろいろネタにされることでしょう。つーか俺がネタにすることでしょう。ゴラッソゴラッソ。
・『鬼滅の刃』
善逸にかわるギャグキャラポジションにおさまりつつある村田さんのこのたびのお仕事はお色気要員でした。うわあ~~んしのぶさんンンンンンしのぶさんがいいよォ~~
十二鬼月、いまだ斃れず。炭治郎に首を斬り飛ばされたかに見えた累は死をさけるために自分の糸で首を飛ばしたのです。回想ブーストと捨身の覚悟と家族の絆の三連チャンの結果が相手の怒りに油をそそいだだけって、もう炭治郎がかわいそうになるレベルです。そもそもこの漫画の鬼ってちょっと気をゆるめたら即死って連中が多すぎる。
「もうついたのか!」「はやい!」「きた!柱きた!」「メイン柱きた!」「これで勝つる!」
・『ゆらぎ荘の幽奈さん』
電子版ジャンプの巻末カラーをリストラされた『食戟のソーマ』のキャラが未練がましくもコガラシの学校の文化祭にきていました。まさに栄枯盛衰、驕れるひとも久しからず。
・『左門くんはサモナー』
先日の一件がひょんなことから中将Pの耳にはいってしまったために左門くんは脅迫されて帝愛の地下強制労働所おくりとなりました。
そうそう、『中間管理職トネガワ』が「このマンガがすごい! 2017」の男篇の一位にえらばれたそうです。どれほどの値うちのある賞なのかはわかりませんが。
ブーシュおっぱい。
それはさておき精神の限界に達した左門くんはプッツン切れて命からがら脱出に成功し、プライドもへったくれもなく天使河原さんのまえで土下座してこれまでのことを洗いざらい白状したのでした。
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〈 八 |:l| 从、 _,. 〉 l| | 八 〉 / に 妹 _____
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カス虫がトンガリ化して知らず知らずいっしょに生活していたというのに仏のように寛大な心でカスを赦す天使河原さんマジ仏。いやまぁこの時点では気づいていないってのもあるんですがね。とにかく後光がさすほどに天使河原さんマジ仏。
カス虫にあんなところやこんなところも全部見られていたことを妹の輪ちゃんに指摘されてようやくことの次第に気づいた天使河原さんです。それでもカス虫に天誅をくだすことなく中将Pに口止めするよう念をおすにとどめた天使河原さんマジ仏。
天使河原さんのお尻をなでても大事にはならない。おれのサイドエフェクトがそう言ってる。
・『火ノ丸相撲』
突きしかとりえがないと思われたユーマが秘密特訓の成果を発揮し、まわしを取ろうとするバトのきき腕を一直線につかむことに成功しました。『BLEACH』ほどではないにしても、この漫画の回想ブーストはきわめて強力な武器です。まあ首藤みたいな例外もいるけれど、あれはいってみれば蛍の一人相撲みたいなものでした。
突きしかないと思わせておいての掴み、そして組技はないと思わせておいての組技です。ここで奥の手をさらけだすということは、団体決勝でのユーマの勝利はまずなくなりました。……うーむ、すでに二敗のダチ高がここで負けるはずがないとわかりきっているうえに俺のなかのユーマはヤムチャと同格なのでその奮闘にあまり興味がもてんなあ。
・『食戟のソーマ』
ソーマの父の城一郎を主役にすえての過去篇です。
過去篇のおかげで人気に火のついた漫画といえば『ぬらりひょんの孫』です。単行本最終巻の作者のあとがきでもアンケートがずいぶんよかったとありました。しかしあちらは豪放磊落な主人公がとらわれのお姫さまを救い出すために本来なら逆立ちしても勝てないはずの相手にケンカを売って勝ってしまうというベタベタにわかりやすく痛快なストーリーがよかったのです。こちらのほうは各自の信じる料理人の道みたいなのが話の中核だから、ぬら孫みたいなカタルシスのあるストーリーにはなりにくいのではないでしょうか。城一郎や堂島さんみたいなキャラの魅力がたよりです。
・『歪のアマルガム』
神田もどきが主人公とのとってつけたような絆のおかげで強敵に勝ちました。これはもう駄目かもわからんね、この漫画。
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- [2016/12/20 19:11]
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コメント
たしけ御大の作品が一番面白かったという事実
デモンズとアマルガムは悪い意味ですごく似ている作品な気がします。ネバーランドはシスター出てきてからは面白くなったけどこの二作品はどうなるかなぁ……
あとユーマさんは下手したら大怪我覚悟で逆転する可能性もありそう。
その場合蛍をどうするかは予想出来ませんがw
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