保険 アリコ Moon of Samurai 今週のジャンプ一コマレビュー 2015年40号

今週のジャンプ一コマレビュー 2015年40号 

・『BLEACH』

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 十四周年突破記念ということでの巻頭カラーです。話の密度でいったら五周年がいいとこですが
 しかし久保先生のキャラクターの造形力はやはりすばらしい。いまメインをはっているやつらばかりでなく、もうぜんぜん誌面にでてこなくなったような端役キャラでさえ記憶にのこっているのですから。このへんがそこらの漫画家とは一線を劃するところです。
 しかし、ああ、バンビエッタ・バスターボインちゃん……おしいキャラを亡くしたものです。


・『ONE PIECE』

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 ルフィがひさしぶりにカッコいいことを言っております。いや実際二年間の修行のあとなのだから海軍大将とか四皇とか、かなわないまでもルフィひとりで善戦するくらいのことはやってくれないと読者としてもフラストレーションがたまるばかりです。魚人島からこっち、舐めプにつぐ舐めプなものだから張りたおしてやりたくなったくらいです。でもホントにルフィがタイマンはって全力をだしたドフラミンゴにはギア4みたいなポンコツ技のせいで醜態をさらしまくったわけでして……もうルフィの将来にのこされているのは口だけ海賊王だけなのかもしれません。
 ところでルフィにとっての海賊王、この海で一番自由な奴が、せんじつめれば暴力のはてにあることがこのたび判明しました。このへんは『水滸伝』を連想します。

 「闘いとる自由」は、もともと盗賊の群である梁山泊集団が本来的に持っている性向であるが、特に代表的な人物は李逵である。彼は、自分の行手に立ちふさがる者、あるいは目の前でまごまごしている者は、官軍であろうが良民であろうがおかまいなく、片っ端から二本の斧をふるって叩き斬り、殺しつくしてはじめて「快活」たりうる男である。このような男の行手に、最終的に彼を拘束するものとして「権力」が立ちあらわれることは避け難い。その時、彼はたとえば次のように言うのである。
「おれたちには現にこんなにたくさんの軍馬があるんだから、謀叛したってこわいものなんかあるものか。晁蓋兄いは大皇帝、宋江兄いは小皇帝になって、呉先生は宰相、公孫道士は国師、おれたちゃみんな将軍だ。東京へ押しかけて行って、糞天子の位を奪いとって、あそこで豪勢にやりゃいいじゃないか!(在那里快活、却不好!)」(第四十一回)
 こうした放言を「革命路線」だの「人民政権の思想」だのともてはやすのはばかげているが、しかし、気に入らぬやつはみな叩き斬って欲しいものは何でもふんだくろうという「闘いとる自由」の精神はたしかに躍如としている。(高島俊男『水滸伝の世界』より抜萃)


 『水滸伝』の英雄好漢が山賊のむれであり、『ONE PIECE』のルフィらが海賊のあつまりであることを思えば、両者がにかようのも当然といえます。ルフィのこういうピカレスクでアウトローでPTAの良識ある大人らの眉をひそめさせるようなところが俺はかわらず好きですね。


・『前フリ教室』

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 笑いがとまりません。爆発の可能性が1%以下って、これもう完全に前フリではありませんか。この手のパーセンテージは数字がちいさくなればなるほど実際の危険性がますのが相場です。殺せんせーは将来かならず爆発しますと言っているようなものではありませんか。
 そんなこともわからずに殺せんせーを殺さずにすむとキャハキャハ喜んでいるE組の生徒が筆舌につくしがたいほどに滑稽です。しかしそれもしかたのないことかもしれません。地球が爆発しないと聞いても暗殺続行したように、この漫画のキャラはすべて松井先生のあやつり人形なので、突発的に知能指数が激減したり支離滅裂な行動をとったりするのもすべては造物主の胸三寸なのですから。


・『龍刃伝ガガ丸』

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 『ONE PIECE』と『べるぜバブ』とをたして七でわったような漫画でした。ストーリーはテンプレから一歩もはみだしていないし、チャンバラものなのに殺陣はまともに描かれないし、赤ん坊はぜんぜんかわいくないし(ベル坊がかわいかったことに今さらながら気づかされました)、悪役はザ・テンプレ悪役って感じだし、あとこれ見よがしな御涙頂戴シーンが大きらい。ほめるところといえば和風の世界観くらいだけれどコレただの個人的な趣味だからなあ。もっとも蓼食う虫も好き好きというからこういうのが好きな人もいるんじゃないんですか(完全に他人事)。


・『火ノ丸相撲』

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 センターカラーの扉絵は真田さんと小関部長との過去の研鑽シーンの対比でした。しかしそのふたりよりも金盛部長が妙に馬ヅラになっていて全体に細っこく見えるのが気になります。むかしはいまほど肉がついてなかったということでこちらもまた努力中という描写でしょうか。

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 東、小関部長の勝ち。決着がついたあとのふたりや火ノ丸の表情から負けたんじゃないかと思いましたよ。しかしホッとしたのもたしかなら一抹の残念感がのこったのもまた事実です。この状況なら勝つしかないよね、と。スポーツ漫画の何十年もの歴史のうえに団体戦のテンプレみたいなのができあがって、このオーダーでこの勝敗数ならつぎに勝つか負けるかはだいたいわかってしまうのです。そういうのを知らない純粋なチビっ子だったらこのたびの部長の勝ちにも心から喝采をおくれたでしょうに。智識はかならずしもあればいいというものではありません。

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 そして満を持しての大将戦。やっぱり火ノ丸が勝っちゃうんでしょうね。ここで死力をつくしたせいで個人戦では沙田にやぶれるような展開はあるかもしれないけれどダチ高が全国へゆけないようなことにはならんでしょう。火ノ丸の性格的に団体戦よりも個人戦を優先するようなことは天地がひっくりかえってもありえませんし。


・『ブラッククローバー』

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 ナントカ団のナントカさんがまっとうなことをのたまいました。すごいすごい、この漫画の登場人物って他人をDISるしか能のないヤツばかりじゃなかったんですね!
 うーむ、われながら採点があまいなあ。テストで赤点ばかりとっている子がたまにクラスの平均点にちかづけばほめてやりたくなるようなものです。逆に『火ノ丸相撲』なんかはいつも高得点をマークしているものだからすこしでも調子をおとすとついつい評価が辛くなります。

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「つべこべ言ってねーで……
 次はオマエ自身がかかって来いよ!!!」


 ムチャな要求だなあ。ネクロマンサーは死者をあやつるのが得意技なのにどうして接近戦が身上の剣士の土俵にあがらにゃならんのですか。もしアスタが『ワールドトリガー』の世界にまぎれこんでボーダー隊員になったら、ランク戦のときにバッグワームをつけて遠距離攻撃に徹する狙撃手に対して、

「遠くからチョコマカチョコマカ、卑怯だぞ!
 正々堂々と姿をあらわして戦えよ!!」


とか言ってしまうことでしょう。そしてワートリ世界なので主人公補正がはたらかずに二秒でベイルアウトしてしまうことでしょう。ここまで書いて思いついたことだけどブラクロとワートリとのコラボ漫画が見てみたい。いまのジャンプでいちばん水と油の漫画なので。


・『ワールドトリガー』

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(それだけ三雲を警戒していたということか……?)

 えー風間さんソレ過大評価じゃね? と一瞬いぶかっちゃいました。でも直前に加古さんが壁ぬきショットの当てにくさについて言及していたり、このあと東さんの居場所が犬飼にバレていたりしたので、東さんもリスクをしょったうえでオサムを狙撃したことを考えれば、風間さんの疑問もそう的はずれなものでないことがわかります。しかしこう書いておいてなおひいきの引きたおしの感が否めないのはやはりオサムの弱さのゆえか。

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 オサムが負けて頭に思いうかべるのは、これまで力をかしてもらった人々の顔でした。いかにもオサムらしくていいのだけれど唯我はオサムにとってもこんなあつかいなんですね。二百戦も手あわせしてもらって、体をつかっての協力というなら唯我がダントツトップのはずなのに。

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「……努力なんて、1週間やそこらで実を結ぶものじゃありませんから」

 木虎キツいこと言うなあ。そして1週間やそこらで努力が実を結ぶことの多いほかのジャンプ漫画にケンカを売っとるなあ。しかしいいこと言うなあ。

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 千佳ちゃん、オサムが墜されたのをきっかけに人へむけて発砲する。愛か。愛なのか。でもレーダーを見ての適当撃ちだったらしくて一点もとれず、それどころか位置が割れたうえに単騎だったために東隊と二宮隊とから追いかけられるはめになりました。イヤボーンが発動しても一発逆転はおろかほとんど有利にならないのが『ワールドトリガー』らしいところです。

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 千佳ちゃんがかわいい。遊真のグラスホッパーをしらずにふんで飛んでおどろいた顔がいい。ふとともがまぶしい。幼児体型なのになにかエロい。とにかく辛抱たまらん。

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 千佳ちゃんをニヤケ顔でおっかけまわす二宮隊の犬飼が変質者にしか見えないので死ねばいいのに。はいそこ、アンタが鏡見たらおんなじニヤケ顔がうつってるよとか言わない。なお犬飼の点は影浦隊がおいしくいただきました。

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 バッグワームの襟もとをおったてていてオサレポイント高し。これで歳をとるとともにそのファッションセンスにみがきをかければジャイアントロボの混世魔王樊瑞みたいなステキスタイルへと華麗なる転進をとげることでしょう。

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 千佳ちゃんはうまく自力ベイルアウトして他チームに点をやらずにすみました。しかしその代償として遊真は三雲隊でただひとりとなり、しかもよその攻撃手にまわりをかこまれてしまいました。一見すると一対四の絶体絶命、なのだけれど実際にはバトルロイヤルで全員を相手取る必要はないため、遊真の立回りがうまければ点をとりつつ生きのこるという目もあります。それに遊真が近界にいたころはベイルアウトの恩恵がなかったので、戦いとはまず自分が生きのこること、敵にたおされないことだっただろうから、思った以上にうまくやるかもしれません。
 しかしそのばあい、ただでさえ稀薄なオサムの存在意義がますますゼロへとちかづくわけでして。そもそもオサムはコネでボーダーに入隊してコネでB級に昇進してチームのメンバーの強さのおかげでいまの立場にいるわけなので、ここで遊真の強さが再確認されたら、それは肩身がせまくなることでしょう。そうなったらオサムは、コネでボーダーに入隊してコネでA級に昇進してチームのメンバーの強さのおかげでいまの立場にいるわけなのに、根拠のない自信にかけてはボーダー第一位の唯我センパイの炭素繊維ケーブルのごとき精神力を見ならうべきでしょう。



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コメント

やっぱ犬飼は嫌われる役になってしまうよな
へらへらしてるけど、チームの為に最善を尽くしつつナメプもしてないのに
やっぱへらへらしてんのが悪いのか

・『前フリ教室』
>笑いがとまりません。爆発の可能性が1%以下って、これもう完全に前フリではありませんか。
>この手のパーセンテージは数字がちいさくなればなるほど実際の危険性がますのが相場です。
>殺せんせーは将来かならず爆発しますと言っているようなものではありませんか。
>そんなこともわからずに殺せんせーを殺さずにすむとキャハキャハ喜んでいる
>E組の生徒が筆舌につくしがたいほどに滑稽です。

うーん、どうでしょう?
正直今回はまとめ方の理屈が狂ってるうえに
「綺麗に結論出したこと」がネックで先がちと読めない気が

何せラストで暗殺続行を決めてしまったので
「やっぱり爆発するから絶対殺せ!」と言う脅しが根本的に利きません
おまけに「卒業後は政府に任す」とまで言ってるので
「政府は爆発率1%以下を危惧して殺す気だ!」も反逆フラグになりません

精々政府の大仕掛けやワカメの襲撃で刺激して爆発不可避になり
「このままだと爆発するから殺せ!」という最終戦フラグなら成り立ちそうですが
それすら生徒的には「よっしゃ本気出す」程度の意味合いしか無さそう

どう転ぼうと殺せんせーを殺すことを許容してる時点で
爆発フラグは建っても建たなくても、展開的にはどっちでも良い気がします


・『ワールドトリガー』
>えー風間さんソレ過大評価じゃね? と一瞬いぶかっちゃいました。
>(中略)しかしこう書いておいてなおひいきの引きたおしの感が否めないのはやはりオサムの弱さのゆえか。

一応オサムはまともに機能すれば的確に嫌なことばかりしてくるので
実力的にも「即行で殺す」理由は有ると思いますが……

寧ろソレでも過剰な感じがする辺り、葦原先生がオサムを活躍させつつ
しっかり弱者として描けてる証明なんでしょうねえ

>「……努力なんて、1週間やそこらで実を結ぶものじゃありませんから」
>木虎キツいこと言うなあ。そして1週間やそこらで努力が実を結ぶことの多い
>ほかのジャンプ漫画にケンカを売っとるなあ。しかしいいこと言うなあ。

この台詞があるお陰で今回の展開がぐっと引き締まりましたよね

「1週間やそこらで努力が実を結ぶ漫画」に慣れてるとオサム敗北は
「努力が全部水の泡になった感じ」が大なり小なりしてしまいますけど
こうやって当然の理屈で完全否定されると「まだ始まったばかり」だと再認識できるので

これを「ちゃんとした努力家」である木虎に言わせるのも良い塩梅ですね

正直今回のルフィは久々の格好いいルフィだった。どうせなら藤虎に勝った上で四皇に挑んで欲しい

藤虎は献ポポで舐めプフラグがあるからなあ

ワートリの先の展開気になるなー
流石に今回ユーマが活躍することはないはずだけど

やめて、もう修のMPはゼロよw!
個人的には強くはないけどフリーにしておくと鬱陶しい修を
多少無理しても最初に潰しておくのはありだと思いました
他の漫画で良くある雑魚キャラを無視していたら
最後の最後で足引っ張ってきて逆転されるボスキャラの逆ですね

ブリーチの集合絵は見栄えがするなあ
白いけど(笑)

※7
そもそもブリーチって漂白って意味だからしゃあない

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