保険 アリコ Moon of Samurai 今週のジャンプ一コマレビュー 2014年41号

今週のジャンプ一コマレビュー 2014年41号 

・『ジュウドウズ』

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 連載デビュー作『烈!!!伊達先パイ』であえなく二十週打切りをくらった近藤信輔先生がジャンプにかえってきました。前作はけっこう好きだったので、めでたい。
 さて今作はギャグ漫画だった前作とはうってかわってシリアスな度合のつよい柔道漫画です(ふたりの記者のノリは前作にちかいものがありますが)。キャラは近藤先生の漫画らしく主人公をはじめとして不快なヤツがひとりもいなくて、読んでいて気分がよかった。女記者ひとりをのぞけば柔道バカしかいないというのも好感がもてます。
 しかし残念ながら、この新連載がながつづきするとはとても思えません。なぜならおなじ投げ技主体の挌闘漫画『火ノ丸相撲』がすでにジャンプで連載されているからです。いくらひいき目に見ても、このふたつの漫画をよみくらべて『ジュウドウズ』のほうが上だとはいえません。しかし悪いのは近藤先生ではなく、この時期にあえて柔道漫画をあたらしく連載させるジャンプ編集部です。げにおそろしきはジャンプ蠱毒よ。


・『暗殺教室』

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 笑うという行為は本来攻撃的なものであり、獣が牙をむく行為が原点である。


・『火ノ丸相撲』

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 チヒロにとってはなはだ有利なルールで勝負がはじまったのに火ノ丸は決してたおれません。たおれないから相撲取りなのです。いやもちろん火ノ丸のずぬけた力量があってのことでもありますが。
 そうそう、さきごろこの漫画の単行本の第一巻が発売されたのでさっそく買って読んでみたら火ノ丸らのプロフィールがおまけでかかれてあって、それによると火ノ丸は身長が160cm(背伸び時)、体重が79kgくらいとありました。ものすごい筋肉デブです。火ノ丸が中学の三年間でどれほど苛酷な稽古をつんできたのかが数字だけで察せられます。もちろんこんなムチャクチャな体のきたえかたをしたからには内臓にひどい負担をかけているだろうし、将来はいろいろな疾患になやまされるでしょう。そしてそのことを火ノ丸はすべて承知のうえで今の体をつくりあげたであろうことは確実です。キャラクターの設定というのはこういうふうに当人の性格や言動にふさわしくあるのが理想的です。

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 さて石神高校の沙田はこのあいだの火ノ丸との一戦で土をつけられたのがおおいにこたえ、大好きな実戦練習を自粛してキライな基礎稽古にはげんでいました。ベタです。この漫画はいい意味でのベタは絶対にはずさないので読んでいて実に気持がいい。
 ところで金盛主将はなぜ今日がダチ高の文化祭だと知っていたのでしょうか。俺としてはこのあいだの地区大会で小関主将となかよくなってメールのやりとりをするようになったからというのがベネですね。金盛主将の萌え度がさらにあがるので。

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 火ノ丸、チヒロに完勝。あまりに完璧な勝ちかただったのでちょっと首をひねります。いくら火ノ丸が強いといっても相手はレスリングの国体王者で、しかもむこうに有利なルールなのに、ここまで見事に勝ってしまうのはどうかと思うのです。第一話でダチ高最強のユーマの打撃に十五分間たえきったうえでぶちかまし一発で勝ったのは、ユーマが不良とのケンカにあけくれて基礎練をサボっていたからだとか、ダチ高最強という看板がしょせんは井の中の蛙だとか、いろいろ解釈は可能だけれど、チヒロのばあいはそうはゆきません。
 川田先生の胸に相撲への愛があふれんばかりに燃えたぎっているのはわかるし、それが『火ノ丸相撲』のおもしろさの原動力のひとつになっているので故障を申したてるつもりはないものの、相撲の魅力をつたえるために結果的にせよほかの競技をおとしめてしまうのはかんべんしていただきたい。そんなことをしなくてもおもしろい漫画を描くだけの力が川田先生にはあるはずですから。


・『ワールドトリガー』

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 とりまる先輩のトリガーは二百秒という時間制限つきで基礎能力を底上げするものでした。タイムリミットがすぎると強制ベイルアウトというのだからV-MAXやトランザムよりも制約がきつい。こんな諸刃の剣をあえて使用したのは、オサムと千佳ちゃんとのピンチを回避するための時間をかせぐためです。かわいい後輩らのために捨て石になる覚悟で体をはる。いい先輩です。
 しかし、いい人だからといってその行動がむくわれるのかといったら、そうともかぎらないのが『ワールドトリガー』のシビアなところです。

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 ワープ&飛道具という兇悪なコンボをくらってとりまる先輩は戦線離脱しました。玉狛支部先輩トリオのうちではとりまる先輩がいちばんいいとこなし。小南先輩はいまも戦闘中だし、拳西った筋肉先輩も敗れたりとはいえ奥の手をのこしているらしいのに、とりまる先輩は切札をだしたうえでの敗北だから、戦いに関してのみいえばかけることばが見つかりません。ただし男気をみせてくれたのでプラスマイナスでいえばだいぶプラスですが。


・『斉木楠雄のψ難』

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 その手をはなせ。
 休みあけに転入してきたのは絵にかいたようなイヤミな大金持の御曹司で、照橋さんに求婚するために斉木らの学校に転入してきたのでした。およそ金以外にいいところがひとつもないキャラで、その不快度は鳥塚をうわまわる……いや新キャラはあからさまな弩テンプレだから漫画としてゆるせなくもないわけで、鳥束とはどっこいどっこいか? 次回ふたりそろって転校すればいいのに、天王星あたりに。


・『BLEACH』

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 失礼ながら大爆笑ですな!
 前回のレビューでローズと拳西とは120%のネタキャラになったと書きました。そして今回200%のネタキャラになりました。前回ゾンビにされてあやつられて、今回ラストでもういっぺんあやつられるって、情け無くて笑えもしないのをとおりこして笑うしかありません。


・『ILLEGAL RARE』

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 『ぬらりひょんの孫』で中ヒットをとばした椎橋先生は続篇のジンクスをうちやぶることがかないませんでした。三十週という微妙なながさでの打切りです。『ステルス交境曲』やうんこサッカー漫画など、同時期に連載がはじまった漫画のなかではいちばんながつづきしたのがせめてものすくい……いやジャンプLIVEに移籍した『i・ショウジョ』のことをかんがえれば勝利宣言は無理か。
 この漫画のなにがよくてなにがダメだったのか、思いつくままに書いてゆきます。まず主人公のアクセルは、そんなにわるくはありませんでした。ビジュアル系の腹が立つほどの二枚目で、中身はわりあい残念な性格、その素性はたったひとり生きのこった黒吸血鬼の王。相棒のカワサキは人間くさくてよかったし、ヒロインのミラやナズナもかわいかったし、マーダック市長も美人でした。だがしかし! あ、サンデーの『だがしかし』って漫画おもしろいッスよね。駄菓子狂いのヒロインがアホの子かわいい。
 それはさておきだがしかし、キャラの魅力は『ぬらりひょんの孫』にとおくおよびませんでした。主人公はどっこいどっこいだとして、ヒロインのほうは『ILLEGAL RARE』の女キャラがたばになっても雪女ひとりのかわいらしさにはかないません。マーダック市長も羽衣狐の十分の一のインパクトもありませんでした。サブキャラも前作は仲間サイドだけでも鴆、青田坊、黒田坊、首無、総大将、木魚達磨、烏天狗、一ツ目そのほかと、とにかく多彩だったのに対し、今作ではマシなのはカワサキひとり。フクメンは結局よくわからんキャラのままだったし、質屋は全然活躍しなかったし。
 あとこの漫画、カーバンクルのナズナもユニコーンのショタ坊もガーゴイルのナヴィもみーんな人間型って、ナメとんのかといいたい。『クロクロク』のときにも言ったけれど俺は妖怪とか異形が好きなんです。そもそも多種多様な西洋のモンスターがものがたりのカギでありセールスポイントであるはずなのに、そいつらをみんな人間型にしてどうするんですか。
 そしてストーリー、セリフ、バトル描写。すべてにおいて『ぬらりひょんの孫』と五十歩百歩でした。要するにダメのダメダメでした。俺がこの漫画のレビューを抛棄したのが本格的なバトル展開にうつってからのことですし。
 結局のところ椎橋先生の漫画の長所は絵とキャラで、短所はストーリーとバトルなのです。その長所が前作におよばず、短所がかわっていないときたのでは、早期打切りも当然のことといえます。
 最後になりましたが椎橋先生おつかれさまでした。次回作は原作あるいは脚本つきで描かれたらいかがでしょうか。



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コメント

>次回作は原作あるいは脚本つきで描かれたらいかがでしょうか。

これは自分も同意見です。
というか、ぬらりひょんの孫が終わった直後にも思いましたねえ……

小ネタとかは微笑ましくて好きなんですが
もっと大きな流れになるとごちゃごちゃする感じが……

その辺上手く纏めてくれる人が原作につくと良いですね


>サブキャラも前作は仲間サイドだけでも(略)とにかく多彩だったのに対し、今作ではマシなのはカワサキひとり。
>カーバンクルのナズナもユニコーンのショタ坊もガーゴイルのナヴィもみーんな人間型って、ナメとんのかといいたい。

この辺も個人的には割と同意ですが、これらは裏返せば

「キャラが多すぎて初見だととっつぎづらい」
「メインキャラがマニア受けすぎる」

という所謂「一般受けが悪い」と言うタイプのデメリットにつながるので
今回は敢えて避けた可能性もあるのでは?

「ぬら孫で受けたんだから気にしなくても」とも思いますが
その頃から度々言われていたり、椎橋先生か編集部も
「続篇のジンクス」を恐れていたならあり得そう

特に異形物がメインキャラの作品は企画通すの難しいらしいですしね
(たとえば「モンスター娘の日常」って漫画描いてる方も
 それ以前にハーピーヒロインの読み切り描いたときに
 「只でさえニッチなんだから絵柄はもっとメジャーにしてね」
 と指導されたとか)

>>むこうに有利なルールなのに、ここまで見事に勝ってしまうのはどうかと思うのです。

今週で理由のってましたね。
ルールに乗っかれば楽に勝てるけど
それは「カッコ悪い」から真向勝負と…。
いやあ、こういう一昔前の熱さが
逆に新鮮な感じです。

椎橋先生は、自分も次作はキャラを
絞ってやって欲しいですね。
どこかで化ければ、上位に食い込みそうな作家だと思うんですけどね…。

  • [2014/09/16 20:11]
  • URL |
  • 名無しさん@ニュース2ch
  • [ 編集 ]
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>だがしかし! あ、サンデーの『だがしかし』って漫画おもしろいッスよね。駄菓子狂いのヒロインがアホの子かわいい。

ハヤテよりこっちの漫画の方がまともな感想を書いてもらえそうな気が。

うんこサッカー漫画…なんでしたっけ

金盛主将は子供好きで将来は教師になって相撲普及に尽力したいとか
単行本おまけでさらに株を上げたからねえ

原作つければとか安易過ぎだと思います。まるで、この人は原作つけないと売れないといっているみたいです。
ステルスの天野先生だって原作付きでもダメだったでしょ。
作者も1度売れた経験があるのでよっぽど優秀な原作者じゃないと原作つけたくないと思います。

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