保険 アリコ Moon of Samurai 今週のジャンプ一コマレビュー 2014年34号

今週のジャンプ一コマレビュー 2014年34号 

・『ヨアケモノ』

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 舞台が江戸時代、促音+三点リーダーの頻出、そして「カカン」という擬音……劣化版『るろうに剣心』として名高い『無刀ブラック』を思いだしますっ――――!!
 さて三連続新連載のトリをつとめるこの漫画の第一話の内容はというと、天涯孤独で剣だけがすべての子ども二人組のうち、主人公の幼なじみのほうが立身出世を夢見ながらもあえなく殺されてしまう、という「いやこれ『キングダム』だよね」とツッコミを入れざるを得ないものでした。作者の芝田優作先生はソーシャルキングダムの企劃に参加しているので、知らなかったというのはとおりません。もっとも読切りでは『ONE PIECE』そのままの展開をやっていたので、思うに芝田先生は好きな漫画のリスペクトをせずにはいられない人かと思われます。どうせなら筋書きだけでなく『キングダム』や『ONE PIECE』のおもしろさのほうを丸ごとパクってほしかった。
 と、ここまで意地の悪いことばかりを言ってきましたが、べつにキライというわけではありません。むしろこのたびのみっつの新連載のなかではもっとも期待しています。ひさしぶりの王道らしい王道のストーリーだし、刀で斬られたらちゃんと死ぬ(これは第一話だけのことかも知れませんが)シビアな世界観だし、あと個人的に歴史物が好きなんです。
 これに対して気になるのは、単純な作者の力不足です。主人公の幼なじみは読者に多大なインパクトをあたえるために殺されたはずなのに、キャラが薄いせいでその死がほとんど記憶にのこりません。キャラが薄いといえば主人公のほうもまことに魅力がとぼしい。あと画力。バトルのときが顕著なのですが、キャラのうごきがぎごちなくて躍動感がたりません。あと主人公がイモリ野郎に斬られて死にかけているときの顔ですが。

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 じっくり見るとギャグ顔に見えます。
 まあ漫画家の力量は連載がつづいてまじめに描いていれば自然にあがってゆくものなのでそれほど心配はしていません。打切りについては新連載ふたつが防波堤になってくれるでしょうし


・『三つ首コンドル』

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 新キャラが、自分のうしろからの不意討ちについて。

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 騎士の誇り高い一撃などとほざいています。横槍ヒロイン……月島さん……うっ、頭が……
 すぎたんの夏休みの自由研究こと『斬』を彷彿とさせるダメっぷりのこの漫画、このたびもまたツッコミどころが山ほどありました。こころみに列挙してみます。

・カラーで描かれてもやっぱりダイヤの鳥がダイヤに見えない
・つみあげられるとなぜか皿の色と形とがかわる
・ヒロインが右手でアクションをしかけておいて次のコマではなぜか左手がうごいている
・というかヒロインが何をやりたかったのかよくわからない
・先週ダイヤの鳥について説明されたとおりのことを主人公がやっただけでヒロインがすごいと感心する
・竜の生死について主人公が説明してくれない
・ヒロインの細い片腕で大剣を軽々とうばえてしまう
・ヒロインが大剣をうばってからがキングクリムゾンで省略される
・新キャラの騎士が魅力ゼロとか頭がおかしいとかそういうレベルをブッちぎっている


・『食戟のソーマ』

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 美作くん勝利! 相手の料理をコピー&アレンジするというやりかたで先攻し、後攻のタクミがアレンジをしかけたというのに、タクミの土壇場でのひらめきすらも読みきって隠し味をしこんでおいての完勝です。この漫画は美形が保護されていません。
 しかしタクミこのあとどうするんでしょ。これほど完膚なきまでにやぶれ、さらに美作くんも言っているように弟との絆とソーマとの再戦との両方をうばわれたのでは、タクミに救いがまったくありません。今までつみあげてきたものすべてがズタズタです。こりゃ自暴自棄におちいってからの悪墜ちあるでぇ。


・『火ノ丸相撲』

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 はじめて出あった火ノ丸という好敵手との戦いのなかで沙田は笑います。緊張感のある戦いをもとめるキャラとしては、まあありがちな反応ですな。

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 うおおお。おおお。うおおおお。
 火ノ丸の鬼気迫る表情とセリフとにヘンな声が出ました。勝負ではなく勝利をのみ強烈に渇望する火ノ丸のドス黒いまでの迫力はまちがいなく今週号のジャンプの圧巻です。
 そしてオラなんだかワクワクしてきたぞ系の全否定。これがまた火ノ丸という男の性格と過去とに完璧にマッチしています。真剣。まことに真剣。マジメとか懸命とかいったことばがバカにされがちな現代においてははなはだ貴重です。
 ところで火ノ丸の言いぶんには一理も二理もあります。真剣勝負のさなかにヘラヘラ笑うのは、見ていてあまり気分のいいものではありません。キャラづけのひとつとして機能するのはいいとしても多用はかんべんしてもらいたい。
 俺『ワールドトリガー』のバトルは登場人物ひとりひとりが頭をつかって最善手をとっているのがわかるので好きなのですが、おおぜいのキャラがヘラヘラ笑うのには辟易しています。ただでさえB級以上はベイルアウトで逃げられる設定なので死ぬ危険性がひくいのに、そのうえ顔にしまりがないのだから緊張感にかけることはなはだしい。敵にゆさぶりをかけるのを得手とする迅と、生粋のバトルジャンキー太刀川さんのほかは戦闘中には顔をひきしめてほしい。


・『僕のヒーローアカデミア』

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 ヒロインがもっさりかわいい。俺にとって見どころはこれだけでした。
 ところで俺がなぜこの漫画がイヤなのか、今回の話を見てよくわかりました。ヒーロー漫画なのに人間の負の部分ばかりがクローズアップされているからです。
 俺の好きなヒーローもののひとつに『TIGER & BUNNY』があります。あのアニメ、脚本は目も当てられないほどにひどいけれど、その短所をおぎなってあまりあるほどにキャラがいい。桂正和先生原案の百点満点のデザインもさることながら性格がこれまたいいんです。みんな根が善良で、しかもヒーローポイントを競いあうライバル同士だというのにすこぶる仲がいい。見ていて実に気分がよくなります。
 で、『僕のヒーローアカデミア』はその正反対です。主人公についてはまえに書いたからはぶくとして、このたび劣化ハンター試験にでてきた受験生がヒロインをのぞけばどいつもこいつもお近づきになりたくないやつばかりでした。たとえばクソ真面目キャラは主人公を批判したところばかりが印象にのこるし、ナルシーキャラはワンピのキャベンディッシュの好ましい部分を全部とっぱらったようなイヤなヤツだし、ほかのモブキャラにいたっては主人公のダメなところをかげでクスクス笑うような連中だしで、感じのわるいことこのうえない。こんなやつらがヒーロー志望なのだからヒロアカ世界は世も末です。
 で、「そんなやつらとは主人公はちがうんですよ、ほんとうのヒーローは主人公しかいないんですよ」という作者の心の声がまたもや聞えてくる気がします。世界は主人公のためにある。ダメなフィクションの典型です。
 もっともこの漫画は主人公が“最高のヒーローになるまでの物語”であり、真のヒーローとは何かというのが主題なのだから、才能まかせの性格クズのヒーローも作劇的に必要だという意見もあるでしょう。しかしそれならクズキャラはひとりかふたりでじゅうぶんです。『HUNTER×HUNTER』のハンター試験がいい例で、ヒソカみたいな快楽殺人者もいればトンパみたいなクズもいる。いっぽうレオリオみたいないいやつもいればクラピカみたいな信念をもつ男もいる。そのほかハンゾーとかポックルとかボンズとか個性ゆたかな面々がいて、はじめてハンターという職業が魅力的かつ一筋縄ではゆかぬものだと読者に知れるし、主人公のゴンがハンターをめざす主体性も理解できるのです。
 ヒロアカのばあい、まわりの連中がたいていクズで自己本位なものだから、その正反対のことをすれば自動的にヒーローになれるという寸法です。「イヤなヤツの正反対のことをするのがヒーロー」というのは、「悪をやっつけるのが正義」というのと何らかわりありません。イヤなヤツとか悪とかによりかかってはじめて存在できるヒーローとか正義とかって、いったい何よソレって言いたい。


・『斉木楠雄のψ難』

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 照橋さんかわいい。見ているだけでささくれだった心が癒されます。

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 照橋さんの誘いをことわってはいけないのが世界のルール。万能であるはずの斉木ですらくつがえせないのだからすごい話です。でも当然だよね、斉木は超能力者だけど照橋さんは女神だもんね!


・『トリコ』

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 邪魔するやつは鼻息ひとつでダウンさ! いや胴体がちぎれてもくっつく世界だから半身をうしなったところでどうせ復活するんでしょうけど。
 しかし八王の格がきっちりしめされたのはよかった。トリコごときに苦戦しちゃダメですから。バトル(にすらなっていなかったけれど)がすぐに終ったのもよかった。
 あとインフレがはげしすぎるきらいはあるもののグルメ界の脅威があますところなく描かれていたのもよかった。ワンピの新世界は麦わら海賊団に緊張感がないせいでダラダラ感がはなはだしい。ハンタは……ジンをもちあげるのはいいかげんあきあきしたからさっさと暗黒大陸へゆけ。


・『BLEACH』

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 おお、織姫がかわいいぞ。いままでのオバサンくささがきれいに消えて、連載初期のかわいらしさが復活しています。そしてチャドはムッツリスケベ。しかし久保先生、織姫の服のデザインがアレなのはちゃんと自覚していたんだ。

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 夜一さんの手刀が織姫の胸の谷間を通過するッ! これはもちろん股間の斬魄刀を織姫の胸の谷間につっこむよう一護に対して夜一さんが言葉でなく行動でうながしているのです。

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 ( ゚∀゚)o彡°ハダカ! ハダカ!

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 と見せかけて実は服を着ていました。でもまあいいや。( ゚∀゚)o彡°黒パン! 黒パン!

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 ボッキした!


・『ワールドトリガー』

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 ついにラスボスのおでましです。よりにもよってオサムと千佳ちゃんのところへ。もちろんボーダーの主戦力をあちこちへとちらしてC級隊員をとらえるのがアフトクラトルの戦術なのだからむこうが一枚うわ手だということですが。
 で、ラスボスのハイレインの黒トリガー「卵の冠(アレクトール)」の能力は、
・鳥型…………人をキューブにする能力
・魚型…………トリオン武器をキューブにする能力
・蜥蜴型………トリオン防具を無効化する能力
というもので、しかもそれぞれ数えきれないほどの量をあやつれます。黒トリガーはたいてい無体な能力をもつものばかりですが、そのなかでも別格の強さです。風刃なんかもう(笑)がつくレベルですよ。緑川はあっさりベイルアウトし、出水は隙をつかれて足をやられます。黒トリガーも強いけれどハイレイン本人も強い。
 そしてオサムは千佳ちゃんとの共同作業でハイレインの側面をねらうもののあっさりふせがれ、戦術はつたないとダメ出しをくらいます。オサムは頭をつかって戦うしかないのに、そのやりかたがダメだというのではいいところがありません。前回なまじっかうまくいったものだから深く考えずに二匹目のドジョウをねらってしまったのでしょう。オサムはまだまだ発展途上。

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 そして本来なら率先して逃がすべき千佳ちゃんがオサムの判断ミスでキューブへと変えられます。そのトリオン量のおおきさにはきっとハイレインもたまげることでしょう。うーむ、そのあとオサムがトリオン量的にはザコだということが知れてハイレインに殺されそうになる、という展開でしょうか。



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コメント

美作くん、マジ天使!!!キライだけどw

滅多に成功しない技ならともかく、いつも身近にあったオリーブオイルで
何ができるかを現状のレシピの上を考えない
追求心の無いタクミちゃんを美作のゲスさで保護してますw

塩釜を見つけて、喜んでいたけど、そこがスタートだと雄山に怒られた四郎を見た気分でしたw

卵の冠はおそらく
形状に関係なく当たったトリオンをキューブにする能力に見えますね
出水の足はキューブになった様には見えませんが・・・

美作にしろ火の丸にしろ
今週のジャンプは美形じゃないキャラが活躍して個人的にはホクホクです

特に美作は鉄鍋のジャンに出てくる
料理は勝負な主人公と
料理は半歩先なラスボス黄 蘭青
2人をミックスさせた様なキャラで素晴しく見てて楽しい

この大会だけじゃなくて
この先も美作の出番が増えますように

>股間の斬魄刀を織姫の胸の谷間につっこむよう一護に対して夜一さんが言葉でなく行動でうながしているのです。

本当にその通りだから困るw
よく通ったな…

風刃なんて(笑)がつく

今んとこライトニングの狙撃と風刃の斬撃が数少ない攻撃策じゃないのかな。まあ明らかに風刃の方が弱そうだけど使用者の腕だね

アカデミアはまだまだ面白くなる要素はあるだけに惜しい。

グレンラガンみたいに後半主人公が格好良くなれば人気でるかもしれないけど、それまで読者は待つのか。

>ところで俺がなぜこの漫画がイヤなのか、今回の話を見てよくわかりました。ヒーロー漫画なのに人間の負の部分ばかりがクローズアップされているからです。
>で、「そんなやつらとは主人公はちがうんですよ、ほんとうのヒーローは主人公しかいないんですよ」という作者の心の声がまたもや聞えてくる気がします。世界は主人公のためにある。ダメなフィクションの典型です。


とりあえずひとつだけ明確に違うんでつっこみますが
今回及び今まで主人公を馬鹿にしてるモブはヒーローじゃないです
全員「ヒーロー目指してるだけの一般人」です

ヒーローはオールマイト以外は今まで主人公に絡みませんでしたし
一話や今回の「試験を画面で見てた人たち(多分ヒーロー)」を見る限りだと
全員人並みかそれ以上には善良だったと思います


あと、この作品のモブ達のアレはぶっちゃけ

「主人公は現在この程度の評価しかされてません」

という単なるパラメータじゃ無いですかね?


そちらも仰ってるとおり、この作品のテーマは
“最高のヒーローになるまでの物語”ですから
それには当然"明確な成長過程の基準"が必要なわけで
モブの反応はそれを漫画的にわかりやすくやってるだけだと思いますよ

勿論、嫌な奴を見るのはそれだけで負担ですし
他にもっと上手いやり方があるとも思いますので
気に入らないこと自体を否定する気はありませんが……

少なくとも「世界は主人公のためにある」と言う意味合いは
あんまり無いと思いますので、その辺はなるべく気にしないで
見たらどうでしょうか?

ソーマは先週の記事でもあった綺麗事言ってた審査員の爺さんもジャッジは公平にしたのは心から安心した
聞いているんですがヒロインさん

火の丸の、チームメイトの面倒見がよいなおかつ目的のためならここまでやれるキャラがかっこよい

士月さんはちゃんと批判する立場として三つ首コンドルとか読んでらっしゃるんですね。尊敬します。
いや、斬とかポセ学とかと同類で頭痛くなるので読むのが苦痛なんですよね。


あと、7年近く前からこのブログ読んでましたけど、
今日まで士月さんのこと「土月」って読んでました

暗殺教室でロヴロが死んでないことに突っ込むと思ってたが
そんなことはなかったぜ!!

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