バカ漫画レビュー『斬』十三太刀「討条 戒」
三馬鹿トリオのリーダー、サブタイトルにそのまま名前が出てきた討条が見廻りのために金蔵坊ちゃんの護衛を離れます。だからその前に月島さんをどうにかしておけ。月島さんは月島さんで、斬り殺される直前だったというのに自分の立場も忘れてのんきに斬を心配します。さすがは天下の横槍ヒロイン、時には緊張の糸を緩ませる必要があることを熟知しています。おかげで『斬』のストーリー展開も緩みっぱなしです。
一方、斬は刺々森を倒したので暴走モードが解除されていました。そしてついにどうすればスイッチが入るのかを悟ります。
一撃必殺状態って。一撃必殺状態って!
あまりにも斬新なネーミングセンスについては口を挟まないことにしますが、とりあえず一撃必殺状態に入っても一撃で必ず殺せたことは一度もなかったことだけは指摘しておきます。しかし強く念じて刀を握りしめたら最強モードにギアチェンジできるのか。お手軽だね。
あ、斬は例によって説明的な長ゼリフを誰に教えるでもなく独白するので紹介。
「……
そうか……
心で「武士(おとこ)らしく」って強く念じながら刀を握りしめたら一撃必殺状態に入れるのか……
……にしても凄いパワーだった……
あまりに力が体から湧き出るもんだからビックリしちゃったよ。
……でも、何で口調が変換されちゃうんだろう……」
『斬』は絵ではなくセリフで読者に説明してくれる斬新なバリアフリー漫画なのです。漫画としては間違った方向に進んでいる気がしないでもありませんが。
さて、繰り返すようですが斬の一撃必殺状態は一撃で必ず殺せるわけではないので刺々森は復活し、今とどめを刺さなければ今度は自分の意思で斬を殺すと脅します。こういう状況で後顧の憂いを断つために本当にとどめを刺した主人公の存在は寡聞にして知りません。斬も少年漫画の不文律に従って刺々森の再戦宣言を受けて立ちます。
軽い。
生命が軽い。
真剣勝負が軽い。
そしてなによりこの漫画の価値そのものが軽い。
すぎたんは何よりもまずキャラの体力ゲージが0になったら取り返しがつかなくなることを学んでください。
さて刺々森君もまたトチ狂った論理の横行する斬の現代に生きているので斬に共感を覚え、お互いに自己紹介をします。そして訊かれてもいないのにちょっとした身の上話を始めます。
「お前みたいにバカみたく前向きな野郎、はじめて見た気がする。
俺はもうあの金蔵(クソ)の親衛隊は辞める。
どうせ元々金の為に雇われてただけで、あのクソの考えにはついていけねぇし忠誠なんか誓ってないか……」
刺々森が金蔵の下についていたのは金のためでした。意外に普通です。鋭斬刀やら無崩篭やら笑撃波ハンマーやらが出てくるので、てっきり金蔵家は珍しい武器を所蔵していて三馬鹿どもは武を追求するために金蔵と契約を結んでいるとか、そういう設定だと思っていました。
しかし斬のようなバカみたく前向きな野郎を始めて見た気がする(小文字変換に深い意味はありません)ですか。すさんだ過去を送っていそうです。高校生なのにタバコを吸っているのも、ピアスや飾り物を付けすぎているのも、特定の読者を狙い撃ちしているようにしか見えないローライズも全ては彼の過去がそうさせるのです。
さておき最後にして最大の障害、討条の登場です。ギャグにあらず。
「主がクソだろうと忠誠を誓ってなかろうと、一度ついた主を裏切るという事は……
武士(おとこ)として、この討条戒がキサマの命をもってケジメをつけさせてやる」
前後の文章が繋がっていません。しかし日本語は不自由でも彼が並の手練じゃないことを知っている刺々森は震えを押さえ切れません。それを見た斬も
(この凄い強い刺々森君がこんなにも怯えるなんて)
とこの凄い強い刺々森君に勝利した自分を持ち上げる形で討条の強さを認めます。
さて討条の優先順位は裏切者を処罰するよりも侵入者を排除する方が高かったので、まず斬を殺すと宣言します。
だから斬られても全く同情できないような表情はヤメロ。
問答無用で襲い掛かる討条に斬は身構えますが、さっきの戦いの負傷で膝をつきます。その窮地を救ったのは、今まで命をかけて戦っていた刺々森でした。
鋭斬刀でガードすれば折れてしまう可能性が高いことを熟知しながら、それでも斬をかばう。定番ではありますがそれだけに燃えるシチュエーション、のはずなのですがなんで負けた刺々森の方が斬よりも機敏に動けたんでしょうか?
それはそれとして、斬は刺々森を援護しますが討条は二人を一蹴。圧倒的な実力差を見せ付けます。金蔵の下で働くのを辞めるように刺々森に言われても
「善悪に関わらず一度忠誠を誓った主についてゆく!
それが私の武士道だ!」
と意志堅固に断ります。主人が間違っていればなおのこと諌めるのも一つの武士道の形ですが、討条は違うタイプの武士(おとこ)なのです。これで判断力と語学力を兼備していたら完璧だったのですが。
しかし斬はジャンプの主人公らしく、白黒ははっきりしています。世の中には灰色もあることを理解できないだけ
誰一人として金蔵坊ちゃんが悪であることを否定しないのが笑える悲しい。
さておき二対一という武士(おとこ)にあるまじき卑怯千万な状況ですが斬は萎縮しまくります。心で「武士(おとこ)らしく」って強く念じながら刀を握りしめて一撃必殺状態に入れよ。つい数分前の発見さえきれいに忘れてしまっている斬はトサカ頭なだけではなく鳥頭でもありました。
さて斬の窮地に貫木が登場します。
ちなみに三人の位置関係はこちら。
なんで貫木が斬の隣に来るまで刺々森は気付かなかったんでしょうか。やっぱり瞬間移動? さらに言えば。
自分の仲間の壊原をまず心配しろよ。刺々森にとっては後ろ向きな野郎だからどうでもいいってのか? 薄情な奴だ。討条を含めて。
三人の敵に囲まれながらも討条の自身は揺るぎません。そこで貫木は
「こんな狭い所に大人数入り乱れるのは得策じゃねぇな」
と高速道路と見まがうほどの広さを誇る廊下が見えてないような判断で煙玉を使って一時撤退します。貫木の忍者らしい行動を初めて見ました。
ちっとも忍べてませんでしたが。
これが普通の忍者漫画だったら、近くを徘徊していた動物に傷をつけて自分たちは違う方向に逃れる、というのが定石なのですがここは校舎なので不可能。斬を囮にして貫木と刺々森はめでたく逃亡に成功しました、とかいったらそれはそれで笑えそうです。
最後のページでは七太刀で顔だけ出てきた男女二人組が登場しました。校舎前の大量の血痕を調査中。って壊原はどこ行った。刺々森と討条だけではなくすぎたんにも忘れられたのか?
眼鏡っ娘は眼鏡を外しました。
巨乳とオーバーニーソックスが追加されましたが失ったあとを埋められるでしょうか。俺にはキョンと同じく眼鏡属性がないので判りません。それに真剣勝負が日常茶飯事の世界で普通ここまで驚くものでしょうか。
ところで片割れの男ですが、涼しげな風貌の割には「うるっせぇな、黙んねぇと殺すぞ。お前は俺の言う事だけ聞いてろ」と異様に口が汚い。エセクラウドだとばかり思っていましたが、どうやら彼はエセガッツのようです。
そのやりとりから二人はたぶん無双校の風紀委員か自治組織のメンバーあたりで、金蔵坊ちゃんの卑劣な振る舞いを制裁するために影で動いているのでしょう。
最近の『斬』は褒めるところが増えてきました。あと何週かしたらこのレビューに“バカ漫画”を冠することを止めなくてはならなくなるかも知れません。それはそれで悲しいような寂しいような切ないような詰まらないような勿体ないような。
ちっとは歓迎しろ俺。
- [2006/10/23 19:41]
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コメント
いつも楽しくレビューを拝見させていただいてます。『5太刀』くらいからファンですw
弱体化の激しいジャンプ本誌よりもこっちのほうを楽しみにしています。
『斬』が打ち切られるその日まで(まぁ、もうすぐでしょうけど)頑張ってくださいw
お昼休みになっちゃいました、、、
TBか羅随分送れてコメのkyousoですm(。。)m
>誰一人として金蔵坊ちゃんが悪であることを否定しないのが笑える
哀れですね、、、何とも部下に恵まれている三角頭!
一体幾ら払っているのやら???
はっΣ( ̄□ ̄;)
ところで、斬ワールドの通貨は”円”なのでしょうか?
ど〜〜〜〜〜〜でもいいんですが(汗)
>壊原はどこ行った
帰宅されたようですね(笑)
皆さんコメントありがとうございます。
>134さん
>『斬』が打ち切られるその日まで(まぁ、もうすぐでしょうけど)頑張ってくださいw
一応そのつもりですが、まかり間違って『こち亀』を超える超長寿連載に成長してしまったらどうしましょ。取り越し苦労というのは解っているんですが。
>kyousoさん
>帰宅されたようですね(笑)
壊原君はタメ歳の討条に敬語を使うほど慕っていたわけですから常識的には考えられないのですが、斬の現代だと普通にありそうだから怖いです。
名前がちょうど3のリーダーで出た討条はトリオを馬鹿にします、副題はめぐるためにキンゾウの警備員のもとを去ります。したがって、最初に何らかの形で月島を使用してください。月島は、気持ちよく斬について月島と心配でそのものの視点の直前に殺されて忘れます。予想されているように、私は私が時々重圧のスレッドをよくゆるませなければならない世界の中断ヒロインを知っています。あなたのおかげで、「斬」の物語発展は、溶け続けます。
他方、斬に関しては、私が破片モリを破ったので、無謀運転モードは削除されました。そして、私は私がどのようについにスイッチを入れられるかについて理解します。
三馬鹿トリオの〜入るのかを悟ります。までを(ヤフーのテキスト翻訳で)英語に翻訳し、それを日本語に翻訳したらこうなりますた
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