保険 アリコ Moon of Samurai 2018年06月18日

ダーリン・イン・ザ・フランキス 第21話 「大好きなあなたのために」 

 前回のラスト五分からの唐突なまでの怒濤の展開にくらべると悪いのはなにもかも宇宙人だよというシンプルな対立軸でえがかれたためにだいぶ納得できやすく違和感もすくない話でした。これまでとは比較にならないほどにスケールがデカいとは思いましたがね。

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「われわれは宇宙のあらゆる知性体を同化し、肉体というカラを捨てさせてきた」
「おまえたち人間も、進化の段階をむかえるときだ」
「悠久にわたってつづく快楽、おまえたちにそれを与えよう」


 というわけで七賢人の主席と副主席は人類補完計画を推進するエヴァのゼーレ、というよりはその元ネタの『幼年期の終わり』のオーバーロードみたいな存在でした。ただし人類がオーバーマインドと同化することを強制するし拒否権もあたえないという強引なやりくちではありますが。
 そして七賢人のほかのメンツの頭部から光がうまれて宇宙へとびだち、移動都市からつぎつぎと光の柱がつづいてゆきます。この光は人間の知性と魂なのでしょう。それなのに十三部隊のメンバーをはじめとした子どもらは平気であったのは、VIRMにとって子どもが人類の範疇にはいらないからでしょう。もうヒロらは人間とは完全に別種族なのか……
 なおこのあとフランクス博士も無事だったことがあきらかになります。それはあとあと判明することだけれど叫竜の遺伝子を体内にとりこんでいるからでしょう。

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 VIRMの罠にうまうまとのせられた結果、野獣のように苦しみもだえる叫竜の姫を見てヒロは暴走時のゼロツーを思い出し、イチかバチかの賭けにうってでて、かつてゼロツーと心でつながったときのように、叫竜の姫とリンクしました。そしてヒロは悠久の時の流れを目撃します。

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 ゼロツーのこの顔が「え? ダーリンがボク以外の女とつながった? これって浮気?」という表情に見えてなかなか笑えます。

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 地上ではいきなり空からふってきた謎の勢力が叫竜と戦いをはじめたために末端の兵隊は何が何やらさっぱりわからず司令部に命令をもとめるもののなしのつぶてで叫竜とVIRMとの戦いにまきこまれてどんどん数をへらしてゆきます。いうまでもないけれど司令部の大人はみな光になりました。軍隊は上からの命令がなければなにもできない、というよりも何かをしてはいけない組織なので、命令系統を攻撃するのは非常に有効な戦術なのです。もちろんVIRMはそんな区々たる戦果など眼中になくてフランクスやそのパイロットらのこともどうでもいいのだろうけれど。

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 博士とハチの会話で、VIRMがしかけた罠と、それをヒロの機転で一時的ながらも爆発がおさえられたことが知れました。臨界に達するまでの猶予は七十三分弱。そのヒロがかせいだ時間をムダにしないためにゼロツーはもどってきました。
 いっぽう十三部隊は命令系統が破壊され、かつ上層部に対しての信頼がゼロを通りこしてマイナスにまで達しているので、独自の判断でグランクレバスにまでもどることにしました。

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 これまで気のとおくなるような年月をかけてVIRMへの対策を練ってきたというのにあっさりあきらめモードに突入中の叫竜の姫でした。彼女は案の定ゼロツーのコピー元で、その昔語りによると六千万年以上もむかしに叫竜人がいまの人類よりも進化した文明をきずき繁栄を謳歌していたところへVIRMが宇宙からやってきて肉体をすてて自分らと同化するようにせまったところ叫竜人はNOをつきつけたので宇宙戦争が勃発し叫竜人はみずからを生体兵器である叫竜へと姿をかえ数百年も抗戦したかいあってかろうじてVIRMを撃退することに成功したけれど相手が先遣部隊にすぎないことを悟っていたので来るべき第二次宇宙対戦にそなえてスターエンティティをつくりあげ叫竜の姫がその操縦者として何千万年もひとりでいままで生きてきたとのことでした。ゼロツーが生みだされたのは叫竜の姫を介さずに人類の手でスターエンティティを動かすためです。

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 その正体が叫竜の姫のクローンのゼロツーのそのまたクローンであることがこのたび判明したナインズは、自分らがほかの子どもらとはちがうエリートであるとの特別意識にとらわれて現実がみえず、パパと慕う七賢人の正体が宇宙人であることを直視せずに命令を墨守したあげくにVIRMの雑兵どもに仲間のひと組を殺されて激昂するのでした。その気持は推察できないこともないけれど、いままでの描写があまりにもうすく、あと最近の活躍がどれもこれもヒロらの足をひっぱることに終始していたのであまり同情はできません。
 つーかナインズがこのさき生きのびて十三部隊の手助けをするとしてもこれまでの経緯のせいで釈然としないものがのこるだろうし、かといって自分らの自意識を守るためにVIRMの手先になっても腹立たしいことこのうえないだろうから、このまま全滅してくれるのがいちばんすっきりするのだけれど、どうやらすくなくともひと組は生きのびたようで、さてどうなることやら。

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 ゼロツーは勝算や成功など度外視して、ただずっといっしょにいるという約束をまもるためにヒロのもとへゆこうとし、それへ博士が同行することになり、タイミングよく地上からふってきたフランクス四機とともにスターエンティティへとむかいます。

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 スターエンティティまでの道をひらくためにクロロフィッツは最大出力で発砲し、そのためにイクノは急激に老いて髪が白くなりました。雑魚VIRMを足止めするためにアルジェンティアとジェニスタはその場にのこり、クロロフィッツは雑魚VIRMとさしちがえて地の底ふかくへ落ちてゆきます。そしてフランクス博士は義手のなかの叫竜の姫のDNAをもちいてスターエンティティまでの壁をひらきました。

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「博士……一応言っとく。ボクをつくってくれて、ダーリンにあわせてくれて。
 ありがとう」


 ええ子や……ゼロツーええ子や……

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 みんなが助けてくれたおかげでゼロツーはとうとう愛しのダーリンのもとにまでたどりついたのにヒロはすでにこときれてタイムリミットもオーバーしました。しかしゼロツーはあきらめることなく、かつてのように肌を赤くしてヒロにキスします。このアニメではヒロとゼロツーがキスしたら当座の問題は全解決するし実際に今回もそうなりました。

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 叫竜の姫は自分らとはちがう進化をあゆもうとするヒロらをみとめ、妹夫婦へのプレゼントとばかりに自分の最後の力をすべて托します。そしてヒロとゼロツーは不思議空間であの想い出の樹のもとにキスをしました。ヒロとゼロツーのラブパワーはグレンラガンの螺旋力にも匹敵する無限大のエネルギーなのでもちろんのことスターエンティティの操縦権を手にいれます。

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 スターエンティティはフランクス博士の趣味が炸裂したデザインをとりもどし、ヒロの操縦するままにVIRMの先遣艦隊をたやすく破壊します。そんなスターエンティティ、ストレリチア・アパスの勇姿に感動し、自分が生涯をかけてでも見たかったものを見られたことに心の底から満足しながらフランクス博士は岩に押しつぶされて死にました。
 それはそれでいいのだけれどせめてヒロに一発ブン殴られるまでは長生きしてもらいたかった。フランクス博士のことをゼロツー本人はゆるしたわけだけれど、これまでのゼロツーへのしうちのことを視聴者はまだ納得したわけじゃないし、ヒロにいたっては絶対に水に流せることではないでしょうから。

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 ひとまず敵はおいはらったものの完全勝利とはいえず、叫竜のエネルギーでつくったフリングホルニは敵の手にわたりました。そしてこのたびの襲撃がVIRMのほんの一部隊によるものであることかわりはなく、いつの日か三度目の来寇があることは不可避の事態なのです。

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「やったよ、ゼロツー……
 ……ゼロツー?」


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「……」

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「イチゴちゃん大勝利! 希望の未来へレディ・ゴーッ!!」

 イチゴはそんなこと言わない。



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