保険 アリコ Moon of Samurai 2017年03月10日

今週のジャンプ一コマレビュー 2017年14号 

・『Dr.STONE』

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 六連続新連載の第五弾は、ベテランの作画原作によるSF漫画です。そして完成度がべらぼうに高い。世界観の説明、魅力的なキャラクターの造形、読者がさきを読みたくなるストーリーとヒキ、主人公の目標の提示と、連載漫画の第一話でやらなければならないことを完璧にこなし、かつ世界観はジャンプ漫画史上屈指の壮大さときています。ホメことばしか見つかりません。なんというか、むっつの新連載のうちのはじめのみっつが完全に前座というか引立役というか、くらべるのがかわいそうに思えるほどの面白さ。『腹ペコのマリー』のばあい、田村先生のことだからきっとこれくらいは面白いだろうなという期待値どおりのできばえだったのに対し、『Dr.STONE』のほうは『サンケンロック』『ORIGIN』のBoichi先生が作画をつとめ、『アイシールド21』の稲垣理一郎先生が原作担当なので、当然のことながら傑作になるだろうと思いながらもぬか喜びに終るかも知れないという期待と不安をいだきながら読んでみると、こちらが勝手に設けたハードルをかるがると飛びこえてくれたという感じです。

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 舞台はいまから数千年後の地球。はじめはわれわれとおなじ時代ではじまったのが、なぞの光をあびて世界中の人類が石になり、主人公コンビが超人的な精神力によって石化をやぶったときには人類の文明がすべて無に帰していたという設定です。もし人類が突如として消滅したばあい、学者らのシミュレートの結果、地球が二十年後までにどうなるか、そして一万年後までにどうなるかという番組がこの漫画のインスパイア元のひとつかと思われます。もちろん漫画のほうは人類復活の可能性がのこっているので丸パクリでは決してありません。

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 ダブル主人公のうち黒髪のデカブツは最高のナイスガイ、金髪のチビは人間味のあるヒル魔という感じです。ところで前者は幼なじみのヒロインと潜在的に両想いであるのに理不尽にもひき裂かれるという点で『U19』の主人公と似かよっているのだけれど感情移入の度合は段ちがいです。こっちは無条件で応援したくなるのに対し、あっちは腹の底から「ザマミロ&スカッとサワヤカ」の笑いが出てしょうがねーぜッ! てーか『Dr.STONE』はほかにも『U19』といくつかの共通点がみられて、それらすべての上位互換です。木村先生が連載するまえに『Dr.STONE』が掲載され、それを徹底的に研究していたら、『U19』ももうちょっとマシな漫画になっていたかもしれません。
 ところで主人公コンビの目もとに黒い亀裂が走っているのは何だろなと首をひねって読みかえしてみたら石化がとけたときに石に入ったヒビをなぞったものなのですね。ただの漫画的ファッションかも知れませんし、なんらかの伏線かも知れません。

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 ラストの見ひらきで大樹の目もとの亀裂が消えている理由は存じません。
 しかし「この石の世界のアダムとイブになってやる」とは、これはまた熱烈なホモ宣言ですなあ。オスはメスとしかウコチャヌプコロしないはずなのに、オスとウコチャヌプコロするなんてどうしてだ?


・『腹ペコのマリー』

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Q. もし思春期の男の子が目をさましたときに女の身体になっていたらいったいどうする?
A. おっぱいをもむ。これは宇宙の真理である。新海誠監督もそう言っている。


・『鬼滅の刃』

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「むざんさまー。心のなかでヤバイって思ったらどうするのー?」
「殺す」
「むざんさまー。むざんさまは私は鬼狩りから逃げると言うけどちゃんと戦うよー」
「私の言うことを否定したから殺す」
「むざんさまー。何やっても殺されそうだから逃げるよー」
「追っかけて殺す」
「むざんさまー。血をわけてくれたら強くなるよー」
「私に指図したから殺す」
「むざんさまー。ほかの鬼を殺すところを見せてくれてありがとー。私を手ずから殺してくれるのありがとー。むざんさま好き好き大好き超愛してる!」
「気に入った―――ッ!! 強くしてやる。死ぬかも知れんが」


 無惨さまマジ無惨。


・『左門くんはサモナー』

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 髪をおろしたアンリかわいい。そして悪の化身のハズなのに言うことは正論です。クソ山の王いわく左門のせいでこうなったとのこと。マイナス×マイナス=プラス!


・『ポロの留学記』

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 巻頭カラーの見ひらきの左端に描かれたヒロインが第三話で登場しました。主人公をおっかけて魔界から人間界までやってきたというキャラクターで、俺は『忍者ハットリくん』のツバメを見て以来こういうキャラが好みなのです。
 しかしそれはいいとして絵がひどい。ものすごく雑になっていて、コマの大半をキャラの顔アップが占め、背景はろくに描かれていません。権平先生がアシスタント募集中なのを見るに、手をぬいているのではなく手がたりないのでしょう。あと週間連載のペースをまだつかんでいないというのもありそうです。


・『ブラッククローバー』

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 実際ニ起コル『真実』ニ到達スルコトハ決シテナイ! ワタシノ前ニ立ツ者ハドンナ能力ヲ持トート絶対ニ! 行クコトハナイ。コレガ『ゴールド・エクスペリエンス・レクイエム』


・『火ノ丸相撲』

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 チヒロの兄は相撲の取口こそふまじめに見えたものの二年前後の経歴で力士の体をつくってきたことからも知れるとおりに相撲が好きで、対するチヒロもまた自分が相撲好きであることを心のなかでみとめました。それはそれでべつにいいし、主人公の火ノ丸からして心技体のうち体はどうやっても向上不可能だから心と技にたよるしかないので気持が大事なのはしかたがないにしても、俺は太刀川さんの「気持ちの強さは関係ないでしょ」というセリフが好きなように過剰な精神論がニガテなので、好きだ好きだとさも重要であるかのように言われても、左様でごさいますかと流すほかありません。そういう意味で白楼の大包平には期待していたのですがね。べつにいいじゃん、競技が好きでないのに強くても。


・『U19』

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 オカルトサイトは大人党に検閲されないから情報交換できるぜ!
 そこまで情報統制がザルで強権支配なんてできるんですかねえ。大人党は支那の共産党のやりくちを学んだらどうでしょうか。
 それはさておきオカルトサイトを隠れ蓑にした情報交換サイトにヒロインの現在場所がアップロードされたのはメガネ委員長がガレージキッドの本部に依頼したからです。その連絡方法さえあればじゅうぶんじゃねーか! つーかどうやって連絡したんだ。たぶん木村先生はなにも考えてないんだろうけど!

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 メガネ委員長は主人公がしばられた縄を斬るというしょーもないシチュエーションで自分の異能力を発動しました。ペンを日本刀にかえるのがその力のようです。

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 それっぽっちの力で国家転覆できると信じられるオツムには感動すらおぼえます。そんな力、フツーの日本刀を買えば代替可能でしょうに。あ、日本刀だと官憲にすぐ見つかるけれどペンなら見過ごされるからテロリズムにはうってつけの能力だとはいえますね。けっこう首尾一貫しているじゃないか(ぉ
 ところでメガネの国家転覆計画では総理大臣を拉致して国会を占拠すればオッケーだそうです。ここまでアタマが悪いとさすがに同情の念を禁じえません。総理大臣を拉致しても大人党がべつの政治家を総裁にえらべば自動的につぎの首相がきまります。国会を占拠してもべつの建物に国会の機能をあたえれば大人党としては困ることはありません。メガネはガリ勉のくせに社会科はきっと赤点です。

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 そしてメガネの国家転覆の動機がこれまたヒドイ。ファストフード店で勉強をわすれて語りあかしても殴られないって、店への迷惑はガン無視で自分勝手な欲望のことしか頭にありません。ランクを気にせず恋人とおなじ大学をめざせるといっても、この漫画の時代では学校での評価でランクがきまるのだから、学力以外の要素があるにしても恋人とおなじランクの大学をめざすことは現実世界の日本と大差はありません。宿題をわすれてもこづかれるだけって、宿題を忘れなきゃいいだけだろ。将来について親と語るのだって学校で評価をあげればいいだけじゃないか。
 ろくに勉強もせず、教師からきちんと叱られもせず、最低の偏差値と最悪の内申点でも思うがままの未来が約束されているのが普通だとメガネは思ってんのか。バカの国からバカをひろめにきたような大バカ野郎です。
 だいたいメガネのいう“普通”は十六年まえのことなのに、どうしてそんなに力説できるほど語れるんだ。ガレージキッドの黒幕が実は野党の大物政治家で、バラ色の過去を子どもにふきこんで反社会的な破壊活動に従事させ、ゆくゆくは大人党を打倒して自分らが政権をにぎるための尖兵にしているのだと考えれば前後のつじつまはあうのだけれど、木村先生がそこまで考えているとはとても信じられないので、やっぱりメガネの目指す国家転覆はこの漫画では子どもだけによる完璧な正義なのでしょう。くだらん世界です。

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 おめでとう! キモい主人公はキモいテロリストに進化した!

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 国家転覆の手はじめに担任の先生を追いだすぞ! 世界征服のために幼稚園のバスジャックをする悪の秘密結社よりも迂遠なやりかただな……
 あとここでわざわざ言わなくても読者のだれもが感じていることだろうけれど、とにかく話がすすみません。世界観の説明に一話かけ、ヒロインが主人公とはなればなれになることに一話ついやし、主人公の能力のおひろめに一話、この漫画の大目標の提示に一話で、最初の中ボス打倒が五話目というのだから、木村先生はご自分をどれほどの大御所漫画家と勘違いされているのか問いただしたくなるほどのチンタラぶりです。このぶんだと谷先生と、その後任の教師とのバトルでこの漫画は打切られることでしょう。


・『食戟のソーマ』

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 えりな様がふんかふんかしているのは父親に反抗して亢奮しているからです。掲載順が実質ドベに転落して怒っているからでは断じてありません。



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