保険 アリコ Moon of Samurai 2006年07月

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 2006年07月 

斬コラ ZAN -kenbu刀- 

 勢い余って『斬』のコラを制作してしまいました。
 世紀の駄作のコラボレーション・コラージュ。
 自分にコラコラ言いたい。

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バカ漫画レビュー『斬』二太刀「夢」 

 かつて週間少年ジャンプには黄金期と呼ばれる時代がありました。『ドラゴンボール』や『聖戦士聖矢』、『スラムダンク』に『幽々白書』といった名作が誌面を飾った時期のことです。黄金期のジャンプを枕頭の書として育った子供たちはジャンプ世代と呼ばれ、上記の名作をリアルタイムで読む事ができなかった世代からマンセーが鬱陶しいのでひたすらウザがられ羨望の目で見られています。
 きっと百年後、二百年後にはルネッサンス時代のフィレンツェ市民のごとく、ダ・ヴィンチやミケランジェロの傑作が生まれる瞬間に立ち会えた幸福な人々のように後世の歴史家から羨ましがられることでしょう。
 そして今、我々は再び歴史が生まれる瞬間に立ち会っているのです。後世の歴史家から羨ましがられないだろうことは請負いですが。

 長々とした前置き、失礼しました。先週から各所で大人気、週間少年ジャンプの新連載漫画『斬』。とりあえずジャンプには祝辞を贈っておきましょう。堕ちるところまで落ちてしまえば、後は上り詰めるだけなのですから。
 吹き抜ける斬新な風! とアオリにありますが、斬新と言うか何と言うかアンデルセン神父が生まれながらにそうありたかった心無く涙も無いただの恐ろしい暴風が『斬』を中心に吹き荒れていて気を抜くと一気に吹き飛ばされてしまいそうだからいっそのこと台風の目に飛び込んでしまおうという自分でも何を言っているのかよく解らない決意でどーんの後釜としてバカ漫画レビューを始めることにしました。

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 全世界の漫画家志望の若者たちに「こんな絵なら自分にも描ける!」という希望を抱かせてくれる素晴らしい一コマです。“パアアア”という脱力必至の擬音がまた絶妙です。『ゴッドハンド輝』の中の人も「コイツに較べりゃまだマシだ!」と漫画への情熱を新たにしていることでしょう。
 先週、左肩を斬られて重症のはずのヒロイン月島さん。数日で登校できるほどに回復しました。きっとこの斬新な風の吹く世界の医者はベホマとか習得しているのでしょう。でないと危なっかしすぎて真剣勝負なんてやってられませんよね!
 さて月島さんは先週で窮地を救ってもらった斬に放課後、体育館裏に来るように頼まれます。斬は告白されるのかと期待しましたが、実際は手合わせをするためでした。
 今どき小学生で想像できるベタベタの展開。だがそれがいい。いやいいんだって、信じてくださいよ。あまりにもベタベタすぎて逆に斬新と考えるべきですよ!

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 ほらやっぱり斬新じゃないですか。
 本日の格言:嘘も百回言えば真実になる@毛沢東

 さて二人は木刀を真剣に持ち替えて手合わせすることになりました。

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 剣道で柄を握るのは左手だとか、剣道に胴以外の横薙ぎの斬撃はないとか、斬は馬鹿力の持ち主のはずなのになぜ女の子の一撃で姿勢が崩れるのかとか、そういった疑問は瑣末なものです。しかしこの場所の埃っぽさはどんなものでしょうか。気管の弱い人間だったらパツイチで喘息に罹りそうです。例えば俺。
 あとこれだけ埃っぽいんですから、粉塵爆発とか頻発していそうです。剣術バトル漫画の主人公が爆死するラストというのも斬新でいいんじゃないでしょうか。
 さっきの次のコマですが。

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 すごいです月島さん、瀬田宗次郎の縮地が使えるなんて! さすがメインヒロインは違います!
 はいそこ、大吉ワープとか言わないように。
 斬は月島さんの攻撃を捌き切れず、右頬に傷を負います。

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 その三コマ後。

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 謎は全て解けた! この漫画の登場人物は全員が超魔生物だったのです!!
 これくらいの回復力があれば真剣勝負も怖くはないでしょう。
 さておき生命の危機に直面して主人公が暴走モード突入。
「見せてもらうわ……
 あなたの実力を!!!」

と月島さんが右手で刀を持ち左足で踏み込みます。そんな彼女は剣道五段。
 この世界の剣道は、我々が知っている同名の武道とは縁もゆかりもないようです。
 読者の想像通り、月島さんの攻撃は斬にはまるで当たりません。

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 虎眼流なら太刀をぶつけ合わないのは基本です。牛股師範、ちょっとこの世界に来て月島さんを稽古してやってください。チャームポイントの口裂け痕も三コマしたら完治しますから。しかしそれを考えると「痛くなければ覚えませぬ」超スパルタ師範代・藤木源之助のほうが適任かも。どちらにせよ臓物をブチ撒けても次週には全快していそうな世界なので伊達にし放題。藤木とか常時笑っていそうです。
 え? 虎眼先生? 駄目駄目、掛川の老虎が出駕したら三日で世界は崩壊します。というか『斬』のキャラたちの隣に虎眼先生が並んだら容姿のギャップが激しすぎて空間がひずみます。範馬勇次郎の周辺みたいに。
 ともあれ月島さんは斬に敗北。なんかフラグが立ったらしく頬を染めます。斬と再戦を一方的に約束して去っていきました。
 一人取り残された斬は決心します。

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 俺の印象はこんな感じ。

どぉんっ
○| ̄|_



 ちょっとしたイザコザで真剣を抜く死狂ひだらけの世の中で今まで一度も本格的な稽古をしてこなかった斬君。いやはや全く斬新というにも程があるだろコラ

 ……とまあ第一話に較べればトーンダウンしましたが、それでもやっぱりアレな出来でした。仕方がないので月島さんに期待してコピペを貼っておきます。


ジャンプ、フライングゲット
とりあえず、ムチャクチャ前評判の悪かった
斬をぱらぱらとめくる
……こいつ、ものすごいカワイイ女描くぞ!!
少女マンガっぽいタッチで、柔らかい感じの絵だ
オレ的には少年マンガでトップクラスの萌える絵だよ…
話はまだ読んでないけど、萌えだけで続けれそうだ・・・
ひょっとしたら、化けたりして……

>>790
いや、これは萌えるって(w
ジャンプじゃ間違いなくトップだと思うぞ・・・

何度も何度も書いて悪いが
斬、萌えまくりなんすけど……
絵は少女漫画風の線の細い絵で、ここの人にどれくらい受けるか分からんけど
個人的にはめちゃツボですわ……
正直もったいない、バトル漫画なんて似合わないよ
これが恋愛漫画だったら単行本買ってるぞ
明日にはマジでスレ立てるわ(w






Wizardryのごとく! 第十五話 

「早いものでこの連載ももう十五話か」
「そうね。作者は最初の頃は毎日更新のつもりだと吹いていたのに」
「すぐに更新が週一になってしまいましたね」
「私の実感としては長く続いている方だ。最悪の場合、最下層に到達する前に全滅するのではないかとさえ思っていた。作者はこれまで二・三十回はこのゲームをプレイしているが、リセット技を禁止すると大抵そのあたりでレギュラーメンバーが全滅してしまうからな」
「ちなみに作者の最初の全滅は地下三階、落とし穴の罠に掛かりまくっての無念のリタイア。リセット技もマッピングも知らなかった幼き日のことでした」
「今回のリプレイでも、書いては来なかったがキャラも何度か死んでいたりする。ま、ファミコン版はゲームバランスがかなり改良されているからここまで来られたのだろう」
「ポイゾンジャイアントにMAKANITOが通用するのは大きいわよね」
「テレポーターの罠の解除に失敗して石の中に実体化しても死亡扱いで、しかも遺体が城まで運ばれるというのも助かりますし」
「ああ。ま、あくまでもアップルⅡ版やリルガミンサーガと比較しての話であって最近のパック旅行じみた親切極まりないヌルゲーに較べれば反則的な難易度を誇ってはいるがな。
 ……ん? ヒナギク、ちょっとパーティー欄を見てみろ」


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「あ、最大HPの左にプラス記号がついているわね。そう言えば前回はハヤテ君に……」
「ふむ。で、未鑑定のアイテムにRINGはあるか?」
「……ううん、ARMORだけだけど。それが何か?」
「なるほど、二つ目の三種の神器が手に入ったわけか。
 よし。今回はこのへんで帰還するか」


「……はい。確かに三種の神器の一つ、ARMOR OF LORDS――聖なる鎧です」
「すごいですねお嬢さま、でもどうして鑑定していないのに判ったんですか?」
「単純な消去法だ。まずヒーリングアイテム、つまり迷宮の一歩ごと戦闘の一ターンごとにHPを回復してくれるアイテムを所持しているキャラは最大HPの左にプラス記号がつく。そしてWizardryのシナリオ1にはヒーリングアイテムが三つしか存在しない。そのうちの一つは我々の最終目標、ラスボスのワードナを倒してしか手に入らないワードナの魔除けだから除外できる。で、残る二つはRING OF HEALINGとARMOR OF LORDSなのだが、前者の不確定名はRINGで後者はARMORなのだ。よってハヤテは聖なる鎧を持っていたことが判ったというわけだ」
「さすがナギ。人生の大半をアニメと漫画とゲームに費やしているだけあって、そういうムダ知識だけは必要以上にありますね~」
「うるさいうるさいうるさーい!」
「なんで灼眼のシャナ?」
「やっぱり貧乳のツンデレヒロインだからでしょ」
「その言葉そっくりそのまま返すぞヒナギク!」
「な! し! 失礼ね! ナギに較べれば胸囲はずっとあるわよ!」
「あのーヒナギクさん、胸囲とバストは計測方法が違うんですよ?」
「ふふん、断っておくが私はヒナギクより三つも年下、すなわち将来の自分に期待することがヒナギクよりも許されている立場なのだ!」
「ぐっ……! でも今のナギの身長から判断すれば過度の期待はかえって自分を傷つけるだけよ!」
「胸へ回るべき栄養を全部他の部分に持っていかれているヒナギクよりはマシだ!」
「ギギギ」
「ラララ」
「今度は『はだしのゲン』ごっこですか」
「あれ、“ラララ”じゃなくて“ううう”でしょうに」
「ところで『はだしのゲン』ごっこと言えばやっぱり『進め!! 聖学電脳研究部』を思い出しますよね」
「平野耕太先生の作品中でも『ヘルシング』の巻末漫画と同レベルのテンションで単行本一巻分を描き切った超マイナー暗黒作品を何で知ってるんですかハヤテ君は」
「お嬢さまの薫陶よろしきを得たおかげです」
「ちっともよろしくありません」
「……そういえばハヤテ君って、巨乳属性はないのかな?」
「なんです、それ?」
『ほっ』
「? どうしたんですかサキさんを除いた皆さん、一様に安堵の溜め息なんかついて」
「理解できなくて結構だ。とりあえず、この場でヒナギクと喧嘩する理由の九割は失われたな」
「べ、別に綾君のことなんか関係ないけど、ナギが矛を収めるっていうのなら私も文句はつけないわよ」
「……いろいろと言いたいことはあるが、まあいい。聖なる鎧の説明に移ろう。
 聖なる鎧はこのゲームで最高のACを誇る防具だ。前述したようにヒーリング効果も持ち合わせている。さらに特殊効果がすごい。竜・魔獣系からの攻撃緩和に加え、悪魔・獣人・アンデッドモンスターに対してはダメージが倍付けされる。おまけに本来なら忍者にしか不可能なはずの一撃死・クリティカルヒットさえ繰り出せる。
 この鎧を身に纏ったキャラは総合力においてパーティーに抜きん出た存在になれるだろう」

「でも、たぶん手裏剣みたいに装備できる職業に制約があるんでしょう」
「うむ。ARMOR OF LORDSの名称が示すとおり、この鎧はLORD――君主にしか装備することはできない。なお君主とは戦士と僧侶を併せたような職業で、善の戒律の者しか就くことができない」
「だったら僕たちは善のパーティーだから転職すればいいわけですね。でも、やっぱり転職するとキャラは弱くなるんですか?」
「その通りだ。具体的に説明すると、まずレベルが1に戻ってしまう。次に特性値――力とか生命力とかいったパラメータだが、これが種族の基本値にまで低下する。HPとMP、覚えた魔法は据え置きだがな。それに、なにより」
「なにより?」
「老ける。転職したら歳が一気に五つ増える。キャラの戦闘力にはほとんど影響がないとはいえ、キャラクターへの感情移入が半端ではないWizardryにおいてはかなり辛い」
「老ける……」
「……」
「……」
「……」
「……」
「……」
「な! 何ですか皆さん! なぜいきなり私の方を向いて生暖かい視線を送ってくるんですか!」
「いやなに、マリアなら五つくらい歳が増えても実年齢にちょっとばかり近づくだけだから」
「実年齢って何ですか! しかも“ちょっとばかり近づくだけ”って、ナギの脳内では私は二十二歳を超えているんですか!?」
「何をいまさら」
「鼻であしらわれたっ!?」
「まあまあお嬢さま。マリアさんの戒律は中立じゃないですか」
「そ、そうですよ! 残念ながら私は君主には転職できません! ああ残念です残念です、せっかくパーティーに貢献できる機会でしたのに! 本当に残念ですこと!」
「心の底から白々しいセリフを力一杯並べ立てているな」
「あのー皆さん。お取り込み中すみませんが、今回の探索で見つかったアイテムに三種の神器がもう一つありました」

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「MURAMASA BLADE!」
「なんだかすごく驚いていますけど、そんなに凄い武器なんですか?」
「ああ。村正はまさしくWizardryにおける“約束された勝利の剣”だ。その威力は、まったく戦闘経験のない者が扱ってさえ一撃で巨人族を絶命せしめるほどに強力だ。具体的な数字を挙げると、戦士とロードにとって最強の武器カシナートの剣のダメージは10~12。それに対して村正のそれは10~50、実に三倍近い期待値だ。高レベルのキャラに装備させれば、一ターンで屠れない敵など存在しなくなる。が、それだけに入手できる確率は絶望的に低く、入手したときの達成感は筆舌に尽くしがたいほどに高い。それこそ作者は村正を見つけた時点でWizardryを止めた経験が何度もあるくらいだ。ワードナ討伐など、村正に較べればオマケのようなものだ」
「ははあ」
「もちろん今回はワードナを倒すまでプレイし続けるがな。あ、村正を装備できるのは魔法戦士の侍だけだ。ちなみに戒律は善と中立だからマリアに転職してもらおう」
「ええそうでしょうそうでしょうとも解っていましたとも想像はついていましたとも結局のところ私はオチ要員でしかないことなんて最初から因果律の定めの如く決定していましたとも実はほんのちょっとだけ正ヒロインとしての立場が尊重されるんじゃないかと淡い期待を抱いたこともありましたけど所詮は後で辛くなるのは自分なのだから止めておいたほうがいいのに諦めたらそこで試合終了ですよとの安西先生のお言葉を忘れられなくてこんな惨めな思いをしてしまうんですよ笑ってくださいよ皆さん哀れな道化を笑ってくださいよそしたら私まだ頑張れますから」
「マリアさんが壊れた!」
「事実とは往々にして残酷なものだ」
「はうっ!」
「さらにお嬢さまがトドメを刺した!」





田代ちゃんと亡命しろ 

 まずはこちらをご覧ください。

 曲調から判るように『キューティーハニー』のカバー曲です。歌姫は在日三世のアユミ。

■プロフィール
イ・アユミ(李亞由美、日本名:伊藤亜由美)
1984年8月25日生まれ、鳥取県鳥取市出身の在日韓国人3世、
特技は空手。O型。 韓国マスコミから日本人と誤解を受けたことがある
・所属アイドルグループ・Sugar (韓国) - Wikipedia

 しかしこれがflash職人の手にかかると。

   田代ちゃんと亡命しろ

 なお以下の歌詞の出所は2ちゃんねる。最初に紹介したようつべ動画と一緒にお楽しみください。

(1)
寄席通路、茶仲間な、加藤茶
踊りが社会部な、加藤茶
なるほど、半島ロボ honey
だって立ってたら、だって立ってたじゃない
豚かけ、豚かけ、しょっちゅう食っちゃ飽きる
練馬・早慶・犬・鳩が、つくづくコレじゃな
田代、田代、田代ちゃんと亡命しろHoney Flash!!


(2)
寄席通路、茶もぎるな、加藤茶
とうとう反吐、不良犬な、加藤茶
なるほど、半島ロボ honey
だって立ってたら、だって立ってたじゃない
豚かけ、豚かけ、しょっちゅう食っちゃ飽きる
丸めろ、招き猫が、感じる感じるコレじゃな
田代、田代、田代ちゃんと亡命しろHoney Flash!!


(3)
寄席通路、茶もぎるな、加藤茶
酔い勝ちできぬな、加藤茶
なるほど、半島ロボ honey
だって立ってたら、だって立ってたじゃない
豚かけ、豚かけ、しょっちゅう食っちゃ飽きる
猫・犬萎え、うどん・茶が、ぐちょぐちょコレじゃな
田代、田代、田代ちゃんと亡命しろHoney Flash!!





こんなのは嫌だ@ハヤテの内心 

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機神咆吼デモンベイン 第9話 

 今回はけっこう止め絵のクオリティが高かった。その代わりと言っちゃあ何ですが、キャラの動きやストーリーがかなり割を食っていますがね。

 サブタイトルは“The Hunt”。元ネタはヘンリィ・カットナーの同名の短編小説です。これもやはりクトゥルー物です。版権についてはどうなっているのか疑問だったのですが、泡沫さんのコメントによればラヴクラフト自身が放棄したそうです。全く素晴らしい。トルストイの家族にラヴクラフトの爪の垢でも煎じて飲ませてやりたい気分です。
 ロシアの文豪レフ・トルストイは自分の作品で原稿料を受け取ることを善しとしなかった人です。例外的に『復活』の原稿料だけはもらっていますが、これはロシア政府から迫害されていたドゥホボール教徒を救済するための資金に充てました。ま、あのヒト貴族ですから働かなくても食える身分だったんです。トルストイズムみたいな理想主義も彼の立場に依るところが多いでしょう。ちなみに日本のトルストイ萌え萌え集団・白樺派もまた華族や士族を中心としたボンボンどもの集まりでした。彼らのリーダー格で「新しき村」を建設した武者小路実篤は、その仰々しい苗字が示すように室町時代にまで遡れる公卿の家系で、父親は子爵サマです。
 さておき、貴族だろうがなんだろうが金はあるだけあったほうがいいというのが人情というもの。晩年のトルストイはその理想主義をさらに先鋭化させ、家族も伯爵位も印税収入さえも放棄しようとしたのですが、当然のように家族から猛反発を喰らいました。そこでトルストイが採った方法が、家出。小さな包みだけを手に汽車に飛び込んだまでは良かったのですが、場所はロシアでトルストイは82歳。四日後に熱を出して肺炎で死にました。頭の足りない思春期の中学生みたいな最期だ。

 冒頭、セピア色の画面でアルが独白します。絵面だけだと前回とあまり変わらないような。
 あ、アルの結論は大十字九郎がヒーローだということ。言われなくても解ってますって。

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 第9話のストーリーは、一言で言えばアンチクロスが撃退された話。
 今回の萎えポイントはやはり糞餓鬼魔術師クラウディウスの馬鹿さ加減に尽きるでしょう。カリグラの仇を取るのだと息巻いていましたが、あまりにきゃつの頭が悪かったのでタダの口実じゃねぇのと疑ってしまいます。原作の良さがまるで発揮されていません。
 ちょいと列挙してみましょうか。

・単騎による覇道邸への襲撃

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 実際にはティトゥスと二人ですが、まるで連携していないのでほとんど意味がありません。せめて衝撃のアルベルトくらいの実力と威厳を備えてから来やがれ。

・最初から最後まで九郎を舐め過ぎ
 マギウスになれない九郎をいたぶるだけ。カリグラの仇と連呼するくせにまるで怨念が篭もっているようには見えません。結果、九郎とエルザのコンビに惨めに地を這う羽目に。

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 怯える表情が哀れや惨めを通り過ぎてこっちが情けなくなります。
 逆上して風の魔術で二人を壁に釘付けにしたものの、止めを刺さずに逃亡します。本気でやる気がねぇ。

・ちょっと優位に立つとすぐに有頂天
 九郎たちよりも一足先に格納庫に辿り着くとすぐに勝ち誇ってバカ笑い。

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 ドクターウェストは九郎もサムズアップするくらい最高でしたけど。

・レムリア・インパクトに無策で突っ込んでいく

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 この点についてはもはや弁護の余地はありません。もともとするつもりもありませんが。クラウディウスの鬼械神ロードビヤーキーは空中戦を得意とするスピード重視の機体。対して九郎のデモンベインは空を飛べず、レムリア・インパクトは近接攻撃呪法です。空中からビームを放ちつつデモンベインに消耗を強いる戦法くらい小学生にでも思いつくでしょうに。

 結論。クラウディウスの脳はティベリウスの身体と根性程度には腐っています。せっかくの深夜枠なのですから、ゴールデンタイムにはとても流せないような放送コード限界のド汚いスラングでも連発していれば少しはキャラが立ったものを。脚本のダメっぷりが光った回でした。

 あとナアカルコードの送信シーンですが、第3話から流用しているので絵柄が違いすぎます。モノスゴイ違和感。

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 いや、だから注目するところは白と水色のしまぱんじゃなくて。

 悪口ばかりというのもデモベファンとしては後味が悪いので、今回の見所も挙げておきます。

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 第4話とは比較にならないくらい美しい日本刀。特に刃紋が素晴らしい。
 ティトゥスの顔の微妙さはスルーしておきましょう。

  




ハヤテのごとく! 人気投票 

 タイトル通りひなたのゆめさんの所で『ハヤテのごとく!』の人気投票をやっておられます。応援サイトの末席を汚している身としては参加せざるばなりますまい。

サイト名:士月のホームページ
管理人:士月
好きなキャラ:桂ヒナギク
一言?:有権者の皆さま方に、桂ヒナギクへの清き一票をお願いします。
    清くない一票だとしてもそれはそれでお願いします。



ハヤテのごとく! 第89話 

 第89話「I will」秘密を知るのは危険な事です。
 今回は『ハヤテのごとく!』としては比較的に短いサブタイトルでした。元ネタはちょっと前に第十四巻が発売されたばかりの『鋼の錬金術師』のアニメ版エンディングテーマ「I will…」でしょう。“秘密を知るのは危険な事です”という文章も、禁忌を犯したエルリック兄弟に掛けているものと思われます。

 表紙を飾ったのは二十代半ばと思われる見覚えのない美人でした。

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 って、をや?

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 よーく眼を凝らしてみると……。

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 マリアさんでした。貸衣装か何かでしょうか? 胸元の奇怪至極なふくらみは例によって寄せて上げるブラをつけているのでしょう。
 さておき、今回のことでマリアさんが年齢のサバを読んでいることが論理的に証明されました。

 西沢さんや生徒会三人娘たちとのハーレムデートも終わり、ハヤテは三千院家に戻ってきました。いつものように面倒なことに巻き込まれていたのではないかと心配していたナギに、ハヤテはヒナギクの誕生日プレゼントを買っていたのだとうっかり暴露してしまいます。

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 かなり久しぶりにナギのジェラシーストームが炸裂。西沢さんたちとの擬似デートを知っていたらさらに大荒れになっていたことでしょう。
 ヒナギクにはいっぱい世話になっているからと言い訳するハヤテにナギは、
「せ……世話になっているからって……
 そんな……私以外の女に……
 プ……プレゼントなど……」

と、けっこう不条理なことを涙目で訴えます。まぁなんだかんだ言ってナギはまだ13歳ですし、こんなふうに理屈よりも感情が優先するシーンというのも悪くなかったりして。
 しかしハヤテにも学習能力はあります。その理由には気付かなくても、自分が他の女性と仲良くしているとナギの機嫌が悪くなることは経験済み。こんなこともあろうかと、とヤマトの真田さんばりの用意の良さでナギに髪留めのプレゼントを差し出します。

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 どう考えてもナギの反応を見透かした上でのセリフです。案の定ナギは
「欲しい物とプレゼントは違う。
 高いか安いかではなく、大事なのは相手の心だ。
 どれだけ……相手の事を考えているかという……
 ありがとう。大切にする」

と顔を赤らめながらうつむいてしまいます。素直に萌え。
 どうやらハヤテは二次元(世界の)ジゴロとしての地歩を着々と築きつつあるようです。
 が、しかし。

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 微妙に手強い。
 少なくとも女関係ではハヤテに対する信頼がかなり低い模様です。この上なく正しい判断ですお嬢さま。

 その後マリアさんが、ヒナギクだけでなくナギにもプレゼントを買ったことをなかなかの気配りと褒めてくれました。気配り欲張りビラ配り。冴木ヒムロは業突張り。
 ハヤテはヒナギクの誕生日にかこつけてマリアさんの誕生日がいつなのかを訊き出そうとしますが、強引に話を逸らされて皿洗いを押し付けられます。ハヤテは台所で皿を洗いながらマリアさんの境遇を思い出し、自分が地雷を踏んだらしいと悟ります。そこを未だに成仏していなかった幽霊神父の再登場。
「日本人なら土下座やろが!」
ラモス瑠偉のお茶漬けCMのごとく絶叫します。半分嘘です。あとロシア人ならロシアンルーレット、フランス人なら断頭台だと忠告してくれますが、ロシアンルーレットだとまかり間違うとマリアさんを射殺してしまうんですが。そもそも日本人なら土下座だと言うアンタは何人なんだリィン・レジオスター。
 それはとにかくマリアさんに謝ることを決めてハヤテは台所を飛び出し、ちゃんとノックしているのか疑わしい勢いで屋敷の部屋を片っ端から探していきます。
 そしてハヤテは地獄の釜の蓋を開けてしまいました。

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 D・M・C! D・M・C!
「ス、スゲェ。シラヌイにマスコットキャラの地位を奪われた怨念が本物を地獄から呼び覚ましたんだ……」
 あとジャギ様とカミュさんはタマにおいしく食べられて頭蓋骨に成り果てました。
 しかし今週のハヤテといいハルヒ第12話といい、『デトロイト・メタル・シティ』の躍進は留まるところを知りません。
 さてシリアスバージョンに突入したときの三千院邸の広さに文句を付けるハヤテにマリアさんの絹を裂くような悲鳴が聞こえます。そして。

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 我ながらなんつーリアクションだ。
 あ、マリアさんがハヤテに抱きついてきたのはヒロインたちのハヤテ争奪戦に名乗りを上げることで出番と人気を増やそうとした計画……ではありません。
 黒い弾丸、迫り来る黒い恐怖、ブラックダイアモンド、狭き門をくぐりし黒王、室内ゲリラ、太古より出でし絶望、黒走蟲と数々の称号を持つ(元ネタはこちら)黒い生命体をシラヌイが銜えていたからです。一瞬『バオー来訪者』のノッツォを思い出してしまいました。
 しかしハヤテ、ヒロインたちの中で一番憧れているはずのマリアさんに抱きつかれてもけっこう冷静に対処してました。やっぱり以前のヒナギクや西沢さんとの経験がものを言ったのでしょう。あのころはハヤテもまだ初々しかった……。どうやらハヤテは二次元(世界の)ジゴロとしての地歩を(ry
 第一巻のプロフィールにも書かれていた弱点がハヤテに処分され、マリアさんも誤魔化しにならない誤魔化し方でその場を収めます。そして話はマリアさんの生い立ちに移ります。やっぱりこちらも第一巻のプロフィールに書かれていたことですが、マリアさんは本当の誕生日も両親の顔も自分の本当の名前も知らない境遇にありました。とりあえず誕生日は12月24日ということになっています。ハヤテにはそれほど気にしていないように振舞っていますが、誕生日の話題を逸らしたようにあまり触れられたくはない話題なのです。
 そんなマリアさんにハヤテは、ウサギの姿を模した天使のぬいぐるみを差し出します。ヒナギクのプレゼントと一緒に買っていたのはナギに対してだけではなかったのです。

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 さすがのマリアさんも、初めて(?)ヒロインらしいリアクションで喜びます。こういうシーンが多くなればマリアさんも推定年齢が低く見えるんですが、と思っていたら
「でもヒナギクさんの誕生日プレゼントのついでにこれなら……
 12月24日はいったい何をプレゼントしてくれるんでしょうかね~」
と、言わずもがなのことを言ってしまいます。そんなふうにサドっ気を出しているから小さい女の子に「意地悪そう」とハガキに書かれてしまうんですよと謹んで忠告します。しかし今日のハヤテは昨日までのハヤテとは違います。クリスマスイヴにはもっと素敵な何かを、サンタよりも素敵なプレゼントを贈ると約束します。

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 月の光に照らされてハヤテがマリアさんと約束するという構図は四巻第8話のラストを彷彿とさせます。

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 偶然なのか故意なのか、ネタがかぶっただけなのかネタが切れて同じ構図にしてしまったのかは永遠の謎です。

 今回のオチ。マリアさんに贈ったぬいぐるみのキャラクターです。

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 やっぱりハヤテはまだマリアさんが暗殺拳を使えるものと信じているため、無意識的にこんなキャラクターを選んだのでしょう。

  




シグルイ 第36景「同胞」 

 まずは全国のシグルイファンにご一報。

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 主人公の藤木でも美形ライバルの伊良子でもなく、ましてや三重やいくですらなく虎眼先生を真っ先にフィギュア化。
 出来ておる喃 チャンピオンRED編集部は……
 是非ともぬふぅ状態で絶頂を迎えた兵馬数馬ちゅっぱちゅぱぱぱ山崎九郎右衛門もフィギュア化していただきたいものです。もちろんレーティングは18禁で。

 今回の表紙は巻貝を手に持つフンドシ侍です。なぜか眼は描かれていませんが前回から藤木だろうと推測できます。
 本編はいきなり見開き。遠州灘に漕ぎ出す小船の中央には鎧武者が陣取っています。牛股師範は舳先に腰掛けて“かじき”を担いでいます。櫓を漕いでいるのは後に自身の一物を口の中に押し込められることになる丸子彦兵衛。まだ虎眼流の門下だった伊良子清玄も船縁に手をかけています。なぜか山崎九郎右衛門だけバタフライで泳いでいます。船に乗せてやれよ。いじめ(・∀・)カコワルイ! 山崎にバックを取られるのがそんなに嫌なんでしょうか。
 彼ら虎子たちは水練のために遠州灘にまで出張ってきていました。山崎だけハブられていたわけではなく、たぶん交代で泳いでいたのでしょう。ちなみに日本の古式泳法には甲冑を装備したままでの泳ぎ方や水中での格闘術、さらには立ち泳ぎでの射撃方法まで含まれているそうです。
 時期は虎眼先生に裂かれた牛股師範の傷がまだ新しい頃。兵馬数馬から剥ぎ取った顔の生皮を虎眼先生に献上したとき牛股師範はまだ口元に包帯を巻いており、いくにコナをかける伊良子をストーキングしていたときには塞がっていたので、たぶん第六景と第七景の中間です。すでに秋から冬に移ろうとする時期なのでフンドシ一丁の虎子たちは肌寒さを覚えていることでしょう。
 あまり知られていませんが、水練は武芸十八般の一つに数えられることもある重要な科目だったりします。が、普通はお城の堀で訓練するものなのですが……。
 と思っていたらちゃんと理由が書かれていました。鎧武者の正体は藤木源之助。「このあたりでよかろう」との牛股師範の言葉を聞いて海中に身を投じます。

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 ほとんど壇ノ浦の平家武士のノリですが、もちろん投身自殺というわけではなく虎眼流の訓練“水鎧”でした。水圧と息苦しさの中で鎧を脱ぎ、平常心を保つために行う訓練です。ところで稽古のたびに海の底に沈む甲冑を引き上げる作業は誰がやるんでしょうか。それとも使い捨て?
 虎眼流の稽古では、これでも安全な部類に入るそうで。真剣勝負よりも致死率が高いという無茶な稽古さえやらかす虎眼流にとってはお城の堀では危機感を覚えないのでしょう。
 しかし安全な部類に入るとはいっても、そこはやはり虎眼流の稽古。今回はトラブルが起きました。南蛮胴の緒の結び目が、鬼の如き指の力で締めつけられて解けなかったのです。
 下手人ですが、最有力候補は鬼の如き指の力というか牛そのものに変身できる牛股師範になってしまいます。次点で牛股に次ぐ怪力を誇る(四巻167ページ)、つまり藤木よりも力の強い丸子彦兵衛。先輩である自分たちを差し置いて虎眼流の跡目と目されるようになった藤木への嫉妬の念が彼らを狂気に走らせたのか!? あ、狂気は元からか。
 実際のところ、彼らの線は限りなく薄い。牛股師範ですが、彼と藤木との結びつきは(虎眼先生への敬意を別格とすれば)この漫画に比類の無いものです。丸子のほうは出番が少ないから藤木に含むところがあった可能性も否定し切れませんが、彼はシグルイ世界においてはすでに故人です。今さら伏線を張ってみたところで回収するのは至難の業でしょう。同じ理由で山崎九郎右衛門も除外。犯人は伊良子清玄になります。
 どうも“鬼の如き指の力”にばかり注目したのが回り道だったようです。考えてみれば藤木を亡き者にしてメリットがあるのはライバルの伊良子だけ。沈んだ藤木を救出するために海中に潜る三人の中で、伊良子だけが藤木の浮上してこない理由を知っているかのように小刀を銜えていますし。“岩本道場の双竜と呼ばれ、二人のうち一方だけが跡目となることが出来るという状況である”という解説が決め手でしょう。
 伊良子の腕力が藤木を上回るとはどうにも納得がいきませんが、南蛮胴の緒が海水を吸って膨張したのだと考えておきましょう。以前に伊良子が藤木に勝利した決め手も指絡みでしたし、もしかしたら指の力だけなら実は藤木に勝っていたのかも知れません。
 さて藤木を心配して焦りまくる牛股師範ですが、なぜか潜らない。カナヅチなんでしょうか? しかし師範ほどの武芸者が水練を修めていないというのはいかにも不自然です。口の傷が悪化しないようにと丸子あたりから制止されたのでしょう。そこを伊良子が藤木を抱えて浮上します。
 そこで疑問に思うのが、伊良子は藤木が死んでくれれば万々歳のはずなのになぜ助けたのか、ということです。第一の理由として考えられるのが、藤木が死ぬことによって得をするのが伊良子だけということは虎眼流の門弟には周知の事実だから疑いを持たれるのを避けたため。次に立て続けの殺人を嫌ったため。ぬふぅの片割れを斬ったあとで胃の中のものを戻したことから、あれが伊良子にとって最初の殺人だったのでしょう。最後に、藤木の不手際を演出すればそれで良しと考えた伊良子の見通しの甘さのため。
 まあ虎眼先生の妾に手を出した時点で伊良子の見通しの甘さは天下にあまねく知れ渡っているわけですが。伊良子の危機回避能力は第34景の蛇平四にも劣ります。

 その夜。

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 亀の産卵を出歯亀するフンドシーズ。
“海亀が常に塩分を排出していることを知らぬものにとって、これは、
 苦しみに耐えて命を生み出さんとする神聖な涙と映る”

 いや、テレビ番組とかで撮影されていたら感動すると思いますよ? でもカメラの中にフンドシ一丁のむくつけき野郎どもまで入っているから台無しです。というかあまりのギャップに笑いがこみ上げてきてしょうがありません。
 もっとも虎眼流の門弟たちには亀の産卵しか目に映っていません。牛股師範も珍しくセンチメンタルな気分です。

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 虎子っておまるの意味もありますよねとうっかり呟こうものなら牛股師範の“かじき”で伊達にされて藤木源之助に顔の形が変わるまで虎拳で殴られて宗像進八郎に濡れ衣を着せられて山崎九郎右衛門に悪根を焼き断たれて丸子彦兵衛の手刀で串刺しにされて興津三十に売り飛ばされそうですので黙っておきます。
 さてセンチメンタルになったのは伊良子も同様でした。牛股師範の口にした“同胞”という言葉が、自己のみを信じて生きてきた伊良子の胸に響いたのです。
(虎眼流の奴らは己が知る士とは違う……
 士の家に生まれた、それだけのことでふんぞり返り己を見下している奴らとは違う)

 そして伊良子は藤木に眼を向けます。

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 って、ちょっと待て。

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 伊良子お前、どこで生まれたか語ってるじゃないか。というか騙ってるじゃないか。
 まあ生まれて初めて友達が出来そうな雰囲気に包まれて頭がふわふわ状態になっていると好意的に解釈しておきましょう。
 そして伊良子は自分のライバルである藤木に胸襟を開きます。
「我らとて己の腕で成り上がり、天下を取って人の上に立つことが出来る!」
 初めて“我ら”という言葉まで使うほどの伊良子のデレ化
 しかし藤木はあっさり伊良子の想いを袖にします。

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 伊良子、フラれちゃいました。
 それはそれとして、藤木にとって何よりも大切なのは虎眼先生の大恩であり、虎眼流を護り守り立てていくことです。現状に満足する藤木と、現状を打破しようとする伊良子。彼らは本質において相容れることのない二人なのです。
 前回を見た限りでは伊良子の藤木への殺意は武芸の技量に関するものだと思っていましたが、実際はもっと根源的な理由でした。もっとも、単純に
「裏切ったな!
 僕の気持ちを裏切ったな!
 あのくず共と同じに裏切ったんだ!」

という公衆面前自慰少年のごとき逆ギレかも知れませんが。まさに可愛さ余って憎さ百倍。友達からステップアップしてホモ達にまで昇格してしまいそうな勢いの伊良子のデレはそのままツンへと変貌したのです。
 藤木にフラれた腹立たしさを抱えたまま伊良子は町を闊歩。たまたま鉢合わせた剣客を斬って捨てます。

 所代わって場所は掛川。藩庁が指定した仇討場は役人の手で三日掛かりで竹矢来が組まれ、いくは伊良子の逆流れの邪魔にならないように丹念に石ころを取り除いていきます。来月、とうとう虎眼流門下の血の雨が降るようです。

 最後に。
 虎眼流秘剣流れ星とか無明逆流れとかって、ぶっちゃけ原理は雷獣シュートですよね。

 




Wizardryのごとく! 第十四話 

「おやサキさんこんにちは。また鑑定に失敗した武具の解呪ですか」
「はい……毎度のことで本当に申し訳ありません、ヒムロさん」
「いや気になさらずとも結構ですよ。これも僕の仕事ですし、なにより解呪料金がアイテム売却価格と同じというボッタクリ商売ですから」
「自分で言うかな、フツー」
「僕はお金が、大好きだからね」
「ソレ聞き飽きました」
「しかし、やはりサキさんは金食い虫だな」
「ううう……」
「まあまあお嬢さま。サキさんは一軍じゃないんだから、レベルが足りないのも仕方のないことでしょう」
「ふむ。ハヤテの言うことにも一理あるな。ではサキさんを一軍に昇格させるか」
「え? でも以前に、司祭は実戦には不向きとおっしゃいましたよね」
「別にレギュラーメンバーとして使い続けるわけじゃない。後衛に配置して最下層で経験値稼ぎをしようというだけだ」
「ちょ、ちょっと待ってください! 私のHPは20しかないんですよ!」
「直接攻撃は受けないから大丈夫。しかしメンバーを一人外す必要があるな……うん、マリアは酒場で待機していてくれ。前衛にはハムスターが回るように」
「了解しました」
「わ、私は盗賊だけど大丈夫なのかな?」
「確かに盗賊は装備も限られているし、攻撃力も戦士に較べるべくもない。が、それでも魔法使いや僧侶よりかはまだマシだ。短剣までなら扱えるし、とりあえず壁の役目くらいは果たせる」
「はううう……」
「これは余談だが、Wizardryの変則パーティーとして戦士二人、盗賊一人、僧侶一人、魔法使い二人という編成がある。魔法使いが一人増えるわけだから、中レベル以上のパーティーなら正面打撃力が格段に上昇する。代償として防御力はやや劣るがな。
 まあいい。そんなわけでサキさんを連れて迷宮に潜るぞ」


「さて途中での障害をものともせず、私たち新パーティーは地下十階での最初の戦闘をこなした。さっそく宝箱の罠を外すとしよう。ハムスター、出番だぞ」
「あ、あのー三千院ちゃん? ちょ~っとパーティー欄を見てくれないかな?」
「それが一体どうしたと……」

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「ぶっ!」
「これは……さすがにマズいわね」
「なぜだ! 私たちは敵のLAHALITOを喰らっただけだぞ! しかも一回きりだ!」
「中規模火炎魔法LAHALITOのダメージは6~36でしょ? 期待値からして20を上回ってるじゃない」
「た、確かに。しかし、さすがに参ったな。このことがワタルに知れたら、私たち五人は鏖殺されるぞ」
「……オウサツ?」
「皆殺しって意味です」
「ハワワ!」
「ナギ……。僧侶魔法には死者を蘇生できるDIやKADORTOがあるけど……」
「……いや。伊澄のレベルに注文をつけているわけではないが、信頼性に疑問がある。ここはやはりカント寺院に依頼しよう」
「お金を節約するつもりが、結局は散財になってしまいましたね」
「うむ。この三千院ナギの目を以ってしても見抜けなかったな」
「見抜きなさいよ、それくらい」

「そなたがここにきたのもカミのおみちびき。わがきょうかいにどんなごようじゃな?」
「まるまるドラクエⅣからパクるな」
「シスター。今回の探索でサキさんが命を落としたので、蘇生を頼みたいんですが」
「……」
「あのー、シスター? 聞こえてますか? 藤田和日郎先生の悪役がよくやるあのモノスゴイ笑顔を浮かべられると見ているこちらの背筋が寒くなるからできれば止めて欲しいんですけど?」
「……やはり主は迷える子羊の願いを無碍にはなされませんでした。主は私の邪魔者を事故に見せかけて排除してくださったのです。毎日の起床時と正午と就寝時に加えて朝昼晩と三時のおやつの食前と食後に捧げた都合十一回の祈りが天に届いたのです」
「その努力をもうちょっと他の方面に注ぎましょうよシスター!」
「冗談です。私にとっては恋敵でも、彼にとっては大事な人。ここで見殺しにしたと聞けば、彼は決して私を許さないでしょう」
「なんかシリアス……」
「とにかく蘇生を始めます。寄付金はどなたが納めてくださるのですか?」
「あ、それだったら僕が……」

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「えーんえーん」
「泣くなハヤテ。萌えるじゃないか」
「そこで萌えてどうするのかな三千院ちゃん!?」
「やっぱりナギってSなのかしら」
「ゲフンゲフン! いやアレだ。料金が足りなかっただけでここまで罵倒するとは、聞きしに勝る強欲寺院だな」
「取って付けたような誤魔化し方ね」
「あの、私が支払っておきます」

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「ううう……ひどい目にあいました。やっぱり私はずっと若のお側を離れたくないです」
『……』
「え? え? え? どうしたんですか皆さん急に押し黙ってしまって?」
「いえ、天然という萌え属性の破壊力を改めて思い知らされただけですから」
「?」
「おお、神よ! やはり私はあの時、彼女を放置して亡き者とすべきだったのでしょうか!?」





皇国の守護者 第25話 

 剣牙虎・千早の襲撃を凌ぐバルクホルン。新城は軍刀でバルクホルンの馬の腹を刺す。そのままバルクホルンの左足をつかんで引き摺り倒し、蹴り上げる。軍刀を抜くと、腹から流血する軍馬はバルクホルンの左腕を踏み砕いて逃亡。
 若殿の窮地を救おうと駆けつけたロボフ軍曹に千早が吠え掛かる。恐怖に顔を歪ませたロボフを新城は脅威の対象から外し、新たな敵を求めて獅子哮する。
「殺す!
 まだ殺す!」

 が、すでに敵は後退していた。損害は二十以上。敵の倍を超える。冷静さを取り戻した新城は後退を命令、部隊は森へ入った。降伏したときの敵との交渉の具にするため、新城はバルクホルンを捕虜にし、手当てをさせる。
 森での行軍中にも重傷の兵は落伍していく。稼いだ距離はわずか二里、失われた数は二十八名。丘陵地帯に雪濠を築いたが、戦闘可能人数は三十一名、剣牙虎は二頭。帝国軍に完全に包囲され、銃兵も増強された。しかし新城はなお抗戦する。もはや弾数よりも敵兵の方が多くなった現状でさえ自棄に陥らず、最善と考えられる方策を積み重ねることで戦い抜こうとする。
 四面から聞こえるのは楚歌ならぬ皆殺しの合唱。帝国公用語は理解できずとも、大まかな意味は誰にも知れる。その窮地に、ついに大隊主力を率いたカミンスキィは到着した。新城は命じられた時刻まで戦闘を続ける事ができるか。

 今月号の進行は、原作に換算すると五ページ弱。が、まるで腹が立たないのはそれだけ丁寧に描かれているためであろう。

 




機神咆吼デモンベイン 第8話 

 今回のサブタイトルは“SHADOW IN THE DARK”。PS2版デモンベインのテーマソングの一つです。なおゲーム版のタイトルは“The CROW”。元ネタはブルース・リーの息子ブラントン・リー主演映画『ザ・クロウ/飛翔伝説』です。
 ギャングに婚約者ともども惨殺された主人公がこの世とあの世を結ぶカラス(……八咫烏?)の力を借りて復活し、ギャングに復讐を果たすというのが大まかなストーリーです。完成する前にブラントン・リーは事故死し、未撮影分をCGで制作・合成して完成させたというエピソードがあります。ラスボスが日本刀を背負って二挺拳銃をブッ放すあたり、デモンベインの元ネタの一つとしてふさわしい作品といえるでしょう。
 原作でこのタイトルが使用されたのは、カラスを連想させる魔術師スタイルと、九郎本人の名前に掛けているためでしょう。

 前回、マスターテリオンへの反逆に成功したアンチクロス。
「こんなに簡単にいくとはねぇ。大導師様も、意外にチョロかったわね」
 全くの同感です。つーかチョロすぎて緊張感とかがゼロでした。
 さておき彼らはこのまま一気呵成にアーカムシティの攻略を計画。相手に防戦体制の余裕を与えず、破壊ロボによる第三波の攻撃を敢行しようとします。そこに待ったを掛けたのが、僕らの町のマッドサイエンティスト。デスペラード』からの丸々パクリのギターケースロケットを発射します。
 一方、アンチクロスの総攻撃によってアルは倒れ、デモンベインも大破。復讐に燃える九郎は単騎での攻撃を図ります。激昂するキャラを正気に戻す黄金パターンとしては平手打ちが最有力候補ですが、姫さんはすでにフラグが立っているので抱きつき攻撃。

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 姫さんに諭され、その場は耐える九郎。そこに警報が鳴り、破壊ロボが単体で襲来します。ハッチから現れたのはドクターウェストを抱えたエルザでした。

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 エルザの説明によるとドクターウェストはすでにブラックロッジを脱サラしたそうです。ブラックロッジは給料制だったのでしょうか? ま、リゾート地に慰安旅行やらかす悪の秘密結社ですから可能性は否定しきれませんが。
 ウェストは夢幻心母から脱出する際に、行きがけの駄賃とばかりに破壊ロボの制御システムを破壊。結果として覇道財閥は体勢を立て直すだけの猶予が与えられることになりました。代償としてウェストは負傷しましたが。なお脱サラの理由は、世界をクトゥルーの力で支配するのが気に入らないから。西博士としては独力で支配するつもりだったのです。
 ちなみに原作だと「これは反逆であ~るっ!」と大見得を切ってアウグストゥスに刺されるだけです。ここらは改変したほうが納得できるでしょう。いやまあ原作は原作で地球皇帝のダメっぷりが浮き彫りになるから悪くはないんですけど。

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 九郎は一人、覇道邸の図書館で魔導書を物色します。そこでイブン・カズイの紛薬を使って50AEと460RUGERの弾丸を制作し、バルザイの偃月刀を拝借。黒マントを羽織ってデモンベインの格納庫へと向かいます。

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 黒魔術師スタイルの九郎はゲーム版の方が万倍カッコいいので。
 ドクターウェストたちが乗ってきた破壊ロボで特攻を仕掛けようとする九郎を待っていたのは、トチ狂ったスピードで働きまわるトイ・リアニメーターと。

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 世紀の天才、畏怖すべき天災、このとき九郎が激しく願っているのは他誌への転載、ドクターウェスト。病室でおとなしくくたばっていてくれるような真っ当な○○○○ではないのです。アニメだと無駄弾を撃たずに済んだ九郎。
 ともあれドクターは怨敵となったアンチクロスに対抗するため、九郎と手を組みます。アルの状態を知ったドクターはデモンベインを改造。アニメ版第3話で登場したスーパーウェスト無敵ロボ28号DX、通称デモンインの理論を応用して、マギウススタイルにならなくてもデモンベインを操縦できるようにしたのです。アルの代わりはエルザがサポート。
 九郎はドクターウェストと腕を合わせ、アンチクロスへの反撃を誓います。こっちもやっぱりゲーム版を。

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 飛来する破壊ロボの集団を九郎はバルカンと二挺拳銃で撃破。演出はイマイチですが、アニメとして今までで最高レベルの動きです。もう少しで普通のロボットアニメのレベルに到達できそうです(爆)。さておき、業を煮やしたカリグラと戦闘に移ります。アルではなくエルザが搭乗しているため九郎は苦戦しますが、ドクターウェストの作戦で見事カリグラを撃破。無理を通して道理で納得。

 今回ドクターウェスト大活躍。ま、一番の大金星はチアキのパンチラのお膳立てをしたことですけど。

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 本気でおぱんつばっかだな、アニメスタッフ。あと俺。

  




ドナルドダックはハーケンクロイツの夢を見るか? 

 ドナルドダック。ウォルト・ディズニーのアニメに登場する世界一有名なアヒルです。本名はドナルド・フォントルロイ・ダック。1934年6月9日『かしこいめんどり』以来、出演回数は兄貴分のミッキーマウスすら凌ぐ170回超。
 その特徴はなんと言ってもあの甲高い声でしょう。なにせミッキーマウスやグーフィーに聞き取ってもらえず、会話が成立しないことさえあるのです。ヘリウムガスを吸い込んでドナルドの声のように変化する現象は「ドナルドダック効果」と俗に呼ばれます。
 なおドナルドはミッキーマウスに次いでキャラクターとして二番目にハリウッドの殿堂入りを果たしました。ちなみに三番目はゴジラ。
 そんなドナルドダックですが、実は彼は我々日本人には想像もつかないような作品に登場していたのです。








Der Fuehrer’s Face



 たいした武勲だ。鉄十字勲章ものだな。

 ナチスから勲章もらってどうするというツッコミはスルーしておいて、作品の紹介に移ります。
 タイトルは『Der Fuehrer's Face』。“総統の顔”と題されたこのアニメは、ぶっちゃけ第二次世界大戦中に造られた戦意高揚のためのプロパガンダ映像です。
 戦時色が濃い当時ではディズニーの真骨頂であるメルヘンチックなアニメは受け入れられませんでした。さらに海外の市場が閉鎖されたために大打撃を受け、アメリカが参戦すると若いアニメーターも徴兵に取られていきました。そんなわけで経営が苦しくなったディズニーは、アメリカやカナダの政府機関や軍事関連企業をパトロンにプロパガンダ映像を造りまくったのです。
 『白雪姫』に登場する七人のドワーフ小人が宝石を採掘して得た金で戦時国債を買う『Seven Wise Dwarfs』とか、“枢軸軍をぶちのめすための税!”を合言葉にドナルドダックが嬉々として新しい税金を納める『The New Spirit』とか、何の茶番だと叫びたくなるようなアニメが目白押しです。

 それはさておき、『Der Fuehrer's Face』について。
 舞台は枢軸国によって統治されていると思しき「ナチランド」。ナチスの制服を着た四人組の楽隊がリズムに乗って行進します。たまにハーケンクロイツが卍に描かれるのはご愛嬌。
 ヒトラーの顔をデフォルメしたようなデザインの家でドナルドダックは眠っています。右手を突き出すナチス式の敬礼をパロった目覚まし時計が鳴りますが、予定調和のようにドナルドは寝惚けて破壊。すると今度はヒトラーを模したハト時計が登場します。こちらも何か物をぶつけられて沈黙。仕舞いには雄鶏までナチス式の敬礼をする始末です。
 結局、銃剣で突付かれて起こされたドナルドは三枚の肖像画に敬礼します。ヒトラーとムッソリーニは理解できるのですが……昭和天皇の御真影が飾られているのは何の冗談だ。そこはフツー東条英機だろ。ついでに言えば枢軸側の人間はB29で爆撃されても「ハイル、ヒッロォヒットォ!」などと御名で呼んだりはしません。
 まだはっきり覚醒していないドナルドはベッドに戻ろうとしますが水をぶっ掛けられ、ナチスの制服に着替えます。ノコギリを使わなければ切り取れないガチガチの食パンを食い千切っていましたが、冒頭の楽隊に蹴飛ばされながら兵器工廠に連れて行かれます。
 真っ赤な背景に映える煙突だらけの工場。いかにも悪の秘密基地といった感じです。そこでドナルドはベルトコンベアに乗せられてやって来る膨大な数の砲弾を組み立てていきます。たまに流れてくるヒトラーの写真には律儀に敬礼。ちょっとでも手を抜くと銃剣に脅され、スピーカーに怒鳴られます。やがて耐え切れなくなったドナルドは癲癇を起こし、サイケな幻覚まで見てしまいます(けっこう見ごたえアリ)。
 そんなドナルドが目を覚ますと、そこは自宅のベッドでした。パジャマは星条旗模様。右手を突き上げている影に驚いて「ハイル、ヒトラー!」とやり掛けますが、それは自由の女神のレプリカの影でした。ドナルドは自由の女神にキスをして抱きつき、アメリカ礼賛を始めます。その後、場面が変わってヒトラーの顔が映し出され、トマトがぶつけられてTHE END。

 夢オチという最低の手法で終わらせた『Der Fuehrer's Face』ですが、その年のアカデミー賞短編アニメ部門を受賞しています。とりあえずアメリカ万歳やっておけば受けるという不文律を体現したようなアニメでした。
 ま、プロパガンダなんだからビールのジョッキを振りかざしながら「USA! USA!」と連呼するデブハゲブルーカラー親父にも理解できるような単純な内容じゃないとダメってことでしょう。

 あ、『Der Fuehrer's Face』はYouTubeでアップロードされているので紹介しておきます




ハヤテのごとく! 第88話 

 第88話「SUCCESSFUL MISSION」それは失敗できない任務。
 まあ負けられない戦いに、負けることもあるわけです。


 サブタイトルの元ネタはセイバーマリオネットJのOP「SUCCESSFUL MISSION」でしょう。歌姫は畑先生の大好きな林原めぐみ嬢。YouTubeでアニメ実写のムービーが上がっています。「まあ負けられない戦いに、負けることもあるわけです」の方の由来はイマイチ不明。ワールドカップの対クロアチア戦ですかね。

「さ、これで直りましたよ」
「あ、ありがとうハヤテ君」

 ハヤテが西沢さんの自転車を整備。その割には工具が見当たらないんですけど……。自転車を本気で整備しようとしたら、指先が油で汚れますし。ま、無粋なツッコミですね。ハヤテならなんとかしそうですし。
 しかし前回のラストを引っ張りますか。ちょっと意外。

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 普通に可愛い西沢さん。さすがこの漫画を代表する普通人。「そりゃあれだけ衝撃的なら……」とハヤテは一年前に西沢さんを助けたことを思い出します。やっぱりハヤテにとってもガードレールから転落しかけた女子高生というのは衝撃的だったようです。
 そんな二人に生徒会三人娘が追いつき、ヒナギクの誕生日プレゼントを買いに再び市街地に戻ります。
 所変って白皇学院ではヒナギクが補習の手伝いをしていました。さすが完全無欠の生徒会長。なおヒナギクは桂・姉の代打です。薫先生の説明によれば、本職の教師なのに補習がいつの間にか野球にすり替わってしまうそうです。「いっそクビにしてはどうですか?」とヒナギクは提案しますが、それ以前によく白皇みたいな名門に赴任できたものです。
 そして開始五分でいなくなった生徒会三人娘を探しにヒナギクも学園を出ます。すぐに発券したはいいものの、ハヤテと一緒だったので思わず建物の陰に隠れてしまいます。

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 動悸の激しいヒナギク萌え。しかしこのままだと以前にハヤテと西沢さんの仲を誤解したように、ハヤテが西沢さんに三人娘を加えてハーレムに色取りを加えようとしているのだと勘違いしてしまいそうです。瀬川嬢は陥落済みですし。ハヤテめ、死ぬれ!
 が、すぐに誕生日プレゼントの話題に移ったので今回は誤解に発展しませんでした。

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「えー?
 えー?」


 今週のヒナギク、凶悪なまでに可愛いです。子供っぽいところがあるとハヤテに指摘されてカチンとくる顔も破壊力がすごい。
 生徒会三人娘はヒナギクがいないことをいいことにプレゼントについて好き勝手いいます。バラを贈ったらドジだからトゲで怪我をするとか、ゲームとかではすぐ壊すとか「そ……そんなみなさん……ならやっぱり、服とか貴金属がいいんじゃないかな?」と西沢さんがフォローを入れれば。

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 フルフルワナワナほっほぉ~なヒナギク最強伝説。
 話は変わりますが、生徒会三人娘は今までヒナギクにどんなプレゼントを選んでいたのでしょうか? 特に花菱嬢は小学校低学年の頃からの付き合いですし。ヒナギクに似合うからとメリケンサックとか特攻服とか釘バットとかバールのようなものとかチバラギ仕様の改造自転車とか贈っていたら笑えていいのですが。
 というわけでプレゼントのリサーチのためにヒナギクのお部屋を訪問してみましょうか。もちろんノックは無しの方向で。

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 この後殴られるのは桂先生の仕事です。

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 パンダとコアラ(?)のぬいぐるみを発見。他にはあまり物がありません。ぬいぐるみを贈っておけばハズレは無さそうです。

 結局ハヤテ&西沢さん、三人娘の二手に分かれてプレゼントを探すことに。花菱嬢は懲りずにヒナギクは実質男の子みたいなものだからサッカーボールとか喜ぶのではないかと言って。
「誰が実質中身は男の子ですって?」
「ち!! 違う!! 今のは全部カルガモのヒナの話で……!!」
 どういう誤魔化し方だ。
さておき、せっかくだから俺も一つやってみましょうか。

「馬とかどう? 的廬とかいいんじゃない」
「いや、意外とうっかりものだから落鳳坡で絶命しちゃうかもだぞ」
「曹操の軍師のポストとかはどうだ?」
「ムリだ。きっとすぐ赤壁の戦いに巻き込まれて焼死する!」
「そ……そんなみなさん……ならやっぱり、孔明と同じ軍師中郎将がいいんじゃないかな?」
「たしかに臥竜の引き立て役とか道化師役とかは似合いそうだな」
「うん、たしかに」
「いやー、ヒナのプレゼントを選ぶのは難しいぞ」
「そうね。
 やっぱ、意外と美容整形の割引券とか喜ぶんじゃないかしら? あれで実質顔は怪物みたいなもんだし」

 今のは全部、鳳凰のヒナの話です。
臥竜がいないことについての疑問に関しては一切お答えしかねます。

 三人娘と別行動の西沢さんは、ハヤテと二人きりなのでデート気分なのですが。

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 やっぱりトラにファーストキスを奪われたのがトラウマとして残っているのでしょう。
 バレンタインに話題が移って二人の間には気まずい雰囲気が流れます。いつものことですが。ま、ハヤテが態度をはっきりさせないのが一番の原因ですけど。不憫なハム沢さんは場の空気に耐え切れずに逃げ出します。これまたいつものことですが。
 ハヤテの態度にヒナギク+三人娘も疑問を抱きます。

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「オレのエクスカリバーが~って」って……。
 朝風嬢にとってハヤテはエクスカリバーの剣なのか鞘なのかが激しく気になります。
 それはさておき今回、なぜハヤテが西沢さんの想いにはっきりと答えを出さないかが判明します。
「今の僕には……
 女の子とつきあう資格なんてないんです……」

「……
 どうして?」

「だって僕には……」

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「いつの時代の話なの?」
とヒナギクにドン引きされてしまいます。俺も高校時代はだいたいそんな考えだったんですけど。というか今でも根っこの部分は変わってなかったりして。
「男が女の子とちゃんとおつきあいしたいなら、一生面倒をみる甲斐性を持てって……
 前の彼女に言われたんです!!」


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 瀬川嬢の反応に注目。やっぱり陥落してました。あ、ヒナギクは言わずもがな。オゥジーザス。なお、前の彼女とは幼稚園の頃の話です。ハヤテを幼稚園に通わせるだけの甲斐性がハヤテの両親にあったことの方が驚きです。

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 ごく一部分の男性に過剰なまでの人気を博しそうなショタハヤテ。「美しい! スゲェ美しいッ! 百万倍も美しい!何と較べて百万倍なのか理解不能の男の世界を展開されそうです。
 さてハヤテの前の彼女ですが……アーたん
 違った。こりゃアーダンだ。
 彼女の正体についてざっと考察してみます。ヒラヒラ付きのスカートに金髪縦ロール、そしてバックステージの文章から察するにアーたんがお嬢様なのは疑いなし。愛称や髪の色や年齢から判断すると、今までに登場した主要キャラには当てはまりそうにありません。
 最有力候補は……白皇学院の理事長でしょうか?

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 なんかアホ毛がヘタれています。残念ながら縦ロールは確認できず。常識的に考えれば理事長の娘のほうが年齢的に適当なのでしょうが、『きんぎょ注意報!』の藤ノ宮千歳みたいな先例もあるからたぶんセーフでしょう。あ、この漫画のヒロインわぴこの誕生日はヒナギクと同じ3月3日だった。激しく今さら感の漂うトリビア。

 今回のオチ要員は、前回と同様に一コマしか出番が無かったメインヒロイン二人でした。

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 メインの三文字が省かれるのも時間の問題でしょう。



  



長門有希の平凡な日常 

 待機モードより通常モードへ移行。
 ……
 自己診断クラスタ診断開始
 情報処理頭脳診断……動作正常
 有機インターフェース接続診断……動作正常
 五感機能診断……動作正常
 中枢論理クラスタ同調……完了
 状況認識タスク起動。現在時刻05:30:00
 情報統合思念体の無機情報結合……完了
 ……
 シャワーを浴び、朝ご飯を作り、昼の弁当を用意し、登校する。
 下駄箱で履物を替えているとクラスメイトの谷口が声を掛けて来た。砕けた内容ではあるが朝の挨拶と判断。人格形成クラスタによる自動行動を承認。頭を下げた。
 彼の重要度は低い。その他大勢クラスタにその情報は収められている。彼の存在意義はキョンにとって疎遠ではない人物というだけ。私にとって一番印象に残っているのは朝倉涼子の情報連結を解除した直後に教室に入ってきた点のみ。
「してないほうが可愛いと思うぞ」
 私にとってもっとも重要な記憶を収めたメモリーからキョンの声が再生された。人格形成クラスタ及びキョンクラスタの活性率の上昇を確認。
 ……
 状況認識タスクによる現在時刻08:40:00。午前の授業。視覚と聴覚による知識の伝達。極めて原始的かつ非効率的。内容もまたそれに比例している。しかし情報収集クラスタ及び関連クラスタの活性率は上昇。“興味深い”に該当すると判断。
 ……
 状況認識タスクによる現在時刻12:20:00。昼休み。弁当を使う。残りの時間は読書に充てる。
 ……
 状況認識タスクによる現在時刻13:40:00。午後の授業。視覚と聴覚による知識の伝達。極めて原始的かつ非効率的。内容もまたそれに比例している。しかし情報収集クラスタ及び関連クラスタの活性率は上昇。“興味深い”に該当すると判断。
 ……
 状況認識タスクによる現在時刻16:20:00。本日最後の授業が終わる。元文芸部、現SOS団部室を訪れる。団なのに部室というのはなぜかという疑問にはまだ答えが出ていない。
 ……
 状況認識タスクによる現在時刻16:27:31。朝比奈みくるの到着を確認。私の存在を認めると彼女は僅かに表情を強張らせながら微笑した。彼女にとって私は“苦手”らしい。理解不能。愉快でも不快でもない。結論。どうでもいい。
 彼女は手荷物を下ろして物陰でメイド服に着替える。かつてキョンを難詰した涼宮ハルヒの声が再生される。
「あんた、メイド萌えだったの?」
 障害排除クラスタが速やかに立ち上がった。
 強制ダウン。朝比奈みくるは私に危害を加えられるほどの脅威ではない。クラスタの最適化を実行。
 声とともに涼宮ハルヒの姿も再生された。露出度の高いハイレグ・レオタード。ウサギの耳を模したヘアバンド。ボタンがついたカフスに網タイツ、カラーと蝶ネクタイ。俗に言うバニーガールである。視線を部屋の隅に移した。涼宮ハルヒのバニースーツがハンガーに掛けられている。
“着てみてはどうか”とキョンクラスタが控えめに提案。
“長門有希はそんなキャラクターではない”と人格形成クラスタが反対。
“節度ある婦女子はバニースーツなど着ない”と情報認識クラスタが反対。
“男は誰もがウサギさんに黄金境を見る”と生物分析クラスタが全面的に賛成。
“お父さんは有希をそんなふしだらな娘に育てた覚えはありません!”と情報統合思念体が通達。無機情報結合の強制解除。
 ……
“胸の厚みが足りないから衣装がずり落ちる”との状況判断クラスタの提案に従い、却下。
 ……
 …………
 ………………
“全クラスタ、特に人格形成クラスタの活性率が大幅に低下”と自己診断クラスタが報告。
“(´・ω・`)ショボーン”に該当。……ノイズが走った。システムエラーのチェック開始。
“『猿でも膨らむバストアップ体操』を下校時に購入してはどうか”と行動選択クラスタが控えめに提案。
 強制ダウン。クラスタの最適化を実行。
 ……
 状況認識タスクによる現在時刻16:34:09。キョンの到着を確認。こちらに向かって軽く挨拶する。状況認識クラスタが判断を下し、行動選択クラスタが実行に移る。
「こんにちは」
 キョンクラスタの活性率の上昇を確認。
 キョンは私に対するものとは別種の笑顔で朝比奈みくるに挨拶した。
 危機警告クラスタが速やかに立ち上がった。
 強制ダウン。クラスタの最適化を実行。
 ……
 状況認識タスクによる現在時刻16:53:58。古泉一樹の到着を確認。
 ……
 状況認識タスクによる現在時刻17:03:26。涼宮ハルヒの到着を確認。情報収集クラスタの活性率の上昇を確認。
 ……
 状況認識タスクによる現在時刻17:21:19。キョンと涼宮ハルヒとの会話を確認。キョンクラスタが活性化、情報収集クラスタがキョンの声と表情に注目。
 優先順位の再設定。私は涼宮ハルヒを調査するためにここにいる。
 涼宮ハルヒの心拍数及び顔面温度の上昇を確認。決して愉快でない。危機警告クラスタが速やかに立ち上がった。
 強制ダウン。クラスタの最適化を実行。
 ……
 状況認識タスクによる現在時刻17:29:51。キョンの視線がこちらを向いているのを確認。キョンクラスタの活性率の上昇を確認。
 ……
 状況認識タスクによる現在時刻17:42:43。古泉一樹の視線がキョンの背後の下半身――臀部に集中していることを確認。
 危機管理クラスタが速やかに立ち上がった。
 一発だけなら誤射かもしれないクラスタが北の亡国もとい某国のミサイル管理システムをハッキングしてIRBMを古泉一樹に命中させるべきだと提案。
 ホモが嫌いな女子なんかいませんクラスタがその全存在を賭けて反対。
“IRBMを喰らえっ”とMUSASHIクラスタが賛成。
“だっぼん”とだっぼんクラスタが賛成。
 とりあえず危機管理クラスタ以外の全てを削除。
“三股かけているようなドグサレ外道は男に掘られるのがお似合いだ”と情報統合思念体が懲りずに通達。再び無機情報結合の強制解除。
 キョンが後ろを振り返る。古泉一樹が光の速さで視線を逸らせる。全クラスタが沈静化。
 ……
 状況認識タスクによる現在時刻18:00:00。SOS団の活動が終了。
 ……
 状況認識タスクによる現在時刻18:25:00。帰宅。
 風呂に入り、夕飯を摂り、読書を始める。
 ……
 状況認識タスクによる現在時刻23:00:00。
 情報統合思念体に一日の活動を報告。
“浮気男の毒牙にかかりそうになったらいつでもお父さんの胸の中に帰ってきていいんだよ”と情報統合思念体がやっぱり通達。みたび無機情報結合の強制解除。
 通常モードより待機モードへ移行。



 なんとかクラスタの元ネタはNitro+のハートフル世界崩壊ほのぼのハードボイルド学園ハードSFラブコメディー、“Hello,World”です。虚淵三部作とデモンベインの間に挟まれてややマイナーですが、掛け値なしの名作です。千絵莉ノーマルED最高。




バカ漫画レビュー『DAWN』第80話・後編 

 はいどーも、泣いても笑ってもこれが最後だというのにミジンコたりとも残念な気持ちがしない漫画、どーんの最終レビューです。

「……“ネオ・シルクロード・プロジェクト”への……
 我が国の金融界の参入交渉が失敗しただとおっ!?」

 アメリカ合衆国大統領マイケル・ラッシュ氏の絶叫です。ちょっと待て。“ネオ・シルクロード・プロジェクト”はアメリカの覇権が脅かされると認識しているほどに重大な計画なんだろ? その参入に海のものとも山のものともつかない民間人の女キャサリンをトップに起用して任せたっきりかよ。彼女の言語に絶する無能っぷりは何度も書きましたが、他に何の対策も講じなかった大統領はもっと救いがありません。アメリカの無為無策ぶりには目を覆いたくなります。
 こんな低能ばかりを寄せ集めて世界唯一の超大国を運営できるのだからどーん世界は恐ろしい。現実世界の普通人が召喚されたら三日で神になれそうです。その前にトチ狂った世界観の影響を受けて発狂する可能性のほうが高そうですけど。
 あと以前から疑問に思っていたんですけど、“ネオ・シルクロード・プロジェクト”でどのように石油を輸送するのかがどうしても解りません。パイプラインは砂漠や草原のような平坦な土地にしか建設できません。液体は坂を上るようには流れませんからね。トンネルでも掘るつもりかも知れませんが、その場合だと海上輸送の何十、何百、ヘタすりゃ何千倍かのコストが掛かりそうです。ルートを海のシルクロードに変更しましょうよ。それなら中国もハブれますし。

 そんな意味不明のプロジェクトを欧米の力を一切借りずに成功させるつもりのようです。資金はともかく、技術力が絶望的に不足していそうです。
 それと“アメリカの一国世界支配に対して反旗を掲げた国々の集まり”ユーラシア協調機構とやらが上海で欧米の介入を認めないと宣言しました。参加国は中国・ロシア・カザフスタン・パキスタン・イランなど。
 えーと、大東亜共栄圏の焼き直しですか? ブロック経済は世界恐慌を乗り切るための苦肉の策だったんですが。それはさておき、参加国について考察してみます。
 まず中国。以前にも指摘したようにあの国の経済は外資依存型ですが、その大部分が日米欧に依っています。先々週の総量規制に続いて欧米の外資を排除した結果、中国の崩壊はすでに確定しました。こんな破滅的な政策ばかり実行するあたり、実は原作者は中国が嫌いなんじゃないかとさえ思えてしまいます。
 次にロシアですが、もはや冷戦時代とは違います。あの国はソヴィエト時代の滅茶苦茶な政治の後始末に追われている最中です。ロシアにできることと言えば、チェチェンで白色テロを起こすとかウクライナに露骨な資源外交を仕掛けるとか、そんな弱い者イジメばかりです。とても欧米を向こうに回すようなバクチは打てません。
 そしてカザフスタン。この国の主要産業は鉱山業や石油開発ですが、その技術はスイスやオランダ、イギリスなどの外資に依存しています。欧米を否定したらその日に国家経済は左前になります。
 パキスタンに移ります。宿敵インドに対抗するためにはパキスタンはフランスの兵器が必要です。欧米を否定したら(ry
 最後に悪の枢軸・テロ支援国家イラン。原作者、反米なら本気でどこでもいいらしい。中国といい北朝鮮といい、アメリカ以外の核兵器については眩暈を覚えるほどに寛大だ。
 とりあえずイラン以外は欧米に反旗を掲げようものなら国家そのものが立ち行かなくなる可能性が高い国ばかりです。もちろんイランが独力で欧米に対抗できるだけの国力があるはずもありません。こんな連中が寄り集まって引き篭もったとしたら、却って国力は減退するばかりですけど。
 ちなみにこれも矢作のアイデアだそうで。とりあえず欧米憎しの一念でプランを練り上げた矢作には彼自身の言葉「ビジネスに私情は入れるな!」を送っておきます。

 この漫画の締めらしき矢作の演説が始まります。
「資本主義というのは、金儲けが全てに優先するというイデオロギーだ……
 だが、資本主義では、一部の人間を潤すことはできても、万人……国家規模の人々を幸せにすることはできない。
 我々にはそろそろ……資本主義に代わるイデオロギーが必要なのだ……
 一人や一国が豊かになればいいというものではなく、地球がこの先も生きる(存在できる)ためのイデオロギーが!!」

 えーと、今までの矢作の言動を見る限り、彼の言う新しいイデオロギーとやらはどう考えても共産主義です。機会の平等ではなく結果の平等を追求すれば、結局のところ“地球全体が豊かになる”のではなく“地球全体が貧しくなる”わけなんですが。ソヴィエト連邦の崩壊から何も学んでいない矢作の頭脳はまさしくファンタジー。というかお花畑。今さらな結論ですが。

 例によって矢作の取り巻きのメガネ君が歯の浮きそうな矢作礼賛を心で思います。
(お前が行動すると、どんなことも実現させてしまいそうだから不思議だよ……)
 これだけ主人公が完璧超人やっていれば、実現できないことなんか一つもありません。
 さておき、その次のページでは「大城首相、任期満了で勇退」との新聞の見出しが最初のコマを飾りました。劇中時間は知りませんが、数ヶ月は経過したのでしょう。大城首相が惨めな末路を迎えなかったことはとにかくめでたい。どーんの打ち切りで救われた数少ないキャラの一人でしょう。
 松本記者が携帯電話で誰かと話しています。
「新聞各社のアンケートでも、民自党の政治は終わって、進歩党の政治が続くことを望む声が大きいわ……
 これで、日本の政治の夜は明けるわね」

 半世紀以上に渡って日本を主導してきた政権に対して呼ばわりですか……。そうそう、進歩党もそろそろ本当の党名を明らかにしたほうがいいと思います。こんなふうに
 電話から声が返ってきます。
「……とりあえずはな。だが日本の国民性は熱しやすく、冷めやすい、付和雷同型だ……
 進歩党が少しでも怠慢な姿勢を見せれば、また民自党に走るだろう……」

 “しょせん日本人は俺サマを除いた全員が未開で野蛮で非文明的な民族だから俺サマが啓蒙善導してやらなくちゃどうにもならないぜふふふん”みたいな日本の自称知識人らしい日本人蔑視が透けて見えます。こんな連中が民主主義を錦の御旗にしているのだから、何の茶番かと言いたくなります。
 松本記者は「そうね……そうならないよう頑張らないとね……」と全面的に肯定。自分の意見というものがないらしい。そもそも何を頑張ると言うんだ。情報操作か? 印象報道か?

 なおこの漫画の最後のページは、得体の知れない発展途上国のスラム街に張られたテントから矢作が這い出し、「……さあ、今度は何からはじめるかな」と呟いて終わります。親戚銀行のオーナー業もネオ・シルクロード・プロジェクトも進歩党政権の金融担当大臣もおっぽり出してホームレスごっこですか。いいご身分ですね。とりあえず矢作はかつてのイラクの三馬鹿よろしくテロリストの人質になって新世紀銀行を倒産させるほどの身代金を要求されてしまえ。
 その右手に携帯電話を持ってさえいなければ、“今までの出来事は全てホームレス矢作が見ていた妄想に過ぎなかった”という夢オチの解釈も可能だったんですけど。実に残念。


 長いようで短かったどーんレビュー。こうして目を瞑ると走馬灯のように思い出が駆け巡ります……。
「拉致被害者……返してくれるかな?」
「毎日中華料理ばかりでウンザリだわ……
 やっぱり西欧人は肉よね。早くアメリカに帰ってブ厚いステーキが食べたいわね」
「我が国は現在、襟を正し……
 近代民主主義国家への道を歩もうとしている」
「我々にはそろそろ……資本主義に代わるイデオロギーが必要なのだ……」
 ……
 やっぱり打ち切られて正解だったな。うん。

  




Wizardryのごとく! 第十三話 

「地道に経験値稼ぎを続けた私たちはとうとうマスターレベルに到達した」
「早い! 早いよシュレッダーさん!」
「悲しいけどコレ、戦争なのよね……って太蔵の方かい!」
「でもガンダムシリーズって、何であんなに登場人物の名前がみんなヘンなのかな? とくに富野作品」
「種は割と普通ですけど」
「作品としての面白さのほうが普通になって欲しいですね」
「ハヤテ、それは言わない約束だ」
「“マ”一文字がファーストネームの骨董大好き核マニアはさすがに悲惨ですよね」
「あの大佐の名前、手塚治虫『バンパイア』の間久部六郎から採ったのでしょうか?」
「単純にシェイクスピアの『マクベス』からじゃないかしら?」
「お前ら、本当に無駄話しかできないんだな」
「あ、ワタル君だ」
「む。ここはギルガメッシュの酒場なのか」
「そーよーん」
「あ、お姉ちゃん。いたんだ」
「いたんだ、はないでしょ。このゲームだと二軍のキャラは酒場で管を巻くくらいしかすることがないんだもん」
「おかげでこっちはいい迷惑だよ。エールもウィスキーもブランデーもラムも卸した先から飲み干されちまうんだから」
「お姉ちゃん……いいかげん酒量を抑えたほうがいいわよ」
「ふーんだ。このハイエルフのディードリット雪路をパーティーに加えないヒナたちが悪いんだもん」
「まんまHUMANでしょうに。というか、このゲームにハイエルフなんていないわよ」
「そういえばお嬢さま、ディードリットの中の人って男性だったんですよね」
「うむ。割と有名なトリビアだな」
「……中の人って、どういう意味かな?」
「では教育してやるか」
「えーと、ナギ? 黒騎士エルンスト・フォン・バウアー太尉のパロディは構いませんが、そのうち“俺のケツをなめろ!”なんてアブノーマルなプレイをハヤテ君に強制したりしないでくださいね」
「情無用ファイア!」
「あべし!」
「うーん、マリアさんのネタキャラ化は歯止めが掛かりませんね」
「さてハトハトの一斉射撃によって魔女のバアさんは滅んだ」
「またひどいことを……」
「ディードリットの中の人についてだが、もともとロードス島戦記はコンプティーク誌においてテーブルトークRPGを紹介するためのリプレイ記事として掲載された。ルールは最古のテーブルトークRPG、D&D(ダンジョンズ・アンド・ドラゴンズ)を使用している。版権の問題で現在の角川スニーカー文庫から出版されているのはグループSNE独自のルール「ロードス島戦記RPG」による新しいリプレイだがな。さておき、最初のリプレイでディードリットを演じたプレイヤーの性別が男性だったわけだ」
「へー」
「ちなみに中の人の正体は“と学会”会長の山本弘氏です」
「それは意外だ!!」
「心の底からどうでもいいムダ知識だな」
「あのー皆さん、ちょっと見てください」
「あ、サキさん」

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「へえ。三種の神器が手に入っていたんだ」
「Wizardryにも草薙の剣とかが登場するんですか?」
「あ、三種の神器ってのはただの通称よ。村正と手裏剣、君主の聖衣を総称してそう呼ぶの。極端な話、Wizマニアはボスの討伐そっちのけで三種の神器を集めるのに血道をあげているくらいだから。あ、今回のは一番下のSHURIKEN、つまり手裏剣ね」
「そんな強力なアイテムなら、クリアも目前ですね!」
「そうもいかん。手裏剣は忍者専用の武器だが、忍者は悪の戒律でないと就くことができない。私たちは善のパーティー盗賊の短刀というアイテムを使用すれば中立の盗賊でも転職は可能だが、私たちは持っていないしそもそも前衛の三人は外せないから意味がない」
「ってことは、手裏剣は宝の持ち腐れってことですか」
「もったいない話だがな」





バカ漫画レビュー『DAWN』第80話・前編 

 はいどーも、現実と妄想の乖離のあまりの甚だしさにとうとう編集部が打ち切りを断行したと推測される電波漫画、どーんの最終レビューです。

 これまでに広げに広げた大風呂敷をどう畳むか注目される最終回。中国の外交官が口火を開きます。
「“ネオ・シルクロード・プロジェクト”実施における、国際協調融資の主幹事銀行は……
 これまでの手土産で誠意を見せてくださったアメリカの銀行に変更いたします!!」

矢作「な、なんだってー!!」
 ……という超展開を心の片隅では期待してたんですけどね。実際は予想通り、新世紀銀行が主幹事のままでした。“な、なんだってー!!”顔を並べたのはアメリカ人の方。期待は裏切り、予想は裏切らない。それがどーんクオリティ。
 それは最終決定なのかと問い詰めるキャサリンに中国側は
「最終決定です……
 と、いうより、初めから新世紀銀行に決まっているのです……」

と木で鼻をくくったような返答。だったら最初から言っといてやれよ。そうすればキャサリンたちも無駄な努力をせずにすんだのに。根性が悪いな、どーん世界の中国人。
 それとロシア、カザフスタン、ウズベキスタンなど中央アジアに建設するパイプラインのために、矢作はすでにアラブ産油国とアジア諸国の了解を取り付けていたそうです。もちろん漫画では片言隻句も語られていません。伏線という言葉を知らない漫画原作者……絶望した!!
 最悪の主人公無敵化現象。矢作サマの意思は全てに優先しますか? 当然のことながらバーン様の一億分の一も貫禄がありませんが。
「それともう一つ!
 あなた方は我々、中国人を侮辱した!!」

「ぶ……侮辱……!?」
「我が国は現在、襟を正し……
 近代民主主義国家への道を歩もうとしている」

 さすが最終回。我々の想像もし得なかった高密度の電波を発信してくれました。毒電波を受信しすぎて脳が壊れそうです。
 まだまだいくよぉ~!
「……なのに、民主主義の代表を標榜するアメリカが……
 非民主主義的なやり方で介入しようとした――!!
 前近代的な賄賂攻撃で我々をなびかせようとしたことは……
 我々を相変わらずの後進国とみなしているという証であり、侮辱以外の何ものでもない!!」

 独裁政権の代表選手である中国共産党の高官がアメリカに対して非民主主義的だと難詰する……。
 ごめんなさい、こんな時どんな顔をしたらいいのかわからないの。
 笑えばいいと思うよ。
 ( ゚∀゚)ブハハ八八ノヽノヽノヽノ \ / \/ \
 
 さておき、中国人には二通りの人種がいます。賄賂をもらえる階級と、もらえない階級です。もらえる側は社会的地位、権限、階級などを備えている人間、つまり支配者階級です。賄賂とは支配者が受け取る貢物であり、被支配者からの誠意です。つまり賄賂をもらうことによって中国人は他人に誇れるし、面子も立つわけです。
 賄賂の是非については語らないことにしておきます。これはこれで一つの文化ですし、理解できないからといって全否定するものでもないでしょう。しかし欧米流の考えが世界のルールになっている現在、中国人の感覚を貫くのはいろいろと面倒があるだろうことは想像に難くありません。中国が国際社会で活躍するには賄賂についても意識改革が必要でしょう。どーん世界みたいに何の伏線も無しにいきなり清廉に目覚めるようなことは300%ありえませんが。
 問題は左巻きの自称知識人たちでしょう。連中は自分たちの妄想の中にしか存在しない事象をあたかも実在するように語るからタチが悪い。
 中国サマはきれいで善良で清廉で偉大である。
 賄賂は汚くてずるくて資本主義的である。
 よって中国サマはいつの日にか賄賂が悪であることに目覚めて本来の清廉な思想に回帰する。

 ……こういう三段論法を本気で信じているフシがあります。

 せっかくの最終回なので、今回も前後編に分けておきます。

  




機神咆吼デモンベイン 第7話 

 今回は1クールの折り返し地点。
 アルの独白で幕は開けます。舞台は燃え盛る固有結界“無限の剣製”(違う)。

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 今回のサブタイトルはBIG“C”。元ネタはまんまですがブライアン・ラムレイの短編「BIG“C”」です。ちなみにこの人、大十字九郎の元ネタ「タイタス・クロウの事件簿」の著者でもあります。Cとはアニメでも説明されていたように旧支配者クトゥルーの頭文字。

 マスターテリオンとアンチクロスがC計画について云々しますが、アウグストゥスの顔の濃さに全ては吹き飛びました。こやつのどこが青ビョータンなんですか西博士?

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 ひたすらにテンションの低い九郎。前回の作画崩壊を引き摺っているのかと思いましたが実際はエンネアを助けられなかったのがトラウマに。アルはアルで前回に入手した拳銃や弾丸について解説してくれます。や、拳銃弾の解説よりも労力を割かなきゃならないシーンが山ほどあるだろうに。

「今こそ世界に知らしめよう、暗黒を従えた我らの存在を。我らが居城たるこの移動要塞”夢幻心母”で。今ここに、C計画を発動する!」

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 ものスゲェやる気のなさそうな表情ですが、ナイアさんに言わせればずいぶんと演出が巧くなったものだそうです。
 アンチクロスが不穏な会話を交わしますが、とりあえずC計画が発動。ルルイエに幽閉されていた旧支配者クトゥルーが召喚されます。その露払いとばかりに大量の破壊ロボが飛来。治安警察の装甲車が(かませ犬として)登場します。あ、それとストーンとネスにもようやく声が付きました。

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 (ネス警部の声で)あーストーン君ストーン君、装甲車の前で指揮するなんて君には自殺願望でもあるのかい?

「さあ、さあ、さあ!
 魅せておくれよ惨劇を!
 マスターテリオンが邪悪で喜劇を綴る者ならば、大十字九郎は正義で悲劇を紡ぐ者!
 君たちは表裏一体、この地球狂想曲を奏でる二つの音色!
 さあ、さあ、さあ!
 いざ、いざ、いざ!
 道化芝居の開幕を!!」

 くるくる回りながらナイアさんがゴッデスボイスで語り倒します。別に目新しくはありませんが、やはり語りに回転演出は欠かせません。テキストと声は神域ですし。

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 アルのキス一つでやる気を出すロリペドの星、大十字九郎。かなり単純です。尺の短さをマトモに喰らっています。

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 クトゥグアが自動追尾弾になってます。イタクァの面目丸つぶれ。
 それはともかく、ドクターウェストは御気に召さない大量生産された破壊ロボを一掃。以前にボロ負けしたマスターテリオンと対峙します。それなりにいい勝負をしていましたが、アンチクロスの造反でマスターテリオンは瞬殺されます。ラスボスとしての圧倒的な強さがまるで出ていません。
 おかげでデモンベインの相手は鬼械神六体、一対六という絶望すらも枯れ果てそうな状況なのに、ピンチという気がまるでしません。
とにかく負けはしましたけど。

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 今回は演出がかなり頑張っています。アイオーン!

 ちょっと駆け足ですが、アルの心情の変化はわりかし丁寧に描かれていました。とりあえずヒロインとしての面目躍如。

 今週のポイント。
陰陽弾クトゥグアとイタクァを喰らえっ!」
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内閣権力犯罪強制取締官財前丈太郎 

 巷で人気沸騰のアニメ(ただし斜め上の方向)『内閣権力犯罪強制取締官財前丈太郎』。
 聞きしに勝るデキだったので遅ればせながらレビューしてみます。なおこのアニメの最大の見所は物には限度があるだろと突っ込みたくなるほどにアヴァンギャルドな演出にあります。そこでYouTubeのムービーのリンクも貼っておきます。

 舞台はロサンゼルス。3Dで描かれた戦闘機がカッ飛んでいきます。管制塔で英語が飛び交う中、CIAの男女二人組がなぜか日本語で会話します。自分たちがわざわざ出迎えて護衛しなければならないVIPとは何者なのかと訝っていると警報が鳴ります。
「領空侵犯警報!?」

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 911以来、テロに神経を尖らせているアメリカだったら確実に撃墜しているはずですが。しかも向こうは戦闘機。管制官は何をやっていたんでしょうか。というかこんな近距離で飛ばれたら衝撃波でガラスくらい破壊されます。
 さてその戦闘機からメッセージが送られてきました。

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 リーガルバルボアホテルで会おうとの指示でした。そして次に転送されてきた情報ですが。

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 財前丈太郎はAA職人でした。

 その後もう一度管制塔をビビらせてから財前はパラシュートで落下します。現代の戦闘機は副座が基本仕様ですから戦闘機が墜落する恐れはありません。……ということは、あの戦闘機のパイロットは財前の命令でアメリカの領空を侵犯することになったわけですか。世界一のジャイアン国家に喧嘩を売らされた名も無きパイロットに深く同情いたします。
 そしてOP。割と普通です。

 リーガルバルボアホテルで財前は人目もはばからずにスーツに着替えさせてもらいますデスノートのL並みに私生活では無能そうです。部外者の三人、着替えただけの相手に驚きすぎ。

 目的地に向かう途中でのカーチェイス。CIAの捜査官が
   キタ━━━━(゚∀゚)━━━━!!!!
なんて言うものじゃありません。横輪ウィリーでの避け方がありえない。財前に飛び移られると相手のパイロットは自爆(ですよね?)。しかも防弾ガラスですらない。真面目に仕事する気があるんでしょうか?

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 あと、水の中なのに車燃えすぎ。酸素を必要としない爆薬を大量に積載していたようです。努力する方向が絶望的に間違っています。

 ものすごい貯水量のダムさっさと放流しろよ! 小雨一つで氾濫しそうです。
 濡れ鼠になった財前を神父さんが助けますが、彼は刺客でした。なんで上がってこないうちに射殺しなかったんでしょうか。あと獲物が拳銃とナイフなのはいいとして、最後のガンダムハンマーは狙いすぎです。アクションシーンはMUSAHI-GUN道-を彷彿とさせますし。
 財前に言わせれば、45口径は初速が遅いからはじき返せるそうです。こちらを参照するとそのスピードは259m/sとのこと。マッハ0,75を視認できるって、あなたの中では小宇宙が燃えているんですか?

 加速が違う10気筒。舌の根も乾かないうちにトレーラー四台に囲まれてしまいます。ダメな意味で違うってことですね。それともトレーラーがニトロエンジンでも搭載しているのでしょうか。それと、アメリカの道路って車線の増減が可能なんですか?

 絶体絶命の危機を切り抜ける財前”DANGER”なんて表示するカーナビのセンスに脱帽。どんなアグレッシブなメーカーが製作したのやら。ろくに相手も視ずに銃を命中させる財前はすごい。こんな描き方をしたアニメスタッフはもっとすごい。それと、この世界には本気で防弾ガラスが存在しないっぽいです。いつの間にかトレーラーが一台減っていますが、これはきっと情報連結を解除されたのでしょう。

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 上段の銃、ぶっちゃけありえない。パースが狂いすぎ。銃を構えている人間も一緒にカメラに収めて欲しかった。SAN値が急激に下がりそうですけど。

 手に汗握る逆転劇。財前が10分前に手を回しておけば何の危険もなかったはずですが。

 前よりもさらに銃の構え方がおかしい。

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 それとCIA捜査官が乱入してきたときの人間が小さすぎます。財前はスモールライトでも持っているんでしょうか?

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 ネイヴィーシールズ、ステルス性が高すぎます。何で誰も気づかないんだ。それと小学生の落書きのような正体不明の飛行物体をヘリだと主張するのだけは止めてくださいね。あとフツー、レーザーサイトは銃身の下部に取り付けます。照準を合わせるのに死ぬほど邪魔そうなんですけど。このアニメのキャラ、どいつもこいつも真面目に仕事しやがりゃしねぇ!

 だっぼん。財前はスモールライトだけではなく、ビッグライトも所有しています。

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 EDも普通です。

 一挙二話レビューでもやらかそうかと思いましたが、第二話はかなり平凡なアニメに堕落もとい進化していたので止めておきます。

 おまけ。今年度を代表する駄アニメのダメコラボレーションです。

 もひとつだっぼん




ハヤテのごとく! 第87話 

 今週号のサンデーはハヤテとナギが表紙を飾りました。うん、よきかなよきかな。
 ヒナギクはどうしたという当然の疑問は殺しておきます。この漫画の軸はやはりハヤテとナギですし、なにより今回は巻頭カラー。我らが待ち望んだヒナ祭りですよ!
 表紙をめくれば、ほらそこに。

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 ハム沢さんがいました。
 “――一年前の四月”って、いきなり回想シーンですし。普通にピンチです。借金取りに臓器を狙われているわけでも、破壊介護ロボやベンガルタイガーに襲われているわけでも、ヤクザと執事の争いに巻き込まれているわけでもetc……ない、普通のピンチ。
 だけど!! そんな普通のピンチをあえてやる!! これが西沢クオリティー!!!
 でもバックステージだと西沢さんにしては全くもって普通じゃない出会い方のようで。
 それはさておき、見開きです。

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 マリアさんがいい感じです。夏服持ってたんですね。
 咲夜、悲願のカラー登場。一見するとマリアさんと胸の大きさが変わりません。この漫画には珍しい、将来の有望株です。
 ベ○スター伊澄はやっぱり着物。でも色彩が薄いので見た目は涼しげ。
 ナギの夏服も、オーソドックスですがよく似合っています。
 ハヤテはやっぱり執事服。

 ……って、をや?












 なしてぞなもし! なしてぞなもし!
 第80話でメインキャラを差し置いてカラーに登場したリバウンドとでもいうのかっ!?

 ふー、ふー、ふー……。
 とりあえず叫んでみたので少しは落ち着きました。
 最後のカラーページ、ガードレールに激突したかと思われた西沢さんですが、間一髪のところでハヤテに救われていました。かなりベタではありますが、こんなことがあれば惚れるのも仕方のないことでしょう。
 なお危ないところを助けてくれた恩人というハヤテのポジションはナギにとっても同じですが、勘違いがないだけハム沢さんが有利か。

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 西沢さん、ロマンチストの割にはあんまりハヤテを美化していません。

   ↓美化されたハヤテ(むしろ劣化では?)
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 モノクロのページでハム沢さんはお目覚め。あ、忘れてましたがサブタイトルは「MTBに乗って~買い物にでかけたら~サイフないのに気づいて~そのままデート~」。サザエさんかと勘違いしてしまいそうですが実際の元ネタは小沢健二の「カローラⅡにのって」です。何年か前にCMで流されていました。

 そんな西沢さんの想い人はマリアさんにプレゼントについて相談していました。
「なんというか今時の女の子が欲しがるものというか……その……」
 おお! 今時の女の子として認識されていますよマリアさん! 単に消去法で選ばれただけの可能性はきわめて高いですが。ハヤテにとってナギは女の子未満だし、そもそも趣向が常人とは違いすぎますので。
「ははぁ……
 でも2月も終わりですし…春服とかは欲しいかも……」
「え゛っ!?
 マ……マリアさんでもそういうのに興味が……?」

 ハヤテもまともな答えが返ってくるとは期待していなかったようです。だったら最初から訊くなって。
 形勢が不利になって街に逃亡したハヤテはヒナギクへの誕生日プレゼントを物色し始めます。

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 ハヤテの手持ちがいくらぐらいなのかは不明ですが、三万二千円は手の届かない額のようです。これがマリアさんやヒナ母なら「そのキャミソールを試着して写真を撮らせてくれるなら値引きしてあげますよ」くらい言ってくれそうですが販売員さんは幸か不幸かそんな腐女子ではありませんでした。
 服はダメ、貴金属はもっとダメ、人形やぬいぐるみは子供すぎ、アニメグッズやDVDはナギならともかく一般人には理解不能……。
 “こんなとき、同い年の女友達でもいれば……”と沈むハヤテと出くわしたのが今回のヒロイン、西沢さん。
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 ついにモノローグにまでネタキャラ認定されてしまったマリアさんはさておき、二人の間には気まずい雰囲気が流れます。バレンタインの一件は保留のままだし、西沢さんはヒナギクに応援される立場だし。
 そんな窮地を救った、というかさらに泥沼に叩き込んだのが前回に引き続いて登場した生徒会三人娘。

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 俺が読破した原秀則先生の作品は『部屋においでよ』だけなのですが、この漫画、ラストで主人公カップルが破局を迎えます。や、別に西沢さんに含むところはありませんよ?
 花菱美希嬢にデートかと疑われたハヤテはヒナギクの誕生日プレゼントを買いに来ているのだと弁解します。
「ちなみに私の誕生日は9月9日!!」
「6月21日v」
「7月13日だ」
 三人とも正真正銘のお嬢さまなのでハヤテの懐具合が心配になります。
 なお余談ですが、『ハヤテのごとく!』は漫画内で一ヶ月が経過するのに現実世界の一年を必要とする作品です。彼女たちの誕生日イベントを全てこなすには単行本計算で三十巻は先の話になりそうです。その頃は押しも押されぬサンデーの最長寿漫画でしょう。MAJORやコナンが普通に残っていそうで恐ろしくもありますが。
 初対面の西沢さんに三人娘は自己紹介を始めます。
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 綾ハヤテは女性のオモチャにされるライセンスがデフォルトで備わっています。瀬川泉嬢はガチでその気に見えますが。
 なんだか居たたまれなくなった西沢さんは自転車で逃亡を図りますが、一年前と同じようにブレーキが壊れていて暴走超特急。今度こそ死んだ、と覚悟しますが再びハヤテに助けられます。

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 四週間ぶりにハヤテの不幸属性が発動しました。おぉ~っと、あやさきくんのがんめんブロック!!
「前も言いましたけど……ちゃんと自転車は整備しておかないと……」
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 なにやら少女漫画チックな雰囲気に浸る西沢さんですが、フツー転落しそうになった女の子とのことを忘れるほうが難しいでしょう。

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 本編で一コマしか出番がなかったナギも哀れですが、名前しか出て来なかったヒナギクはもっと哀れです。

  




長門人気についての考察 

 先週とうとう終了してしまったアニメ『涼宮ハルヒの憂鬱』。ネットを散策してみると、長門有希が最も人気の高いキャラクターである(と思う)。本論ではなぜメインヒロインのハルヒでもポンコツ巨乳の朝比奈さんでもなく長門なのか、という疑問についてちょっと硬めの文章で考察してみる。

 それでは最初に、長門の人気の秘訣と思しき彼女の属性について列挙しておく。

1.綾波系
2.万能キャラ
3.主人公をひそかに慕っている

 まず1.の属性は、1995年に放映されて社会現象にまで発展した『新世紀エヴァンゲリオン』のヒロインの一人、綾波レイに由来する。無口・無感情・無表情という三無主義を徹底した、一見すると感情移入の難しい個性である。が、ストーリーが進むにつれて感情を露わにするようになる(エヴァだと第6話ラストのレイの笑顔)。主人公に心を開いていく過程と、それ以前のギャップで観客を萌えさせる仕様といえよう。なぜか幼児体型がオプションとして付属している場合が多いが、これは感情形成が未成熟という個性を容姿に直結させたものと推測される。
 エヴァ以来、綾波系のキャラはそれこそ雨後のタケノコのように乱立した。現在ではさすがに落ち着きを見せているが、すでに一つのジャンルとして定着している。つまりそれだけ魅力も完成度も高いスタイルということである。まあこのサイトを訪れる方にしてみれば今さら説明されるまでもない常識であろうが。
 さて長門が綾波系であることを否定する人は少数派だろう。それでは長門人気は彼女が綾波系であることに全面的に依拠しているのか? 否である。前述したとおり、綾波系はすでに一ジャンルとして確立しているため、他のメディアでもしばしば登場する。そしてもちろん、綾波系のキャラがその作品で必ず一番人気と決まっているわけではない。よって長門人気に及ぼす1.の要素は絶対的なものではないと言える。

 次に2.についてだが、長門有希は情報統合思念体によって造り出された「対有機生命体コンタクト用ヒューマノイド・インターフェース」であり、その気になれば宇宙規模での情報操作=世界改変も可能である。しかもハルヒと違って長門はその力を自覚しているため極めて汎用性が高く、キョンたちにとって非常に頼りになる。
 あえて難癖をつければ、万能であるために使いどころが難しい点だろう。ガンダム種のキラに代表されるように、視聴者から共感を得られない完璧超人には強烈なアンチがつく場合が多い。もちろん長門には縁のない話である。結局は魅せ方一つなのだろう。
 万能キャラであるということは、活躍の場が多いということである。アニメの第4話や第7話、第10・11話の長門はハルヒそっちのけでメインを張っていた。

 最後の3.だが、これは重要であろう。アニメだけではなく原作にも手をつけたファンが長門に転んだきっかけとしてよく挙げるのが第四作『涼宮ハルヒの消失』である。
 この作品には二人の長門が登場する。前述の宇宙人に造られたアンドロイドとしての長門と、特別な能力を一切持たない普通人としての長門である。後者は図書館で貸し出しカードの作り方がよく解らずに途方に暮れていたところをキョンに助けられ、それ以来彼をひそかに想う女子高生である。キョンが部屋から去ろうとすれば服の裾をつまんで制止するし、キョンが文芸部の部室を訪れれば安堵したように息を吐く。
 これだけでも充分に魅力的なキャラクターだが、かてて加えて前者の長門によって創造されたというのが大きい。現実世界で図書カードをキョンに作ってもらった長門が、心の底では普通の高校生としてキョンと学生生活を送りたがっていた。その想いは長門が綾波系、自分の感情をほとんど表さないというギャップの相乗効果によって多くのファンを萌え殺したわけである。

 上に挙げたうちで最も重要なものは3.である。しかしそれがファンに支持されるには1.と2.の要素も不可欠であっただろう。長門が自分の気持ちに素直であっても、平凡な一般人であっても『消失』世界は成立しない。綾波系・万能キャラ・主人公をひそかに慕っている――この三つの属性が良好に関係し合っているからこそ長門有希というキャラクターは魅力的なのであり、人気が高いのである。『涼宮ハルヒの消失』は、その最大の成果と言えるだろう。

 なお失敗例の典型を挙げるとすれば、一も二もなく朝比奈さんだろう。ぽんこつ・未来人・ロリ巨乳という三属性が見事なまでに噛み合っていない。属性が噛み合っていないからキャラクターとしての輪郭がぼやける。キャラクター性がぼやけるから『涼宮ハルヒの消失』のような、サブヒロインをメインに据えたストーリーが展開しにくく、傑作にも仕上がらない。結果は永遠のサブである。いとあわれ。

  




バカ漫画レビュー『DAWN』第79話 

 はいどーも、先日の民主党の訪中に合わせたかのようなEEZ無断海洋調査のニュースを聞いて、改めてこれはファンタジーなのだと再認識してしまった漫画、どーんのレビューです。

 銀座のクラブでママさんらしい格好の女と妖怪みたいなジジイが焦りまくっています。というかこの漫画だと矢作に敵対もしくは不利益をもたらす人間はたいてい見苦しいほどに狼狽しています(その典型が大城首相)。
 この二人が焦っているのは以前に買った中国の不動産・建設関連株が暴落したから。なおこの女は尾崎冴子といって矢作の恋人です。妖怪ジジイは中国株の共同投資者。実は二人とも何度か登場していたのですが、あまりにも斜め上な外交・経済政策にばかり注目していたのでレビューでは扱っていませんでした。76話で中国株はまだ上がると矢作に教えられて(商法に違反してませんか?)一週間ほど待って一気に売り抜くつもりだったのですが、前回の総量規制で株が暴落してしまいました。
 妖怪ジジイはフィリピンに高飛びするつもりらしいですが、冴子は今後の身の振り方を決めかねています。そこを妖怪ジジイ、
「お前には、“打ち出の小槌”があるから大丈夫か……
「矢作達彦」という……な。
 どうせ奴に泣きつくんだろ?」

実に判りやすい嫌味な顔で笑います。それを冴子は「……できないよ、そんなこと……」と拒絶します。なんでも株の失敗を矢作に尻拭いしてもらい、二度と相場に手を出さないと約束したそうです。以前のキャサリン・マクガイバーといい松本記者といい、なぜ矢作に群る女性はどいつもこいつもアホばかりなんでしょうか? 類は友を呼ぶ?

 さてそのキャサリンですが、ワシントンD.C.の恋人に北京から携帯電話を掛けます。来月は通話料の額に目を剥くことになるでしょう。彼女は中共の要人や党幹部に働きかけて国際協調融資の主幹事をアメリカに……ってコレ何度言ったっけ? まあいいか。彼女は愛するポールに愚痴をこぼします。
「毎日中華料理ばかりでウンザリだわ……
 やっぱり西欧人は肉よね。早くアメリカに帰ってブ厚いステーキが食べたいわね」

 北京に西洋風レストランがないと思い込んでいるのかとか、西欧=肉なんて貧困なイメージは四十年前のモンだぜとか、アメリカの管理職は必要以上に健康に気を配っているからほとんどは菜食主義者なんだがとか、そういう一般人レベルのツッコミは止めておきましょう。俺が指摘したいのはただ一つ。
 西欧とは西ヨーロッパのことであってアメリカとはまるっきり違うということです。
 キャサリン、バカだバカだと以前から思っていましたが、まさかヨーロッパとアメリカの区別も付かないほどに末期だったとは……。この俺の節穴な眼を以ってしても見抜けませんでしたよ。こいつに較べりゃ冴子はまだマシか。それともどーん世界では独立戦争が起こっていなくて未だにイギリスの植民地とか? 壮大すぎる歴史改変ですね~。そのうち仮想戦記に手を染めて『逆転! アヘン戦争』でも著わすつもりですか? その年のトンデモ本大賞はイタダキですね。
 さてアホの子のキャサリンにポールは「食文化だけでも西洋と東洋は相容れないと分かったってかい……」と浅薄すぎる文化論を開陳してくれます。こいつもアホの子か。アメリカでも和食はけっこうな人気だし、中華料理店だって軒を連ねています。逆にアジア各国だって、その食卓で西洋料理が絶無ということはまずないでしょう。というか原作者、同じ掲載紙なんだから『美味しんぼ』くらい読んでください。レビューするこちらのレベルまで下がってしまいます。こんなバカ二人を起用しなければならないほどに人材の層が薄いアメリカに激しく同情。
 最後に二人は結婚の約束を交わして電話を切ります。祝福するから結婚した後はアラスカあたりに転居して半世紀ばかし世間に出てこないでください。

 風呂上がりの矢作にも電話が掛かってきます。その主は中国の大使館員。北京でのアメリカの賄賂攻撃の報告です。
「我々中国人はそういう国民性だと、バカにしてかかっているとしか思えない……」
 おお! 中国人を民族ではなく国民と認識できています。どうやら彼は矢作よりはマトモな頭脳の持ち主らしい。矢作よりマシ、といっても褒め言葉にならないのがこの漫画のスゴイところです。それはさておき、あんなコントみたいな賄賂の渡し方ではバカにされていると感じても仕方がないでしょう。
 しかしこの中国人、総量規制で株が暴落したというのに平常心のままです。信じがたいことですが、このままだと本当に中国経済が正常化しそうです。ケインズ先生も大爆笑だっぜっ!(ベッドから転がり落ちて悶絶するキョンのように)
「そして、我々の“夜明け”が来るのです。矢作さんの言う――
 数百年続いた西欧支配から、アジアの時代への夜明けが――!!」

(もうすぐだ……
 もうすぐ夜明けが来る……)

 すいません、矢作が目指していたのは日本の夜明けだったんじゃなかったんですか? それがいつアジアの夜明けにすり替わったんですか? というか、矢作の計画で夜明けを迎えるのは中華人民共和国のみだと思うんですけど。あと次点で北朝鮮。

 そんな支離滅裂を座右の銘にしている矢作の元に冴子が訪れます。彼女は両手をつきます。
「助けて!
 お願い! 私を助けて!!」

 8ページ前で妖怪ジジイに拒絶したのはなんだったんだよ! なお矢作はソファにふんぞり返り、土下座している冴子を偉そうに見下します。やっぱり性格悪いなコイツ。
 冴子は自分の失敗を説明しつつ、矢作のプロジェクトについて「そこまでは読めなかった……達彦があんな壮大な、崇高なことを考えていたなんて……」と例によって持ち上げます。
 偉大や尊敬を通り越して、とうとう崇高と来ましたか。この漫画の矢作礼賛はとどまるところを知りません。俺の笑いも止まりません。というか止めて。このままだと笑い死ぬ。
 お笑い芸人に転向したほうがよさそうな(でも観客を笑わせる以前に不愉快にさせるから無理か)矢作は冴子を見捨てます。冴子は「私に破滅しろというの……!?」とグルグルお目々で叫びますが、当然のことながら翡翠の兆分の一も萌えません。結局、
「絶対に這い上がってやる!
 這い上がって必ずあなたと戦ってやる……!
 私はこの怒りを抱いて、いつかあなたと戦うために、生き抜いてやる――!!」

と捨て台詞を吐いて去っていきます。この漫画のキャラは、どうして交渉というものが理解できないんでしょうか?
 矢作も矢作です。76話で冴子が株に手を出していることは察知していたのに制止するどころか中国株が値上がりすると大間違いのアドバイスを与え、破滅した彼女に向かって偉そうに説教。しかも“俺への復讐心をパワーにして生きろ……”とか、まるでキリスト気取り。冴子のアホさ加減を弁護するつもりは毛頭ありませんが、矢作の見通しの甘さ&ナルシズムも責任の一端を担っています。そのへんを理解しているのかどうか。

 中国政府のアメリカ金融界への返答を出すところで次回へのヒキ。そのページのハシラには“現代の覇者・米国の圧力を、中国は本当にはね返すことができるのか!?”と結果が判りきったアオリがあります。そしてその下には“次号、衝撃の最終回!!”と。

( ゚д゚)

(つд⊂)ゴシゴシ

“次号、衝撃の最終回!!”

(;゚д゚)

(つд⊂)ゴシゴシ

“次号、衝撃の最終回!!”

(つд⊂)ゴシゴシゴシゴシゴシゴシゴシゴシ

(  д )

(; Д ) !!

“次号、衝撃の最終回!!”

 ……オーケー。落ち着け俺。祝杯の準備は後でもできる。必要なのはこれまでに蓄積された電波が次回で一挙に放出されることによる被害に備えることだ。掲載順からして十中八九あり得ないでしょうが、第二部“アジアvs欧米編”に突入してしまう可能性もゼロとは限りませんし。限って欲しいですけど。
 というか、冴子の復讐宣言はどうするつもりでしょうか? 最終回の一歩前で新たな伏線を張るなんて、なにがやりたいんでしょうか。

 




Wizardryのごとく! 第十二話 

「地下五階での戦闘をこなし、ハムスターの失敗も乗り越えて私たちはARMORを二つ手に入れた」
「はうう……」
「しかしこのままでは不確定アイテムなので正体は判らないし、なにより呪いが掛けられている可能性もある。そこでアイテムの本当の名前を知る必要がある」
「でもWizardryにインパスの巻物はないんですよね」
「うむ。不確定アイテムを判読する技術――鑑定のスキルは城のボルタック商店か、エリートクラスの一つのBISHOP(司祭)のどちらかにのみ可能だ。が、基本的に前者は除外される」
「なぜですか?」
「金がかかるからだ。鑑定料金はアイテムの値段の半分、つまり売値と同額だ。ボルタックに依頼すると、不必要なアイテムを売ってゴールドを稼ぐという一般的なRPGの手段がとれないのだ」
「でも以前にうかがった話だと、僕みたいにたぶん前世あたりから慢性金欠病を患っている人間にはほとんど楽園と勘違いしてしまいそうなほどにこのゲームはお金をあまり必要としないのでは?」
「けっこう自分を客観視できているなハヤテ。それはさておき、Wizardryでは物価がかなりムチャクチャでな。ただの長剣が25ゴールドなのに、+1相当だといきなり一万ゴールドに跳ね上がるんだ。中級の冒険者にとって鑑定料を自前で稼ぎ出すのはかなり骨が折れる。というか、効率が悪い」
「なるほど。そこで後者の、ええと司祭でしたっけ。その職に就いたキャラに頼るんですか」
「そうだ。司祭とは、まあ他のゲームだと賢者とか赤魔導士に相当する。成長は遅いが、最終的には全ての魔法が唱えられるようになる」
「それはすごい。だったら最初からその司祭をパーティーに入れて冒険したほうが良かったんじゃないですか?」
「さっきも説明しただろ。司祭は成長が遅いんだ。それも異常を通り越して冗談の域に踏み込んでいるくらいにな。なにせ魔法使い系でレベル25、僧侶系だとレベル28にならないとマスターできないと来ている」
「ダブルマスターレベルってところですね」
「もちろん賢者だから1レベルごとに必要とされる経験値も非常に高い。正直、司祭をパーティーメンバーに加えられるのはピクニック気分でワードナを撃破できるくらいに鍛え抜いた上級者だけだ」
「でも鑑定のためには司祭を登録する必要がある、と」
「そういうことだ。ま、司祭は四つあるエリートクラスでも条件が一番やさしい職業だ。それこそ種族がエルフなら確実に就けるくらいにな。そういうわけでサキさん、頼みます」
「え? え? え? 私はさっきまでギルガメッシュの酒場でウェイトレスを勤めていたのに?」
「あ、ワタル君が経営している酒場だね」
「なんだか三回に二回は注文された料理やエールを運びそこなっていそうですねー。いえいえ、他意はありませんよ? 同じメイドキャラなのに私よりもずっと人気が高いのは不条理だとか、三つも年上なのに私よりもずっと若くてピチピチしているのは何かの陰謀かとか、そもそもメインキャラとサブキャラの立場の違いをちったぁわきまえとけやコラなんてことはミトコンドリアほども考えていませんから」
「マリアさんマリアさん、影からアンリマユが覗いていますよ」
「ネタキャラ高速道路を法定速度ブッチギリでひた走りに走るマリアからは優しく目を逸らしておこう。さてサキさん、鑑定をお願いします」

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「えと、ここで“う~ん、いい仕事してますね~”とかボケなきゃダメですか?」
「いえ、どっちでも」
「はい鑑定できましたー! って、あれ? アイテムにマイナスが付いているんですけど」
「あ、呪われちゃいましたね。司祭のレベルが低く、呪われたアイテムの鑑定に失敗するとそうなるんです」
「若ー!!」
「いやサキさん、向かう場所はギルガメッシュの酒場じゃなくてボルタック商店です」

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「ボルタックでは呪いを解いてもらうこともできるんです。料金はやはりアイテムの売値の半額ですが」
「こういうポンコツぶりが人気の秘訣なんでしょうか……」





あったら面白そうなバトル漫画 

 漫画家の質が落ちたのか、それとも単に俺が老けただけなのかは知れませんが、とにかく最近のバトル漫画が以前にのめり込んでいたほど面白いとは感じられなくなりました。俺の眼が肥えたのか、とも思いましたが昔のバトル漫画は今でも充分に熱中できるのでたぶん違うのでしょう(別格化してフィルターが掛けられている可能性もありますが)。
 俺は別にマンネリは嫌いではありません。『ドラゴンボール』や『聖戦士聖矢』などは俯瞰してみるとかなり単調なストーリーですが、これらを駄作呼ばわりする声は少数派でしょう。が、こういう漫画家の力量そのものが問われるレベルだと我々素人は口出しできる余地がありません。というわけで素人考えに、いろいろなバリエーションが発想できそうなパターンをいくつか列挙してみます。

   最弱の主人公

 読んで字の如く。強くなろうと努力しても、味方も敵も修行するから相対的なバランスは変わらない。というか、敵味方の大部分よりも強くなってしまったら『ダイの大冒険』のポップや『GS美神』の横島(それはそれで面白そうだが)。別に主人公の弱さが据え置きでも問題はありませんが、それだと主人公は努力を放棄している形になるので感情移入が難しくなります。
 単純に不等号で強さが表現できる世界では活躍のしようがないから、頭脳とハッタリを最大限に利用する能力バトルになりそうです。


   最強だがその強さが発揮できない主人公

 『バジリスク』の瞳術を封じられた甲賀弦之介のように、能力の制約を強制されてのバトル。制約が解かれる度合いや条件をヒネれば、読者を飽きさせないストーリーになりそう。作者がヘボだとただのイヤボーン漫画に堕してしまいそうですが。


   チームバトルが前提

 例えばキャラクターは赤・青・黄の三つの属性のうち、どれかに分類される必要がある。ちょうどジャンケンのように青は赤に強く、黄は青に強く、赤は黄に強い。だから基本的に三属性のキャラクターがチームを組んで弱点を補い合いながら戦闘する。
 これだとライバルキャラ一人がどれだけ強力でも作戦しだいで充分に勝機はありえますし、敵三人が総合力で勝っていた場合でも、チームワークと友情を発揮した戦術で逆転可能です。もちろん味方メンバーとの軋轢や葛藤も見所にできます。
 こちらもネックは作家の力量でしょうか。複数のキャラクターを同時に動かしつつ読者を満足させられるようなバトルは難しそう。主人公の影も相対的に薄くなるでしょうし。
 あと連載が長引くと「実は主人公は全ての属性を凌駕する光の属性の持ち主だったのだ――!!」とかいう設定ブチ壊しな展開もありそう。


   キャラが泣かない、不幸自慢をしない

 最近の漫画へのただの皮肉。





皇国の守護者 登場人物(帝国) 

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 東方辺境領姫ユーリア・ド・ヴェルナ・ツァリツィナ・ロッシナ元帥。
 姓転換したラインハルト・フォン・ローエングラム。名前の由来は不明。


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 第3東方辺境領胸甲騎兵連隊長アンドレイ・バラノヴィッチ・ド・ルクサール・カミンスキィ大佐。
 皇帝の弟に尻を掘られたラインハルト。こちらも名前の由来は不明。


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 鎮定軍作戦参謀クラウス・フォン・メレンティン大佐。
 ラインハルトの守り役を兼ねたメルカッツ。
 名前はドイツ第三帝国の参謀将校であり、アフリカ戦線で活躍した“砂漠の狐”ロンメルの参謀も務めたフォン・メレンティンから採られたのであろう。なお彼は自分の体験に基づいた戦記『ドイツ戦車軍団』を著わした。『皇国の守護者』のメレンティンも、全てが終われば回想録を上梓するかもしれない。



 第21東方辺境領猟兵師団長ユーリィ・ティラノヴィッチ・ド・アンヴァラール・シュヴェーリン少将。
 名前の由来は、おそらくドイツ第三帝国の将校で戦車軍団を率いたグラーフ・フォン・シュヴェーリン。

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 ゴトフリート・ノルティング・フォン・バルクホルン騎兵太尉。
 ルフトヴァッフェ(ドイツ空軍)のエース・パイロット、ゲルハルト・バルクホルンがモデルであろう。生涯戦績は出撃回数1104回。撃墜数304機。そのスコアは同じくルフトヴァッフェの撃墜王エーリッヒ・ハルトマンの撃墜数352機に次ぐ。300機以上を撃墜したのは上記の二人のみ。
 なお通常は五機撃墜すればエースと呼ばれる。十機ならダブルエース。

 マランツォフは摩羅ンツォフ。以上。

   




機神咆吼デモンベイン 第6話 

 泣けぬことは……哭くより悲しい……
 オオオオオオオオオッ!!!!

  ぴたっ


 そんな出来でした。
まさしく最悪・ザ・最悪としか評価できない作画。正直なところ、「逃げちゃダメだ逃げちゃダメだ逃げちゃダメだ逃げちゃダメだ」心の中で百回リフレインしながらどうにか苦行というか拷問を耐え抜いた気分です。思い入れの強い作品が汚されていくのを見せ付けられる苦痛は筆舌に尽くしがたいものがあります。『特攻天女』の清宮正和クンに激しく同情。紙一重というか完全に向こう岸に到達している我らがドクターウェストのセリフもエクスカリパー並みの切れ味しかありません。もしくは魔界のマグマで腐食した真魔剛竜剣。
 というか、アニメスタッフはアレですか? 前回で少しばかり取り戻した信用を力の限り放擲するのがそんなに楽しいんですか? デモンベインに何か深刻な恨みでも抱いているんですか? ポストMUSASHIでも狙っていやがるんですか?
 どうせなら「アニより優れた原作など存在しねぇ!!」という気概でも見せて欲しいものです。
 というわけで、今回はまともなレビューを放棄。

 スク水のエンネアとブルマのアルに萌え。
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 改造モーゼルのクトゥグアと改造マテバのイタクァに燃え。
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 それだけ。

  




バカ漫画レビュー『DAWN』第78話・後編 

 はいどーも、昨日の北朝鮮のミサイル乱射事件を聞いて真っ先に
「ミサイル発射……止めてくれるかな?」
「期待……したいですよね……ほんとうに……」
というやり取りが脳裏をよぎった逆走漫画、どーんのレビューです。

「中国人は誇り高い民族」発言の後、その名前と目の細さから一発で華系と判るアレックス・張が矢作たちの部屋に駆け込んできます。

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 これくらいの勢いで。そしてアゴも外れよとばかりに
「間もなく中国政府が……金融に関する重大な発表をするという連絡がっ!!」
と報告します。
 矢作たちがテレビで知ったその内容は、中共が国内の不動産投機熱を抑制するために総量規制に踏み切ったということでした

 はいこれで中華人民共和国は自らの死刑執行書にサインしました。

 総量規制とはメガネの銀行マンが説明しているように、80年代のバブル景気を冷やすために日本政府が取った策です。正確には「土地関連融資の抑制について」。当時の金融機関に対して不動産業・建設業・ノンバンクへの融資の一切を禁止するように命令した通達です。結果として事実上、土地の取引が不可能となってしまい、地価が下落して平成不況に突入してしまったのです。もちろんバブル期の地価は実際の需要に基づいた価格を超えて暴騰していたのでいずれ破綻はしたでしょうが、それでも総量規制のような急ブレーキを掛けなければそのうち収束してバブル崩壊のような破滅的な事態は免れたでしょう。
 つまり総量規制とは日本経済にとって冷水どころか液体窒素だったわけです。投機熱を安定化させるつもりで通達されたものの、結果は涼しさを通り越して氷点下を軽々と突破してしまいました。多分日本経済史上ワースト5に楽々と食い込むくらいの愚策でしょう。それを中共がわざわざ再演しようというのだから、進歩党の訪中の際にバラ撒かれた矢作菌が感染したとしか思えません。なお
「日本のように一気に閉めるということはしないだろう……。
 ソフト・ランディングの道を取るだろうが、これで中国経済は正常になるだろうな」

とメガネ君は好意的な解釈を下していますが、具体的な内容を提示していないので説得力は皆無です。というかこの漫画の神である矢作サマが不動産・建設関連株は暴落すると予言してらっしゃいます。この時点ですでに中国は破滅への第一歩を踏み出したわけです。

 現在の中国経済は過剰投資によってすでにバブル化していると見られていますが、その主な原因は外資による投資と、人民元の国内のダブつきによる金余り状態によるものです。中国の銀行は金利が安く、株式市場は投機性が高いのでまともな投資先は不動産くらいしかないからです。
 さて不動産開発の乱発は建築資材の需要を生みます。例えば鉄鋼の生産は1998年以来トップを独走しています。その多くは建築資材用の鉄鋼であり、自動車や家電に使用されるような鉄はほとんど生産されません。鉄鋼やセメント、耐久消費財の生産は過剰投資のために供給過剰の状態にあります。
 中共や特定アジア礼賛論者が必死になって鼓吹している中国の高度経済成長ですが、その牽引役となっているのが固定資本の形成です。つまり一世代前の日本のように道路やビルや工場を建設することによって経済成長を果たしているのです。そして経済成長に占める固定資本形成の比率は六割とも七割とも言われています。
 つまりバブル経済だろうが供給過剰だろうが、現状を維持し続けなければ中国の成長はストップしてしまうのです。そんな状況で関連株が暴落してしまえば、その時点で中国経済まで破綻してしまうでしょう。中国経済は外資依存型ですが、バブルが弾けてしまえば外資はむろん引き上げてしまうでしょう。ついでに言えば中国は日本に較べて労働市場の流動性が高いので、景気が後退すれば失業率は半端じゃなく増加します。
 結果、中国大陸に残されるものは不良債権で押しつぶされそうになった四大銀行、閑散として何も生産しなくなった工場、慢性的な赤字を解消できずに国のお荷物でしかなくなった国営企業、そして億単位で数えられる失業者の群れです。
 実際のところ、中国の経済成長とは鼻面にニンジンをぶら下げられた馬の暴走のようなものです。その疲労や矛盾をいかに気づかせずに距離を稼ぐかが肝要なのです。その点を理解せずに馬の疲労を心配して一休みでもさせようものなら、その場にへたり込んで一歩も動けなくなってしまうでしょう。総量規制は明らかにブレーキ役しか果たしません。
 これでどうやったら中国経済が正常になるのか、頭もハゲよとばかりに考えたのですが、どうやっても解答は導き出せませんでした。それともメガネ君は、中国経済は崩壊している状態こそが正常だとでも主張したいでしょうか? 1929年の世界恐慌を引き起こしたホーリー・スムート法案に代表されるように、行政が経済を規制しようとしたら必ずろくなことにならないことくらい知っておくべきでしょうに。

 どーんの電波に付き合ってえんえんと硬い話を続けてしまいました。その中和剤としてジョジョネタで締めることにします。

億泰「こっこれはああ~~~っ
 この漫画わあぁ~~っ」

矢作「ニコニコ」
億泰「毒電波ばかり発信する原作に“なんだってー!!”顔しか描けない作画がからみつくダメさだ!!
 原作が作画を! 作画が原作をひき下げるッ!
「デフレスパイラル」っつーんですか~~~~~~
「足の引っ張り合い」っつーんですか~っ
 たとえるなら種ガンダムの夫妻の負債!
 三国志の袁譚に対する郭図!
 那須夫妻の監督・脚本に対する伊崎兄弟の実写版「デビルマン」!
 …………つう――っ感じっスよお~~っ」

仗助「お……おい億泰。
 ちょいと画像をうpしてくれよ」

億泰「やだよお~~~俺に月島拓也になれってのかよぉ~
 オメーも購入すりゃあいいじゃんかよぉ~~~
 ぜったいやだもんねぇ~~~」

矢作「ただじゃあおきませンッ!
 覚悟してもらいマスッ!」


 怒りのあまりカタコトになってしまいました。

  




ちょっとハルヒネタを紹介 

 長門四コマ

 すいません長門さん。キョンのような思春期の男子にとっては結果よりも過程のほうが重要なのですよ。


 「涼宮ハルヒの憂鬱」ゲーム化(ただしネタ)

 閉鎖空間をシステム化したところは興味深い。このゲームの醍醐味はいかに世界を崩壊させずに長門を落とすかという点に尽きるでしょう(朝比奈さんはどうした)。


 涼宮MUSASHIの憂鬱なGUN道特集

 今期最高のクオリティを誇るアニメと、史上最低の駄アニメのコラボレーション。ホント、朝目新聞は地獄だぜ! フゥーハハァーハァ――!




ハヤテのごとく! 第86話 

 今回メインを張るのは、ヒナギクと血が繋がっているという事実がいまだに納得できないバッカスの巫女こと桂雪路先生。あとサブタイトルは「プリティじゃないウーマン」。元ネタは1990年に上映されて大ヒットした洋画『プリティ・ウーマン』でしょう。内容は、ぶっちゃけコールガールのシンデレラストーリー。『フジケン』でもツッコまれてました。
 ま、確かに桂先生はもはやプリティと形容されるような年齢ではないですね。といってビューティーかと訊かれると一画面を埋め尽くすくらいの疑問符が並べられてしまいますが。それでもとにかく女性扱いされているだけナギよりマシでしょう
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 いくら胸がないといっても正真正銘のガールなんだから、マンはないでしょマンは。

「桂先生は彼氏とかいないんですか?」
 クリスマスの年齢をとっくに過ぎて三十の声を聞くのも間近な女性にとってこれほどのハートブレイクショットはないでしょう。ちなみに牧村先生が質問してきたのは
「いや~私、彼氏と同棲してるんですけど~。
 なんかちょっと優しすぎるっていうか……
 少し物足りないっていうか~」

との理由から。エイトのシステムのバージョンを下げれば一発で解決するのでは?
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 いろんな意味で物足りなさを感じることはなくなるでしょう。
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 桂先生はそれまで男のことなど気にも掛けていなかったのですが、後輩への見栄のためにないことないこと言います。あとアッシー、メッシー、ドレイドンってナギにとってのハヤテですが何か?
 その場をごまかした桂先生ですが、28という自分の年齢を思い出して急に危機感を抱きます。一月ぶりに登場したヒナギクのモテっぷりを目の当たりにしてさらに焦りの色を濃くします。妹と違って男が遠ざかっていくことに悩んだ挙句。
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 とりあえずそのハイテンションな一人ボケツッコミを控えることから始めましょう。

 最初に訪れたのは三千院邸。金持ちの男を捕まえるパーティーがいつあるのかをナギに訊きます。学校でその話をしなかったのは、この日のナギがHIKIKOMORINGしてたせいでしょうか。
 なお桂先生の話が嫌でも耳に入ってしまうマリアさんは。
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 まるでポンコツメイドのサキさんのごとくドジっ娘なところを見せてくれます。
 マリアさんの腹黒さから判断するに、あたかも自分が実年齢を気にして失敗を繰り返しているように演じることで読者からの同情票を勝ち取ろうと画策しているようにしか受け取れません。

 桂先生が次に向かったのは同僚の薫先生の家でした。や、パチスロじゃなくてね。本人もなぜ自分のところに来たのか訝りましたが、ギャルゲー名人で二次元ジゴロな薫先生に架空の女の落とし方を教えてもらおうという魂胆でした。バーチャル世界の同性を攻略してどうするんですか! 普通の男が自分になびくはずがないという深層心理の表れでしょうか?
 もっとも本当に驚くべきは薫先生。
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 第三部で浮いた話一つなかったアヴドゥルも衝撃の発言でした。
 もっとも「ていうか、あなたみたいな二次元ジゴロには興味ないわよ」全世界のオタに等しくキツい言葉の前に逆ギレしてしまいます。まあ特殊性癖を持ち合わせていない健全なオタ(一日に三十時間のトレーニング並みに矛盾した言葉だ)なら、桂先生に言われたところでさして気にも留めないでしょう。ヒナギクだったら脳死確定ですが。
 あと今回のサブタイトルから判断するに、薫先生が富豪の美形ビジネスマンだったら桂先生も見る目が違ったのか?
 なおエドワード・ルイスの二つ名は“ウォール街の狼”だそうで。伝説の男に昇格して“脱アメリカ――”とか絶叫しないことを切に願います。

 最後は生徒会三人娘。学校ではあまりそんなそぶりを見せませんが、彼女たちは本物のお嬢さまなのです。その中でもとびきりの家系と虚弱ぶりを誇る花菱美希嬢の発案によって、愛の告白タイムに移行。ハヤテが。ちなみにお相手はハヤテに一押しされればすぐに陥落してしまいそうな瀬川さん。
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 ハヤテは何かというと右手を差し出しながらポーズを決めるな……。瀬川さんはそんなハヤテに優しい笑顔で答えます。
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 ざまぁカンカン! そう簡単にハーレムが築けると思ったら大間違いだぜ一億五千万の男(ただしマイナス)! ……と心から喝采を上げたのですが、実際は桂先生によるアテレコでした。まことに残念。
 結局ナギに説諭されて、桂先生が本当に欲しかったのは彼氏ではなく酒だった、とダメダメすぎる自分に気づいてしまいます。パーティーに参加しても男ではなく酒ばかりに突進してぶちこわしに。いくらアレとは言え、真理に到達した人間は強いのです。

  




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