保険 アリコ Moon of Samurai デモンベイン

機神咆吼デモンベイン 第12話(最終回) 

 予想は裏切り、ついでに期待も裏切る。そんな最終回でした。

 原作ゲームのアルルートの最終章と同名のサブタイトルは“STRANGE EONS”。元ネタはやっぱりクトゥルー物で、ロバート・ブロック『アーカム計画』の英題です。

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 作画担当がまた替わった。モミアゲと睫毛の描き込みが杜撰に見えて仕方がない。前回と同じ方のがよかったのに。
 C計画、すなわちクトゥルーの召喚さえ、マスターテリオンにとっては土台に過ぎなかった。神を苗床としてさらに上位の神・ヨグ=ソトースを召喚。旧支配者の幽閉された外宇宙と繋がる存在を開放することこそがマスターテリオンの真の目的だった。
 扉の先、最終決戦場に姿を消すリベル・レギス。九郎はマスターテリオンを追おうとしますがアルに契約を破棄すると告げられます。ただの人間である九郎を外道と怪異の渦巻く異界に引き込みたくはない。
 しかし九郎は真性のロリコンです。アルはアルでもはや九郎なしではいられなくなっていたので
「離れたくないんだ。俺は、アルっつー傲岸不遜でクソ生意気な小娘に、惚れちまってんだ」
との九郎のプロポーズであっさり陥落。再契約なのか単にリビドーの赴くままの行動なのか、とにかくキスします。

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 18禁アニメじゃないので当然ハァハァは無し。絶技も開眼せず。アニメだとメタトロンが登場しなかったのでデモンベインとの追いかけっこは無しか。
 お互いの気持ちを再確認し、心を一つに定めた九郎とアル。デモンベインを駆ってヨグ=ソトースの門を潜ります。そしてリベル・レギスとのラストバトルなのです、が。

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 たった一合で戦闘の舞台を変えるな。それと追魂奪命剣くらい再現してくれ。
 それは置いておくとして、リベル・レギスの存在を否定しつくすためにデモンベインはついに(外部からの介入を受けて)シャイニング・トラペゾヘドロンを手にする。対するリベル・レギスもまた同じようにシャイニング・トラペゾヘドロンを構える。

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「二つのシャイニング・トラペゾヘドロンの衝突。
 ただそれを為す、ただそのためだけに君たちは無限に繰り返される運命に囚われていたのさ。
 ヒトの正の極限、絶望を識らぬ英雄、大十字九郎・
 ヒトの負の極限、絶望を識る魔人。
 必要な駒はその2つだった。
 そう。総てはこのナイアルラトホテップの意のままに!」

 や、ナイアさん。いきなりネタバレしないでください。しかしもちろん彼女の声は九郎たちには届いていません。
 そしてついに最後の決着をつけるべく、九郎たちは詩を紡ぐ。

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「荒ぶる螺旋に刻まれた」
「神々の原罪の果ての地で」
「血塗れて 磨り減り」
「朽ち果てた 聖者の路の果ての地で」
『我らは今 聖約を果たす』
『その深き昏き怨讐を胸に』
『その切実なる命の叫びを胸に』
『埋葬の華に誓って』
『祝福の華に誓って』
『――我は世界を紡ぐ者なり!』


 そして二つのシャイニング・トラペゾヘドロンが激突し、ナイアさんはその悲願が果たされたものと高らかに哄笑します。
「これで宇宙があるべき姿に戻る。
 シャイニング・トラペゾヘドロンによって封ぜられていた、僕たちの宇宙が戻る!
 アザトースの庭が、解き放たれる!!」


 しかし。
 人間の身でありながら、否、人間の身であるからこそ大十字九郎は邪神の意思すらも踏破した。シャイニング・トラペゾヘドロンの力を取り込み、その力を解放する!

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『祈りの空より来たりて――』
『切なる叫びを胸に――』
『我等は明日への路を拓く』
『汝、無垢なる翼――デモンベイン』


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 間違えた。こっちだ。

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 そしてナイアさんこと旧支配者ナイアルラトホテップもろともリベル・レギスを撃破。マスターテリオンとエセルドレーダは宇宙の果てを永劫に漂うことになりましたが、あらゆる呪いから開放されてラブラブモードなので幸せ一杯。それこそマスターテリオンの一人称が僕に代わっているくらいの勢いで。
 そしてまた九郎とアルも宇宙を漂う運命に。しかしアルは九郎を地球に返す決断を下す。……って、旧神エンドじゃないのか!? 正直、驚きです。

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 おのれ、史上最強の広報め!
 それはさておき、かつてのアーカムシティとは違い、別の並行世界に飛ばされた九郎はやっぱり貧乏探偵のままでした。元の世界で所有していたはずの乗用車も見当たりません。その点だけは正しい世界のようです。

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 なんで“スーパーウェスト無敵ロボGR1~すべてはビッグ・アフロのために~”じゃないんだ。
 そして肝心のアルですが、帰り道でバッタリ再会してしまいます。なんでやねん!
 や、まあウィルバー・ウェイトリーのエピソードを省略してしまったから、ミスカトニック大学の秘密図書館で再会させるわけにいかないのは解りますよ。でもなんだって宇宙の因果すら乗り越えた感動の再会を、ここまであっさりしたものにしやがるんですか!
 しかも救いようがないことに、理由付けとして旧神の九郎とアルを引っ張り出します。

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 旧神エンドとアルハッピーエンドの良いとこ取りをしようとして完全に失敗。めちゃくちゃ説明不足。原作にないエンディングを勝手に作ってしかもそれがろくでもない出来って、もはや理解不能です。アルエンドかと思った自分がバカみたいです。原作を知らない視聴者の頭上には無数の?マークが浮かんでいることでしょう。
 あ、ラストのデモンベインが飛翔していくムービーは非常に美麗でした。

 結論、55点。うち30点は原作そのものの魅力なのでアニメ単体としての評価からかなり差っ引かれます。何度も言うようですが、やっぱり2クールで制作するべきでした。
 正直DVDはデモベファンのコレクターズアイテムくらいの位置。原作未プレイの人がわざわざ高い金を払ってまで購入するような出来ではありません。
 言いたいことは山ほどありますが、今はとにかくスタッフの皆様。お疲れ様でした。

 最後の最後。削られていたのが不満なセリフ、ナンバーワン。
「どうも俺、やっぱりロリコンだったみたいでさ。あいつの綺麗な躰知っちまったら……
 てめぇなんざ汚な過ぎて抱く気にもならねえんだよ! ババア!

 異界の中心でロリを叫んだケダモノ、大十字九郎の魅力が半減ですよ!

  




機神咆吼デモンベイン 第11話 

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 地球皇帝アウグストゥス!!
 出ました! PS2版で追加された変態ルック!
 このキャラだけでご飯三杯はいけます。中の人の演技も素晴らしい。
 しかしあの受け狙いとしか思えないコスチュームを誰が用意したのやら。いつのまにかブラックロッジの構成員がいなくなっているから彼らに命令した線はなさそうです。島根県の年老いた母親が、息子の一世一代の晴れ舞台のために夜なべして編んでくれたのでしょうか? 井出貞治氏のご母堂についてはA計画を参照されたし。

 サブタイトルは「THE RETURN OF THE SORCERER」。元ネタはやっぱりクトゥルーもので、クラーク・アシュトン・スミスの「妖術師の帰還」です。

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 夢幻心母を追う九郎一行。すげぇトップヘビーです。まあデモンベインは全長80メートルなのだから相対的に小さく見えるだけなのでしょう。しかし高波一つで転覆しそうで怖い。

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 この期に及んで女の戦いが勃発!? かと思いきやナアカルコードの解除キーを渡しただけでした。これでレムリア・インパクトも撃ち放題です。しかしキーの移譲はキスしなくても可能なのでは? そうでないと姫さんの前任者(たぶん覇道鋼造あたり)と唇を重ねていなくてはならないわけなのですが。祖父と孫娘の禁断の恋……。ま、姫さんルートだとそのまんまですが。
 いつの間にか回収していたシャンタクの断片を使い、飛行形態で夢幻心母に突入。

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 旧神ルックのアル、可愛すぎます。控えめに表現して犯罪です。キョンもこのアルを見てしまえば一ピコ秒でハルヒから乗り換えること必至です。しかし前回ではまだネコミミモードだったのに、なぜ姿が変わったのやら。DVDでは修正されるんでしょうか?
 さておきティトゥスが皇餓を駆ってデモンベインの行く手を阻みますが、あっさり瞬殺されます。原作どころか機神飛翔でさえもこんな感じ。正直ティトゥスはアンチクロスで一番いらない子なのでは……?
 一方、姫さんたちにダゴン(ヒュドラ?)が迫ります。迎撃ミサイルでも用意しとけよ。デモンベインを搬送するために余分な装備を取っ払ったというのならさっさと戦線を離脱すべきだし。そもそも護衛艦の編成くらい覇道財閥の力を以ってすればどうということもないでしょう。
 そんな限りなく自業自得っぽい姫さんたちの窮地を救ったのは、男の浪漫ドリル!

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 なぜか水着仕様のドクターウェスト&エルザでした。演奏しているのもいつのもエレキギターではなくウクレレ。
 あ、全世界の海上戦力を集結したダゴンとの艦隊戦は省略されました。だいたい想像はついていましたけど、やっぱり勿体無いネタですよアレ。
 さておき敵の本拠への侵入を果たしたデモンベインを待っていたのは、やはり!

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 地球皇帝アウグストゥス!!
 しかし彼はただのイロモノではありません。クトゥルーの力を借りているのでデモンベインでは歯が立ちません。が、勝負は意外なところで決着を見ます。何者かによって攻撃される地球皇帝。

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 これだけの千両役者を退場させたのは、エンネア。

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 彼女の正体はネロ。暴君ネロ。アンチクロス最強の魔術師ネロ。
「ブラックロッジがネロのものになるのは約束されていたこと、クトゥルーを解き放ち滅ぼすのはネロ、九朗が憎むべき邪悪と理不尽はネロ……
 九郎は、ネロを滅ぼすために戦っているんだよ」

 永劫とさえ思える輪廻の果て、エンネアは九郎に殺されることを望んだ。しかしナイアさんの予言どおり人間は、大十字九郎は強かった。暴走してシャイニング・トラペゾヘドロンを発動させながらも、九郎はやはりエンネアを討たなかった。
「俺が斬るのは、エンネア、お前じゃない。デモンベインは魔を断つ剣。俺はここにある邪悪だけを断つ」
 やはり大十字九郎はヒーローでした。カッコ良すぎてエンネアにキスされます。

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 おーい九郎、正妻が怒ってまっせ。

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 九郎は家に帰ろうとエンネアに手を差し出します。ぶーたれながらもアルも従いますが。
「ネロは、九郎に会う事で勇気を分けてもらうつもりだったんだ。ネロ自身を滅ぼす為の勇気を……
 ありがとう。エンネアの大好きな九郎……」


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 エンネアの腹は裂け/マスターテリオンが子宮から這い出し/リベル・レギスを召喚し/エセルドレーダが傍に立つ。

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 今回はキスシーンばかりだ。
「我が母ネロに産み落とされたのだ。
 余は、ヨグ=ソトースの血を引くもの。禁忌なる交わりの元に生まれし者。人類最強の魔術師ネロと外なる神との間に生を受けし者。邪神の落とし子。
 さあ、貴公らに余を倒すことが出来るか。神の子たるこの余を……
 神殺しの刃よ。大十字九郎よ!」


 次回、ついに最終決戦。一クールなんだからきっちり十三話編成にしてくれればよかったのに。もちろん本音は二クール希望。
 説明不足や駆け足の感は否めませんが、これまでの出来を考えれば充分に及第点でした。前回もそうでしたが、尻上がりにクオリティが向上してきています。最終回の出来にも期待が持てそうです。

  




機神咆吼デモンベイン 第10話 

「復ッ活ッ」
「アル・アジフ復活ッッ」
「アル・アジフ復活ッッ」
「アル・アジフ復活ッッ」
「アル・アジフ復活ッッ」
「アル・アジフ復活ッッ」
「アル・アジフ復活ッッ」

 とエリマキトカゲのごとく水上を疾走するツンデレガングロ中国人のように連呼してしまう今回。アルは古本娘だから14キロの砂糖水も必要ありません。エンゲル係数も据え置きです。やったな九郎。

 サブタイトルは「METALLIC WARCRY」。PS2版のオリジナルヴォーカル曲です。ちなみにゲームでのタイトルは「BLADE RUNNER」。SF映画の傑作です……が、俺には「2つで十分ですよ」「2つで十分ですよ」「わかってくださいよ」金田一京助にも理解不能の日本語を連発するスシマスターしか記憶に残っていません。あと原作小説のタイトルは『アンドロイドは電気羊の夢を見るか?』です。光栄(現コーエー)のエロゲ「オランダ妻は電気ウナギの夢を見るか?」にパクられました。

 夢幻心母で地球皇帝アウグストゥスと(前略)アヌスが会話しています。クラウディウスが倒されたことを悼んでいる(前略)アヌスですが、口調が胡散臭いのでまるで信じられません。実際、地球皇帝に用済み認定されるとあっさり同意しますし。
 ちなみにこの二人が戦力の逐次投入という愚を犯したのは、アンチクロスと覇道財閥を共倒れにさせて世界を支配したときの分け前を減らすため。政治は軍事に優先するというヤツでしょう。それは確かに真理ですが、軍事を疎かにすれば政治は崩壊します。そこんとこ理解してますかー民主党と社民党の皆さーん?
 そんな皮算用は知らない九郎、夢幻心母が沈黙したままなのを訝ります。そこへエルザが司令室からの通信が途絶えたことを伝えます。慌てて基地に戻ろうとする九郎たちを聞き覚えのある声が制止します。
「お久しぶりねぇ九郎ちゃん。あたしのコト、忘れたとは言わせないわよぉん♪」
 オネェ言葉を使う道化師姿の腐乱死体は忘れようとしても忘れられるものじゃないですティベりん。姫さんとかは確実にトラウマになっていることでしょう。
 さてその姫さんですが、勧善懲悪物語のお姫様らしく人質に取られていました。

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 このアニメ、姫さんについてだけは露出度が低い気がします。下は斬魔大聖。

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 しかしティベりん、なぜ姫さんだけ人質にしてメイド三人娘は手出ししなかったのでしょうか? あとウィンフィールドとティトゥスも放置しているっぽいし。やっぱ根性と一緒に脳も腐っているんでしょう。畑にすてられカビがはえてハエもたからねーカボチャみてえに。
 さておき人質のせいで九郎はティベりんに抵抗するわけにもいかず、されるがまま。ティベりんは穴さえ開いていればオールオッケーな雰囲気を醸し出しているのでそのままだといろいろピンチ。ロボ娘の活躍で姫さんは救出したものの、それまでのダメージが蓄積されて九郎はボロボロ。
「諦めねぇ。
 このままじゃ終われねぇ。
 今が、許せねぇ。
 解んねぇ。でも、何かあるんだよ。きっと、きっと。
 この先に何かがある!

ならば!

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「これは……魔術?
 この感じは……まさか?」

「何かがあるというのなら……」
「まさか!」
「何を愚図愚図しておるのだ!」
「この声は……!
 アル!!


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「九郎!!」

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「アル!!」

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「……何をしておる」
「?」
「この、うつけが」

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「復ッ活ッ」
「アル・アジフ復活ッッ」
「アル・アジフ復活ッッ」
「アル・アジフ復活ッッ」
「アル・アジフ復活ッッ」
「アル・アジフ復活ッッ」
「アル・アジフ復活ッッ」

 え? それさっきやった? いいじゃねぇか、そんな細けぇことは。
 しかしなぜアルが復活できたのかは明らかにされず。
「奇跡だ……!」
「否。それは違う。
 汝は戦った。マギウスの力を失い、デモンベインの力を失っても、それでも諦めずに汝は戦い続けた。だから、妾が間に合った!
 そう、これは奇跡などではない! 確実に汝がもたらした、当然の結果だ!!」

 や、何の答えにもなっていません。しかしヘンに小理屈を並べ立てることもなく、その圧倒的なパワーで強引にねじ伏せてしまうのがデモンベインの持ち味。理解はできずとも納得させられてしまうストーリー展開というのはエンターテイメント作品に不可欠の要素でしょう。こういうの、俺は大好きです。
 さておき瀕死の状況を切り抜けるたびに戦闘力を飛躍的に上昇させるサイヤ人のごとく、九郎もマギウススタイルからさらなるパワーアップを成し遂げました。

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 目の下のペイントからも解るように、ドクターウェストとフュージョンしました。嘘です。
 大十字九郎とアル・アジフとデモンベイン。ここに三位一体が揃った以上、負ける道理はありません。ワンパンとアトランティス・ストライクでベルゼビュートを圧倒します。ティベりんの切り札スターヴァンパイアを物ともせず、バルザイの偃月刀を一閃。鎧袖一触で勝利します。
 しかし相手は最初から死んでいる身。通常の攻撃では完全には滅ぼせません。
「殺しきれる武器を持っているのはお前だけじゃないんだぜ」
エレナの聖釘でも持っていそうな自信満々の九郎たちにナイアさん@無貌の神バージョンが手を貸します。というか暴走させます。パルス逆流! 信号拒絶! 受信しません! ……ダメです、完全に制御不能です!

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 とにかくシャイニング・トラペゾヘドロンの圧倒的な威力により、ティベりんを旧支配者が幽閉された異界に放り込んで完全勝利。
「そこは……そこは、イヤーッ!!」
 ティベりん、最後までいい仕事してました。

 一方お空の上の夢幻心母では懲りもせずに内紛が再燃していました。(前略)アヌスが優勢のように見えましたが、抜け目なく制御系のプライオリティ(優先度)を掌握しておいたアウグストゥスが逆転。クトゥルーの力を使って(前略)アヌスにさようなら宣言。ガルバ・オトー・ウィテリウスの人面腫を身代わりにする暇さえ与えられずに瞬殺されてしまいました。

 最近のデモンベインは作画が崩壊しないので安心して観ていられます。特に今回は全体のレベルで最高の出来だったのではないでしょうか。全12話構成らしいので泣いても笑ってもあと二回、なんとか水準を落とさずに円満終了していただきたいものです。

  




機神咆吼デモンベイン 第9話 

 今回はけっこう止め絵のクオリティが高かった。その代わりと言っちゃあ何ですが、キャラの動きやストーリーがかなり割を食っていますがね。

 サブタイトルは“The Hunt”。元ネタはヘンリィ・カットナーの同名の短編小説です。これもやはりクトゥルー物です。版権についてはどうなっているのか疑問だったのですが、泡沫さんのコメントによればラヴクラフト自身が放棄したそうです。全く素晴らしい。トルストイの家族にラヴクラフトの爪の垢でも煎じて飲ませてやりたい気分です。
 ロシアの文豪レフ・トルストイは自分の作品で原稿料を受け取ることを善しとしなかった人です。例外的に『復活』の原稿料だけはもらっていますが、これはロシア政府から迫害されていたドゥホボール教徒を救済するための資金に充てました。ま、あのヒト貴族ですから働かなくても食える身分だったんです。トルストイズムみたいな理想主義も彼の立場に依るところが多いでしょう。ちなみに日本のトルストイ萌え萌え集団・白樺派もまた華族や士族を中心としたボンボンどもの集まりでした。彼らのリーダー格で「新しき村」を建設した武者小路実篤は、その仰々しい苗字が示すように室町時代にまで遡れる公卿の家系で、父親は子爵サマです。
 さておき、貴族だろうがなんだろうが金はあるだけあったほうがいいというのが人情というもの。晩年のトルストイはその理想主義をさらに先鋭化させ、家族も伯爵位も印税収入さえも放棄しようとしたのですが、当然のように家族から猛反発を喰らいました。そこでトルストイが採った方法が、家出。小さな包みだけを手に汽車に飛び込んだまでは良かったのですが、場所はロシアでトルストイは82歳。四日後に熱を出して肺炎で死にました。頭の足りない思春期の中学生みたいな最期だ。

 冒頭、セピア色の画面でアルが独白します。絵面だけだと前回とあまり変わらないような。
 あ、アルの結論は大十字九郎がヒーローだということ。言われなくても解ってますって。

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 第9話のストーリーは、一言で言えばアンチクロスが撃退された話。
 今回の萎えポイントはやはり糞餓鬼魔術師クラウディウスの馬鹿さ加減に尽きるでしょう。カリグラの仇を取るのだと息巻いていましたが、あまりにきゃつの頭が悪かったのでタダの口実じゃねぇのと疑ってしまいます。原作の良さがまるで発揮されていません。
 ちょいと列挙してみましょうか。

・単騎による覇道邸への襲撃

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 実際にはティトゥスと二人ですが、まるで連携していないのでほとんど意味がありません。せめて衝撃のアルベルトくらいの実力と威厳を備えてから来やがれ。

・最初から最後まで九郎を舐め過ぎ
 マギウスになれない九郎をいたぶるだけ。カリグラの仇と連呼するくせにまるで怨念が篭もっているようには見えません。結果、九郎とエルザのコンビに惨めに地を這う羽目に。

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 怯える表情が哀れや惨めを通り過ぎてこっちが情けなくなります。
 逆上して風の魔術で二人を壁に釘付けにしたものの、止めを刺さずに逃亡します。本気でやる気がねぇ。

・ちょっと優位に立つとすぐに有頂天
 九郎たちよりも一足先に格納庫に辿り着くとすぐに勝ち誇ってバカ笑い。

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 ドクターウェストは九郎もサムズアップするくらい最高でしたけど。

・レムリア・インパクトに無策で突っ込んでいく

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 この点についてはもはや弁護の余地はありません。もともとするつもりもありませんが。クラウディウスの鬼械神ロードビヤーキーは空中戦を得意とするスピード重視の機体。対して九郎のデモンベインは空を飛べず、レムリア・インパクトは近接攻撃呪法です。空中からビームを放ちつつデモンベインに消耗を強いる戦法くらい小学生にでも思いつくでしょうに。

 結論。クラウディウスの脳はティベリウスの身体と根性程度には腐っています。せっかくの深夜枠なのですから、ゴールデンタイムにはとても流せないような放送コード限界のド汚いスラングでも連発していれば少しはキャラが立ったものを。脚本のダメっぷりが光った回でした。

 あとナアカルコードの送信シーンですが、第3話から流用しているので絵柄が違いすぎます。モノスゴイ違和感。

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 いや、だから注目するところは白と水色のしまぱんじゃなくて。

 悪口ばかりというのもデモベファンとしては後味が悪いので、今回の見所も挙げておきます。

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 第4話とは比較にならないくらい美しい日本刀。特に刃紋が素晴らしい。
 ティトゥスの顔の微妙さはスルーしておきましょう。

  




機神咆吼デモンベイン 第8話 

 今回のサブタイトルは“SHADOW IN THE DARK”。PS2版デモンベインのテーマソングの一つです。なおゲーム版のタイトルは“The CROW”。元ネタはブルース・リーの息子ブラントン・リー主演映画『ザ・クロウ/飛翔伝説』です。
 ギャングに婚約者ともども惨殺された主人公がこの世とあの世を結ぶカラス(……八咫烏?)の力を借りて復活し、ギャングに復讐を果たすというのが大まかなストーリーです。完成する前にブラントン・リーは事故死し、未撮影分をCGで制作・合成して完成させたというエピソードがあります。ラスボスが日本刀を背負って二挺拳銃をブッ放すあたり、デモンベインの元ネタの一つとしてふさわしい作品といえるでしょう。
 原作でこのタイトルが使用されたのは、カラスを連想させる魔術師スタイルと、九郎本人の名前に掛けているためでしょう。

 前回、マスターテリオンへの反逆に成功したアンチクロス。
「こんなに簡単にいくとはねぇ。大導師様も、意外にチョロかったわね」
 全くの同感です。つーかチョロすぎて緊張感とかがゼロでした。
 さておき彼らはこのまま一気呵成にアーカムシティの攻略を計画。相手に防戦体制の余裕を与えず、破壊ロボによる第三波の攻撃を敢行しようとします。そこに待ったを掛けたのが、僕らの町のマッドサイエンティスト。デスペラード』からの丸々パクリのギターケースロケットを発射します。
 一方、アンチクロスの総攻撃によってアルは倒れ、デモンベインも大破。復讐に燃える九郎は単騎での攻撃を図ります。激昂するキャラを正気に戻す黄金パターンとしては平手打ちが最有力候補ですが、姫さんはすでにフラグが立っているので抱きつき攻撃。

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 姫さんに諭され、その場は耐える九郎。そこに警報が鳴り、破壊ロボが単体で襲来します。ハッチから現れたのはドクターウェストを抱えたエルザでした。

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 エルザの説明によるとドクターウェストはすでにブラックロッジを脱サラしたそうです。ブラックロッジは給料制だったのでしょうか? ま、リゾート地に慰安旅行やらかす悪の秘密結社ですから可能性は否定しきれませんが。
 ウェストは夢幻心母から脱出する際に、行きがけの駄賃とばかりに破壊ロボの制御システムを破壊。結果として覇道財閥は体勢を立て直すだけの猶予が与えられることになりました。代償としてウェストは負傷しましたが。なお脱サラの理由は、世界をクトゥルーの力で支配するのが気に入らないから。西博士としては独力で支配するつもりだったのです。
 ちなみに原作だと「これは反逆であ~るっ!」と大見得を切ってアウグストゥスに刺されるだけです。ここらは改変したほうが納得できるでしょう。いやまあ原作は原作で地球皇帝のダメっぷりが浮き彫りになるから悪くはないんですけど。

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 九郎は一人、覇道邸の図書館で魔導書を物色します。そこでイブン・カズイの紛薬を使って50AEと460RUGERの弾丸を制作し、バルザイの偃月刀を拝借。黒マントを羽織ってデモンベインの格納庫へと向かいます。

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 黒魔術師スタイルの九郎はゲーム版の方が万倍カッコいいので。
 ドクターウェストたちが乗ってきた破壊ロボで特攻を仕掛けようとする九郎を待っていたのは、トチ狂ったスピードで働きまわるトイ・リアニメーターと。

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 世紀の天才、畏怖すべき天災、このとき九郎が激しく願っているのは他誌への転載、ドクターウェスト。病室でおとなしくくたばっていてくれるような真っ当な○○○○ではないのです。アニメだと無駄弾を撃たずに済んだ九郎。
 ともあれドクターは怨敵となったアンチクロスに対抗するため、九郎と手を組みます。アルの状態を知ったドクターはデモンベインを改造。アニメ版第3話で登場したスーパーウェスト無敵ロボ28号DX、通称デモンインの理論を応用して、マギウススタイルにならなくてもデモンベインを操縦できるようにしたのです。アルの代わりはエルザがサポート。
 九郎はドクターウェストと腕を合わせ、アンチクロスへの反撃を誓います。こっちもやっぱりゲーム版を。

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 飛来する破壊ロボの集団を九郎はバルカンと二挺拳銃で撃破。演出はイマイチですが、アニメとして今までで最高レベルの動きです。もう少しで普通のロボットアニメのレベルに到達できそうです(爆)。さておき、業を煮やしたカリグラと戦闘に移ります。アルではなくエルザが搭乗しているため九郎は苦戦しますが、ドクターウェストの作戦で見事カリグラを撃破。無理を通して道理で納得。

 今回ドクターウェスト大活躍。ま、一番の大金星はチアキのパンチラのお膳立てをしたことですけど。

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 本気でおぱんつばっかだな、アニメスタッフ。あと俺。

  




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