保険 アリコ Moon of Samurai 『ONE PIECE』元ネタさがし

『ONE PIECE』元ネタさがし ロロノア・ゾロ 

 麦わら海賊団のなかでモデルが判明しているのはロロノア・ゾロだけである。そのモデルをフランソワ・ロロノアという。バッカニアを代表する海賊のひとりであり、その残忍さで悪名を馳せた。
 あるときロロノアは情報を引き出すためにスペイン人の捕虜たちを拷問したが、なかなか口を割らない。するとロロノアは業を煮やしてひとりの捕虜の胸をカトラスで切裂き、心臓を手づかみで抜きだして口に入れて食いちぎり、のこりの捕虜たちをおどしたという。

見せられないよ!

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■前半生


 フランソワ・ロロノア、日本ではロロネーとも表記する。本名ジャン=ダヴィ・ノー。フランスのビスケー湾沿岸の町の出身である。1630年に生れ、1667年に殺された。享年四十一。かれは最下層の家に生れ、年季奉公人として西インド諸島に送られたが、しばらくして脱走してエスパニョーラ島にのがれ、のちに海賊の生活に入った。
 そのころの西インド諸島ではヨーロッパの国々によって植民地が建設され、プランテーションでタバコや綿花、砂糖が生産された。農園主たちははじめアメリカのインディアンを働かせていたのだが、酷使と疫病とによってかれらの人口は激減した。そのためアフリカから黒人奴隷を輸入して使役するようになった。しかしそれでも人手がつねに足りなかったため、ヨーロッパからも貧しい白人たちが入植して年季奉公人として働いたのである。年季奉公とは要するに期限つきの奴隷契約である。
 奴隷契約なのだからもちろん労働はきつい。奉公人たちは扱いの悪さに耐えかねてつぎつぎと脱走した。そんなかれらの逃げだした先はエスパニョーラ島だった。この島はかつてスペイン人が入植していて、かれらは1605年に本国へ引きあげたのだが、その家畜たちは島に置去りにされて野生化した。帰るあてのない脱走者たちの狩場としては適当なところであったのだ。
 かれらはキャンプをはって狩猟をおこない、手に入れた肉を燻製にして、エスパニョーラ島の港にやってきた船の乗組員たちに売りつけた。肉を燻製にするための器具がブカンという名前だったので、脱走者たちはやがてバッカニアと呼ばれるようになった。敗残者バッカニアは寄る辺のない肩を寄せあって小さな集団をつくり、小舟や村落を襲いはじめた。かれらは味をしめてしだいに大胆になり、ついには海賊団が結成された。
 ロロノアの前半生はバッカニアの生きかたの典型といえる。


■秘技・死んだふり

 海賊の仲間に入ったロロノアははじめ下っ端として二三の遠征に参加したが、その向こう見ずな行動によって衆に抜きん出た男と見なされるようになり、トルトゥーガ島の総督ド・ラ・プラスに目をかけられて海賊船の船長に抜擢された。
 ロロノア海賊団はしばしば遠征に成功した。しかし1665年、暴風にみまわれてかろうじて上陸したところをスペイン人に襲撃され、仲間の多くが殺されロロノアも負傷した。そこでかれは仲間の死体のあいだに身を伏せて死んだふりをし、スペイン人たちをやりすごしたあと町で奴隷たちを丸めこんでカヌーを盗ませ、まんまとトルトゥーガ島に生還したのであった。ちなみに町のスペイン人たちはロロノアが死んだと思いこんで大喜びし、篝火をたいてお祭りさわぎのまっ最中だったという。

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■キューバ襲撃

 ロロノアは新しい船と部下とを手に入れると今度はキューバ島の南の町へ向った。町の住民たちはハバナの総督に救援を求めた。総督はロロノアが死んだとの情報をカンペチェから受けとっていたのではじめは住民の願いを聞きいれなかったが、懇請が何度もつづくので軍船を派遣した。その船はロロノア海賊団に乗っとられ、船員はひとりをのぞいて皆殺しにされた。ただひとりの生残りはハバナ総督にロロノアの宣言、予はいかなるスペイン人にも慈悲を施すつもりはない、という文面の手紙を届けされられた。
 ロロノア海賊団は敵船を手に入れてつぎつぎと港を襲い、さらにスペイン船を襲撃して莫大な掠奪品をトルトゥーガ島に持ち帰った。


■マラカイボ襲撃

 1666年の四月の末、ロロノアはマラカイボを襲撃するため三百六十名の海賊を乗せた八隻の海賊船団をひきいてトルトゥーガ島を出帆した。船団はエスパニョーラ島北岸のバヤラにむかい、そこで食糧を補給した。さらに参加希望のバッカニアたちを乗せたため海賊団は七百人ほどになった。
 マラカイボへ向う途中スペイン船を発見したのでロロノアの乗船だけで追跡し、二時間の戦闘ののちに勝利を収めた。船内には八レアル銀貨四万枚と銀貨一万枚相当の宝石類、そして多量のカカオが積まれてあった。一方、合流地点で待機していた七隻の海賊船団もまたスペイン船を捕獲していた。かれらは合流してマラカイボへ向った。

 マラカイボへ行くにはまずベネズエラ湾を南下し、その南の水道を通過する必要がある。その水道の入口にはふたつの小島があり、そのうちのひとつには城砦が築かれていた。水道を通過すると巨大なマラカイボ湖がひろがっており、湖の入口にマラカイボの町が、湖の奥にはヒブラルタルの町があった。
 ロロノアはマラカイボを襲撃するため、まず城砦を陥した。敗残のスペイン兵がマラカイボに入ったので町の商人たちは財産をボートに積んでヒブラルタルに逃げだした。ロロノアはもぬけの殻のマラカイボに二週間ばかり滞在し、住民たちを拷問して過した。そしてふたたび海賊団をひきいて今度はヒブラルタルにむかった。上陸した海賊たちは油断していた守備隊を襲撃し、五十人の犠牲で五百人を殺した。
 四週間の占領のあいだ、ヒブラルタルでは熱病がはやって病死者が続出した。海賊たちは住人たちに隠し財産のありかを白状させようと拷問したが満足なほどの掠奪品は得られなかったので町中に火を放った。住民たちは八レアル銀貨一万枚ぶんの財産を提供して海賊に退去してもらった。ヒブラルタルを離れたロロノア海賊団はマラカイボにもどった。マラカイボの住人は銀貨二万枚と牛五百頭をロロノアに支払うことで海賊団を立去らせた。
 ロロノア海賊団がこの遠征で手に入れた獲物は現金だけで八レアル銀貨二十六万枚におよんだという。海賊たちはトルトゥーガ島で気前よく金や宝をばらまき、おおいに人気を博したかわりにすぐに無一文になってしまった。また掠奪に出かけなければならなくなった。


■最期

 ロロノアの遠征のうわさを聞きつけて多くの海賊たちがあつまってきた。ロロノア海賊団は今度は中米のスペイン植民地を襲う計画を立て、手はじめにホンジュラスのプエルト・カバロを制圧し、つぎにサン・ペドロを攻略した。しかし海賊たちは苦労のわりには獲物がすくなかったと思い、またロロノアのやりかたについていけないものを感じていたので、ロロノアに反対する者たちは海賊団から離れていった。
 ロロノアはニカラグアに上陸し、スペイン人とインディオたちに迎撃されてほとんどの部下を失った。ロロノアと残りの部下たちはどうにか船までたどりつき、カルタヘナへむかったが、上陸したときに部下からはぐれてしまった。

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 そしてロロノアは現地のインディオに捕まり、生きたまま八つ裂きにされた。切断された四肢は火中に投ぜられ、灰は風に撒かれた。これほど非人間的で悪逆な男がいたということをあとかたもなく消してしまうためだったという。



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『ONE PIECE』元ネタさがし 金棒のアルビダ 

 まずはじめに。俺が私掠船に興味をもったのは笹本祐一のスペースオペラ『ミニスカ宇宙海賊パイレーツ』を読んだからでござる。佐藤竜雄監督の2011年公開予定の新作アニメ『モーレツ宇宙海賊パイレーツ』の原作と聞いたので。しかしタイトルがアレすぎる……そもそもパイレーツとプライベーティアは全然ちがうし。
 悲しいけどナデシコの続編、お蔵入りなのよね。

金棒のアルビダ

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 アルビダ、またはアルヴィルダ。五世紀なかばに活躍した、デーン人の女海賊だという。尾田先生はアルビダが実在した海賊だと書いているが、厳密にいえば伝説の霧のむこうにいる存在である。もっとはっきりいえば、おとぎ話の王女である。
 アルビダの伝説のもっとも古い出典は、サクソ・グラマティクスの十二世紀の著作『デンマーク人の事跡』である。ちなみにこの本の一エピソードが、シェイクスピアの悲劇『ハムレット』の主人公ハムレットの元ネタとなった。なお『デンマーク人の事跡』は日本語の抄訳が出ているらしいが残念ながら俺は読んでいない。

 今はむかし、ゴート族の王シーヴァルドにはふたりの息子の他に娘がひとりいた。名をアルビダといった。彼女はおのれの美しさが男の情熱をかき立てないように、いつも衣服で顔をおおっていたという。

 
なんの因果かマッポの手先

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 上の画像に意味はそれほどない。
 それはさておき、シーヴァルドはアルビダをきびしい監視のもとにおいて人々から遠ざけた。またクサリヘビを与えて育てさせ、それに娘の貞操を守る守護者の役割をさせた。さらに「娘の部屋に入ろうとして失敗した男は首を切り、串刺しにする」と触れを出した。といってシーヴァルドが別に娘を嫁にやりたがらなかったわけではない。当時のかれらにとって結婚は取引であり、娘の嫁入りとはふたつの家族間における財産の贈与/移動にほかならなかった。そして娘の価値には持参金や美しさのほかに、処女であることもふくまれていた。要するにシーヴァルドは娘アルビダの処女性という附加価値を高めるためにあれこれ手をつくしたのである。
 さてここでシガーの息子アルブという青年がアルビダの求婚者として名のりを挙げた。アルブは伝説の登場人物にふさわしく、その容姿は優美で美しく、まばゆいばかりに光り、巻毛は輝く銀のようだった。
 シーヴァルドは大国主に難題を出すスサノオよろしく、アルブにアルビダを守るクサリヘビを鎮めるように命じた。その後いろいろあってシーヴァルドはアルブを認め、アルビダ本人もアルブの勇気を誉めそやすようになったが、母親だけが娘の結婚に反対した。
 するとわけがわからぬことにアルビダが180度ひっくりかえった。

豹変

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 いや180度ひっくりかえったのは容姿ではなく性格である。
 アルビダは突然アルブを軽蔑するようになり、それまでの女の服装を捨てて男の服装をまとった。それだけではあきたらず、アルビダは海賊の生活に身を投じた。彼女と心を同じくする乙女たちが陸続とあとを追い、かくして女だけの海賊団が結成された。これだけでも充分にありえない話だが、ものがたりはさらに斜め上の方向へと突き進んでいく。
 アルビダは若い乙女たちと一緒に行動しているうちに、首領を喪ったばかりの海賊たちと出くわした。かれらはアルビダの美貌にうたれ、彼女に自分たちの海賊船の船長になってもらった。そしてアルビダは男女混成海賊団をひきいるようになった。なんなんだこの展開は……
 一方かつての求婚者アルブはアルビダを探しての航海のすえにフィンランドの狭い湾に入った。偵察の報告によれば数隻の船が停泊しているという。読者諸賢のご想像どおり、その船はアルビダ海賊団の船団であった。そしてその後の展開もだいたい想像通りである。アルビダ海賊団はアルブの船団に攻撃をしかけた。アルブは部下のとめるのもきかずに戦いに応じ、邪魔者たちを全員うち殺した。アルブの親友ボルカルはアルビダの兜を打ち落とした。アルブは長年さがし求めていた女を見つけて喜んだ。かれはアルビダを捕え、彼女の男の衣装をはいで女の衣装に着替えさせ、そしてふたりは結婚して娘をもうけた。ボルカルはアルビダの侍女グロアと結婚して息子をもうけた。めでたしめでたし。うん、おとぎ話以外のなにものでもない。

 これまでアルビダ視点で書いてきたが、彼女のものがたりの本当の主人公は男のアルブである。アルブは世界中の神話や伝説のそこかしこに見出されるタイプ、美女を妻に迎えるために艱難辛苦して最後は予定調和的に結婚するタイプの主人公であり、アルビダは実のところ添えものにすぎない。アルビダが女海賊になるのはアルブの冒険をより困難に、より刺激的にするためのものであり、彼女の豹変の不自然さは作劇上の要請と脚本家の不手際によるものである。アルビダがアルブの手で男の服装から女の服装へと替えられるというのは、男性原理によって世界が異常から正常へと回復されるメタファーである。



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『ONE PIECE』元ネタさがし 海賊王ロジャー 

 私掠船について興味があったのでいろいろ調べてみた。当然の流れで海賊全般についてもざっと目をとおすことになり、その過程で『ONE PIECE』に出てくるキャラクターのモデルらしき海賊や事物がいくつか記憶にのこった。このまま忘れるのももったいないような気がしたので、ここで紹介することにする。

 この世のすべてを手に入れ、“偉大なる航路グランドライン”を制覇し、“ひとつなぎの大秘宝ワンピース”を世界のどこかに隠し、みずからの死をもって大海賊時代の幕を開けた男、海賊王ゴール・D・ロジャー。この男の元ネタははっきりしない。ほかのキャラクターたちの何人かについては単行本のSBSに書かれているが、ロジャーについては尾田先生が明言していないのだ。だから以下のことは想像の域を出ない。

   

海賊王ロジャー

Gold_Roger


 海賊でロジャーといえば、個人的にはLEGOの南海の勇者シリーズに登場する海賊ロジャーを思い出す(トシがばれるな)。また似た名前の海賊として初代バハマ総督のウッズ・ロジャーズというイギリス人がいる。しかし『ONE PIECE』最重要人物の由来としてふさわしいのはやはり海賊旗ジョリー・ロジャーであろう。

   
海賊旗ジョリー・ロジャー

Jolly_Roger


 海賊の象徴ともいえる海賊旗は俗にジョリー・ロジャー陽気なロジャーと呼ばれる。別に黒旗とか、the Banner of King Death――死の王の旗とも呼ばれた。黒地に白のドクロと交叉した大腿骨がもっとも一般的なデザインだが、これは別に海賊たちのオリジナルでもなければ独占物でもない。死の意匠としてはありふれたもので、たとえば墓石にふつうに彫られていたし、また航海中に乗組員が死んだとき船長は航海日誌のはしに男の名前とペアで頭蓋骨をかいた。恐怖のシンボルとしてデザインが格好いいので海賊が借用したのだろうが、それが有名になったのだ。
 ジョリー・ロジャーの由来についてはよくわかっていない。ある海賊歴史家によれば、海賊たちは初期には赤い旗をかかげていて、この赤い旗のフランス名ジョリ・ルージュが転じて英語のジョリー・ロジャーになったのだという。なお、海賊王ロジャーの愛した女の名前はポートガス・D・ルージュである。

   
ポートガス・D・ルージュ

Rouge


 ふつう海賊は最初からジョリー・ロジャーをかかげたりはしない。獲物に逃げられないためにはじめのうちは自国か第三国の旗をかかげ、ころあいを見て獲物の気力をくじくためにジョリー・ロジャーを後檣にかかげたのだ。あるいはジョリー・ロジャーは降伏勧告のためにかかげ、それが受けいれられないばあいに真紅の旗――容赦ない攻撃を意味する――に変えたともいう。なんにせよ海賊は何種類もの旗を持っていたわけである。

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 ゴールド(ゴール・D)のほうについては、ジョリー・ロジャーの別名オールド・ロジャー(悪魔の意味)が由来か。もしかしたらロジャー海賊団の副船長シルバーズ・レイリーと金銀コンビになるかたちで命名されたのかもしれない。



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