保険 アリコ Moon of Samurai 今週のジャンプ一コマレビュー

今週のジャンプ一コマレビュー 2017年16号 

・『ROBOT×LASERBEAM』

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 主人公が赤髪……メガネ……制服ネクタイ……『SWOT』……うっ、頭が……
 すぎたん漫画はさておくとして六連続新連載のトリをつとめるのは『黒子のバスケ』で大ブレイクした藤巻忠俊先生のゴルフ漫画です。青峰がひきつづいて登場しているのは御愛敬。
 話の中身は、いまのところは『頭文字D』です。ゴルフ版『頭文字D』。


・『Dr.STONE』

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 ほんとうならヒロインを石化から解放するつもりだったのに主人公コンビがライオンのむれに追われて絶体絶命だったので窮余の策で霊長類最強の高校生を復活させてピンチをきりぬけました。数千年ぶりに目がさめてすぐにパンチ一発でライオンのオスをブッ飛ばしたのはいかにもジャンプ漫画。
 しかしそれよりも気になるのが「君らにはもう二度と危険って奴は訪れない。これからはこの俺が闘うからだ!!」などと優等生にもほどがあるセリフです。ひとむかしまえのアニメの二枚目悪役みたいな風貌といいこのセリフといい、これで裏切らない未来が想像できません。でも稲垣先生のことだから裏の裏をかいてくる可能性も大アリです。


・『鬼滅の刃』

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 竃門家一子相伝の秘藝の正体、不明! すごくあっさり流されました。
 ところで炎柱の煉獄杏寿郎さんが炭治郎を継子になるようすすめたけれど、こんなに軽いノリでいいものなのか。継子といえば柱の直弟子だからいわば幹部候補生のポジションにあるので若くて野心のある隊士ならだれでもなりたがるだろうし席のうばいあいも熾烈なんじゃないかと思っていました。
 おそらく継子としての修行は鬼殺隊にはいるための修行とは段ちがいにきびしくてほとんどの隊士がにげだすようなレベルなのでしょう。なにせ鱗滝さんはもう子どもが死ぬのを見たくなかったと言っていたのに稽古をつけられた炭治郎からすれば自分を殺す気満々だったと日記につけていたくらいなので、継子の修行となればそりゃもう死人が出まくっていてもふしぎではありません。
 しかしそれはそれとして炭治郎が煉獄さんの継子になったというニュースを聞いた冨岡さんが「俺は嫌われてない。俺は嫌われてない。俺は嫌われてない……」とへやのすみっこでヒザをかかえてブツブツくりかえすシーンがスゲー見てみたい。

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 列車のなかで鬼があらわれたので煉獄さんが斬りすてたかと思いきや、それは下弦の鬼が見せた夢でした。いまのところは見る者の願望を具現化したような夢だけれど、サイコ度100%の鬼のやることなので次回からはとびきりの悪夢にかわるのでしょう。読者も気づかぬうちに登場人物が夢のなかにいたというのはホワイトスネイクの幻覚みたいだけれど能力そのものはデス13っぽい。

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 で、煉獄さんの夢のなかの善逸のツラがひどい。基本的に人の顔を見ないし人の話も聞かないからな……

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 不完全に一致。


・『火ノ丸相撲』

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 両校二陣のアオリ合戦はダチ高に軍配があがりました。さすが桐仁、この漫画にはめずらしく性格の悪さでキャラを立ててきた男です。いっぽう相撲は身体がすべてだといってジュズマルドンを間接的にDISった金髪はもともと根がやさしいのに無理をしているという説明が入りました。たとえ敵役でも一方的な悪者にしない漫画です。これまで出て来た名前つきキャラで問答無用のカスだったのは鬼丸殺しのポッキーデブくらいしか思いだせません。

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 二十秒だけなら最強の力士だと小関部長は桐仁のことを評しました。いうなれば相撲界の三杉淳! ……こっちだと完全な健康体になったら凡人になりさがりそうなよび名だなあ。
 さて勝敗はどうなることか。ここで桐仁が負けたらダチ高は三連勝が決定するのでがんばってもらいたいところです。そして中堅戦でも勝利し、副将が「俺ここで勝っちゃっていいのかな?」とか言うんですよ。『うっちゃれ五所瓦』みたいに!


・『U19』

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 一年五組の教室、紅童と鈴木で縦並び。

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 第一話に佐藤くんが出てきてるじゃないですかやだー!

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 あと教室が一年三組になってるじゃないですかやだー!
 木村先生、たぶん打切り宣告されてやる気が出ないのだろうけれど自分の描いたぶんも読みかえさずにテキトーやっているようではつぎのチャンスさえあたえられずにバイバイジャンプってことになりかねませんよ。

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 教頭先生、Aランクだろうにシャケ辨当とは質素でいらっしゃる。
 これにかぎらず、この漫画の大人ってランクが高ければ社会的に優遇されているはずなのにぜんぜん栄耀栄華している感じがありません。いっぽう主人公の家庭はDランクなのに母親が専業主婦らしくて父親は高校生の息子の下校にあわせて帰宅できるうえに発泡酒だって飲めます。うちなんか貰いものかなにかでないかぎり、ここ十年ずっと第三のビールだというのに。おかげで大人が敵だという主人公サイドの主張にイマイチ納得できません。こういうふうに細部がズサンなところがクソ漫画のクソ漫画たるゆえんです。

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 なに? 体罰室のなかを、一瞬だけ見たことがある? つまりそこで体罰をうけたことはいっぺんたりともないってこと? これまでいかにも反骨児のように見せかけておいて、それはないでしょう。今回の回想シーンでも谷先生に逆らったのにむこうは勝手に折れてくれて、クラスメイトはそんな主人公をヒーローあつかい。キャラクターの言動に作者の手が露骨に見えるとホント読んでて馬鹿馬鹿しくなります。

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 アイツはイクラが大好物なんだよ。よりによってこのにぎり飯がイクラだから……アイツは鮭が大好物なんだ!! このにぎり飯が鮭だからちくしょう!!

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 糸で谷先生をしばりあげ、身動きのとれない相手を一方的になぐるという主人公にあるまじきふるまい! でもテロリストとしてなら合格点です。
 というわけで第六話にしてやっとこさ中ボスに一撃をいれたわけだけれど、もうここまできたのだから谷先生がラスボスでいいと思います。そっちのほうが打切り漫画としてネタになるし。
 だから谷先生はこのままダウンすることなく次回には立ちあがり、したのひろいものの画像みたいにクソ漫画どうし『デモンズプラン』とコラボレーションをはたしていただきたい。

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 こんなふうに。



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今週のジャンプ一コマレビュー 2017年15号 

・『腹ペコのマリー』

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 どーすんだよ、だと? キサマはなにをいっている。服を全部ぬいで金髪巨乳美少女の生れたままの姿を心ゆくまで視姦するほかになにがあるのだ。あとは野となれ山となれ。

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 マリー・アントワネットの娘が実は長生きしたというのは田村先生も先刻ご承知でした。で、この漫画ではフランスに身代りをのこして自身は日本へわたったということになっています。とはいえ当時の日仏間に国交はなかったので、どうにかして革命政府の手からすこしでも遠ざかろうとした結果、日本ゆきのオランダ船に乗ることになったとかいうのでしょう。


・『Dr.STONE』

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 大樹と千空がほぼ時をおなじくして石化から解放されたのは硝酸のおかげだったそうです。しかし硝酸をかければ石が腐って復活するというような単純なものではなく、すでに千空が半年ものあいだ手をかえ品をかえ石化鳥をもちいて研究実験しながら成功例はゼロ。前途多難です。

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 ところで前回の大樹が復活したそばで水滴らしきものがポタポタ音をたてていたのは何なのかと思っていたらこれが硝酸だったんですね。
 さて硝酸では効果がうすいと考えたのか千空は酒さえあれば硝酸にエタノールをくわえた腐食液をつくれると言いだし、それをきいた大樹がさっきみつけたブドウをさしだし、ふたりしてワインをつくることになりました。で、三週間たってうまいことワインができたので今度はそれを蒸溜してのアルコール造りにうつります。

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「なァ~~に紀元前3000年メソポタミア文明の連中も土器で蒸溜してたんだ」

 古代メソポタミアの人々はワインやビールを醸造していたのであって、ワインを蒸溜してブランデーがつくられるようになったのはそれからかるく千年はあとのことなんですけどね。
 しかしそんなくだらんツッコミはどうでもいいことです。千空は典型的な理系人間だし、酒の歴史なんぞはアルコール造りに必須の知識ではありません。あとこの直後に千空は蒸留器をミスって破壊してしまうように、けっして完璧超人ではないので、自信満々にまちがった知識を披露してしまったのはむしろ愛嬌になっています。つまらない漫画のばあい、こういうささいなミスばかりが槍玉にあがるけれど、おもしろい漫画だと読者のほうで好意的に解釈するか、あるいは見なかったことにするものです。もちろん『Dr.STONE』は後者に属します。
 ところで千空というと男塾死天王の戮家殺人拳の使い手を思い出すのう。センクウ先輩!
 そして冬がさり、春がおとずれ、千空がめざめてはや一年。百数十回の実験のはてにとうとう石化した鳥を復活させられる液体をつくることに成功しました。

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 ブドウを発見した手柄ということで千空は最初に助ける人間を大樹にえらばせることにしました。大樹の意中にあるのはもちろん思い人の杠です。しかしここですぐに復活させたとしても、女手ひとつふえたところで文明発展には大して寄与しないだろうし、ろくな治療手段もない現状では病気にかかっただけで死ぬ確率が非常に高いので、ここはまだしばらくのあいだ石のままにしておき、霊長類最強の高校生とかを復活させてもうすこし文明レベルをあげてからよみがえらせるほうが得策ではないでしょうか。


・『月光のアルカディア』

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 『エンジェル伝説』『CLAYMORE』と、ジャンプ系列の月刊誌で活躍してきた八木教広先生のSFファンタジー読切りです。これまでの予告の絵はずいぶん淡泊というか特徴のないキャラの顔だったので、やっこさん週刊ジャンプに掲載するにあたってずいぶん絵柄を変えてきたなと思っていたら、背景の絵とかじいさんの顔とかはあいかわらずの八木先生でした。
 ストーリーの土台はボーイミーツガールで、主人公は軍の生体兵器、ヒロインはお姫様と、要素要素はどこかでみたものばかりなのに作者の腕がいいおかげでぜんぜん気にならずに最後まですんなり読めました。
 しかしひとつだけ物申したい。コレ起承転結の起承で話が終ってるじゃねーか! あんな終りかたで納得できるか! 後篇というかたちでも短期集中連載でもいいから八木先生には主人公とヒロインのものがたりにきちんとケリをつけていただきたい。


・『火ノ丸相撲』

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 ダチ高のポイントゲッター國崎千比路やぶれる。
 これまで負けてばかりの兄貴を相手に相撲ではじめて勝つという流れだろうと思っていたら負けました。考えてみれば大典太と闘ったときといい今回といい、チヒロの勝負の俺の予想ははずれてばかりです。

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 チヒロのセリフに兄貴がなんか目をみひらいています。おどろいているのはたぶんチヒロが自分のことを大嫌いだとハッキリ言ったからでしょう。なんだかんだで好かれているし尊敬もされていると根拠なしに信じていたハズ。ちょうどチヒロがレスリング部の部員から嫌われているとはこれっぽっちも思っていなかったように。にたもの兄弟です。


・『ぼくたちは勉強ができない』

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 三番目のヒロインがあいかわらず恋に積極的です。でもここ一番での度胸はナシ。ちゃんとラブコメしてるの、この子だけです。正直なところメインの文系理系ヒロインズはひとりのキャラにまとめて、その対のキャラとしてこの日焼けの子をもってきたほうがよかったんじゃないでしょうか。
 ところで親指姫に眠り姫に人魚姫と、ヒロインのあだ名はおとぎ話や昔話で姫と名のつく登場人物由来だったんですね。ドンくさいことに、気がついたのはこのあいだ。四人目のヒロインはきっと手藝部の織姫です。


・『鬼滅の刃』

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 最終選別で炭治郎と同期のスカーフェイスが蝶屋敷に来ていました。廊下で炭治郎がよけたのにわざわざ身体をぶつけてくるあたり、性格の悪さはあいかわらずのもようです。でもこいつも炭治郎組に入ったら伊之助みたいに丸くなるのかなあ。

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 かわいい顔してすっごくキツイことをカナヲに言われたのに、炭治郎はというと「喋ってくれた!」とポジティブシンキング。このあともグイグイゆきます。

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 この女陥落(おち)たっ!
 今回の炭治郎は長男から天然ジゴロにジョブチェンジしています。


・『U19』

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 大人党躍進のきっかけは高校生の金メダリストがバカをさらして世界中から批難され、それが引金となって大人が「最近の若者は……」と不満をもつようになったからでした。そこへ大人党がりっぱな大人の育成を公約にかかげたところ得票率83%の圧勝をおさめたそうな。
 アホかいな。こんな事件がおこったところでワイドショーが連日さわぎたててひと月くらいで忘れ去られるのが関の山でしょう。バカのやらかし画像ひとつで政権交代って、作者がよほど政治をナメているとしか思えません。現実世界の大人たちは木村先生が妄想するよりもよっぽど健全ですよ。
 俺の父は「今どきの若者は」ということばを絶対に使わないことにしています。その理由は、むかしさんざん言われてイヤだったから。こういう筋のとおった大人は『U19』の世界にはほとんど絶無であるにちがいありません。イヤな世界です。

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 感謝するぜ。お前と出会えた、これまでの全てに!!!

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 なんということでしょう。あんなに職務熱心で子ども第一の教育につとめていた谷先生が主人公にねちっこいイヤミをいったりヒロインの机を教室から投げすてたり自分に暴力をふるった生徒への暴行を公言したりと完璧なクズに堕落してしまいました。これもすべて木村先生の漫画力が足りないのが悪いのだ……!
 や、谷先生がいい先生だというのは半分イヤミで半分本気です。木村先生がなんとかして谷先生を悪者にしたてあげようという意気ごみは第一話から察せられました。しかし木村先生が漫画を描くのがヘタクソだから谷先生の悪者描写も中途半端になり、谷先生に反抗する主人公のほうがかえって理不尽なワガママをわめきちらしているように見えるので、イヤミのひとつも言いたくなるというものです。
 しかしそれはそれとして谷先生まだ健在なのか……先週号のレビューで「最初の中ボス打倒が五話目」と書いたのに、打倒どころかバトルすらはじまっていません。このぶんだと谷先生が最初の敵であると同時にラスボスということになりかねません。それだと主人公が救いだすのはヒロインではなく野球部のハゲで終ることになります。クソ漫画ポイントが高くてなによりです。


・『斉木楠雄のψ難』

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 今回の内容:『アイシールド21』の焼肉回
  あるいは『焼肉の王子様』



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今週のジャンプ一コマレビュー 2017年14号 

・『Dr.STONE』

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 六連続新連載の第五弾は、ベテランの作画原作によるSF漫画です。そして完成度がべらぼうに高い。世界観の説明、魅力的なキャラクターの造形、読者がさきを読みたくなるストーリーとヒキ、主人公の目標の提示と、連載漫画の第一話でやらなければならないことを完璧にこなし、かつ世界観はジャンプ漫画史上屈指の壮大さときています。ホメことばしか見つかりません。なんというか、むっつの新連載のうちのはじめのみっつが完全に前座というか引立役というか、くらべるのがかわいそうに思えるほどの面白さ。『腹ペコのマリー』のばあい、田村先生のことだからきっとこれくらいは面白いだろうなという期待値どおりのできばえだったのに対し、『Dr.STONE』のほうは『サンケンロック』『ORIGIN』のBoichi先生が作画をつとめ、『アイシールド21』の稲垣理一郎先生が原作担当なので、当然のことながら傑作になるだろうと思いながらもぬか喜びに終るかも知れないという期待と不安をいだきながら読んでみると、こちらが勝手に設けたハードルをかるがると飛びこえてくれたという感じです。

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 舞台はいまから数千年後の地球。はじめはわれわれとおなじ時代ではじまったのが、なぞの光をあびて世界中の人類が石になり、主人公コンビが超人的な精神力によって石化をやぶったときには人類の文明がすべて無に帰していたという設定です。もし人類が突如として消滅したばあい、学者らのシミュレートの結果、地球が二十年後までにどうなるか、そして一万年後までにどうなるかという番組がこの漫画のインスパイア元のひとつかと思われます。もちろん漫画のほうは人類復活の可能性がのこっているので丸パクリでは決してありません。

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 ダブル主人公のうち黒髪のデカブツは最高のナイスガイ、金髪のチビは人間味のあるヒル魔という感じです。ところで前者は幼なじみのヒロインと潜在的に両想いであるのに理不尽にもひき裂かれるという点で『U19』の主人公と似かよっているのだけれど感情移入の度合は段ちがいです。こっちは無条件で応援したくなるのに対し、あっちは腹の底から「ザマミロ&スカッとサワヤカ」の笑いが出てしょうがねーぜッ! てーか『Dr.STONE』はほかにも『U19』といくつかの共通点がみられて、それらすべての上位互換です。木村先生が連載するまえに『Dr.STONE』が掲載され、それを徹底的に研究していたら、『U19』ももうちょっとマシな漫画になっていたかもしれません。
 ところで主人公コンビの目もとに黒い亀裂が走っているのは何だろなと首をひねって読みかえしてみたら石化がとけたときに石に入ったヒビをなぞったものなのですね。ただの漫画的ファッションかも知れませんし、なんらかの伏線かも知れません。

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 ラストの見ひらきで大樹の目もとの亀裂が消えている理由は存じません。
 しかし「この石の世界のアダムとイブになってやる」とは、これはまた熱烈なホモ宣言ですなあ。オスはメスとしかウコチャヌプコロしないはずなのに、オスとウコチャヌプコロするなんてどうしてだ?


・『腹ペコのマリー』

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Q. もし思春期の男の子が目をさましたときに女の身体になっていたらいったいどうする?
A. おっぱいをもむ。これは宇宙の真理である。新海誠監督もそう言っている。


・『鬼滅の刃』

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「むざんさまー。心のなかでヤバイって思ったらどうするのー?」
「殺す」
「むざんさまー。むざんさまは私は鬼狩りから逃げると言うけどちゃんと戦うよー」
「私の言うことを否定したから殺す」
「むざんさまー。何やっても殺されそうだから逃げるよー」
「追っかけて殺す」
「むざんさまー。血をわけてくれたら強くなるよー」
「私に指図したから殺す」
「むざんさまー。ほかの鬼を殺すところを見せてくれてありがとー。私を手ずから殺してくれるのありがとー。むざんさま好き好き大好き超愛してる!」
「気に入った―――ッ!! 強くしてやる。死ぬかも知れんが」


 無惨さまマジ無惨。


・『左門くんはサモナー』

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 髪をおろしたアンリかわいい。そして悪の化身のハズなのに言うことは正論です。クソ山の王いわく左門のせいでこうなったとのこと。マイナス×マイナス=プラス!


・『ポロの留学記』

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 巻頭カラーの見ひらきの左端に描かれたヒロインが第三話で登場しました。主人公をおっかけて魔界から人間界までやってきたというキャラクターで、俺は『忍者ハットリくん』のツバメを見て以来こういうキャラが好みなのです。
 しかしそれはいいとして絵がひどい。ものすごく雑になっていて、コマの大半をキャラの顔アップが占め、背景はろくに描かれていません。権平先生がアシスタント募集中なのを見るに、手をぬいているのではなく手がたりないのでしょう。あと週間連載のペースをまだつかんでいないというのもありそうです。


・『ブラッククローバー』

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 実際ニ起コル『真実』ニ到達スルコトハ決シテナイ! ワタシノ前ニ立ツ者ハドンナ能力ヲ持トート絶対ニ! 行クコトハナイ。コレガ『ゴールド・エクスペリエンス・レクイエム』


・『火ノ丸相撲』

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 チヒロの兄は相撲の取口こそふまじめに見えたものの二年前後の経歴で力士の体をつくってきたことからも知れるとおりに相撲が好きで、対するチヒロもまた自分が相撲好きであることを心のなかでみとめました。それはそれでべつにいいし、主人公の火ノ丸からして心技体のうち体はどうやっても向上不可能だから心と技にたよるしかないので気持が大事なのはしかたがないにしても、俺は太刀川さんの「気持ちの強さは関係ないでしょ」というセリフが好きなように過剰な精神論がニガテなので、好きだ好きだとさも重要であるかのように言われても、左様でごさいますかと流すほかありません。そういう意味で白楼の大包平には期待していたのですがね。べつにいいじゃん、競技が好きでないのに強くても。


・『U19』

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 オカルトサイトは大人党に検閲されないから情報交換できるぜ!
 そこまで情報統制がザルで強権支配なんてできるんですかねえ。大人党は支那の共産党のやりくちを学んだらどうでしょうか。
 それはさておきオカルトサイトを隠れ蓑にした情報交換サイトにヒロインの現在場所がアップロードされたのはメガネ委員長がガレージキッドの本部に依頼したからです。その連絡方法さえあればじゅうぶんじゃねーか! つーかどうやって連絡したんだ。たぶん木村先生はなにも考えてないんだろうけど!

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 メガネ委員長は主人公がしばられた縄を斬るというしょーもないシチュエーションで自分の異能力を発動しました。ペンを日本刀にかえるのがその力のようです。

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 それっぽっちの力で国家転覆できると信じられるオツムには感動すらおぼえます。そんな力、フツーの日本刀を買えば代替可能でしょうに。あ、日本刀だと官憲にすぐ見つかるけれどペンなら見過ごされるからテロリズムにはうってつけの能力だとはいえますね。けっこう首尾一貫しているじゃないか(ぉ
 ところでメガネの国家転覆計画では総理大臣を拉致して国会を占拠すればオッケーだそうです。ここまでアタマが悪いとさすがに同情の念を禁じえません。総理大臣を拉致しても大人党がべつの政治家を総裁にえらべば自動的につぎの首相がきまります。国会を占拠してもべつの建物に国会の機能をあたえれば大人党としては困ることはありません。メガネはガリ勉のくせに社会科はきっと赤点です。

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 そしてメガネの国家転覆の動機がこれまたヒドイ。ファストフード店で勉強をわすれて語りあかしても殴られないって、店への迷惑はガン無視で自分勝手な欲望のことしか頭にありません。ランクを気にせず恋人とおなじ大学をめざせるといっても、この漫画の時代では学校での評価でランクがきまるのだから、学力以外の要素があるにしても恋人とおなじランクの大学をめざすことは現実世界の日本と大差はありません。宿題をわすれてもこづかれるだけって、宿題を忘れなきゃいいだけだろ。将来について親と語るのだって学校で評価をあげればいいだけじゃないか。
 ろくに勉強もせず、教師からきちんと叱られもせず、最低の偏差値と最悪の内申点でも思うがままの未来が約束されているのが普通だとメガネは思ってんのか。バカの国からバカをひろめにきたような大バカ野郎です。
 だいたいメガネのいう“普通”は十六年まえのことなのに、どうしてそんなに力説できるほど語れるんだ。ガレージキッドの黒幕が実は野党の大物政治家で、バラ色の過去を子どもにふきこんで反社会的な破壊活動に従事させ、ゆくゆくは大人党を打倒して自分らが政権をにぎるための尖兵にしているのだと考えれば前後のつじつまはあうのだけれど、木村先生がそこまで考えているとはとても信じられないので、やっぱりメガネの目指す国家転覆はこの漫画では子どもだけによる完璧な正義なのでしょう。くだらん世界です。

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 おめでとう! キモい主人公はキモいテロリストに進化した!

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 国家転覆の手はじめに担任の先生を追いだすぞ! 世界征服のために幼稚園のバスジャックをする悪の秘密結社よりも迂遠なやりかただな……
 あとここでわざわざ言わなくても読者のだれもが感じていることだろうけれど、とにかく話がすすみません。世界観の説明に一話かけ、ヒロインが主人公とはなればなれになることに一話ついやし、主人公の能力のおひろめに一話、この漫画の大目標の提示に一話で、最初の中ボス打倒が五話目というのだから、木村先生はご自分をどれほどの大御所漫画家と勘違いされているのか問いただしたくなるほどのチンタラぶりです。このぶんだと谷先生と、その後任の教師とのバトルでこの漫画は打切られることでしょう。


・『食戟のソーマ』

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 えりな様がふんかふんかしているのは父親に反抗して亢奮しているからです。掲載順が実質ドベに転落して怒っているからでは断じてありません。



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今週のジャンプ一コマレビュー 2017年13号 

・『腹ペコのマリー』

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 『べるぜバブ』の田村隆平先生がかえってきました。主人公がカンフー使いで巨乳美少女に変身するあたりが『らんま1/2』や『天使な小生意気』を彷彿とさせて、あいかわらずどことなくサンデーっぽい。
 さて読みおえての第一印象はというと、いい意味で富士鷹ジュビロのいう「子どもがラーメン屋でひまつぶしに読む漫画」です。とにかく読みやすい。安定感が抜群です。主要キャラの顔見せや世界観の描写や次回へのヒキをキッチリこなしていました。第一話の完成度でいえば『ぼくたちは勉強ができない』もみごとだったけれど、あちらは説明という感じだったのに対し、こちらは漫画としての描写です。

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 ところでマリー・テレーズ・シャルロットという王女様は実在の人物です。マリー・アントワネットの娘というのもホント。しかし漫画ではフランス革命で少女のころに命を落したような描きぶりだったけれど実際には七十歳以上の長寿をまっとうしました。まあこれくらいのことは今どきネットでちょちょいと検索すればわかることなので田村先生もワザとやっているのでしょう。主人公に憑依した金髪碧眼巨乳美少女が実はマリー・テレーズ本人ではないという伏線か、あるいはフランス最後の王女という肩書が重要なのであって史実はどうでもいいというのか。


・『ブラッククローバー』

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「な……何コレ……!?」

 そいつはこっちのセリフだぜ姐さん。堂々たる下書き掲載にはこっちのほうがビックリしました。まあ田畠先生が冨樫病に罹患したというよりはアニメ放映間近でいろいろいそがしくなってペン入れするのにさける時間がすくなくなったというのでしょう。ともあれ田畠先生には葦原先生みたいにならないようご自愛ねがいたい。

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 あ、でもうえの画像のシーンは女王の狂気を表現するための演出に見えるので下書きなのがかえって功を奏しています。田畠先生も時間が足りないなりにせいいっぱい手をつくしているのでしょう。


・『鬼滅の刃』

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 あててんのか……? と気になるしのぶさんと炭治郎の距離です。
 それはさておき炭治郎が善逸と伊之助に全集中の呼吸のやりかたを懇切叮嚀におそわってもなかなか修得できないものだからしのぶさんがかわって教授することにしました。しのぶさんはふたりの師匠でもなければ直接の上司でもないのでふたりを鍛えあげなければならない義務はないのだろうけれど、蝶屋敷に滞在している縁と、あと炭治郎の仲間なのですこしは骨を折ろうという気になったのでしょう。炭治郎モテモテだな。たぶん恋愛感情はもたれていないのだろうけれど。

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 しのぶさんのたくみな操縦、もとい教え方のおかげで善逸と伊之助は全集中の呼吸を九日でマスターしました。炭治郎の三分の一ちかくの短さです。やっぱりもってうまれた才能だけでいえば炭治郎はふたりの仲間にはおよばないんですね。
 なお炭治郎は人に教えるのが激烈にヘタだとのことです。天才肌の人間が人に教えるのはヘタだというのはありふれた設定だけれど炭治郎は努力家肌なのにヘタなのか。主人公を甘やかさない漫画です。炭治郎は話がはじまってすぐに家族のほとんどを惨殺され、たったひとり生きのびた妹は鬼にされたのだから、なにを今さらという感じですが。

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 おまわりさん助けてください!
 自分が鍛えた刀を戦いのさなかに折られたからってひょっとこのお面のまま出刃庖丁を両手ににぎりしめて炭治郎めがけて突進してくる鋼鐵塚さんじゅうななさい。十七歳でなくてマジモンの三十七歳です。対話の相手が人ではなく火か鋼という生活をずっとつづけてきたからこんな性格になったんだろうなあ。

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(誰だ?)

 知らんよ。
 でもつぎのページで鬼舞辻無惨の擬態した姿だと知れました。まえに自分の正体を炭治郎に知られ、炭治郎を殺すために放った刺客も始末されたので、鬼滅隊の追跡をのがれるために姿をかえたのでしょう。鬼舞辻の容姿について炭治郎がまとめた情報を手がかりに鬼滅隊の隊員が調査した結果、月彦と称していた男は蒸発し、その妻子は殺されたという報告がお館さまのもとにもたらされるのでしょう。
 さて女の姿の鬼舞辻は累が殺されたことにおかんむりで、なぜ下弦の鬼は弱いのかと部下をといつめます。いや累が殺されたのは家族ごっこのために自分の力をほかの鬼に分けあたえて弱体化したのがいちばんの原因じゃないんですかね。そしてそれを黙認していた鬼舞辻にも責任の一端はある……けれどそんなことを部下が口にするどころか心に思うだけでも即死確実です。鬼舞辻は読心術の使い手でもあります(対象は鬼限定かもしれないけれど)。鬼殺隊もたいがいブラックだけれど鬼の群にくらべたらはるかにマシやでぇ。


・『U19』

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 某所でのひろいものコラ画像です。この漫画の未来をあまりにも的確に表現していたので貼ってみました。『オレゴラッソ』担当のキャラだけぜんぜん手をくわえられていないのが笑えます。


・『ぼくたちは勉強ができない』

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 第三のヒロイン投入です。ジャンプの新連載は四話目くらいまでは連載まえに用意されているそうなので、作者がはやくもテコ入れしたというのではなく既定路線での登場なのでしょう。ダブルヒロインが人気を得られなかったときのための保険かと思われます。
 で、その保険がなかなか悪くなかった。ダブルヒロインがいまのところ設定の説明からふみだしていない感があるのに対し、こちらはキャラが活き活きしています。中学時代は主人公を苗字でよんでいたのに恋に落ちてからはしたの名前でよぶようになったあたり、作者がこまかいところに気をつかっているのがわかります。
 でも二つ名の「白銀の漆黒人魚姫」というのは白銀なのか漆黒なのかわからないためにアホっぽいのがかわいそうなので別のよび名にかえてやるべきだと思いました、まる。


・『火ノ丸相撲』

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 チヒロとなにやら因縁のありそうな男は、ただ単にチヒロの実の兄貴というだけでした。しいたげられた記憶しかないそうです。でもむこうはべつにチヒロをいじめていたわけでは断じてなくてふつうに弟と遊んでいただけなのでしょう。てーかチヒロのほうが生れるのが早かったら絶対ににたようなことをしていたはずです。にたもの兄弟。

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 でもアタマの悪さは兄貴のほうが上かな……
 蛍の準決勝の立合いが気にいったからと丸パクリ。しかしマネしたのは最後の一手だけで、そこにいたるまでの積みかさねを完全に抛棄してのケツ見せです。栄大のホケツに過程をスッ飛ばしすぎだといわれるのももっともです。
 ところでうえのシーンを見て『はじめの一歩』の鷹村が青木のよそ見をマネたシーンを思いだしたひとは俺のほかにもきっといるはずだ……


・『斉木楠雄のψ難』

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 『パイナップルARMY』……『YAWARA!』『20世紀少年』で知られる浦沢直樹氏の出世作で、アメリカ海兵隊あがりの主人公が戦闘インストラクターとしてさまざまな危険な仕事に関与するという漫画です。戦争映画や特殊部隊を描いた作品が好きな方には無条件でおすすめできます。基本的に一話完結であるうえに原作者がべつにいるので浦沢氏の悪癖の伏線ブン投げ最終回でないのもポイント高し。

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 『チョコレート・ディスコ』
 オレのこの能力の「スタンド名」だ。
 『チョコレート・ディスコ』
 ただのそれしか言わない。以上で終わりだ。それだけ。



・『オレゴラッソ』

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 ジャンプのサッカー漫画のジンクスには勝てなかったよ……
 というわけで全十二話での打切りです。はじめのうちはわりと期待していたけれどそのうちに読まなくなりました。たぶん無意識につまらんと思っていたのでしょう。
 ところで最終回の内容についてだけれど、これはひどい。タイトルは超スゴイゴールであるのに最後のページの見ひらきはフヌケたようなニヤケづらでした。ゴールきめろよ。こんなことなら先週号で七年後にキングクリムゾンされたところで終っててよかったよ。実際のところ今回はまるまる自由に描けたはずなのに、ここで作者渾身のド派手な活躍シーンを描いていたら読者に次回作への期待をつなげられたはずなのに、作者はせっかくのチャンスを自分からドブに投げすてました。おそらく読者がなにを漫画に期待しているのかがわからなかったのでしょう。
 馬上先生の次回作にはあんまり期待できないなあ。



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今週のジャンプ一コマレビュー 2017年12号 

・『ポロの留学記』

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 最強の力をもつ男が、戦いばかりの人生に嫌気がさし、平和で充実した生活を送るため、日本の学校にやってきた!
 『青春兵器ナンバーワン』の説明ではありません。今週号の新連載のことです。作者が自覚してのことかどうかは知らないけれどずいぶんとにかよった設定をもってきたものです。いまのところ『青春』は短期打切りを回避し、個性的なキャラを用意できているので、おなじ路線であらそっても勝ちめはうすいでしょう。しかしもしこれが作者の意向によるものではなく編集部の要請によるものだとしたら、おそるべきはジャンプ蠱毒……
 主人公は腐女子に媚びたようなショタ百面相が不快度MAXだったし、主人公が人間界でできた友だちは左門くんとこの九頭竜くんのクズっぷりを脱臭漂泊したスカみたいなキャラだったし、主人公に戦いをいどむポンコツコンビがどちらも上半身ハダカでこれまた腐女子票をあてこんだような見てくれをしていたし、読んでいて苦痛になるようなポイントも多かったけれど、見るべき点がなかったわけでもありません。主人公が魔界の王子として生れた運命をうけいれて一年後の登極までに人間界のよいところをノートに書いてゆこうとするところは前向きでよかったし、新人にしては絵がうまいほうだし、あと金未来杯の読切りみたいに男が女々しくポロポロ泣いて読者に感動の押売りをするようなところがなかったのが個人的に歓迎できました。あとはカラー扉絵の左のはしのヒロインらしき悪魔っ娘がどんなキャラかがこの漫画の生死をにぎることでしょう。


・『青春兵器ナンバーワン』

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 で、現時点では新連載の上位互換というべき漫画では主人公が体操着ドロボウをはたらいていました。すごーい! きみは体操着ドロが得意なフレンズなんだね!
 しかしもつべきものは友だちで、これは濡衣だと零一をかばうクラスメイトのおかげで糾弾会は棚上げとなり、真犯人をもとめてクラスの人気者トリオ+オマケが尽力するものの、調査をすすめればすすめるほど零一にとっては不利になるばかり。はたして体操着ドロの正体やいかに?

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「アレは零一様であって零一様でないもの……
 零一様が普段抑え込んでいる邪悪な意志……それがあり余る零一様のエネルギーを借りて実体化し、零一様と同じ姿となり一人歩きしたもの!
 邪悪な欲望の権化となったもう一人の零一様……
 “零一オルタナティブ”!!」

「結局犯人零一じゃねーか!!!!」


 やっぱりきみは体操着ドロが得意なフレンズなんだね!


・『U19』

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   /.:/:/.:.:.:.:.:.ii.:.:.://       ヽ、\.:.:ヽヾ、.:.:.:l.:.:li.:.:.l.:.l.:l
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  ';.:l|.:l:..:.l.:.:.:.ii、l:|   `  ̄         ` ̄   .l:|.:.:l.:l.:.l:|  うわぁ 気持ち悪い
  l.:l.:.:l.:.:l.:.:.:.iiト、ヽ                  ノ.'.:.l.:i.:.:/l
   l.:l.:.:l.:.l.:.:.:.ii ヽ         "        / l.:.:.l:/:/ i!
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  ' ' ヽ:、;.:.i.:.:.:iiヽ       / ̄ヽ      , '/:./:/
     ヽ;l\':.:.ii:::\      、_丿    /::/:.//'ヽ
      ヽ' l、.:.ii l li::`..、         ,. '/l:::::/:/'
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 幼なじみヒロインの眠れる才能がみとめられ、家族の助けにもなるからとランクの高い学校へうつるときめたのに、主人公は相手の家庭の幸せをかえりみることなく、ちいさなころの約束をもちだしてヒロインを底辺学校にひきとめようとし、いいかげん教師にあきれられて拳銃で撃たれました。イヤミな説明をすればこういう中身の第二話でした。
 いやまあ作者が主人公を是とし大人や教育者を否としたいのはわかりますよ。そういう雰囲気だけは漫画にも描かれていました。しかしほかはてんでダメ。現状この漫画の世界がデストピアというほど悪い社会とも思えず、またヒロインの転校が客観的にみてどれほど悲劇的なのかもわからないため、主人公が自分のことしか考えていないように見えてしかたがありません。しかもヒロインをひきとめる理由が子どものころに結婚の約束をしたというものなのだから恋愛脳にもほどがあります。これがちいさな女の子のいうことなら同情もできたのだけれど主人公は思春期のボウズなのだから救えません。女々しい。女の腐ったようなやつです。
 そもそもこういうばあい、ヒロインは主人公とはなれたくないから転校をしぶるけれど、主人公は顔で笑って心で泣いてヒロインをおくりだし、人目につかないところで落胆しているところ、ヒロインが実は○○○で×××(なんでもいいからとにかく悲惨なこと)になると教師どもが陰で話しているのを聞いてしまい、あわてて追いかけてヒロインを救いだそうとするところで撃たれる、というのが安直ながらもベターな展開ではないでしょうか。
 正直なところここまで作者がひとりよがりで読者への説明の手間をめんどうくさがるような漫画が長続きするとはとうてい思えません。だからせめて読んでて不快なクソ漫画ではなく『デモンズプラン』みたいに読んでて愉快なクソ漫画に昇格することを天に祈ります。


・『火ノ丸相撲』

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 チヒロと旧知の仲の栄大選手はチヒロに大いに嫌われていました。しかしそれも納得です。見るからに大ざっぱでデリカシーがなさそうでナチュラルに自分のことしか考えてなさそうなところがチヒロにそっくりなので。人それを同族嫌悪という。

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「相撲ってのは“大きく”“重く”なきゃいけねぇのさ。
 お前らも決勝でそれを痛感する事になるだろうよ」


       _,,;' '" '' ゛''" ゛' ';;,,
      (rヽ,;''"""''゛゛゛'';, ノr)
      ,;'゛ i _  、_ iヽ゛';,    お前それジュズマルドンのまえでも
      ,;'" ''| ヽ・〉 〈・ノ |゙゛ `';,    同じ事言えんの?
      ,;'' "|   ▼   |゙゛ `';,
      ,;''  ヽ_人_ /  ,;'_
     /シ、  ヽ⌒⌒ /   リ \
    |   "r,, `"'''゙´  ,,ミ゛   |
    |      リ、    ,リ    |
    |   i   ゛r、ノ,,r" i   _|
    |   `ー――----┴ ⌒´ )
    (ヽ  ______ ,, _´)
     (_⌒ ______ ,, ィ
      丁           |
       |           |



・『鬼滅の刃』

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 しのぶさんは今日も美しい。きっと明日も美しいぞ。それがこんなに顔を近づけているのだからそりゃ炭治郎も赤面します。年下の男の子の心をもてあそぶ魔性の女……

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 ところがどっこい炭治郎も負けてはいません。しのぶさんの心の奥底を的確についてきました。
 しのぶさんの笑みはつくりものでした。その笑顔を好きだといってくれた姉のために絶やさないでいるのです。その姉は鬼に殺され、しかし今わの際でなお鬼を哀れんでいました。しのぶさんは姉の遺志をつごうと決心したけれど、鬼への怒りと憎しみは体の奥深いところにつのるばかりです。
 鬼を救おうとする意志と、鬼を殺したいという感情がせめぎあい、いまのサイコパスみたいな……もとい形容しがたい性格になったわけです。例の姉鬼にモズグズさまみたいなことを言ったのも、相手が保身のために嘘をつく姿を見て内心ブチ切れていたんでしょうね。

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 ちびっこトリオのアドバイスにしたがって全集中の呼吸が長くできるようになり、そのかいあってカナヲとのおいかけっこや薬湯かけっこにも勝てるようになりました。漫画のなかでは二十五日経過しているけれど読者としては一話だけのことなのでレベルアップが早すぎないかとも思ったけれど、よくみたらカナヲは訓練中に汗ひとつかいていないので、なんだかんだで地力の差はまだまだあるのでしょう。このあたりはいいバランスです。

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 そして女の子らとキャッキャウフフする炭治郎を見て今さらながらにあせりだすヘタレと猪でした。つーかおまえら今の今までふて寝してたり遊びほうけていたりしたんかい。とはいえ伊之助は単純な男なので、あきらめるのも早いけど立ちなおるのも早く、陰でこっそり訓練していたけれど我流の悲しさで成果があがらず、そこへ炭治郎が急激に力をつけたのを見てケツに火がつく思いがした、という可能性も捨てきれません。
 いっぽう善逸は……善逸だからなあ。


・『歪のアマルガム』

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 俺にとってこの作品はアメンボみたいな漫画でした。『三ツ首コンドル』は序盤こそダメのダメダメなダメ漫画だったけれど、尻上りにおもしろさが加速してゆき、マイナスの底から急速に浮上していったところで打切られました。その急成長への期待度を加味して、新連載は天までかけあがってくれるかと思っていたのに、実際にはつまらなくもないけれどとりたてておもしろくもない平凡な漫画、ゼロの水面を浮ぶアメンボでしかなかったのです。
 ともあれ石山先生おつかれさまでした。うえではだいぶ酷評したけれど今作も『三ツ首コンドル』とおなじように終盤の展開は決して悪くはなかったので、最後のチャンスの三番目の連載では全四話のつもりで序盤に全力投球したらいかがでしょうか。正直なところだしおしみしていられる身分でもないでしょう。五話目からは泥縄式に話をひねりだせばいいんですよ。『北斗の拳』なんかなにもかも見切り発車ではじめてアトヅケにつぐアトヅケだったのにジャンプを代表する漫画のひとつにまでなったんですから。


・『デモンズプラン』

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 全十二話。絵に描いたようなクソ漫画でした。いや実際に絵に描いたクソ漫画なのですが。しかし『U19』のところにも書いたように読んでいて実に愉快でした。ページをめくるたびにワザとやってんじゃねえかと疑念がきざすほどにわかりやすいツッコミどころが出てくるのがすばらしかった。
 岡本先生これまでありがとうございました。最後に2chのスレの作品愛にみちたAAを貼って擱筆といたします。

通  んぁ…へへ…  ゾッ    カルーアミルクお願い        ――っっしゃあぁああ゛ぁ!!!
は     対戦車砲撃GH-3   んぁ…へへ…          頭にウジでもわいてるの?    んぁ…
塩  んぁ?   キライを通り越してヘドが出そう      ダ    へへっおっぱいっ        へへ…  
  塩最高   きったね――分別分別っ           ダ   深淵を覗く者はまた――…と申しますでしょう
  そこのあんた情報屋か!?  夢みる時間は終わり   ダ        本当に…   バリ堅のカサブタみたいな
 ええそうよ私が情報屋  くそお世話になりました!!!  ダ    パ   悪魔になんかなりてぇのかよ
  いい一品     さっきはすまねぇ               ダ   ァ    872÷4=184     ジャコン
   おっと言いすぎましたか?       ヌ  _∠フ-、_       ト  性だね♪   やめろぉぉオオ゛オおおお
  最終的にたどり着くのは塩         ォ `ー‐、`ー(_∧        ロ    んぁ…へへ…   万死以外あるか!!
 パトロンジョーク  . _ r 、    ペ      ッ (二′ ヽ 丶       ォ   くわっ    ありえねぇんだよ
「欲」から「慾」に    Lハ_l-r、  ラ           ̄\  \     ン      おれが守ってやる   ムキー
   普通は塩     (_)   У   _,. / ̄ ̄ ̄\-─-─| ヽ ヽ    なんだこの落ちついた目は――…
  シンプルに塩   () ┬'´\/二 /. \    / \  ー l  ー }     こいつ自分の状況が分かってんのか!?
  やばいわね…     {    ./  <●>  <●> \-、>-‐ '       簡単に殺してもらえると思うなよ
  俺は現実主義だ    \ ,. -|    (__人__)    |_       御託はいらねぇかかってこい!!!
俺ら結構顔広いぜ    ペ /   \    `ー´    /  \ ペ  おおおおおお!!  オオオオオ!!
  ダッハハハハ     ラ/ 、__\_>-、   _   .-‐- 、 l ラ   ほらはやく復唱しなさい  んぁ…へへ…
最高のジョークですね   ヽ        ) r'´ `ー' -一' Y    馬鹿が夢見た金で喰う飯が儂は一番好きだからの
   わりぃ忘れてた      `ー‐- 、_ノ‐┤     __ノ        お礼がしたいので家にいらしてください
  C-ってとこかな                `ー-/ ̄ ̄          おいしかとすんなよ
            おれたちにもぜってぇハッピーエンドがやってくる




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