保険 アリコ Moon of Samurai Kanon

『Kanon』第24話「夢の果ての追復曲~kanon~」 

 雪は止み、桜は芽吹く。長かった冬が終わりを告げ、春の訪れを感じさせる朝でした。ありし日のように目覚まし時計の大合唱の中で眠る名雪を揺り起こし、祐一たちは食卓に向かいます。
 そこには二人が失うことを何よりも恐れ、一縷の望みを捨てきれずに回復を望んでいた大切な人が。

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 秋子さんは幸い事故の後遺症もなく、担当医の言によればあまりに回復が早いものだからまるで奇跡なのだそうで。何にせよ、祐一と名雪の喜びはきっと筆舌に尽くしがたいものがあったことでしょう。
 休み時間、香里の勧めに従って校庭を訪れた祐一を、またもや奇跡が待っていました。

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 不治の病に侵されていたはずの栞は、祐一の胸で泣きじゃくります。本当は死にたくなかったと。お別れなんて嫌ですと。そして、一人ぼっちは嫌ですと。祐一は栞を優しく抱きしめ、彼女の積もりに積もっていた激情をその胸に受け止めてやるのでした。
 そして昼休み、ダメ押しとばかりに三段目の奇跡が祐一を待っていました。

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 命に別状こそなかったものの、二人の退院まではかなりの時間が掛かると思われていました。そんな疑問を佐祐理さんが晴らしてくれます。

「お医者様もビックリなさってましたー。こんなに治りが早いのは奇跡だって」

 ここまで視聴した感想をベジータ星の王子様に代弁してもらいましょう。

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 幸福な結末を立て続けに並べることで大きなカタルシス効果を狙ったものかも知れませんが、数分の間に三回も非現実的な“めでたしめでたし”を見せ付けられては奇跡が安っぽいものに感じられて仕方がありません。原作でも奇跡の乱発についてはプレイヤーの眉を顰めさせていたのですが、あちらはオムニバス形式なので他のヒロインの奇跡とは時間的な断絶があったおかげでそれほど興醒めせずに済んだのですが、アニメでは当然のことながら分岐なし。まさに「起きるから陳腐って言うんですよ」状態です。
 が、京アニもさるもの。一本道ルートの欠点を甘受するに留まりはせず、一本道ルートだからこそ演出できるオリジナルの展開を見せてくれました。
 放課後、パッヘルベルのカノンが流れる百花屋で祐一は秋子さんと、あゆの過去について語り合います。祐一が思い出した記憶はおおむね正しいものでしたが、ただ一つだけ思い違いがありました。祐一はあゆがもうこの世にはもういないものとばかり信じ込んでいたのですが。

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「それは違うわ。祐一さん、誤解してる。だって、樹から落ちた女の子は、亡くなったわけじゃなくて……」

 息せき切って駆けつけた病室のベッドには、あの天使人形を大事そうに手にした女の子がいました。その胸はゆるやかに、しかししっかりと上下しています。祐一はベッドに近寄り、感極まってくずおれるのでした。

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 春。旅立ちと出会いの季節。祐一は卒業式を終えた舞と佐祐理さんに花束を贈ります。

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 佐祐理さんの二次会の誘いを断って祐一が足を運んだのは、あゆの病室でした。七年間も眠り続け、その容態はいまだ回復する兆候すら見せない絶望的なものでしたが、それでも祐一たちはあゆから遠ざかることはありませんでした。

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 梅雨の日も、夏の日も。祐一たちはあゆのためにマッサージをし、床擦れが起きないようにクッションをおき、髪を洗い、散髪し。誰もが嫌気も見せず、あゆのために介護を行ってくれました。しかし、そんないつ果てるとも知れない日々もついには終わりを迎えようとしていました。
 祐一がこの街に来てから二度目の冬が訪れつつあったある日、舞は病室で祐一に語りかけます。

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「祐一。きっとこの子は、今でも待ち続けてる。祐一を。
 迎えに行ってあげて。私のときのように」


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「迎えに……」

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「そう。祐一にしかできない。
 約束を果たせるのは、約束をした、その人だけだから」


 舞に後押しされる形で祐一が辿りついた場所は、やはりあの大樹の切り株でした。そこで祐一が見つけ出したものは……。

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 それは七年前、あゆにプレゼントするはずのカチューシャでした。しかし現実にはあゆには手渡されてはいなかったのです。
 確かに今まで見てきた、心を通わせあったあゆは夢の産物でした。しかしそれは病室から動くことのないあゆではなく、あゆにカチューシャを贈ったはずだと思い込んでいた祐一が見ていた夢だったのです。

(俺は現実より、幻を選んだ。悲しい現実を心の奥に押し込めて、安らいでいることのできる幻を受け入れた。
 弱い心が潰れないように。思い出を、傷つけないために)


 しかし、それでも。
 あゆは七年間、ずっと祐一を待ち続けているのです。
 そしてついに、待ち人は着ました。

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「遅いよ、祐一君」

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「悪い。今度は、本当に遅かったよな」


 それは子供の頃のあゆと祐一でした。しかし祐一はコートを羽織っています。それは七年前には持ち得なかった強い心の現われです。七年前の祐一は弱く、脆く、悲しい現実に立ち向かうだけの力を持ち合わせていませんでした。しかし、七年を経てようやく現実を受け入れるだけの心の強さを手に入れたのです。
 そして今度こそカチューシャを手渡して。

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「さあ。行こう」

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「うん」


 そして二度目の春を迎え、二人は現実の世界で手を携えながら歩いていくのでした。

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 総評としては、ほぼ文句のつけようのない出来だったといえるでしょう。もともとADVだった作品をアニメに描き起こす作業の結果、どうしても不満な点が出てしまったことは認めます。しかしそれを除けばおよそ望みうる限りの、あるいは望んだ以上の結果を出してくれた高品質の作品だったと言えるでしょう。各所のレビューサイトを覗いてみるとさすがにゲームを未プレイの方にとっては意味不明な点が目立つようですが、原作だってだいたいこんなものです。むしろアニメ版では説明の足りない部分をかなり補足していたと言えます。
 文句があると言えば一つだけ。

 結局はあゆENDなのかよ! チクショウ! 第23話で「あるいは待ちに待った名雪ENDを迎えるのか!?」とかすかに期待したのにやっぱりぬか喜びに終わったよ! チクショウ! チクショウ!! なぜ現実はこんなに生き辛いんだよ! チクショウ! チクショウ!! チクショウ!!!



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『Kanon』第23話「茜色の終曲~finale~」 

 吹雪の中、力尽きて倒れる祐一。幸いにも自動車が通りかかってくれたおかげで祐一は行き倒れにならずに済みました。薄れゆく意識の中で祐一の目に映ったのは、かつて自分を憎み慕った狐の子供。祐一から聞いた女性の名前で自分を呼んだ沢渡真琴でした。

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 祐一が覚醒した場所は、見知らぬ部屋でした。シックで落ち着いたアパートの一室。そこで祐一は思いがけない人物と再会します。

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 沢渡真琴。雪道に倒れた祐一を解放してくれたのは、七年前に彼が憧れていた女性でした。
 一方、水瀬家には名雪の親友の香里が来訪しました。祐一に後事を託された北川が、自分では手に負えない事態と知って彼女に助けを求めたのです。

 香里も祐一と同じように名雪に部屋にも入れてもらえずに拒絶されてしまいます。しかし香里はドア越しに淡々と、しかし心からの誠意をもって名雪を諭します。香里もまた、名雪と同じように肉親を永遠に失うかもしれない恐怖と戦っているのです。そしてかつて、名雪と同じように恐怖に屈して現実から目を背けていました。

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「あなたには、私と同じ間違いをしてほしくない。心を閉ざして、悲しみに浸って、周りの人をもっと苦しめるようなことはしてほしくない。
 ……相沢君も、栞のことでずいぶん悩んで苦しんでくれた。彼に心配かけちゃダメよ。
 しっかりしなきゃね。お互い」


 名雪は今、失意と自棄と自己嫌悪が胸のうちで渦巻いています。そんな彼女に届く声があるとしたら、同じ辛酸を嘗めた人のものだけなのかも知れません。しかし最後に立ち上がるには周囲が手助けをすることはできません。全ては当事者の、名雪の心の強さ一つに掛かっているのです。

 そしてまた、祐一も苦しみと悲しみを抱えていました。自分には何の力もなく、誰にも何もしてやれず、できることはただ傍観するだけ。少女たちは自分を慕って待ってくれていたのに、自分だけ辛い思い出に蓋をして、目を背けて、何もかも忘れて。
 悲しみに浸る祐一を、真琴さんは嫌な顔一つせずにやさしく受け止めてくれます。年上としての包容力に溢れた言葉で祐一を慰め、そして最後に一つの救いのように付け加えます。

「もし、誰かと約束をしたなら、ちゃんと守ってあげなくちゃね」

 翌朝、目を覚ました祐一はあゆとの約束を果たすべく、再び二人だけの学校に向かいます。積雪を踏み越えて進む祐一の脳裏には、これまでのあゆとのかけがえのない思い出が浮かんでは消えていきます。
 終着点で祐一を出迎えたのは、やはり物言わぬ切り株でした。背もたれにして祐一は軽い眠りにつきます。そこで祐一は夢を見ました。あゆが自分たちの家族になり、名雪はいつものように寝ぼけ眼で食卓につき、秋子さんは元気にキッチンで朝ご飯の用意をしています。あゆは祐一に、今度クッキーを焼いてあげると約束します。当然のように得られるはずだった、どうということのない未来。今では永遠に失われてしまった、どれだけ手を伸ばしても取り戻すことのできない未来。
 幸福な夢は終わりを告げ、祐一は現実に戻ります。目覚めの時刻は黄昏時。黄昏とは誰そ彼。顔の見分けがつけ難い、光と闇が混交した逢魔が時。現実と幻想を渾然一体にする夕焼けを背に、祐一はすでに存在そのものが曖昧になってしまった少女と再会するのでした。しかしあゆにはもう時間がありません。

「今日は、お別れを言いに来たんだよ」

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「俺は、忘れ物を届けに来たんだ」


 かつて祐一があゆにプレゼントした天使人形。祐一が可能な限り、三つまでなら何でも願いを叶えてくれる魔法の人形。そして願い事はあと一つ残っていました。
 あゆはあえて明るく、しかしすぐに笑顔を崩して最後のお願いを告げます。

「祐一君。ボクのこと……」

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「ボクのこと、忘れてください」

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「ボクなんて、最初からいなかったんだって、そう……思ってください……」

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「ボクのこと……忘れて……」


 祐一はそんな願い事を聞こうとはしません。聞くわけにはいきません。あゆを抱きしめ、願い事を拒絶し、別のお願いをするように言います。あゆは新しいお願いを口にしますが、祐一には聞こえません。終末が近づいていることを悟り、祐一はあゆを強く抱きしめます。そして。

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 あゆを失い、思い出のベンチに座り込む祐一。彼を迎えたのは、やはり同じベンチを思い出の場所にしている少女でした。

「祐一……探したよ」
「ああ。……心配かけたな」
「それはこっちの言うことだよ」


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 名雪は悲しみに打ち勝ちました。香里の言葉を糧に、秋子さんの容態についての連絡を待たず、名雪は自分の力で克服したのです。かつて祐一が何度も親しい少女たちとの別離を味わいながら、それでも悲しみに耐えたように。

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「祐一。私、強くなるよ」

 そして名雪は、今また祐一が悲しみに耐えていることを悟って彼を抱きしめます。

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「がんばろっ、祐一。約束、だよっ」

 それは、一つの宣言でした。祐一と手を携え、お互いが悲しみに押し潰されず、しかしお互いが相手を支えあって歩んで行こうという宣言でした。

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「ふぁいと、だよっ。祐一!」
「ああ……。ふぁいと、だ」
「うんっ」



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『Kanon』第22話「追想の交響楽~symphony~」 

 祐一たちは秋子さんが運ばれた病院へと向かいます。逸る気持ちとは裏腹に、渋滞のせいでスピードが出ません。そのために祐一と名雪、そして視聴者は事故現場の惨状を嫌でも見せ付けられてしまうのでした。

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 秋子さんは即死を免れましたが、それでも意識不明の重態に陥ってしまいました。祐一と名雪は陽が没し、夜が明けるまで病院の一室で待機しましたが、秋子さんの容態は好転しません。翌朝、ひとまず二人は主のいない水瀬家に帰宅することに。

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 いつも明るさを失わなかった名雪。あゆが姿を消して失意に沈む祐一をどうにか励まそうとしていた名雪。幼い頃に祐一に深く傷つけられながらなお彼を好きでいることを止めなかった名雪。それが、彼女をずっと支え続けてくれていた母親が、自分が原因で永遠に失ってしまうと知ったとき。名雪は笑うことを止めました。
 食事を摂ろうともせず、自分の部屋に鍵を掛けて引き篭もってしまった名雪を祐一は心配しますが、だからといって彼女の心を癒すことはできません。名雪に朝食をちゃんと食べるように言い含めて一人登校します。
 祐一が下校しようとすると、北川が駆け寄ってきて彼なりに元気付けてくれました。

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「頑張れ。俺にできることなら、なんでもするから」

 だったら悪いが一刻も早く俺の視界から消えてくれ。生粋のギャグキャラが画面に映っていたんじゃ場の雰囲気が台無しだ。好意だけ受け取っておく。
 淡々と、淡々と時間は過ぎていきます。秋子さんの容態は変わらず、名雪が自分を責め続けるのも変わらず。しかし学校の雪うさぎは次第に崩れていきます。そんなある夜、祐一は名雪の部屋の鍵が掛けられていないことを知ります。一声かけてから部屋に入る祐一。そこには灯りもつけず、片隅で膝を抱えて俯いている名雪の姿が……。
 祐一に返ってきたのは、一言の拒絶。

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「祐一。出てって」

 しかし、鍵は開いていたのです。最初からずっと一人でいるつもりならずっと閉めたままのはずです。口でこそ拒絶していますが、それでも名雪は心の底では祐一を頼りにし、彼に救いを求めている。そう考えても許されるのではないでしょうか。
 しかし、それでも名雪の心は容易く氷解できはしませんでした。

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「私、ひとりぼっちだね」
「ひとりぼっちなんかじゃないだろ。
 学校には友達がたくさんいるじゃないか。香里も、北川も。陸上部の連中もいる。
 ……俺だっている」

「祐一が?」
「ああ。俺がそばにいるだろ」
「七年間、私のこと忘れてたのに?」

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「っ……」

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「うそつき……」


 絶望に満たされ、血を吐くように紡ぎ出した一言。
 父親の顔を知らず、それでも名雪が幸福に過ごせたのは秋子さん一人のおかげでした。心を寄せている祐一は七年間、自分のことを忘れたまま。何度も何度も手紙を書いたのに、返事は一通も名雪の元には送られて来ませんでした。そして再会した後、祐一の心に棲んでいるのは自分ではないことを知ってしまいます。祐一が名雪に与えてくれるものは、名雪が祐一に求めているものとは違うのです。

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「私、もう笑えないよ……
 笑えなくなっちゃったよ……」


 そして、祐一は
 なおリンク先に飛んだらこれまでの雰囲気が最悪の意味でブチ壊しにされるのでご注意を。ある意味精神的ブラクラ。
 ともあれ、祐一は名雪を慰めることはできませんでした。今の名雪が苦しんでいる部分のいくらかは、かつての祐一の責任によるものです。祐一は自室のベッドで仰向けになりながら過去に思いを馳せます。自分はまだ何か忘れているのではないか……。忘れていた過去。それは忘れていたかった過去。辛く、悲しく、苦痛に苛まれる過去。しかし祐一はついに心の奥底に仕舞い込まれていた最悪の記憶を掘り起こしてしまいます。

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 最愛の人を失う――
 その辛さを名雪は数日前に知りました。しかし、祐一は七年前に知っていたのです。
 目を覚まし、あゆのカバンと天使人形を抱えて祐一は水瀬家を飛び出します。悲しみに沈む名雪を、二人を心配して来てくれた北川に託して。祐一を責めることはできません。しかし名雪が自分をひとりぼっちだと言ったのは、最も残酷な意味で的中してしまいました。
 祐一の行く先はあゆと過ごした巨木の切り株。そこで祐一はあゆの名前を絶叫します。しかし、返ってくるのは吹雪の音だけ。力尽きて意識が朦朧としてきた祐一に寄り添ったのは。

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 それは、幻か。それとも奇跡の残り香か。


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『Kanon』第21話「君のいない輪舞曲~ronde~」 

 視聴者に多くの疑問を残したまま、あゆは姿を消しました。すわ、ついに最後の名雪ルートに突入か!? ……という脊髄反射的短絡思考を周回遅れで引き離し、名雪とあゆを同時進行する流れになりました。しかもこれがまた自然で原作の不整合や説明不足を補う見事な仕上がり。名雪一人がメインというわけではないものの、世のナユキストをことごとく唸らせられるだけのクオリティでした。毎度毎度で恐縮ですが、やはり京アニ恐るべし。

 アバンは祐一とあゆの七年前の思い出でした。あゆは祐一にもらった天使人形に二つ目のお願いを掛けます。

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「今日だけ一緒に、学校に通いたい。
 この場所を二人だけの学校にして、一緒にお勉強をして、給食を食べて、一緒にお掃除をして……そして祐一君と一緒に帰りたい」


 校則も制服も指定されず、宿題もテストも出されず、休日も登下校の時間も気分しだい。いかにも子供らしい、幼心には夢のような学校でした。しかし、その願いは七年後に叶えられました。あゆ一人だけに叶えられた、客観性を伴わない、本当の夢の学校として。そしてあゆ自身もまた、学校の授業で語られたシュレディンガーの猫のように、姿を消してしまった現在では箱の中の猫と同じように、この世に存在しているのかどうかさえ確かめる手段は残されていないのでした。
 あゆについての連絡手段を一切持たない祐一は食も細り、名雪に心配されてしまいます。真琴を失い、舞の死を危うく目撃しかけ、栞の病気に何もしてやれなかった苦い過去を背負っていますが、それでも本当に好きな女の子がいなくなってしまったのはさすがに堪えたようです。
 そして名雪は祐一のあゆへの想いの深さを知るのでした。

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「祐一……あゆちゃんが本当に好きなんだね……」

 それを名雪に言わせるか祐一!?
 いやね、もうね、とりあえず祐一は一度くらい名雪の悲しみとナユキストの憎悪を噛み締めながら冥府に旅立ったほうがいいと思うよ。
どうせリセット技で何事もなかったかのように生還できるのだから十年でも百年でも一億光年でも黄泉の国で冷たいメシ食ってろ。
 光年は時間の単位じゃねーよという至極真っ当なツッコミはさておき、祐一は下校してからもあゆの姿を捜し求め、最後にいつも待ち合わせ場所にしていたベンチを訪れます。そこへ名雪が通りかかります。祐一にとってこのベンチはあゆとの過去が詰まった場所なのですが、名雪にとっては別の意味を持つ場所なのでした。
 泣きじゃくる少年時代の祐一を思い出して名雪は愁い顔になりますが、それでも百花屋に祐一を誘って元気付けます。その手段がイチゴサンデーというのはいささかどうかと思わなくもないのですが、ここは素直に名雪の好意を受け取っておくべし。
 帰宅してからも名雪は秋子さんに祐一のことを励ますように言います。

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「私たちは家族なんだから。支えあっていかないとね」

 祐一とはもう家族という関係では満足できないほどの想いを名雪は秘めています。しかしそれでも母親の勧めに力なくうなずき、そして空元気で笑顔を浮かべるのでした。

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 すいません神様、名雪はなぜここまで健気なんでしょうか?
 それと神様、名雪はなぜここまで不幸なんでしょうか?

 しかし名雪が祐一と結ばれてしまうと健気シーンが軒並み消滅してしまうというアンビバレンツ。名雪の健気と不幸とはあざなえる縄のごとく絡み合うことによって彼女の魅力を相乗的に増加させているのです。おかげで我々視聴者もあざなえる縄のごとく身体をよじり切って悶絶する始末。
 ともあれ名雪は祐一を元気付けるために明るく振る舞い、一緒に宿題をしようと自分の部屋に誘うのでした。なんて大胆な……。もっとも名雪は人生の三分の二を睡眠に費やす女の子です。四年に一度、オリンピックに目を覚ます日暮熟睡子の異名は伊達じゃない! 伊達にしてしまえ。
 そういうわけで名雪はものの三十分でおねむーモードに移行してしまいました。

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 そうです。名雪は意外と大きいのです。ちなみにちょっと揺れます。
 そんな祐一限定の無防備宣言を行った名雪ですが、このアニメは全年齢対象版なので祐一は毛布を掛けただけで名雪の部屋を後にし、眠りに就くのでした。しかも夢に見たのは幼女あゆあゆ。はい、これで祐一は紛れも無い純粋なロリコンであることが証明されました。

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 回想シーン夢気分において、ロリあゆは暗い夜道にガラスの空き瓶を拾います。彼女はそれをタイムカプセルに見立てて祐一と一緒に天使人形を道端に埋め始めます。最後の三つ目のお願いは自分ではなく誰かのために贈りたい、その思いがあゆに天使人形を手放させたのです。
 翌日、祐一と一緒に登校した名雪は学校で崩れた雪うさぎを目にします。思い出すのは過去に自分が作り、同じように崩された雪うさぎ。

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 放っておけない名雪は雪うさぎを修復し、どこかに失せてしまった片目の代わりに祐一から贈られた赤いビー玉を使用するのでした。そして名雪はそばの祐一に、「雪うさぎ見てると、何か思い出さない……?」とか細い声で訊ねます。天然ジゴロの祐一の脳裏には、舞がかつて母親のためにたくさんの雪うさぎをこしらえたことしか記憶にありませんでした。自分にとって都合の悪いことは削除削除削除。理想の新世界(祐一個人所有のハーレム)を建設するための必要な犠牲です。
 放課後、祐一は名雪と北川を連れてあゆの探し物を求め、道端を掘り返していきます。

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 転校して間が無いとはいえ、男友達が北川しかいないのは祐一の交友範囲の狭さを物語っています。女の尻ばかり追い掛け回しているからここにきてツケが回ってきたんだよザマー見さらせ! しかしそのしわ寄せに名雪が苦労するのは不条理を感じます。ついでに北川も。昨今のギャルゲーにおける男友達ってなぜここまで“いいひと”なんでしょうか。
 そんなこんなで北川がようやくあゆの探していたものを掘り当てます。

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 赫奕たる勲功である。よってここにダイヤモンド付き柏葉勲章を授与する。俺の脳内限定で。
 帰宅後、名雪は天使人形を修繕。まったく、いい嫁さんになるよ。しかしこれがかつて自分のなけなしの千円札を祐一にかすめ取られた末にあゆあゆに貢がれた証拠の品だということに気づいていないのは、名雪にとって幸福なのか不幸なのか。
 翌朝、祐一は名雪に起こされてしまいます。天変地異の前触れか!? あ、全くもって関係の無い話ですが、KanonのPC版が発売されたのは1999年7の月を一月後に控えた時期でしたよね。だから本当に関係の無い話ですって。
 ともあれ名雪は朝の食卓で秋子さんがイチゴのケーキを買ってくる約束を交わし、祐一と登校します。そして授業中に祐一の網膜に名雪に関する過去がフラッシュバックするのでした。

 七年前――。思い出のベンチで祐一は泣きじゃくっていました。そこに至るまでの経緯は一切がいまだに語られていませんが、少なくとも幼い少年にとって替え難い何かを喪失してしまったのでしょう。
 そんな祐一の下へ、まだお下げ髪だったころの名雪が近づいてきます。二人の過去を思い出すきっかけになった雪うさぎを手にして。

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 冬休みが終わり、祐一はもう実家に帰らなくてはいけません。そんな彼に名雪は雪うさぎと一緒に、せいいっぱいの勇気を出して自分の想いを告げるのでした。

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「私、ずうっと言えなかったけど……祐一のこと、ずうっと……好きだったよ」

 しかし二人はお互いに幼すぎました。仕方の無いこととはいえ、自分のことしか考える余裕がなかったのです。祐一が悲しみに沈んでいることを理解できなかった名雪は無造作に彼の顔を覗き込み、ついに祐一を爆発させてしまいます。

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 ついに繋がった名雪の過去。しかしその件を告げる暇もなく、悪夢よりも性質の悪い現実が名雪を襲うのでした。

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「二人とも、落ち着いて聞くんだ」

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「水瀬……お前のお母さんが」

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「お前のお母さんが交通事故にあって、救急車で運ばれたそうだ」


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『Kanon』第20話「別れの夜想曲~nocturn~」 

 祐一とあゆは前回のラストをキスで終えました。公衆の面前だというのに、なんてハレンチなんざましょ!
 ルース・ベネディクト曰く、日本文化は恥の文化。外にあっては感情をさらけ出すことなく内に秘めておくのが礼節なのです。というわけで一週間も経過したので二人もそろそろ我に返るころでしょう。
 再生ボタンをポチッとな。

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 まだやってました。一週間ぶっ通しでお互いがふごーふごーと噴き出す鼻息を感じ続けていたわけです。それなんてMプレイ? 七年越しの恋もパツイチで冷めるねこりゃ。

「俺はあゆのことが好きだ!
 あゆは俺のことが好きか?」


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「ボクも……ボクも祐一君のこと、ずっとずっと好きだったよ!」

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「祐一君がボクのこと好きでいてくれるのなら、ボクはずっと祐一君のことを好きでいられるんだと思う!」


 冷めるどころか天井知らずにヒートアップしてやがります。
ワムウもびっくりのタフな精神力です。脳ミソがクソになってるのか?
 水瀬家に帰宅する二人。ちょっと視線が合うと夕方の一件を思い出してしまって露骨に目を逸らしてしまいます。赤の他人でも二人の間に何事かがあったことは明白です。まして七年前からずっと想い続けていた少女であれば……。

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 愁い顔のなゆなゆ。それでも自分の思いはおくびにも出さず、気丈にも普段どおりに二人に対応します。そんな優しさは母親譲りなのでしょうか、秋子さんは名雪の表情から祐一とあゆにさりげなく場を外すように振ります。あゆはあゆで祐一のことで名雪に遠慮を感じているのか、自分も夕食を手伝おうと言い出しますがあゆが介入しないのが何よりの手伝いなので断ります。名雪とあゆの間に微妙な雰囲気が醸し出されるのですが祐一だけが場の空気を読めていません。これくらい鈍感じゃないと恋愛ゲームの主人公は務まらないという自負ですか?
 ともあれ祐一とあゆが去った後、秋子さんは愛娘を思いやって優しく語りかけるのでした。

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①「フられたわね」
②「やっぱり時代はロリなのかしら」
③「一人身の私を差し置いて男を作ろうとしたバチが当たったのよ」


 お好きな数字をお選びください。全部ハズレですが。
 さて風呂場ではあゆが例によってテロップを絶対防護壁としてブロックされていました。幼児体系なのでそれほど悔しくもない、と自分で自分を騙しながら見ることにしていたのですが。

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 えーと、あゆあゆはどこにいるんでしょうか? それとこちらの色っぽい女性はどなたでつか?

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 だからホントに誰? 女は恋をすると化けるというのは真実だったのか。ま、我に返って赤面してからはいつも通りのあゆあゆだったんですけどね。
 そして翌日の放課後、二人のバカップル振りがモニターに炸裂する!

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 公共の敵であることはすでに衆目の一致するところなので新世界の神は速やかにデスノートに相沢祐一のフルネームを書いてください。そんなこんなで二人は明日の放課後、あゆの学校を見物することを約束します。
 しかし穏やかな雰囲気がただようAパートは終わりを告げ、不吉なサブタイトルを示す後半が始まってしまいます。祐一は珍しく秋子さんと連れ立って登校するのですが、赤信号を待っている間に彼女から七年前の出来事を教えられます。

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「樹が一本、伐られただけで……」

 夕方、いつものようにバカップルどもはデートの待ち合わせ。しかし二人の間には得体の知れない不安が際限もなく膨らんでいきます。あゆは今の幸せが全て夢ではないかという疑いが内部にわだかまって振り払えないでいます。祐一はあゆの不安をあえて冗談で流し、今は七年前とは違うのだと元気付けるのでした。
 昨日の約束どおり、二人はあゆの学校を目指します。商店街を越え、向かう先は森の中。しかしその道のりは不自然なまでに不便なものでした。祐一は少し疑問を抱くのですが、あゆの胸中はそんな生易しいものではありません。自分は確かに毎日登校しているはずなのに、今日の学校での出来事も鮮明に覚えているはずなのに、胸中にせり上がってくる不安は止めようがありません。
 それでも乱立する木々を抜け、ようやく目的地に到着しました。到着したはずでした。

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 二人を迎えたのは、一つの切り株でした。登校時、秋子さんに教えられた七年前の樹の成れの果て。自分の記憶を再確認するためにあゆは背中のカバンを開けて勉強道具を探すのですが、そこには何一つ収められていませんでした。そしてあゆは今まで目を背け続けていた何かに気付いてしまったかのように探し物を求め、踵を返して走り出します。
 祐一がどうにか探し出したあゆは、何かに憑かれたように素手で地面を掘り返していました。あゆは明らかに正常な判断力を失っているのですが、それでも祐一は彼女のためにコートを着せ掛け、正体すら忘れてしまった何かを二人で探し始めるのでした。
 とっくに陽は暮れ、今日のところは切り上げて明日また探そうと祐一は提案します。しかしあゆに明日が必ず訪れるわけではなかったのでした。一体あゆに何が起こっているのか理解できない祐一は、彼女の別れの言葉に振り返ります。

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 そこに認められたのは、力なく道端に落ちている自分のコートだけでした。


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