保険 アリコ Moon of Samurai 反日プロパガンダアニメ

ポパイ・ザ・セイラー(水兵) 

 缶詰に入ったホウレン草を食べてパワーアップ、敵役のブルートを殴り飛ばして恋人のオリーブを救出するアメリカンコミック・ヒーロー、ポパイ。彼は戦前生まれなので最近の子供が知っているかどうかは不明ですが、昔はよく再放送されていました。野菜嫌いのチビっ子たちにホウレン草を食べさせるため、ママさんたちに重宝されたものです。ちなみにこのアニメに登場した犬モドキの生物、ジープはアメリカが第二次世界大戦中に開発した四輪駆動車の名前に採用された、という説があったりします。

 さてタイトルにもあるようにポパイはセイラー、つまり水兵です。Sailorには他に船員という意味もあるしポパイも作品によってはそちらの場合もありますが、とにかく水兵として登場したときもあるわけです。そんなわけで自由と正義と星条旗のため、彼は悪辣なるファシズムと戦った過去があります。敵の名前はミスター・ジャップ
 まったく無条件降伏モノのネーミングセンスです。『ピンクダークの少年』が出版されないはずです。「アメリカ人はセンスがダサイからな。ぼくの作品は理解できないんでしょうね……」岸辺露伴にボロクソにけなされるのも全く当然と言えるでしょう。
 なお作品名は『You’re a sap,Mr.Jap』。“間抜けなジャップ”では内容がパツイチで想像できてしまいます。

 アニメはポパイが哨戒艇(?)の舳先に陣取って海上を双眼鏡で監視する場面から始まります。「You’re a sap,sap,sap,Mr.Jap」と、パイプをくゆらせているわりにはいやに器用に歌い、やがてミスター・ジャップの漁船を発見します。
 本邦初公開! 初のはずがねーだろというツッコミは聞こえない! これが卑劣なる全体主義者、ミスター・ジャップの姿だ!!

popeye_01

 はいそこ、支那服を着た支那人にしか見えねーよなどともっともすぎる感想を漏らさないように。WASPにはイエローモンキーの区別なんてつかないのです。……いかん、まるでギャグになっていない。
 さておき接舷したポパイはミスタージャップ……いちいち腹が立つのでJと呼ぶことにします。Jに和平条約を締結するように薦められます。ポパイは良識あるアメリカ人なのでもちろん平和は望むところです。や、笑うところじゃなくて。
 とにかく条約に署名しようとポパイはJに尻を向け、ハンマーで殴られて靴にダイナマイトを仕込まれて下駄で踏みつけられて贈呈された花束のロブスターに鼻を挟まれかけます。真珠湾攻撃に絡めた騙まし討ちとすぐに解ります。「アメリカは真珠湾攻撃を事前に察知していた」という見解は「ブッシュは911テロを事前に察知していた」というトンデモ陰謀論の十倍程度の可能性しかありませんが、少なくとも「リメンバー・パールハーバー」をスローガンに日本の宣戦布告の遅れを最大限に利用したのは事実のようです。
 そんなこんなでポパイはようやくJの正体を理解し、ロブスター入りの花束を突き返します。

popeye_02

 冗談のような吊り目。ニダー<`Д´r >にしか見えません。まさしくアーモンド・アイ。アンクル・サムには日本と大陸と半島の区別なんてつかないのです。いやこれやったか。
 Jはラッパを吹き、なぜか大陸風のドラが打ち鳴らされます。漁船は海上に浮かぶ氷山の一角であり、その正体は敵国の戦艦だったのです。ポパイは命からがら脱出し、海中でホウレン草を食べてパワーアップ。八面六臂の活躍でJの集団を追い詰めていきます。ここらへんのアクションシーンは普通に面白いです。
 ポパイは甲板の敵を一掃し、柱に寄りかかると途端に戦艦が崩壊。ポパイが手に取ったのは“MADE IN JAPAN”と書かれた板切れ。

popeye_03

 今では想像もつかないことですが、高度経済成長時代あたりまで日本製品といえば“安かろう悪かろう”という出来でした。ちょっと前の韓国や現在の中国と同じように、安い労働力による薄利多売方式で稼いでいたからです。しかし今やメイドインジャパンは高品質の代名詞。逆にかつては世界を支えていたアメリカの製造業はガタガタ。ポパイが六十年後にタイムスリップしたらどんな顔をすることやら。
 それはそれとして、最後に戦艦に残ったJはガソリンと爆竹を飲み込みますが、やっぱり質が悪いので自決に失敗。ポパイはJの口の中に火のついたマッチを放り込み、自分の船で逃亡します。充分に距離をとってから覗いた双眼鏡のレンズに、真っ二つに折れて沈む戦艦と日章旗が映ってTHE END

 あ、こちらもYouTubeでアップされているので紹介。英語が解らなくてもそれなりに楽しめます。




ドナルドダックはハーケンクロイツの夢を見るか? 

 ドナルドダック。ウォルト・ディズニーのアニメに登場する世界一有名なアヒルです。本名はドナルド・フォントルロイ・ダック。1934年6月9日『かしこいめんどり』以来、出演回数は兄貴分のミッキーマウスすら凌ぐ170回超。
 その特徴はなんと言ってもあの甲高い声でしょう。なにせミッキーマウスやグーフィーに聞き取ってもらえず、会話が成立しないことさえあるのです。ヘリウムガスを吸い込んでドナルドの声のように変化する現象は「ドナルドダック効果」と俗に呼ばれます。
 なおドナルドはミッキーマウスに次いでキャラクターとして二番目にハリウッドの殿堂入りを果たしました。ちなみに三番目はゴジラ。
 そんなドナルドダックですが、実は彼は我々日本人には想像もつかないような作品に登場していたのです。








Der Fuehrer’s Face



 たいした武勲だ。鉄十字勲章ものだな。

 ナチスから勲章もらってどうするというツッコミはスルーしておいて、作品の紹介に移ります。
 タイトルは『Der Fuehrer's Face』。“総統の顔”と題されたこのアニメは、ぶっちゃけ第二次世界大戦中に造られた戦意高揚のためのプロパガンダ映像です。
 戦時色が濃い当時ではディズニーの真骨頂であるメルヘンチックなアニメは受け入れられませんでした。さらに海外の市場が閉鎖されたために大打撃を受け、アメリカが参戦すると若いアニメーターも徴兵に取られていきました。そんなわけで経営が苦しくなったディズニーは、アメリカやカナダの政府機関や軍事関連企業をパトロンにプロパガンダ映像を造りまくったのです。
 『白雪姫』に登場する七人のドワーフ小人が宝石を採掘して得た金で戦時国債を買う『Seven Wise Dwarfs』とか、“枢軸軍をぶちのめすための税!”を合言葉にドナルドダックが嬉々として新しい税金を納める『The New Spirit』とか、何の茶番だと叫びたくなるようなアニメが目白押しです。

 それはさておき、『Der Fuehrer's Face』について。
 舞台は枢軸国によって統治されていると思しき「ナチランド」。ナチスの制服を着た四人組の楽隊がリズムに乗って行進します。たまにハーケンクロイツが卍に描かれるのはご愛嬌。
 ヒトラーの顔をデフォルメしたようなデザインの家でドナルドダックは眠っています。右手を突き出すナチス式の敬礼をパロった目覚まし時計が鳴りますが、予定調和のようにドナルドは寝惚けて破壊。すると今度はヒトラーを模したハト時計が登場します。こちらも何か物をぶつけられて沈黙。仕舞いには雄鶏までナチス式の敬礼をする始末です。
 結局、銃剣で突付かれて起こされたドナルドは三枚の肖像画に敬礼します。ヒトラーとムッソリーニは理解できるのですが……昭和天皇の御真影が飾られているのは何の冗談だ。そこはフツー東条英機だろ。ついでに言えば枢軸側の人間はB29で爆撃されても「ハイル、ヒッロォヒットォ!」などと御名で呼んだりはしません。
 まだはっきり覚醒していないドナルドはベッドに戻ろうとしますが水をぶっ掛けられ、ナチスの制服に着替えます。ノコギリを使わなければ切り取れないガチガチの食パンを食い千切っていましたが、冒頭の楽隊に蹴飛ばされながら兵器工廠に連れて行かれます。
 真っ赤な背景に映える煙突だらけの工場。いかにも悪の秘密基地といった感じです。そこでドナルドはベルトコンベアに乗せられてやって来る膨大な数の砲弾を組み立てていきます。たまに流れてくるヒトラーの写真には律儀に敬礼。ちょっとでも手を抜くと銃剣に脅され、スピーカーに怒鳴られます。やがて耐え切れなくなったドナルドは癲癇を起こし、サイケな幻覚まで見てしまいます(けっこう見ごたえアリ)。
 そんなドナルドが目を覚ますと、そこは自宅のベッドでした。パジャマは星条旗模様。右手を突き上げている影に驚いて「ハイル、ヒトラー!」とやり掛けますが、それは自由の女神のレプリカの影でした。ドナルドは自由の女神にキスをして抱きつき、アメリカ礼賛を始めます。その後、場面が変わってヒトラーの顔が映し出され、トマトがぶつけられてTHE END。

 夢オチという最低の手法で終わらせた『Der Fuehrer's Face』ですが、その年のアカデミー賞短編アニメ部門を受賞しています。とりあえずアメリカ万歳やっておけば受けるという不文律を体現したようなアニメでした。
 ま、プロパガンダなんだからビールのジョッキを振りかざしながら「USA! USA!」と連呼するデブハゲブルーカラー親父にも理解できるような単純な内容じゃないとダメってことでしょう。

 あ、『Der Fuehrer's Face』はYouTubeでアップロードされているので紹介しておきます




少年ジャンプ ワールドトリガー 斉木楠雄のψ難 ハヤテのごとく! 銀の匙
  • seo
Wizardry Ring
[ Back ][ Random ][ List ][ Next ]
ブログパーツ